在留邦人向け安全の手引き 在仏日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


(※)
在外公館別マニュアル集フランス共和国は全4ページあります。
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安全の手引き
~緊急事態対処マニュアル~
<フランスで安全に暮らすために>

平成24年2月版
在フランス日本国大使館

はじめに

フランスは絵画や音楽、ファッションなどの芸術面において世界をリードする地位にあり、世界中から多くの観光客が訪れています。この文化豊かなフランスは、皆様の目から見て安全な国でしょうか。2010年1年間に在仏日本国大使館領事部で取り扱った邦人援護件数は約880件(約930名)に上ります。2009年1年間の邦人旅行者数(約50万人)と当館管轄内の在留邦人数(約2万2千人、2010年10月現在)を併せた約52万2千人と比較すれば、実際に被害に遭われる方はほんの一握りの方々で,ほとんどの方は無事に旅行を終えられ、帰国なさっています。しかし、盗難等の被害は後を絶たず、パリ市内でも地区によっては危険な場所もあります。また、大都市郊外の治安悪化地区を中心にフランス全土で年間約3万台の車両が放火されているとの事実もあります。

現在の国際テロ情勢から見れば、都市部での大規模テロ事件等が発生する危険性は引き続き存在すると考えなければなりません。

また、フランスでは、2005年10月にパリ市郊外で起きた若者3人の死傷事件に端を発し、大都市郊外の治安悪化地区において、若者らによる公共施設等への投石や路上の自動車への放火などの騒擾事件が発生しました。フランス政府は、同年11月8日に非常事態法に基づき、県知事に夜間外出禁止令発令権限を与えるなどの措置をとりました。これらの一連の事件で邦人の皆様が直接的な被害に遭った等の連絡はありませんでしたが、このような事態が発生した社会構造は基本的に変わっておらず、今後とも、同様の事態が起こる可能性は否定できません。

当館では、皆様が安全対策を実行されるに当たって、被害事例や対処方法などをお知らせすることにより、被害に遭わない、被害を出来るだけ防ぐために助言をさせていただく目的で本マニュアルを作成しました。

本マニュアルを参考に各自で対策を実行し、フランス滞在が安全なものとなるようお気を付けください。

Ⅰ.盗難被害の実態

全体像

大使館領事部には、旅券や財布の盗難などに遭い、旅券の発給等の申請に来られる方が多数いらっしゃいます。2010年の1年間に当館で認知した強盗・窃盗の被害に遭われた邦人の方は約600件、被害人数は約640人となっており、3年連続前年を上回っています。

当館では、被害事例の分析を行い、フランス官憲に被害事例(個人情報は除く)を提供するなど、被害防止に関して申し入れを行っています。

強盗・窃盗被害件数・人数の推移
グラフ
被害者像

被害者の男女比:男性4割 女性6割

被害報告を見る限り、全体の約6割が女性の被害です。これは、日本人は現金を持ち歩くと認識されている上、女性がハンドバッグを所持しているため、狙われやすいことが原因かもしれません。

被害地域

パリ市内及び近郊9割、その他1割

全体の約9割がパリ市内及び近郊における被害です。犯罪の形態としては、スリ被害、置き引き被害が約9割を占めています。また、被害に遭う場所としては、約4割がメトロ(地下鉄)内で発生している他、有名な観光地やその近くの路上でも2割ほど発生しており、特にこれらの場所では注意をする必要があります。

Ⅱ.盗難対策「外出先での安全確保」

在留邦人の皆様は、スリ、ひったくり、置き引きなどの犯罪被害には、日頃から相当注意されているものと思います。一般的には、貴重品はなるべく携行せず、現金等は分散して所持すること等が必要ですが、これらに併せ、改めて、以下の点にご留意ください。

~被害に遭わないようにする~

被害に遭わない秘訣 1:スキを作らない

犯人はあなたの行動を見て、スキがあるかどうかを判断します。

  • ①おしゃべりに夢中になる。
  • ②ショッピングに気をとられる。
  • ③両手に買い物袋などを持つ。
  • ④バッグの口が開いている。
  • ⑤荷物の中身がとりやすい。
  • ⑥荷物を置いたまま離れる。
スキはありませんか。
ベビーカーを押している人も要注意です。
スキを作らないようにすることは簡単なことですが、これを持続することは大変です。在留邦人の皆様の中には、マルシェでスリに遭われる方もいらっしゃいます。人混みでは、一瞬気が散るなどスキが出来てしまいますので注意が必要です。
被害に遭わない秘訣 2:1分1秒、2分2秒、3分3秒

