在留邦人向け安全の手引き 在エルサルバドル日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

2012年1月
在エルサルバドル日本国大使館

Ⅰ.序言

エルサルバドル共和国における一般犯罪の発生率は依然高い数値を示しています。特に銃器を使用した強盗事件や殺人事件等が頻繁に起こっており、防犯に対する注意が必要です。一方、当国は2009年にハリケーンアイダ、2010年にハリケーンマシュー及びニコル、さらに2011年に熱帯低気圧E-12による災害に見舞われました。2001年に2度にも及ぶ大地震(1月13日マグニチュード7.6及び2月13日同6.6の規模)に見舞われており、自然災害に対する備えも必要です。2001年9月11日に発生した米国における同時多発テロ事件以降、世界の治安情勢は予断を許さぬ状況となっています。在エルサルバドル日本国大使館としましては、エルサルバドルに在留する邦人の皆様及び当地に渡航される邦人の皆様の安全確保を第一義として、犯罪に対する諸注意及び、自然災害等の緊急事態発生に備えた平素よりの心構えと必要な準備事項、緊急時の行動などについて、冊子として取り纏めました。エルサルバドル共和国に滞在する邦人の皆様に是非ご一読頂きたく、この冊子が皆様の参考となれば幸いです。また、平素より、当国の治安情勢や各種情報にアンテナを張り、自らの安全は自らが守るという意識をもって、自己及びご家族皆様の安全確保に万全を期して頂きますようお願いします。

今後とも、在エルサルバドル日本国大使館は、在留邦人の皆様の安全確保に万全を期すよう努めて参ります。当地の治安情勢、緊急事態の対応に関するご質問ご意見等がありましたら下記までご連絡下さい。

在エルサルバドル日本国大使館 (EMBAJADA DE JAPON EN EL SALVADOR)
電話:2528-1111
FAX:2528-1100 2264-6061

Ⅱ.防犯の手引き

エルサルバドルでの生活は、様々な点で日本での生活とは異なります。日本はエルサルバドルに比べて犯罪も少なく治安の良い国であるだけに、日本にいる感覚で当国にて生活をした場合、犯罪に巻き込まれる可能性が非常に高くなるため、注意する必要があります。

当国においては1992年1月、和平合意の成立により約12年間続いた内戦が終結しましたが、現政権も治安問題を最優先課題の1つとして取り組んでいるように、内戦中に流出した武器が国内へ大量に存在していることや失業者が多いことも起因して、武装集団の店舗襲撃や殺人、誘拐等の凶悪犯罪が依然として頻繁に発生しております。

公共の治安を確保することは、その国の政府・治安当局の役割・責任ですが、現状に照らし、一人ひとりが日頃から「自分の身は自分で守る」という意識と態度を持って生活することが重要です。

1.防犯の基本的な心構え
(1)自分と家族の安全は自分たちで守る

ア.危険な場所には近付かない

イ.多額の現金、貴重品を持ち歩かない

ウ.犯罪にあっても抵抗しない

エ.見知らぬ人を安易に信用しない

オ.買い物は信用のおける店を選ぶ

カ.常に安全管理に気を配る

(2)安全のための次の三原則を守りましょう

ア.目立つ行動・服装は避け、現地にとけ込む。

イ.行動を予知されない
行動がパターン化しない。

ウ.用心を怠らない
予防こそが最大の危機管理です。

2.最近の犯罪発生状況

エルサルバドル共和国の中で殺人発生件数の最も多いのがサンサルバドル県で、続いてラ・リベルタ県、ソンソナテ県、サンタアナ県、サンミゲル県の順番となっています。特に多くの犯罪が発生している地域は以下のとおりです。

サンサルバドル県:サンサルバドル市セントロ地区周辺、デルガード市、メヒカーノス市、アポパ市、ソヤパンゴ市、イロパンゴ市、サン・マルティン市、トナカテペケ市、サン・マルコス市、クスカタンシンゴ市、パンチマルコ市

ラ・リベルタ県:ラ・リベルタ市、サンタ・テクラ市、ケサルテペケ市、コロン市(ロールデス地区)、サン・フアン・オピコ市

ソンソナテ県:ソンソナテ市、アカフトラ市、イサルコ市、アルメニア市

サンタアナ県:サンタアナ市、チャルチュアパ市

サンミゲル県:サンミゲル市

上記の地域では殺人、強盗、恐喝、性犯罪、麻薬売買等が頻発しています。

(1)殺人事件
1月から12月までの殺人被害者数
  2010年 2011年
全国 3,987人(月平均約332件) 4,354人(月平均約363人)

