在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
2012年3月1日
在アラブ首長国連邦日本国大使館
中東情勢は,激動しています。アラブ首長国連邦の政情は安定しており,治安状態も良好ですが,周辺地域情勢の不安定化等の影響がどのような形で現れるか予断を許しません。また,その他の緊急事態のリスクにも日頃から備えておく必要があります。
国内情勢,周辺地域情勢の不安定化,大規模自然災害,テロ等緊急事態発生の際には在留邦人の皆様の安全確保のために在アラブ首長国連邦日本国大使館が全力で対応にあたります。
当館では,不測の事態が発生した際に,冷静且つ的確な対応ができるよう,平素からの準備や心構えなどの対応要領を手引きとしてとりまとめました。
この手引きは,アラブ首長国連邦に在留の皆様が,当地で生活される上で必要な緊急事態時及び防犯上気をつけるべきことを「在留邦人緊急事態対処マニュアル」及び「防犯の手引き」の2部構成でまとめてあります。
この手引きを一つの参考材料にして,いざという時に邦人同士が助け合い,落ち着いて余裕をもった対応ができるよう普段から準備を心掛けて頂くようお願いします。また,皆様におかれましても日頃から安全対策には万全を期すようお願いします。
2012年3月1日
在アラブ首長国連邦日本国大使館
ア 緊急時の連絡などで必要となりますので,「在留届」を当地に到着後,遅滞なく大使館に提出してください。なお,提出の際,必ず電話番号及びメールアドレスをご記入願います。当館から安全情報等をご連絡する際に必要になります。
(郵送,FAXの他,インターネットによる電子届出も可能です。また,住所,電話番号等届出事項の変更及び帰国の際には,その旨の届出(変更及び帰国届)も忘れずに提出して下さい。)
イ 緊急時には,当館より在留届に記載のあるメールアドレス宛に緊急一斉通報を行います。更に個別に皆様の所属先,自宅,携帯等に電話連絡します。引っ越し等で連絡先に変更があった場合には,速やかに当館領事警備班までお知らせ下さい。
内乱等による戦闘,騒乱などが発生した際には,事態が落ち着くまでは,自宅で待機して下さい。但し,自宅周辺が危険な状況で,一刻も早くその地域から離れる必要がある場合には,ホテルや友人,知人宅等安全と思われる場所への退避後に,出来る限り大使館へその旨を連絡するようにして下さい。また,大使館へ退避する場合に備えて,日頃より大使館に至るルートにつき,確認しておくようにして下さい。
ア 旅券,現金,貴重品等最低限必要なものは,直ちに持ち出せるよう予めまとめて保管しておくようにして下さい。
イ 緊急時には,一定期間自宅での待機をお願いすることもありますので,非常用食糧,医薬品,燃料等を最低10日分は準備しておくようにして下さい。
緊急事態の発生,または発生する恐れのある場合には,当館は邦人保護に万全を期すため,所要の情報収集や情勢判断等を行った上で,連絡網により,又は個別に皆様へ連絡します。慌てず,流言飛語に惑わされたり,群集心理に巻き込まれたりすることがないよう注意して下さい。
ア 当館からの連絡は,通常の場合,一般及び携帯電話,Eメール等で行いますが,電話回線及びネット回線が途絶した場合は,NHKテレビ放送等大使館からの連絡にご注意下さい。
イ 緊急事態発生の際には,各自で現地報道や衛星放送等の視聴による情報収集を心掛けて下さい。
ウ 衛星電話は緊急事態時の通信確保に大きな力を発揮しますところ,特に各企業は,保有についてご検討をされることをお勧めします。
ア お近くで発生した事態で,大使館に通報する必要があると思われるものは,他の在留邦人の方々にとっても貴重な情報となりますので,速やかに当館へ連絡して下さい。
イ 平日午後4時から翌朝午前8時及び金曜,土曜日の週休日を含む休館日は留守番電話(代表電話より案内)により対応しています。休館日は毎年変動しますので必要に応じて当館ホームページにてご確認願います。
ウ 緊急時当館連絡先
050-667-7583
エ 緊急事態発生の際には,大使館よりメール又は電話等にて情報提供すると共に,必要な指示を行いますが,電話回線等が使用できなくなった場合には,NHKテレビ放送を利用する等して必要な連絡を行うことがあります。
