在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
2012年3月1日
在フィジー日本国大使館
この手引きは、フィジーにお住まいの方や長期滞在される方々に、より安全にお過ごし頂くための参考資料として作成したものです。フィジーは、「南太平洋に浮かぶ常夏の安全な島」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、民族問題や政治問題に起因して過去3回に亘りクーデター事件が発生し、銃撃による死傷者や放火・暴動による商店等の焼き討ち等も起きています。
また、国際テロリストの活動形態の多様化により、フィジーのような南太平洋の島国は「ソフトターゲット(攻撃しやすい比較的警備の緩やかな目標)」として狙われる可能性も否定できない状況になっています。
更に、首都スバ市、西部のラウトカ市、ナンディ町等の人口が集中した都市部などでは治安が悪化しており、日本からの旅行者や在留邦人の方々も、スリやひったくりに加え住居・ホテル侵入強盗、路上での傷害強盗、性犯罪被害に遭っています。被害を未然に防止し、また、万一事件に遭遇してしまっても被害を最小限に留めるためには、個々人が現地でどのような犯罪が発生しているかを把握し、各種対策を立てて行動することがまず基本となります。つきましては、本マニュアルを参考として、防犯対策に役立てて頂ければ幸いです。
様々な面で日本と文化や環境が異なる海外においては、「自分の身は自分で守る」といった心構えを強く持ち、常に安全対策に努めることが重要です。普段から正確な情報を収集し、対策を立て、被害を未然に防止するとともに、万が一犯罪等に巻き込まれてしまった場合には、冷静に対処するよう心掛けて下さい。この手引きでは、実際に邦人の方が被害に遭われた事例をもとに、その対策、着意事項及び処置要領等を記載致しておりますので参考にして下さい。
フィジーでは、貧富の格差、失業者の増加やモラルの低下を背景として、近年住居・ホテル侵入強盗、路上での傷害強盗、スリ、ひったくり、空き巣、性犯罪、違法薬物売買、外国人に対する詐欺事件等の犯罪が多数発生しており、治安の悪化が懸念されております。入手可能な最新の当地警察当局発表の犯罪統計(2010年)によると、強盗や住居侵入強盗事案等の対物犯罪が全体の60%を占めており、続いて対人犯罪24%、刑法違反行為8%、公衆道徳5%、法律違反3%となっています。スバ、ラウトカ、ナンディ周辺では、ケーンナイフ等を使用した複数犯(多いときは10人以上)による商店や富裕層の住居を狙った侵入強盗が多く発生しており、その際被害者が負傷するケースも少なくありません。また、昼夜を問わず、路上でのスリ、ひったくりが発生しており、日本人も多数被害に遭っています。とくに、年末のクリスマス前後の時期は、一年の中で、もっとも犯罪件数が増加しますので注意が必要です。
当地の警察は拳銃を携行していないため(警棒及びペッパースプレーのみ)、武装した犯罪者に対してはほとんど無力であり、また、車両不足等の事情により、緊急時の機動性、即応性がほとんど期待できないのが現状です。
日本からの旅行者や、留学生、長期滞在の邦人の方が犯罪に巻き込まれるケースが年々増えつつあります。最近の主な被害例と防犯対策を以下に例示しますので参考にして下さい。
夕方、勤務先から帰宅して自宅敷地内の駐車場で車を降りた途端、予め内部に潜んでいた3人の賊が襲撃。賊らは、ナイフで脅しつつ体にロープを巻きつけ、自宅を開放させた上で金品を巻き上げ逃走(このような住居侵入強盗は、人口の集中した都市部で多発しています)。
最近、邦人旅行者等がホテルで就寝中に、ベランダや窓から強盗が侵入し、金品を強奪される事件が発生しています。
路上での犯罪は多様化していますが、特に以下の項目について注意してください。
短期滞在者が、ナンディ地区でミニバスを利用した際に、法外な料金を要求され、これを拒否したためドライバーとグルの乗客に暴行され所持品全てを強奪されるという被害が発生しています。