1分の間に1秒だけだったらできるはずです。

常にスキを作らないよう気を配るのは大変です。今いる場所の危険度に応じて、間隔を開けてもいいでしょう。1分1秒、2分2秒、3分3秒だけ、自分にスキがないか振り返ってみてください。

  • ①バッグに手を添える。
  • ②ポケットに手を当ててみる。
  • ③チャックが閉まっているか調べる。
  • ④歩いているところが危なくないか注意する。
  • ⑤怪しいバイクがつけてこないか振り返るなどし確認する。

これだけであれば、3秒もあれば十分です。

危険信号 1:スキを作られる

あなたがスキを見せなくても、スキを作られることがあります。

  • ①エスカレーターで物を拾うふりをして立ち止まる。
    (後ろにいるあなたがそれに気を取られている間に、さらに後ろにいる仲間が物を盗る)
  • ②時間や道を聞いたり話しかける。
    (話しかけてきた人に気を取られている間に仲間が物を盗る)
  • ③周りを取り囲んでしまう。
    (注意する人が多くて気が回らない)
スキを作られそうになったときは、相手の手にのらないでやり過ごすことです。
ベビーカーを押している人も要注意です。
前の人が立ち止まる、話しかけられるなど、誰かにスキを作られそうになったら「まず荷物を抱える」ことが大切です。まずは落ち着いて荷物を確保しましょう。
危険信号 2:オートバイによる引ったくり

オートバイによる引ったくりは非常に危険です。

歩道を歩くときは建物側を歩き、バッグなども建物側に持つなどの対策が有効でしょう。なお、バッグを盗られないようにしっかり持っていたため、引きずり倒されて打撲、骨折をした人もいます。できるだけ盗られないように注意することは勿論ですが、盗られてしまったら、自分の身の安全も考え、バッグから手を離すことも必要かも知れません。

危険信号 3:車に関する盗難(自動車盗難又は車上狙い)

どのような被害があるのでしょうか?

  • ①駐車した車を盗まれる。
  • ②車中に置いた物を盗まれる。

なお、渋滞中や赤信号で停車していると、突然ドアを開けられたり、窓ガラスを割られ、膝や座席の上に置いたバックの盗難に遭うという例も頻発しています(特にCDG空港からパリ市内に向かう道路上)。

また、パリ近郊の人気のない場所にある赤信号で停車中に後ろから車に追突され、事故処理のために降車したところ、覆面の男に脅され、ひるんだ隙に車を持ち去られるというカージャック被害も発生しています。

車を駐車するときは・・・。
①短時間であっても鍵をかける。
②外から見える場所に物を置かない(荷物は極力トランクに入れる)。
③渋滞や赤信号で停車した際には周囲に十分注意する。
危険信号 4:睡眠薬を使用した犯罪

睡眠薬はたとえ少量であっても大変危険です。

パリ市内において、エッフェル塔など観光名所を散策中、欧米系の男性から英語で話しかけられ、チョコレート、アイスクリームなどを勧められるまま口にしたところ、突然意識を失い、気がついた時には所持品を盗まれていたといったケース、邦人女性がカフェにて飲食中、流暢な日本語で話しかけられ、相手の勧めに応じてビールを飲んだところ、意識を失い、暴行されたといったケースもあります。

むやみに見知らぬ人から飲食物を勧められても、断る勇気が必要です。

見知らぬ人を無条件に信用しない

危険信号 5:偽警察官による詐欺被害

警察官が公道上で財布等の提示を求めることはありません。

シャンゼリゼ通りを歩行中、私服警察官を称する男性が近寄り、偽札の検査をしているとして財布の提出を求められたため、一時的に財布を渡した。その後、財布の返還を受け中身を確認したところ、紙幣が抜き取られていた。また、オペラ通りを散策中、地図を持った男性が近寄り、道を尋ねられたため対応していたところ、麻薬の捜査をしているとして警察官が近寄り、財布の提示を求められ、財布を渡した。その後中身を確認したところ、紙幣が抜き取られていたといった偽警察官による被害があります。