殺人事件の70%に銃器が使用されたといわれています。

(2)誘拐事件

2011年1月から12月までの誘拐事件発生件数

全国 :2件

国家文民警察の取締り強化により減少傾向にありますが、犯罪組織が根絶されたわけではありませんので、後述5.「テロ・誘拐対策」を参考にし、対策を怠らないことが重要です。

(3)強盗事件
1月から12月までの強盗事件被害者数
  2010年 2011年
全国 5,418人(月平均約451件) 5,769人月平均約481人)
(4)窃盗事件
1月から12月までの窃盗事件被害者数
  2010年 2011年
全国 9,676人(月平均約806人) 10,880人(月平均約907人)

強盗・盗難及び窃盗事件のほとんどは路上やバス内等で発生しています。特に貧民街、セントロ地区の歩行や、バスでの移動はできるだけ避けるようにしてください。また、データは警察への通報件数です。犯罪被害者の多くは犯人の報復を恐れ、警察へ通報しないことが多く、実際には更に多くの事件が発生しています。

3.防犯のための具体的注意事項
(1)住居の選択

ア.比較的安全な地域の住宅地を選択し、セントロ地区や貧民街に近い地区は避けて下さい。

イ.高級住宅街であっても近くに貧民街が存在することがあるので注意して下さい。防犯面を考慮し、出来る限り独立家屋は避け警備員が24時間配備されている集合住宅又はコンドミニアムを選択して下さい。やむを得ず独立家屋に居住する場合であっても、警備員を24時間体制で配置する等の対策を講じることをお勧めします。

ウ.立地条件、環境が良くても、勤務先や通学先の学校までのアクセスで貧民街や問題地域を通過しなければならないような居住区は避けるべきです。そうした地域を回避できる場合でも、アクセス経路を最低2本以上確保する必要があります。

エ.コンドミニアムの場合、門番又は警備員による出入管理が徹底され、駐車場も外部から見えない構造が望まれます。また、マンションの場合、空巣防止の観点から外部からの侵入が困難な3階以上を選択して下さい。

オ.玄関の扉には覗き窓及びチェーンを付け、内側から開けるときは必ず外を確認し、相手を確認するまでは扉を開けないようにして下さい。

カ.窓は常に施錠が出来るよう良好な状態にしておき、出来れば窓に「飛散防止フィルム」を張るようにして下さい。

キ.夜間、玄関及び庭等は適切な明るさを保つようにして下さい。

ク.面識の無い人を安易に自宅に入れないようにして下さい。

ケ.夜間外出の際は防犯面から居間等の明かりをつけたままにして下さい。

コ.集合住宅及びコンドミニアムの出入管理が良好な状態であるか常に関心を持つように努めて下さい。

サ.管理人または隣人等とは良好な関係を保つようにして下さい。

シ.住居地区の空き家、空き地の有無に注意して下さい。(そこから賊が侵入しやすい為)

ス.近年停電・断水が長く続くことは少なくなりましたが、防犯面・生活面から自家発電機や貯水タンク等が設置されている住居を選択して下さい。

(2)警報装置設置

ア.防犯のための警報装置を自宅に設置することをお勧めします。

イ.警報装置の作動状況を定期的に点検して下さい。点検の際、外部にサイレン等が設置されている場合は、隣人等に予め連絡して下さい。

ウ.警備会社との契約により警報装置を設置する場合、家の鍵を警備会社に預けないで下さい。

(3)電話の措置

ア.個人的な電話帳は貴重品と同等に管理して下さい(電話機の側に置かない)。

イ.電話番号を電話機に貼らないようにして下さい。

ウ.寝室等にも電話機を設置するようにして下さい。(親子電話の設置等)