近年、麻薬(薬物)の不法生産、所持、販売等の犯罪が増加しつつあり、特に、フィジーは麻薬(薬物)密輸ルートの中継地となっていると考えられているため、治安当局は取り締まりを強化しています。違反者は外国人といえども例外的な取扱いはなく、厳しい処罰(懲役刑)を受けています。路上やディスコ等で観光客に麻薬らしき物を売りつけた後、捜査協力の奨励金目当てに警察に密告するようなケースも起きています。
フィジーの海岸の大部分は珊瑚礁に囲まれており、環礁の内側は比較的波が穏やかですが、外側は波が高く流れも早いので遊泳やシュノーケリング中に波にさらわれる事故が発生しています。また、ダイビング中にサメに襲われたと見られる行方不明事故も発生しております。
近年、車両の増加とともに交通事故も増加しつつあり、邦人が死亡事故に遭遇するケースも発生しております。交通事故に遭っても、被害者に対する事故の補償額は極めて低い上に任意保険に加入している車両も比較的少なく、また、交通事故の裁判には長期間(2~3年)を要するため、運転中に交通事故の被害に遭った場合には相手側に過失責任があっても、やむなく自分の車両の任意保険で修理費等を負担するケースが多くあります。
また、信号を無視した道路の横断や、横断歩道のないところでの道路の横断を取り締まっていることがありますので、道路の横断は適切に行うようにして下さい。
当地での道路事情、運転マナーは劣悪ですので、車を運転される場合は細心の注意が必要であり、特に次の点に注意して下さい。
フィジーでは、これまでのところテロ事件は発生しておらず、身代金目的の誘拐等も殆ど発生しておりませんが、常に最新の情報を収集し、不測の事態に備える必要があります。
フィジーでは、親権を持つ親であっても、他方の親の同意を得ずに子の居所を移動させること(親が帰国する際に子を同行する場合を含む。)は、子を誘拐する行為として重大な犯罪となる可能性がありますので、注意が必要です。
クライム・ストッパーズ 917、919
消防署、救急車 911
電話番号:330-4633
FAX:330-2984
閉館時緊急電話:999-4649
テロ、クーデター、サイクロン、大地震及び津波等の緊急事態が発生した場合には、落ち着いて、より適切に対処し安全を確保することが大切です。本マニュアルでは、特に普段から準備しておくべき事や事態発生時の対処要領を記載致しておりますのでご参照下さい。
(イ)当地に3ヶ月以上滞在する予定の方は、在フィジー日本国大使館(巻末に連絡先を記載)に「在留届」を提出していただいております。
(ロ)日本に帰国される場合や、長期に亘りフィジーを離れる予定のある方は、「帰国届」を提出して下さい。
(ハ)住所、電話番号、メールアドレス等の連絡先及び帯同者の内容等に変更があった場合は、その都度「在留届記載事項変更届」を提出して下さい。
(ニ)上述の「在留届」「帰国届」「変更届」は、下記のアドレスより、インターネットでも届出可能です。
大規模な緊急事態が発生した場合には、当館より安否確認や情報提供のためにお届けの連絡先に連絡致しますので、連絡手段は常に整備し確保しておいて下さい。
緊急事態の種類により、避難場所や方法が異なってきますので、下記の区分により予め避難場所を選定し、とるべき行動を決めておいて下さい。
(イ)自宅待機:特定区域で緊急事態が発生し、自宅周辺に直ちに影響が及ぼされる可能性が低い場合は、自宅に待機して連絡手段を確保しつつ情報収集に努める。
(ロ)一時退避:軽度の自然災害や火事等で居住地周辺に危険が迫り、自宅内に残留すると被害が及ぶ可能性が高くなった場合は、知人宅やホテルに避難し、大使館に連絡先を伝えるとともに情報収集に努める。
(ハ)国外退避:テロ、クーデター等のフィジー全土に渡る緊急事態が発生し、状況の悪化が予想される場合は、住居の戸締まり等を厳重に実施し、速やかに商用機等で国外退避する。
(ニ)緊急退避:テロ、クーデター等のフィジー全土に渡る緊急事態が発生し、自力での国外退路が断たれた場合は、大使館との連絡手段を確保したうえで、指示された集結場所、日時等に従い、チャーター機等によって国外退避する。