  • 地図を広げ道を尋ねる外国人らしき人物から話しかけられた場合には、先ず警戒し、断っても尚しつこく話しかけてくる場合には、速やかに立ち去る。
  • 私服警察官を装う不審な人物には注意する。

人気の少ない路地裏では周囲に十分気をつける事

危険信号 6:メトロ内におけるスリ被害

犯罪者は常にあなたの行動を観察しています。

パリ市内はメトロ(地下鉄)が発達しており、市内の移動手段としては利便性も高く、多くの日本人観光客が利用していますが、車内でのスリ被害が多発しています。

地下鉄に乗車した際、数人の子供(或いは女性)に取り囲まれ、身動きを取れなくされた上で気がついたらバッグの中から財布を盗まれるケースや、地下鉄駅ホームで男性から「背中が汚れているので、上着を脱いだ方がよい。」と促され、その汚れを拭いている隙に、足下に置いたバッグを取られ、走って逃げられる等のケースもあります。

被害の多くは混雑時の電車内、或いはホーム上での被害です。以下の注意事項を参考に安全対策に心がけてください。
①ハンドバッグ等は、留め具やファスナーをしっかり閉め、ファスナー部分を内側にして体の正面でしっかり持つ。
②パスポートや財布等の貴重品は内ポケットに入れ、ズボンの後ろポケットなど他者が容易に見える状態にはしない。
③ホーム等地下鉄駅構内では常にバッグ等の所持品に気を配る。

Ⅲ.盗難対策「住宅の安全確保」

フランスに滞在中の皆様は、アパート内自室への侵入盗対策をとっていらっしゃいますか。

パリ警視庁等から入手した最近の侵入等の特徴、手口などをご紹介しますので、アパートへの侵入対策をとられることをお勧めします。

最近の手口・傾向

「たまたま盗」の増加

たまたま盗とはアパートの門扉や内扉がたまたま開いているところが狙われる事案です。例えば、管理人がゴミ出しなどでたまたま扉を開けているような状態が狙われることとなります。泥棒はそのようなアパートを常に物色しているそうです。

さらに、アパートの中でも、たまたまドアが開いている玄関を探すか、鍵を壊して室内に侵入するそうです。

また、既遂が減少し、未遂が増加しているとのことです。

このようなことから、ある程度の防御を施せば泥棒は侵入を諦めるようです。日本では侵入に5分以上かかると泥棒は諦めるそうです。フランスでもさほど変わりはないと思われますので、簡単に室内に侵入できないよう、次のような対策を講じることをお勧めします。

対策
①玄関扉、窓の鍵をきちんとかける。
②オートロックの場合であっても内側から確実に施錠する。
③アパートの自室の鍵はできるだけ入居時に変える(前住者が合鍵を持っている可能性もあります)。
④ベランダの窓などから侵入が容易な場合には、窓の内側に植木を置く(簡単に侵入できないようにすると効果的です)。
住宅の選定に当たっての対策
①地上階などに店舗が入っていない建物。
②なるべく上の階。
旅行などで長期不在になる場合の対策
①郵便受けに郵便物がたまらないようにする。
②新聞の配達を受けている場合には配達を一時取りやめる。
③タイマーなどにより、夜間に電灯をつける等し、不在であることがなるべく知られないようにする。

Ⅳ.被害を抑えるための対策と被害後の対策

被害防止策 1:貴重品は分散する。

いくら自分でスキがないようにしていても、物を盗られることはあります。

貴重品はまとめて所持せず、分散して持つことが被害を最小限に抑える一歩です。スリや置き引き犯の狙いは主に現金です。財布がありそうなところを狙ってきますので、バッグの中に財布と貴重品を一緒に入れていると、万が一バッグを盗られたときに何も無くなってしまいます。現金とクレジットカード、パスポートはそれぞれ分散して持つことを心掛ければ、万が一盗難にあっても被害は少なくなります。