オ 自分や家族,他の邦人の生命・身体・財産に危害が及ぶ恐れがあるときには,地元警察へ通報すると共に,当館にもその状況をお知らせ下さ い。
カ 緊急事態発生の際には,お互いに助け合って対応にあたることも必要になります。当館より在留邦人の方々へも数々の助力をお願いすることもありますので,宜しくご協力下さい。
ア 事態が悪化し,各自または所属先,派遣先等の判断により,自発的に帰国もしくは第三国への退避をする場合,その旨を大使館まで連絡して下さい。(大使館への連絡が困難な場合には,日本の外務省領事局海外邦人安全課への連絡(81(国番号)-3-5501-8160)をお願いします。)
イ 一般商用便が満席で取れない場合などには,日本政府が臨時便やチャーター便の利用を検討することもありますが,これらの利用にあたっては,正規の片道エコノミー料金程度が必要となります。
旅券については,6ヶ月以上の残存有効期間があることを確認しておいて下さい(6ヶ月以下の場合には当館へ新規発給の申請をして下さい)。旅券の最終ページの「所持人記載欄」には,必要事項を漏れなく記載しておいて下さい。なお,滞在許可書等当国での身分を証明できる書類はいつでも持ち出せる状態にしておいて下さい。
これらの物は,旅券同様に直ちに持ち出せるよう日頃から保管しておいて下さい。現金は,家族全員が10日間位生活できる程度の外貨及び当座に必要な現地通貨を予め用意しておくことをおすすめします。
* 上記(1)及び(2)の保管方法や場所等については,日頃から家族全員が承知しておくようにしましょう。
ア 自動車をお持ちの方は,常時整備をしておくよう心掛けて下さい。
イ ガソリンは常時満タンにしておくことが推奨されます。
ウ 車内には,懐中電灯や地図,ティッシュ等を常時備え置き下さい。
エ 自動車を持っていない方は,平素から自動車を所有している方と必要な場合には同乗できるよう依頼しておくとよいでしょう。また,予めレンタカー会社の連絡先を調べておき,必要なときに利用できるようにしておいて下さい(当地運転免許証及び国際運転免許証の有効期限に注意)。
オ 携帯用燃料タンク,車内用携帯充電器を備えることが推奨されます。
避難場所への移動を必要とする事態に備え,上記1.~3.に加え,次に挙げる携行品などを,すぐに持ち出せるようにしておいて下さい。
ア 衣類・着替え(長袖・長ズボンが賢明。動きやすく,人目を引くような華美でないもの,麻や綿等吸湿性・耐久性に富む素材が望ましい。)
イ 履き物(履きやすく,靴底の厚い頑丈なもの)
ウ 洗面用具(タオル,歯磨きセット,石鹸等)
エ 非常用食糧等
暫く自宅に待機する場合も想定して,米,調味料,缶詰,インスタント食品,粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族が10日間程度生活できる量を日頃から準備しておいて下さい。自宅から他の場所へ避難する場合には,この中からインスタント食品,缶詰類,粉ミルク,ミネラルウォーターなど最低限必要な物を携行するようにして下さい。
オ 医薬品等
家族用常備薬の他,常用薬,外傷薬,消毒用石鹸,衛生綿,包帯,救急バンソウコウなどを揃えておきましょう。
カ その他
懐中電灯,予備バッテリー(電池),ライター,蝋燭,マッチ,ナイフ缶切り,栓抜き,紙皿,割り箸,固形燃料,簡単な炊事用具,また可能であれば,ヘルメットや防災頭巾(応急的には椅子用クッション)なども準備しておくと良いでしょう。
治安の善し悪しに拘わらず,常日頃より自分と家族の安全は自分達全員で 守るとの強い心構えが大切です(家族全員の安全意識の高揚)。
平素より各種情報の入手(現地報道,衛星テレビ,インターネット,地元の知人,社員等からのローカル情報等)に努めて下さい。
事件などに巻き込まれてしまってからでは遅いですから,予防のために必 要な努力と経費を惜しまないことが重要です。
常に最悪の事態を想定し,物心両面から準備を行い,万全の準備を講じた 上で,日常は注意しながらも楽観的に生活することが重要です。