エ.電話を受ける場合は安易に当方側の名前を名乗らず、まず相手を確認して下さい。

オ.使用人及び子供が電話に出る際は、安易に当方側の名前又は住所等を言わないように教育して下さい。

カ.自宅の電話番号は信頼できる人以外には教えないようにして下さい。

キ.嫌がらせ又は悪戯の電話は速やかに切るようにして下さい。

ク.間違い電話の場合、その旨のみを伝え、名前・電話番号は言わないようにして下さい。

ケ.少しでも不安を感じた時には電話番号を躊躇なく変更して下さい。

コ.電話機は相手の電話番号が表示されるものを設置してください。

(4)鍵の措置

ア.鍵は極めて重要なものです。保管については十分に注意するとともに、鍵の所在が不明の場合すぐに変更して下さい。

イ.家屋の入居時に、前入居者の鍵の管理状況が不明の場合には、錠は全て交換するか新しい錠前を増やす等の措置を講じて下さい。

ウ.鍵は予備鍵を含め員数を確実に把握し、その所在を明確にしておいて下さい。

エ.不要な予備鍵は作成せず、鍵を紛失した場合には速やかに新しい錠前に交換し、予備鍵を作る場合には、コピーを作られる可能性を考慮し信頼できる店に依頼して下さい。

オ.自宅内に直接通じる玄関の錠前は二重三重にし、カンヌキ及びチェーンを付けて下さい。

カ.鍵又は鍵束には所有者の身元及び鍵の種類が判明するような名札等は一切つけないようにして下さい。

キ.使用人には鍵を渡さず、また、保管させないようにして下さい。

ク.鍵を他人に預けることは極力避けて下さい。

ケ.外出時、玄関の鉢植えの下、マットの下等に鍵を置かないようにして下さい。

コ.使用人を変更したら錠を交換するか、増設して下さい。

サ.主寝室の出入扉には堅牢な錠前をつけて下さい。

(5)使用人の注意事項

ア.海外生活における空き巣等の事件は、使用人に関係しているケースが多くあります。雇用前に身元調査を行い雇用後も常に動向に注意して下さい。

イ.使用人には十分に防犯教育を行って下さい。

ウ.使用人の心情の変化及び外出先や外泊先の動向には、常に注意して下さい。

エ.使用人の知人、友人関係についても可能な限り確認して下さい。

オ.使用人には部外者等に対して家族の仕事、外出先、帰宅時刻等の自分達の行動が予測されてしまうような話は一切しないように注意して下さい。

カ.使用人の家族、知人を自宅内に入れないようにし、如何なる場合も使用人の判断で部外者を自宅内に入れさせないよう教育して下さい。

キ.夜間、使用人に起こされても不用意に寝室の扉を開けないようにして下さい。

ク.やむを得ず解雇する場合は逆恨みされないよう慎重に行って下さい。

ケ.帰国が決定しても、使用人に、早くから伝えないようにして下さい。

コ.電話等では不用意に家族の名前、勤務先、行動等を答えさせないように教育して下さい。

(6)外出の際の注意事項

ア.夜間、徒歩による外出は避けて下さい。

イ.外出の際には目立つ服装は避け、周りの人々の服装に自分の服装を調和させて下さい。

ウ.不必要に高価な品物(高価な貴金属、時計、宝石類等)は身に付けないようにして下さい。

エ.多額の現金は持ち歩かず、また、現金の出し入れ時には人目に付かないよう注意し、か
つ、分散して所持して下さい。

オ.随時周囲の状況や人の動きにも気を配り、特に小さい子供を連れている場合はハンドバック等小物の盗難に注意して下さい。

カ.観光客のように辺りを見回しながら歩くことなく、目的地まで迅速な行動を心掛けて下さい。

キ.人通りが多い所や明るい所を歩行し、車道側は避け歩道中央を歩くようにして下さい。

ク.見知らぬ人から不意に話しかけられても相手にしないようにして下さい。

ケ.利き手は自由な状態にしておいて下さい。

コ.携帯電話を所持するかまたは、公衆電話用のテレホンカード又はコイン及び緊急連絡先を常に所持して下さい。

サ.携帯電話を狙った犯罪が多発しています。携帯電話は安全な場所で使用して下さい。

シ.貧民街と呼ばれる貧しい人々が多く住む地区への立入は避け、また、セントロ地区等、治安の良くない地域はできるだけ避けて下さい。

ス.自家用車が利用出来ず止むを得ずタクシーを利用する場合には、割高でもラジオタクシーを利用する方が望ましい。ラジオタクシーの無線を盗聴し、偽のラジオタクシーが出没する事例もあるので、配車依頼時には到着車のナンバー等を確認して下さい。