被害防止策 2:パスポートは単独で所持。

現金とパスポートを一緒に所持していると、現金とともにパスポートも盗られます。

パスポートを単独で持っている場合に、パスポートのみを盗られるということは殆どありません。パスポートは大事なものなので、ついつい現金やクレジットカードなどの貴重品と一緒に持つようになりがちですが、パスポートは貴重品とは別に、単独でお持ちになることをお勧めします。また、ご夫婦、ご家族のパスポートをまとめて所持されている方がおりますが、それぞれがお持ちになることをお勧めします。万が一盗難などの被害に遭われると、旅行日程の変更を余儀なくされる場合もありますので、ご注意ください。

~被害に遭ってしまったら~

パスポートの盗難

盗難や紛失などでパスポートを無くしてしまった場合には、次の二つの方法があります。

  • ①盗難・紛失に伴うパスポートの新規発給
  • ②「帰国のための渡航書」の発給

在留邦人の皆様は、基本的にはパスポートの発給を希望されると思われますが、発給には時間を要しますので、他国に赴くことなく日本に直接帰国される場合には、「帰国のための渡航書」にて帰国することが可能です。

※必要書類

パスポート、帰国のための渡航書の発給には以下の書類が必要です。なお、帰国のための渡航書申請の際、戸籍謄本、運転免許証等がない場合は、領事部窓口にご相談ください。

  • (1)申請書(来館時に記入)
  • (2)警察の盗難届証明書 (Récépissé de déclaration de vol)
  • (3)戸籍謄本(抄本)6ヶ月以内に発行されたもの
  • (4)写真2葉(縦4.5㎝×横3.5㎝) 6ヶ月以内に撮影したもの。
  • (5)本人が確認できる書類 日本の運転免許証等の公文書(国際免許含む)
  • (6)フランス滞在許可証(提示) ※在留邦人の方の場合
  • (7)日本への航空券(航空券予約証明書) ※「帰国のための渡航書」の申請の場合のみ
クレジットカードを止めましょう

クレジットカードを盗られた場合、早急に使用停止の手続きを取りましょう。

(この手続きは、本人以外にはできませんのでご注意ください)

アメリカンエキスプレス(American Express
電話:0-800-908-391(グリーンカード、24時間日本語対応)
0-800-908-629(ゴールドカード、24時間日本語対応)
0-800-902-535(プラチナカード、24時間日本語対応)
ビザカード(Visa Card
電話:0-800-919-552(24時間日本語対応)
マスターカード(Master
電話:0-800-901-387(英、仏語)
JCBカード
電話:00-800-00090009(24時間日本語対応)
UCカード
電話:00-800-800-800-58005(24時間日本語対応)
DCカード
電話:00-800-3770-1818(24時間日本語対応)
ダイナースカード(Dinars
電話:+81-3-4330-0024(コレクトコール可、24時間日本語対応)
シティバンク(CitiBank
電話:+81-45-330-2890(コレクトコール可、24時間日本語対応)
カルトブルー(Carte Bleue
電話:0-892-705-705(仏語)
日本へのコレクトコール(KDDI)
日本で発行されたカードであれば,このコレクトコールを通じ各カード会社の緊急連絡先へつないでもらうことも可能です。また,この番号へは,公衆電話からも無料で通話が可能です。
電話:0-800-990-081(24時間日本語対応)
警察への被害届

盗難被害(物損)は海外旅行傷害保険でカバーされることがあります。

保険で損害をカバーしてもらうためには、警察に被害を届け出て「盗難届証明書(Récépissé de déclaration de vol)」を作成してもらう必要があります。