「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」の三原則 を守って生活することも大事です。日本での行動形態,生活様式をそのまま 海外に持ち込むと,本人が意識していなくても目立ってしまい,自らを危険 にさらすことになる場合もあります。
アブダビは,道路も良く整備され,カメラ・センサー等による監視の強化及び罰則の強化処置がとられていますが,運転マナー,交通法規の遵守度は必ずしも高くはなく,交通事故も多く,運転する場合も,歩行する場合も十分注意が必要です。交通事故の原因として,スピードの出しすぎ,車間距離を詰めて走る,合図を出さずに進路変更する,歩行者が平気で急に飛び出す等があります。
最近,交通事故の増加に伴い,カメラ・センサー等による監視の強化及び罰則の強化処置がとられています。
当国ではそれほど件数は多くありませんが,営利目的,怨恨による誘拐事件が過去に発生しています。
誘拐犯は一般に誘拐対象者の選定,下調べ,誘拐,監禁というような段階で実行されます。特に誘拐犯は長期間下調べをするので,何らかの兆候があるものですが,この兆候をできるだけ早く察知することが誘拐防止につながります。また小さな子供がいる家庭では,身代金目的の誘拐だけでなく,性的ないたずらをする目的等動機でも誘拐が行われることがありますので特に以下のことに注意してください。
国際結婚された方々の一部について,不幸にして結婚生活が破綻してしまった場合に,一方の親が他方の親に無断で子供を国外に連れ出すことが問題となる場合があり,欧米や東アジアにおいて日本人が関わる事例が多くなっていることが指摘されています。
当地においては,父母のいずれもが親権を有する場合に,一方の親の同意を得ることなく他方の親が国外に子供を連れ去ることは刑罰の対象となります。また,連れ去り行為は連れ去った親や残された親のみならず,子供にも大きな影響を与えることとなります。
国際結婚をした場合,その間に生まれた子を日本に連れて帰る際にはこうした事情に注意する必要がありますので,親権に関わる具体的な問題をお持ちの方は,弁護士などの専門家にご相談下さい。
犯罪被害を受けた際の警察への緊急通報等では,簡潔に話しましょう。なお当国においては警官がアラビア語しかしゃべれないことが多いので,アラビア語も最低限覚えましょう。
在ア首連日本国大使館
代表 02-4435696
FAX 02-4434219
夜間・休日(緊急連絡用携帯電話) 050-6677583
在ドバイ日本国総領事館
代表 04-3319191
FAX 04-3319292
夜間・休日(緊急連絡用携帯電話)050-5516595
在オマーン日本国大使館
代表 00-968-24-601028
FAX 00-968-24-698720
外務省領事局海外邦人安全課(日本) 0081-3-5501-8160
警察・救急車 (全首長国共通) 999
消防(全首長国共通 997
カリーファ病院 02-6102000
移住局(コールセンター) 600522222
日本人会(アブダビ石油総務部) 02-6661100

緊急事態が発生した際,まずは,自宅待機が原則です。慌てず,流言に惑わされず,状況を確認することが大事です。事態発生数日で,混乱が収束するここともあります。しかし,事態の悪化が予期される場合には,事態発生(又は拡大)前に空港から,定期商用便を用いての退避することが最善です。
定期商用便退避ができなかった場合,チャーター便による退避及び陸路による隣接国(オマーン,カタール)への脱出が考えられます。チャーター便については大使館が情報連絡の中心になりますので,常に大使館からの連絡が可能な状態に保っていただくことが肝要です。
陸路脱出については,危険を伴う行動となりうるので基本的には推奨致しません。特にカタール(サウジ含む)方向への脱出は,事前のビザ取得申請(サウジアラビアの国境を経由するため,カタール,サウジアラビア両国からビザの事前取得が必要です。)が複雑です。また,この経路には,予備経路がありません。よって,危険であると判断致します。また,脱出先の治安情勢等についても注意が必要です。なお,緊急事態時には,各国境が閉鎖される可能性等もあり,UAE政府及びその他の情報に十分注意して下さい。