在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成24年4月1日
在エクアドル日本国大使館
近年国際結婚をした夫婦が離婚する際、無断で子供を日本に連れて帰る行為によるトラブルが多発しています。防犯とは関係ありませんが、トラブル防止のため、エクアドルの法律についてお知らせいたします。
未成年者が片方の親権者のみと出国する場合は、もう一方の親権者の許可が必要(第三者が依頼を受けて未成年者を出国させる場合には両親権者の許可が必要)となります。単に手続きを忘れただけの場合は問題になりませんが、例えば離婚について調停中であるにもかかわらず、配偶者の許可を得ずに子供を国外に連れ出そうとした場合、状況によってはたとえ子供が出国に同意していたとしても未成年者略取の罪(刑法第543条懲役3年から6年の罪)に抵触する可能性がありますので、そのような場合はあらかじめ弁護士に相談するなどの措置を講じて下さい。
日本から約15,000キロメートル離れた地球の反対側、赤道直下に位置するここエクアドルには約450人の日本人が在留されています。日本とは、気候・風土・慣習は異なり、日本の常識が通じない事も各方面に存在します。
安全(犯罪発生率・抑止方策・自主防衛等)に対する考え方、また、反政府運動や、火山噴火などの天災等の緊急事態における治安当局等、政府の対応に関しても日本とは異なります。
「日本では考えられない。あり得ない。」また「信頼すべき警察が・・警備会社が・・」と嘆いていても始まりません。ここは異国「エクアドル」なのです。
仕事等重要な使命を受け、単身で、また家族と共にエクアドルに在留される以上「自分自身の安全は自分自身で」の大原則を念頭に日々の生活を送ることが大切になってきます。
当大使館では、「各種犯罪被害に遭う可能性を低くするため」また「反政府運動や天災等の緊急事態時に冷静に行動を起こし、これら事態に巻き込まれる可能性を低くするため」に「安全の手引き」を作成しています。
決して万全とは言えない「安全の手引き」ですが、ぜひ熟読され、また、常に身近な場所に置いて頂き「目で見るもの」では無く「身体に覚えさせるもの」
として活用して頂ければ幸いです。
在エクアドル日本国大使館 領事班
エクアドルにおいて、一般的に、「日本人はお金持ち」と見られていて、現金を持ち歩くこと、安全に対する気配りが足りないことなどを要因として、犯罪者の格好の対象とされています。貧富の格差の激しい事にも注意しなければなりません。多額の現金の入った財布をたくさんの人がいる前で出し入れしたり、他人に誇示するような形で高級品を身につけたり、夜遅く暗い場所を歩いたりするなど、犯罪を誘発するような行為は厳に慎むよう留意することが必要です。
常日頃から「自分自身の安全は自分自身で」という心構えが大切です。
家族全員が自分自身の安全を確保するためには予め基本的な予防警戒訓練を行っておく必要があります。このマニュアルに記載してある防護手段或いは防護テクニック等を習熟して、確実に家族全員が非常時にどのような行動をとるかの意思確認を徹底して下さい。殆どの予防警戒はシンプルで常識的なことですが、それらがあらゆる犯罪行為から身を守る手助けとなります。
当地に於けるバス、トロリー等の利用は極力避けるように心がけ、どうしても利用せざるを得ない場合は、十分に警戒する。
エクアドルにおける長距離バスの利用は、他の交通手段に比べ交通事故及び、犯罪被害に遭う危険が高いので、長距離移動の際にはなるべく航空便を利用する。
タクシーは正しく利用すれば他の交通手段に比べ安全であるが、短時間誘拐などが発生しているので、以下の点に注意し利用する。

飛行機による移動は、地上交通機関と違って、特にハイリスクな空港や各国上空を通過するため、安全面での問題が生じるが、シンプルな予防警戒がテロリストの攻撃の危険性を減少させることになる。
過去発生したテロ事案・誘拐事案等の被害者の99%が「まさか自分が」と感じたと話しています。全く関係ないと思うよりも、「仮に遭遇したら」とイメージトレーニングを行うことが大切です。
(ア)在留邦人の方は在留届の提出を遂行して下さい。また、記載事項に変更が生じた場合及び帰国の際にもその旨連絡して下さい。