なお、パリ市内の代表的な警察の所在地は下記の通りですが、電話では予約・作成を依頼することは出来ませんので、直接、最寄りの警察に出向いてください。

パリ警察署リス(2012年2月現在)
管轄区 住所 電話番号
第01区 Commissariat Central 45,Place du Marche St-Honore 電話:01.47.03.60.00
第02区 Commissariat Central 18,rue du Croissant 電話:01.44.88.18.00
第03区 Commissariat Central 4-6,rue aux Ours 電話:01.42.76.13.00
第04区 Commissariat Central 27,boulevard Bourdon 電話:01.40.29.22.00
第05区 Commissariat Central 4,rue de la Montagne Ste-Genevieve 電話:01.44.41.51.00
第06区 Commissariat Central 78,rue Bonaparte 電話:01.40.46.38.30
第07区 Commissariat Central 9,rue Fabert 電話:01.44.18.69.07
第08区 Commissariat Central 1,avenue du General Eisenhower 電話:01.53.76.60.00
第09区 Commissariat Central 14 bis,rue Chauchat 電話:01.44.83.80.80
第10区 Commissariat Central 26,rue Louis Blanc 電話:01.53.19.43.10
第11区 Commissariat Central 12-14,passage Charles Dallery 電話:01.44.89.64.70
第12区 Commissariat Central 80,avenue Daumesnil 電話:01.44.87.50.12
第13区 Commissariat Central 144,boulevard de l'Hopital 電話:01.40.79.05.05
第14区 Commissariat Central 114-116,avenue du Maine 電話:01.53.74.14.06
第15区 Commissariat Central 250,rue de Vaugirard 電話:01.53.68.81.00
第16区 Commissariat Central 62, avenue Mozart 電話:01.55.74.50.00
第17区 Commissariat Central 19-21,rue Truffaut 電話:01.44.90.37.17
第18区 Commissariat Central 79-81,rue de Clignancourt 電話:01.53.41.50.00
第19区 Commissariat Central 3-5,rue Erik Satie 電話:01.55.56.58.00
第20区 Commissariat Central 3-7, rue des Gâtines 電話:01.44.62.48.00

Ⅴ.緊急事態に備えた心得 1

フランスにおいては、最近は、大規模テロ等の緊急事態は発生していません。

しかしながら、テロの脅威を無視することは出来ません。また、大規模な事件・事故が発生した場合など、日常生活に甚大な影響を及ぼす可能性もあります。

そのような緊急事態に際して、在留邦人の皆様が的確、且つ迅速に対応できるよう「平素の心構え」「準備」「緊急時の行動」について、最も重要と思われる点を簡単にまとめました。

以下を参考にしていただき、危機に際し、落ち着いて行動できるよう心掛けてください。

平素の心構え

緊急時に最も重要なことは「情報」です。

何処でどのようなことが起きているのか、発生した事態により誰がどのように影響を受けているのかといった事件情報を集めることや、家族や知人、友人、同僚などの家族の安否情報、さらにはこの事態にどう対処すればいいのか等、これらの情報を集めるとともに、自分や家族の安否情報を関係する人に発信していく必要があります。そのためにはパニックに陥らないよう、予め関係者の連絡先を書いたリストなどを作っておいたり、想定される避難場所を決めておく必要があります。また、このような緊急事態が発生した際には流言飛語(デマ)が飛び交うことが多いので、確実な情報に基づいて行動する冷静さが必要です。

準備

食料品等の備蓄

フランスでは、特に大規模な物品の備蓄は必要ないと思われますが、緊急事態発生時には付近での買い物が困難になる可能性がありますので、食料、飲料水、乾電池等,ある程度保管しておくことをお勧めします。

緊急事態ではありませんが、2010年9月のスト発生時に、ガソリンスタンドに給油待ちの車が長蛇の列を作ったのは記憶に新しいところです。

Ⅵ.緊急事態に備えた心得 2

連絡体制の整備

在留届は提出していらっしゃいますか?

在留届は外国に3ヶ月以上滞在する方が提出することになっています。緊急時の連絡先を把握する資料として非常に役立ち、領事サービスを提供する際の基礎になるものですので、必ずご提出ください。