緊急事態が発生した場合には、食料、飲料水、医薬品、燃料等の入手が困難となることが予想されますので、普段より非常用物資を備蓄しておくよう心がけて下さい。また、国外に退避する場合に備え、必要事項を確認しておいて下さい。備えておいたほうが良い物資、事項等は概略以下のとおりです。なお、備蓄物資の中には長期保存に適さないものもありますので、随時使用期限を確認しておいて下さい。
(イ)非常用食料(10日分程度)
(ロ)飲料水(10日分程度)、飲料水用消毒液、容器
(ハ)医薬品
(ニ)燃料、懐中電灯、ろうそく、マッチ、乾電池
(ホ)トランジスタラジオ
(ヘ)衣類、寝具(毛布等)
(ト)食器、炊飯道具
(チ)携帯電話(予備バッテリーを含む)
(リ)旅券(有効期限が6ヶ月以上残っているか・・・残存有効期間1年未満から切り替えが可能です)
(ヌ)入国査証(退避先に応じて)
(ル)海外旅行保険
(ヲ)カード類
(ワ)現金(航空券購入費用:フィジードル及び主要国通貨)
緊急事態が発生した場合は、予め決めておいた避難方法に従い安全確保に努めると共に、可能な限り情報収集を行って下さい。
緊急事態が発生した場合は、大使館では在留邦人の皆様の安否確認を行っています。しかしながら、緊急事態発生の場合には、その多くの場合、電話回線が不通になるという事態に直面いたします。大使館よりも皆様への連絡に努めますが、可能な限り皆様からよりも大使館に連絡して頂ければと思います。なお、大使館では、緊急事態が発生した場合のみ以下の2回線を臨時開設しますのでご利用下さい。
(イ)331-9467
(ロ)331-9468
緊急事態が発生した場合は、大使館よりEメールや電話にて安否確認や情報提供を行いますが、事態が長期化した場合等には専用FM送信機を用い以下の周波数にて情報提供致します。
(イ)91.0メガヘルツ(主)
(ロ)90.6メガヘルツ(予備)
(ハ)91.4メガヘルツ(予備)
* 性能上、大使館より半径40キロメートル程度以内(西はパシフィックハーバー、北はコロボウ周辺まで)が受信可能となります。また、フィジー国内の民間放送を用いても情報提供する場合があります。
緊急事態が発生し、事態が長期化した場合には、外務省ホームページや海外向けラジオ放送のラジオ・ジャパン(短波による国際放送)でも情報提供致します。(9625キロヘルツ、13640キロヘルツ)
*放送時間8時55分~9時00分、9時55分~10時00分(海外安全情報)
事態の推移を勘案して、外務省より「退避を勧告します」が発出された場合は、可能な限り速やかに、各人で国外退避するようお願い致します。
事態が急速に悪化し、個人による国外退避が不可能な状態となった場合は、情勢を確認しつつ安全な場所を一時集結場所として指定します。
(イ)可能な限りグループを作り、自力で移動して下さい。
(ロ)自力での移動が不安な場合は、治安当局に対し安全確保を依頼して下さい。状況によっては大使館が支援します。
(ハ)チャーター機等で国外に退避する事態となった場合は、一時集結地場所から国際空港までの移動手段は大使館が確保します。
海外においては、「自分の身は自分で守る」の心構えで常に警戒心を持ち、万が一の場合に備えて普段から周到に準備しておくことが重要です。また、不幸にして犯罪や非常事態に遭遇してしまったら、努めて冷静に対応し、被害を最小限にとどめるようにすることも必要です。大使館と致しましても、皆様が少しでも安全にお過ごしになられますようご支援をさせて頂きますので、ご質問等がございましたら下記連絡先宛てにお気軽にご連絡下さい。
住所:Embassy of Japan
Level 2 BSP Life Centre,
Thomson Street, Suva, Fiji
(G.P.O.Box 13045)
電話:(+679)3304633,(+679)3302122
Fax:(+679)3302984,(+679)3301452
閉館時緊急電話:(+679)999-4649
領事班専用Eメール:ryoji.fiji@fj.mofa.go.jp