(7)身分証明書

パスポートと外国人登録証は、エルサルバドルにおける唯一の身分証明書です。外出するときには、必ず外国人登録証(又は、パスポートのコピー)を携帯して下さい。念のために、コピーを保管しておくことをお勧めします。

また、紛失したり、盗まれないよう十分注意して下さい。

(8)自動車の注意事項

ア.通勤、買物等は時間帯及び経路の変更を行い、一定のパターンを作らないよう心掛けて下さい。

イ.集合住宅又は自宅の玄関及び勤務先事務所正面付近に、駐停車している車両にも注意して下さい。

ウ.車両には盗難防止用アラームを取り付け、たとえ短時間の停車でもアラームが作動するようにして下さい。

エ.走行時、窓は全て閉め、扉は全てロックして下さい。

オ.回避行動が可能な道路の中央付近を出来る限り走行し、路上での不要な停車を避け、信号等で停車する際には中央分離帯や交差点付近にいる人にも注意して下さい。

カ.車両の流れの多い通り、夜間は明るい通りを走行するようにして下さい。

キ.バック・ミラー及びドア・ミラーを常に注視し、尾行車両の有無に注意して下さい。尾行されていると判断した場合、経路を変更し、警察署またはショッピング・センター等に避難するようにして下さい(安易に停車することは危険です)。

ク.駐車場は監視員のいる所を利用し、止むを得ず路上駐車する場合は周囲をよく確認して下さい。また、駐車時は座席には荷物を放置せず、トランク内に入れるようにして下さい。荷物を座席からトランクに移す場合も、なるべく見られないようにして下さい。

ケ.車内で待機する際には安全と思われる場所を選び、窓は全て閉め、扉はロックし、短時間であればエンジンは切らないで下さい。

コ.乗車する際、車両の外部、周囲及び内部を点検し、異常の有無を確認して下さい。

サ.ヒッチハイカーは絶対に乗せないようにして下さい。

シ.燃料は常時半分以上確保して下さい。

(9)旅行の際の注意事項

ア.自家用車を利用して地方へ旅行する場合は、主要幹線道路を利用するとともに、日中に行動し、日暮前には宿舎又は自宅へ到着するように計画して下さい。この際、可能な限り複数車両で行動するようにして下さい。

イ.旅行先の治安状況を事前に把握しておくようにして下さい。

ウ.計画は慎重に立て、多くの安全情報を入手して下さい。

エ.安宿等を安易に利用せず、警備員が配置されているなど、警備設備の整ったホテルを選択して下さい。

オ.旅行日程は、信頼できる同僚等に伝えておいて下さい。但し、不必要な多くの人に旅行日程を知らせる必要はありません。

カ.近年、高級ホテル及びレストランでも盗難事件が多発しています。自分の持ち物は常に注意して下さい。

4.交通事情と事故対策
(1)交通事故にあった場合の措置

ア.どんな軽微な事故であっても、安全を確保した上で警察に連絡する等、然るべき措置をとって下さい。(事故の際、警察の指示がある前に車両を動かすと、隠蔽行為と見なされ、不利な状況になる事があるので、渋滞が発生しても、現場保存を心がけてください。)

イ.全ての事故をカバーする保険に加入しておくとともに事故が発生した際には速やかに保険会社に通報して現場に向かうよう指示して下さい。

ウ.負傷者が発生した場合には、人命を第一に考え負傷者を安全な場所に移動させる等の措置をとって下さい。

エ.保険請求時には警察の事故証明書が必要となります。警察が到着し現場検証が終了するまで事故現場を保存し、相手の免許証、身分証明書、保険証、車両の所有者を示す証明書、自動車番号、連絡先、保険会社の情報等を確認し記録して下さい。

オ.たとえ加害者側であったとしても安易に謝罪することはしないで下さい。自分の非を認めることで後の賠償問題等で不利になる場合があります。

カ.被害者側になった場合には、相手(加害者側)の身元を確認し警察への通報等然るべき措置を講じて下さい。万々が一相手が逃走した場合には車種、色、車両ナンバーを記録し警察に通報して下さい。