また、住所、電話などの記載事項の変更や帰国、転勤などフランスを離れる際にも必ず書面でご連絡ください。

  • ①フランスに3ヶ月以上滞在される方は、必ず在留届を提出してください。
  • ②在留邦人の皆様で、在仏日本人会会員(日本人会の連絡網に登録されている方)、在仏日本商工会議所会員企業所属の方以外の方は、当館との間に連絡網が構築されておりません。そのような方は、知り合いや身近の方でグループを作るなどし、緊急時に連絡を取り合うネットワークを作成し、万が一に備えてください。
  • ③緊急事態に備え、家庭や会社、団体などを構成する方はそれぞれの日常の行動、通勤、通学の経路、利用交通機関などの情報をお互いに把握しておいてください。
  • ④緊急事態が発生した場合は、大使館ホームページ(http://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/別ウインドウが開きます)や日本大使館メールマガジン、安全対策ネットワークを通じ、緊急情報を発出します(メールマガジン、安全対策ネットワークの加入登録方法は当館ホームページに掲載されております)。なお、NHK海外放送などを通じて情報を提供することがありますので、これらメディアにもご注意ください。
  • ⑤緊急時には携帯電話は長時間使用不可能になることも想定されます。場合によっては、固定電話も不通になることもあり得ますので、そのような場合の情報伝達手段につき予め検討しておく必要があります。また、緊急時の集合場所、一時避難先などを予め決めておくことをお勧めします。
  • ⑥緊急連絡先などはメモにして常時携帯するようにしてください。携帯のメモリーはバッテリーが有効な間しか使用することが出来ませんので、メモリーに頼ることは十分ではありません。
緊急時の行動
冷静
緊急時には、事態の迅速・正確な把握が困難なこともあり、パニックに陥りがちです。冷静に、落ち着いて、まずは連絡すべきところに連絡するよう心掛けましょう。
情報の選別
緊急時には様々な情報が飛び交います。その中には事実に反するいい加減な情報もありますので、誤った情報に惑わされないよう、また、流言飛語(デマ)にも十分ご注意ください。
行動
緊急事態に遭遇した場合、現場からなるべく遠ざかる必要があります。現場では相当な混乱が予想されますので、速やかに現場を離れ、大使館、或いは自宅などに安否の連絡をしてください。
主な緊急連絡先
<在仏在外公館>

在フランス日本国大使館 : 01.48.88.62.00

在ストラスブール総領事館 : 03.88.52.85.00

在マルセイユ総領事館 : 04.91.16.81.81

在リヨン出張駐在官事務所 : 04.37.47.55.00

<在仏関係機関:団体>

在仏日本人会 : 01.47.23.33.58

在仏日本商工会議所 : 01.45.63.27.42

パリ日本人学校 : 01.30.45.34.34

パリ観光局(OFFICE DU TOURISME ET DES CONGRES DE PARIS
25,rue des Pyramides 75001 Paris
08.92.68.30.00
http://ja.parisinfo.com/別ウインドウが開きます

警察:17(携帯からは112)

消防:18

SAMU:15

<その他>
<日本語の通じる病院・医師>
Hopital Americain(アメリカン・ホスピタル):
63,Boulevard Victor Hugo,92000 Neuilly-sur-Seine
電話: 01.46.41.25.25(代表)、01.46.41.25.15(日本人セクション)
Dr.Patrick DOUIEB(内科・小児科・産婦人科):
65bis,avenue Victor Hugo,92100 Boulogne-Billancourt
電話: 01.46.03.37.24
Dr.Brigitte INAZUMA(針灸治療):
127,rue Lafayette,75010 Paris
電話: 01.48.78.22.33
Dr.Takeshi KONDO(循環器内):
55,avenue du Maine,75014 Paris
電話: 01.42.79.03.81
Dr.Remy TANIMURA(歯科):
8,place General Catroux,75017 Paris
電話: 01.56.33.39.00
Dr.Hiroaki OTA(精神科、心の健康相談):
59,boulevard Victor,75015 Paris
電話: 01.45.33.27.83
<弁護士>
橋本国際法律事務所:
71, Avenue Kléber 75116 Paris
電話: 01.47.20.23.18
ミゲレス・ムラン総合法律事務所:
45, Avenue Montaigne 75008 Paris
電話: 01.58.05.37.37
セーヴェーエムエル法律事務所:
91, Rue du Faubourg Saint-Honoré 75008 Paris
電話: 01.55.73.20.20
ポアザ弁護士:
3, Place André Malraux 92390 Villeneuve la Garenne
電話: 06.63.74.84.54
<法定翻訳家>
前野寿邦氏:
9,rue de l'Echelle,75001 Paris
電話: 01.42.86.85.58
JIC(法定翻訳事務所):
10,rue de Louvois,75002 Paris
電話: 01.40.20.43.86