(イ)当大使館(各都市日本人会、邦人会)では、緊急連絡網を作成しています。緊急連絡網に誤りがある場合、または引越しや転勤で電話番号等に変更があった場合には、速やかに当大使館に直接または日本人会等を通じて連絡して下さい。また、緊急連絡網に基づく連絡は誰から来て誰に繋ぐのかなど、平素から確認しておいて下さい。
(ウ)緊急事態はいつ起こるとも限りません。予めそのような場合の家族間、企業内での緊急連絡先について決めておいて下さい。また、お互いにその所存を極力明確にしておくことが大切です。
(エ)緊急事態が発生した場合、当大使館より緊急連絡網を通じて関連情報を提供するとともに必要な勧告を行いますが、電話回線等が使用できない場合には、当大使館備え付けのFM無線機あるいはNHK海外放送により必要な連絡を行うことがありますので、短波及びFM受信機を平素から準備しておいて下さい。
※6MHz(メガヘルツ)=6000KHZ(キロヘルツ)から21MHz(メガヘルツ)=21000KHZ(キロヘルツ)の周波数帯が受信できる、国際放送対応のラジオをご用意ください。国内向け短波放送用のラジオでは、受信できる周波数の範囲が狭く(3.9MHz~12MHz)、ラジオ日本の受信には不向きです。周波数が数字で表示されるマイコンを搭載したデジタルタイプの機種をお勧めします。
(ア)旅券、現金等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるよう予め準備 保管しておいて下さい。
(イ)緊急事態が発生した場合、一定期間自宅で待機しなければならないこともありますので、予め家族全員が10日間程度生活できる量の非常用食糧、飲料水、医薬品、燃料等を準備しておいて下さい。
(ウ)予め準備しておくべきチェック・リストは別添の通りです。
緊急事態が発生、または発生する恐れがある場合、当大使館は邦人の安全を確保するため所要の情報収集、情勢判断及び対策を策定し、緊急連絡網を通じて随時連絡を行います。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり群衆心理に巻き込まれたりすることのないよう注意して下さい。
平素から現地並びに海外及び衛星放送等を通じた報道に注意して情勢の把握に心掛けて下さい。
旅券は常時6ヶ月以上の残存有効期間があるよう心がけてください。残存有効期間が6ヶ月未満の場合には、再発給の申請手続きをしておいてください。また、旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記入するとともに、併せて血液型を記入しておくことをお勧めします。なお、外国人登録証明書、身分証明書等はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。
これらの貴重品は旅券同様直ちに持ち出せるよう、準備保管しておいてください。なお、現金は自己及びその家族が最低限度10日間生活できる程度の現金を用意しておくことをお勧めします。
(1)自動車をお持ちの方は、常時整備しておくよう心がけてください。
(2)燃料は常に満たしておいてください。
(3)車内には、懐中電灯、地図、ティッシュ等を備えておいてください。
(4)自動車をお持ちでない方は、近くに住んでいる自動車をお持ちの方と平素から連絡を取り、必要な場合には同乗できるよう相談しておくことをお勧めします。
指定避難場所等へ避難する事態を想定して、次の携行品を予め準備するとともに、直ちに持ち出せる状態にしておいてください。
エクアドルの生活に慣れるのは良い事ですが、安全対策に慣れを決して持ち込んではいけません。当地に到着した時の緊張感を持ち続けることが大切であり、「自分自身の安全は自分自身で」という安全の大原則を絶対に忘れないようにして下さい。
万が一事件・事故に遭遇した場合、大使館は「邦人援護・保護」という任務遂行のため、総力を挙げて被害に遭われた在留邦人の援護等を行いますが、最も辛く苦しい(痛い)思いをするのは、被害者本人であり、また、同様の思いを親族・家族の方がされることとなります。
『自分自身辛い思いをしない。
そして、決して親族・家族に悲しい思いをさせない。』
この事を常に心に持ち続けて下さい。