キ.事故処理に一生懸命になり、バック等の身の回りの貴重品などを車両の中に放置したままにしないよう注意して下さい。

ク.身に危険を感じた際は、その場を一時離れてから警察へ通報してください(住宅地等での人身事故等では、被害者の家族等により暴力を受ける事があります)。

(2)駐車違反・速度違反等交通違反で警官に捕まった場合

交通違反で警察に捕まった場合、日本と同様に交通違反切符を渡されます。違反切符の指示どおりに払い込めば手続きは完了します。交通違反の程度によっては、車両及び運転免許証を警察に没収されることがありますが、支払い証明書を所轄の警察署に持参すれば車両及び運転免許証を返却してくれます。

5.テロ・誘拐対策
(1)テロ対策

ア.エルサルバドルにおいては、2011年中に反政府組織の活動や国際的なテロ組織の細胞組織の活動は確認されていませんが、一般犯罪を含め治安は依然として不安定であり、犯罪組織による殺人、強盗、強請り等の凶悪犯罪が頻発しています。

イ.2006年7月5日、サンサルバドル市内にある国立エルサルバドル大学周辺において、学生を含む抗議集団がバス運賃値上げに反対する抗議行動を実施し、治安維持にあたった国家文民警察と衝突しました。衝突の際、抗議集団の一部過激集団は所持していた銃器を使用し、警官2名が死亡、9名が負傷する事件が発生しました。エルサルバドル政府は記者会見において、事件を単なる抗議行動による衝突でなく、「テロ行為」であるとして発表しました。集会や抗議行動は、時には過激な行動に発展する恐れがあります。集会等が行われている場所には近付かないようにして下さい(サンサルバドルセントロ地区、国立エルサルバドル大学周辺、サルバドルデルムンド広場付近、大統領府付近では頻繁に集会や抗議活動が行われています)。

ウ.2010年6月20日、サンサルバドル県メヒカノス市にて、乗客が乗ったマイクロ・バスが複数の犯人により放火されました。犯行グループは車内にガソリンをまき、銃で脅し外へ逃げられないようにした結果、幼児を含む17名が死亡、6名が負傷する事件が発生しました。その事件と同時刻にマイクロ・バスへの銃による乱射事件も発生し、3名の乗客が射殺されています。治安当局によると、これら一連の事件は青少年凶悪犯罪集団「マラス」組織間の抗争が背景にあるとの見方を強めています。「マラス」は当国全土に活動地域を持っており、どこでも同様の凶悪犯罪が発生する可能性があります。外出する際は危険地域などを確認し、移動するようにしてください。

エ.近年、青少年凶悪犯罪集団「マラス」等の犯罪組織による強請りが増加しており、要求に応じない店舗や施設等に対し手榴弾を使用した爆破事件が発生しています。警備の万全でない店舗及び施設の使用は控えることをお勧めします。

(2)誘拐対策

ア.誘拐犯は、まず複数のターゲットを選び、その家族構成、行動パターン(出勤時間や帰宅時間)、警備措置などを数週間から数ヶ月調査し、犯行が実施可能なターゲットを決定すると言われています。

イ.一般的には、出勤時や帰宅時が最も危険とされており、このため「誘拐の前兆」をいち早く察知することが大切です。例えば、不審な電話、人や車の尾行など、そうした兆候が少しでもあった場合、家族や会社の同僚など信頼できる相手に相談し対策を協議して下さい。

ウ.日頃から十分な警戒心を持つとともに、適宜通勤時間や通勤経路を変え、休日の際の行動も監視されている可能性があるとの認識のもと、パターン化された行動をしないように努めて下さい。

エ.誘拐事件の発生に備え、必要な資料(氏名、住所、旅券番号、身分証明書番号、身体的特徴、自動車番号、趣味や所属クラブ、医療記録、家族相互の合い言葉等)を整理しておくことも必要です。これは、家族又は犯人との交渉者が誘拐された本人と断定するために必要です。

オ.出勤直後又は帰宅直前等定期的に自宅へ電話連絡を行うことは、誘拐事件の未然防止に繋がるほか、万一誘拐事件が発生した場合の早期察知に役立ちます。

カ.万一誘拐事件が発生した場合、直ちに大使館へ連絡し対応策を協議するようにしてください。

6.一般犯罪に遭遇した時の措置

不幸にして犯罪に遭遇した場合には、以下の措置をとるとともに大使館へ連絡して下さい。

(1)現金・貴重品を盗まれた場合、最寄りの警察署に被害届を提出し、盗難証明書を発行してもらって下さい。この証明書は、貴重品等に保険がかかっている場合、保険会社に対し所定の手続を行う際に必要となるものであり、車両や部品が盗難された場合にも同様の手続を行って下さい。