Ⅶ.出入国時の留意事項

1.査証(VISA)

フランスの査証は、長期滞在査証(VISA DE LONG SEJOUR:D、1年有効の数次入国査証)と短期滞在査証 (VISA DE COURT SEJOUR:C) に大別されますが、原則として、日本人は短期滞在査証を取得する必要がありません。

フランスに長期滞在査証を取得して滞在する場合、入国後に各種手続きが必要になりますので、下記を参考にして手続きを行ってください(手続き内容の詳細については、入国後,各手続き先にお問い合わせください)。

2.短期滞在者(観光・商用・知人訪問)

(イ)日仏間には査証免除取極が結ばれているため、観光・短期商用(報酬を得ないもの)・知人訪問等、就労を伴わず且つ3ヶ月を越えない滞在の場合は、フランス入国査証は不要となっています。なお、日本人に対するフランスの入国審査は、比較的緩やかとの印象を持ちますが、入国審査担当官は、審査の際に以下の事項について職務質問する権限を持っています。

(a)フランスに滞在する期間中の滞在費を十分に有しているか(現金・トラベラーズチェック・クレジットカードなどで十分な滞在費を証明することが必要)。

(b)フランスにおける滞在先が確保されているか(例えばホテルの予約証明書、団体旅行者である事の証明)。

(ロ)日本からフランスをはじめとするシェンゲン協定加盟国(注)内に短期滞在する場合、シェンゲン加盟国内では、最初に入国した日を基準として、その後半年間に90日以上滞在することは認められていません。例えば、フランス、イタリア、ドイツにそれぞれ30日間(計90日間)継続して滞在後、日本に帰国し、1ヶ月後に再度フランスに短期滞在することは出来ないことになります。

(注)シェンゲン協定加盟国(2009年6月現在):アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ

3.長期滞在者(就労・留学・仏人の配偶者等)

3か月以上フランスに滞在する場合は、長期滞在査証を取得して入国するとともに、フランス入国後、居住地が決定次第、2か月以内を目途にOFII(フランス国立移民・同化事務所)に対してフランス滞在の事実を報告した上で手続きを行い、認証(VIGNETTE)が旅券上に貼付されるまで,たとえ有効な査証を有している場合であっても、正規滞在者とみなされませんので注意を要します(従って、この認証が添付されるまで、仏国外への出国はお勧めしません)。

なお、査証の有効期間を超えて滞在を希望する場合には,同査証が失効する少なくとも2か月前には、居住地を管轄する県庁(パリにおいてはパリ警視庁)等に滞在許可証取得申請を行うことになります。滞在許可証を取得した後は、同許可証を随時更新していくことになります。

他方、フランスの長期滞在査証を入手した場合であっても、滞在資格によっては査証の有効期限が3か月となっている場合がありますので、その時にはOFIIへの手続きをすることなく、居住地が決まり次第、居住地を管轄する県庁等に滞在許可証の発給申請を行うことになります。滞在許可証の発給申請は、入国後遅くとも2か月以内の査証有効期限内に行う必要があります。

なお、ワーキング・ホリデー査証を取得して入国した場合は、滞在許可証の取得を免除されていますので、OFII及び居住地を管轄する県庁等に対する手続きは不要ですが、就労する場合には臨時就労許可証(AUTORISATION PROVISOIRE DE TRAVAIL)の取得が必要です。

査証申請は在日本フランス大使館で行いますが、査証申請のために必要な書類はフランスへの渡航目的及び滞在期間によって異なるので、在日本フランス大使館に直接お問い合わせください。

また、長期滞在者がお子様を同伴してフランスに滞在される場合、お子様が18歳以上の場合は滞在許可証を、18歳未満の場合には「Document de circulation」と称する証明書を取得する必要があります。この証明書は、両親の滞在許可証取得後、居住地を管轄する県庁(パリ市在住の場合はパリ警視庁)にて申請することになります。

4.フランス滞在に関する罰則

不法に滞在期間を越えて滞在したり、滞在許可証を取得せずに居住を続けた場合には、法律上1年の禁固及び罰金を課せられることがあります。更に国外退去の上、最高3年のフランス入国禁止措置が適用されることもありますので、滞在期間は遵守してください。

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