(2)身分証明書を盗まれた場合、警察に被害届けを提出し、盗まれた身分証明書の悪用を防止するために、速やかに身分証明書の発行先に連絡して下さい。

(3)旅券の盗難あるいは紛失した場合、若しくは焼失又は汚(破)損した場合は、大使館に次の書類等を提出して、再発給を申請して下さい。なお、再発給に際しては、日本の外務省に照会するため発給までに約3,4日を要しますのでご注意下さい。
ア.一般旅券再発給申請書 1通
イ.写真(縦45ミリメートル×横35ミリメートルふちなし、頭部の大きさ27ミリメートル) 2葉
※申請する6カ月以内に撮影したもの、正面、無帽、無背景、サングラスの着用不可。
ウ.紛失届け 1通
エ.警察の盗難証明書(紛失証明書) 1通
オ.その他指示されたもの

(4)クレジット・カード及びトラベラーズ・チェックを盗難あるいは紛失した場合、悪用を防止するために、速やかに発給会社に連絡して下さい。万一に備え発給会社の社名、電話番号、クレジット・カード及びトラベラーズ・チェックの発給番号と有効期間等を手帳に控えておいて下さい。

(5)強盗・恐喝に遭ってしまったときには、人命第一に行動して下さい。武器を所持している相手に抵抗したり、相手の神経を逆撫でするような行為、あるいは不用意に懐やポケットに手を入れる行為等(武器を取り出そうとしているものだと誤解される恐れがある)は避けて下さい。

(6)空き巣の被害に遭ったときには、現場を保存しつつ何が盗まれたかを正確に把握し、速やかに所轄の警察署に被害届を出して下さい。

Ⅲ.緊急事態対策マニュアル

1.平素の準備と心構え
(1)連絡体制の整備

ア.在留邦人の方は在留届(及び帰国時の帰国届)の提出を励行して下さい。
※この届出がありませんと、緊急時に安否確認連絡ができません。

イ.引っ越しや転勤で電話番号等に変更があった場合には、速やかに大使館にご一報下さい。

ウ.緊急事態がいつ起こるとも限りません。予め緊急事態発生に備えて、家族間、企業内での緊急連絡方法を決めておいて下さい。また、ご自身の所在を家族間、企業内で極力明確にするようにして下さい。

エ.緊急事態発生の際には、大使館より関連情報を提供するとともに、必要に応じ、避難場所や避難方法の連絡を行いますが、電話回線等が使用できなくなる場合には、NHK海外放送により必要な連絡を行うことがありますので、国際放送対応のラジオ(電池の準備もお忘れなく)をできる限りご用意下さい。
(ラジオ・ジャパン(NHK海外放送) 9535キロヘルツ(9時~11時)5960キロヘルツ(20時~23時))

(2)一時避難場所及び緊急時避難先

ア.一時避難場所の検討
大規模自然災害又は騒乱に巻き込まれないように、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集し、危険な場所に近づかないよう心掛けて下さい。一般に緊急事態が発生した場合、自宅が最も安全ですが、発生する事態によっては自宅の安全が確保されず、こうした緊急事態に巻き込まれそうになった場合避難先を常日頃から考えておくことが重要です。自分がどこにいるのか(勤務先、通勤途中、自宅等)、どのような事態に巻き込まれる可能性があるのか等、蓋然性の高い幾つかのケースを予め想定して各自の避難先を検討しておいて下さい(この際外部との連絡可能な場所が望ましい)。

イ.緊急時避難先
当館より、緊急事態の状況に応じて、緊急避難先を在エルサルバドル日本国大使館及び日本大使公邸としてそこへの集結をお願いすることがありますので、これら避難先の位置を確認し、そこに至るルートにつき幾つかのケースを想定して検討しておいて下さい。
大使館:Calle El Mirador y 89 Avenida Norte Edificio World Trade Center 6Nivel, Torre 1, Coonia Escalon San Salvador
大使公邸:Avenida La Capilla No.615 Colonia San Benito San Salvador

(3)緊急事態における携行品等、非常用物資の準備

ア.旅券、現金、貴重品等最低限必要なものは、直ちに持ち出させるよう予めまとめて安全な場所に保管しておいて下さい。

イ.緊急時には一定期間自宅での待機を指示することもありますので、非常用食糧、医薬品、水、燃料等を最低限10日分準備して置いて下さい。

ウ.準備しておくべきリストは別紙2を参照して下さい。

2.緊急時の行動
(1)基本的心構え

緊急事態が発生し、又は発生する恐れのある場合に、大使館は邦人保護に万全を期すため、所要の情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い使用可能な連絡手段を用い随時通報いたします。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないよう注意して下さい。

(2)情勢の把握

ア.在留邦人の方への大使館からの連絡は、基本的に電話ないし電子メールを使用して行いますが、電話線が断線などで使用出来ない場合もあり、その場合には、現地報道機関やラジオにて情報を提供するように努めますのでFM放送も受信できるようにして下さい。

イ.緊急事態発生の際には、現地報道、海外報道、衛星放送テレビ等による情報収集に各自心掛けて下さい。

  • RNE(エルサルバドル) FM 96.9
  • ラジオ・ジャパン(NHK海外放送) 9535キロヘルツ(9時~11時)5960キロヘルツ(20時~23時)
  • 在エルサルバドル日本大使館(緊急時のみ放送) FM88.00 (サンサルバドル市内のみ受信可能)
(3)大使館への通報等

ア.緊急事態発生現場の状況を通報する必要があると認められる場合、随時大使館に直接連絡(情報提供)して下さい。他の在留邦人の方の貴重な情報となります。

イ.自分や家族または他の邦人の生命・身体・財産に危害が及び、又は及ぶ恐れがある時は、迅速かつ具体的にその状況を大使館に通報して下さい。

ウ.緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることが必要になります。大使館より在留邦人の方々にも種々のご助力ご協力をお願いすることがありますので皆様の御協力をお願いします。

(4)国外への退避

ア.事態が更に悪化し、各自または所属会社等の判断により自発的に帰国、あるいは第三国へ退避する場合、その旨大使館へ通報して下さい。大使館への通報が困難な場合は所属会社や日本のご家族等より、外務省領事局海外邦人安全課(03-5501-8160)等へ通報して下さい。

イ.大使館が「避難勧告」を発出した場合、一般商用便が運航している間には、同便を使って可能な限り早急に国外へ退避して下さい。一般商用便の運航がなくなる場合、あるいは満席で搭乗できない場合等には臨時便の利用、チャーター便の手配(これらの利用に当たっては、通常は片道のエコノミー正規料金の支払いが必要となります)により、また状況によっては陸路を利用して退避することが必要となってくることもあり得ますので、大使館の指示に従うようにして下さい。

ウ.事態が切迫し、大使館より退避または避難のため集結を指示される場合には、大使館より指定する緊急避難先に集結して下さい。状態によっては、避難先で待機する必要がある場合も想定されますので、衣類、身の回りの物、非常用物資等必要最小限のものをご持参下さい。なお、緊急事態の発生状況により大使館が避難先への交通手段を準備することもあります。

エ.大使館では、集結場所から国外退避をする場合、以下のルートを検討しています。
(空路)チャーター便の行先はグアテマラ共和国を予定。
(陸路)搭乗者数に応じ大型バスを借り上げるか、自家用車でサンタアナ経由(CA1.パンアメリカン道路)国境名サン・クリストバルまたはアウアチャパン経由(CA2.リトラル道路)国境名ラ・アチャドゥーラでグアテマラ共和国へ(距離:約120㎞、所要時間:約2時間)退避。もしくは、パン・アメリカン道路またはリトラル道路国境名アマティージョでホンジュラス共和国へ(距離:約200㎞、所要時間:約3時間)退避予定。

別添1 緊急連絡先

<警察>

電話:911(日本の110番)

電話:122(誘拐等の凶悪犯罪特別)

<入国管理局>

電話:2526-3000(Central

<消防>

電話:2555-7300(首都圏)

<救急車(赤十字)>

電話:2222-5155 (注:日本のように対応は早くありません。)

<医療機関>

オスピタル・デ・ディアグノスティコ (HOSPITAL DE DIAGNOSTICO) 総合緊急病院
住所:Paseo General Escalon y 99 Avenida Norte, Edificio Villa Vicencio Plaza, Colonia Escalon, San Salvador
電話:2506-2000
緊急:2506-2109
FAX:2264-4422

オスピタル・デ・ラ・ムヘール (HOSPITAL DE LA MUJER) 総合緊急病院
住所:Entre 81 y 83 Avenida Sur y Calle Juan Jose Cañas, Colonia Escalon, San Salvador
電話:2265-1212、2555-1200
緊急:2265-1215

<大使館>

在エルサルバドル日本国大使館 (EMBAJADA DEL JAPON)
住所:Nivel 6 - Torre 1, Edificio World Trade Center, Calle El Mirador y 89 Avenida Norte, Colonia Escalon, San Salvador
電話:2528-1111
FAX:2528-1100
開館時間(月曜~金曜)08時30分-12時30分、14時00分-17時00分
土曜、日曜、祝日の緊急電話番号:7886-1263
領事担当官携帯電話番号:7885-6763

別添2 緊急事態に備えてのチェックリスト

1.旅券等

(1)旅券は6ヶ月以上の有効期限が残存していることが望ましいので旅券の有効期限を確認しておきましょう。なお、残存有効期限1年未満となった旅券は更新することが出来ます。

(2)緊急事態に備え旅券の最終頁の「所持人記載欄」に必要事項を記載しておきましょう。下段に血液型(blood type)何型と記入しておいて下さい。

(3)当国における外国人登録証明書、滞在許可証等はいつでも持ち出せる状態にしておきましょう。

2.現金、貴金属、貯金通帳の有価証券及びクレジットカード

これらの物は旅券同様すぐ持ち出せるよう保管しておいて下さい。現金は家族全員が10日間程度生活できる額を最低限用意しておくことをお勧めします。なお、出国する場合、出国税及び空港使用税の用意も必要です。(アメリカ、グアテマラ等海外出国商用航空チケット代片道、家族分の現金の用意も必要です)

3.自動車の整備

(1)自動車は常時整備しておく。

(2)燃料は常時半分以上入れておく。

(3)車内には常時、懐中電灯、地図等を備えておく。

(4)車を所有していない場合は、平素から近隣の友人等と連絡を取り、必要な時に同乗できるよう相談しておく。

4.携行品の準備

避難場所への移動を必要とする事態に備え、直ぐに持ち出しできる所に、次の携行品を準備することをお勧めします。

(1)衣類・着替え(長袖、長ズボンが賢明。行動に便利で殊更人目を引くような華美な物でないもの。麻、綿等吸収性、耐暑性に富む素材が望ましい)

(2)履物(行動に便利で靴底の厚い丈夫なもの)

(3)洗面用具(タオル、歯磨きセット、石鹸等)

(4)非常用食糧等
しばらく自宅で待機する場合も想定して、米、調味料、缶詰、インスタント食品等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員が10日間程度生活できる量を準備しておいて下さい。

(5)医薬品等
家族用常備薬の他、外傷薬、消毒用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏。

(6)ラジオ
NHK海外放送(ラジオ・ジャパン),BBC,VOA等短波放送が受信できる電池仕様の物(電池の予備も)。

(7)その他
懐中電灯、予備電池、ライター、ロウソク、ナイフ、缶切り、栓抜き、携帯用食器、箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット、防災頭巾、予備の眼鏡等。

別添3 簡単な緊急時の現地語語表現(スペイン語)

たすけて! : アウシリオ

危ない! : クイダード

お願いします : ポル ファボール

泥棒 : ラドロン

火事 : インセンディオ

警察 : ポリシア

事故 : アクシデンテ

保険 : セグーロ

わかりません : ノー エンティエンド

警察を呼んで下さい : ジャメ ア ラ ポリシア

救急車を呼んでください : ジャメ ア ラ アンブランシア

消防車を呼んでください : ジャメ ア ロス ボンベーロス

タクシーを呼んでください : ジャメ アル タクシー

私は怪我をしています : エストイ エリード

病院に連れて行ってください : ジェベメ アル オスピタル

日本大使館に連絡してください: アビセ ア ラ エンバハーダ デル ハポン

私は日本人です : ソイ ハポネス(男性) ソイ ハポネサ(女性)

事故に遭いました : エ テニド ウン アクシデンテ

ゆっくり話してください : アブレ マス デスパシオ ポル ファボール

もう一度お願いします : オトラベス ポル ファボール

電話をお借りできますか : プエド ウサール ス テレフォノ

私はお腹が痛い : テンゴ ドロール デ エストマゴ

私はスペイン語を話せません : ノー アブロ エスパニョール

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