在留邦人向け安全の手引き 在エクアドル日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

平成24年4月1日
在エクアドル日本国大使館

外務省からお子様をお持ちの皆様にお知らせ

近年国際結婚をした夫婦が離婚する際、無断で子供を日本に連れて帰る行為によるトラブルが多発しています。防犯とは関係ありませんが、トラブル防止のため、エクアドルの法律についてお知らせいたします。

未成年者が片方の親権者のみと出国する場合は、もう一方の親権者の許可が必要(第三者が依頼を受けて未成年者を出国させる場合には両親権者の許可が必要)となります。単に手続きを忘れただけの場合は問題になりませんが、例えば離婚について調停中であるにもかかわらず、配偶者の許可を得ずに子供を国外に連れ出そうとした場合、状況によってはたとえ子供が出国に同意していたとしても未成年者略取の罪(刑法第543条懲役3年から6年の罪)に抵触する可能性がありますので、そのような場合はあらかじめ弁護士に相談するなどの措置を講じて下さい。

Ⅰ エクアドル在留邦人の皆様へ

日本から約15,000キロメートル離れた地球の反対側、赤道直下に位置するここエクアドルには約450人の日本人が在留されています。日本とは、気候・風土・慣習は異なり、日本の常識が通じない事も各方面に存在します。

安全(犯罪発生率・抑止方策・自主防衛等)に対する考え方、また、反政府運動や、火山噴火などの天災等の緊急事態における治安当局等、政府の対応に関しても日本とは異なります。

「日本では考えられない。あり得ない。」また「信頼すべき警察が・・警備会社が・・」と嘆いていても始まりません。ここは異国「エクアドル」なのです。

仕事等重要な使命を受け、単身で、また家族と共にエクアドルに在留される以上「自分自身の安全は自分自身で」の大原則を念頭に日々の生活を送ることが大切になってきます。

当大使館では、「各種犯罪被害に遭う可能性を低くするため」また「反政府運動や天災等の緊急事態時に冷静に行動を起こし、これら事態に巻き込まれる可能性を低くするため」に「安全の手引き」を作成しています。

決して万全とは言えない「安全の手引き」ですが、ぜひ熟読され、また、常に身近な場所に置いて頂き「目で見るもの」では無く「身体に覚えさせるもの」
として活用して頂ければ幸いです。

在エクアドル日本国大使館 領事班

Ⅱ 防犯の手引き

1.基本的心構え

エクアドルにおいて、一般的に、「日本人はお金持ち」と見られていて、現金を持ち歩くこと、安全に対する気配りが足りないことなどを要因として、犯罪者の格好の対象とされています。貧富の格差の激しい事にも注意しなければなりません。多額の現金の入った財布をたくさんの人がいる前で出し入れしたり、他人に誇示するような形で高級品を身につけたり、夜遅く暗い場所を歩いたりするなど、犯罪を誘発するような行為は厳に慎むよう留意することが必要です。

常日頃から「自分自身の安全は自分自身で」という心構えが大切です。

2.一般的留意事項
(1)目立たないようにすること
  • 服装、言動は出来るだけ目立たないようにする。
  • 現地の環境にとけ込む努力をする。
  • 集会及びデモが行われている地域への立ち寄りは避ける。
    (※デモ等が警官隊との衝突に発展するケースが散見される。)
(2)行動を悟られないこと
  • 通勤経路、時間、及び自宅を出発あるいは帰宅する時間を変化させる。
    (※行動のパターン化を避ける)
  • 単独での外出や行動は避ける。毎日、同一時間帯及び場所での行動、あるいは人気のない裏道等は避ける。
    (※複数で居る場合と単独で居る場合の犯罪被害率は明らかに違う)
  • 常に連絡が出来る手段を確保しておく。
    (※緊急時に備え携帯電話・無線等を常に使用可能状態にしておく)
  • 身近な人に、何処に行くのか、何をするのか、いつ戻るかを伝えておく。
(3)常に警戒すること
  • 怪しい人、物、場所に対しては、常に警戒心を旺盛にしておく。
  • 決して電話で個人情報(住所、携帯電話番号、出張予定等)を伝達しない。
    (※盗聴されている可能性があり、情報は誘拐犯等に売買されることがある)
  • 徒歩・車両等で移動中、尾行されていると感じる事象に遭遇すれば、直ちに安全な場所(警察署、大勢の人々が参集する場所)に移動する。
  • 尾行されるような経験をした場合には、必ず大使館領事班宛に通報する。
3.住宅及び家族での安全対策

家族全員が自分自身の安全を確保するためには予め基本的な予防警戒訓練を行っておく必要があります。このマニュアルに記載してある防護手段或いは防護テクニック等を習熟して、確実に家族全員が非常時にどのような行動をとるかの意思確認を徹底して下さい。殆どの予防警戒はシンプルで常識的なことですが、それらがあらゆる犯罪行為から身を守る手助けとなります。

住居の安全対策
(1)住宅外部
  • 住居の外壁や郵便受け箱等に名前や電話番号を明示しないこと。
    (※日本人であること、子供が居ること等が判明する)
  • 照明は極力明るくする。
    (※犯罪者は照明等の明かりを嫌がる)
  • 隠れる場所をなくすために草木をうまくコントロールする。
    (※電気、水道メーター検針設置場所等の死角となる場所への対応)
(2)理想とされる出入口の装備
  • デッドボルト(バネによらずノブ又はキーを回して動く錠前用差し金)ロック付きの頑丈なドア。
    (※可能であれば2重ロック式、チェーン付、覗き窓付が好ましい)
  • 鍵付き天窓を敷設する。
    (※緊急時の脱出口)
  • 1階窓ガラスには、全て鉄格子を設置する。
    (※侵入困難な造りにする)
(3)理想とされる内部の機能及び装備
  • アラーム及びインター・コミュニケーション・システム
    (※犯罪者心理により、アラーム等の音響を嫌がる)
  • 消火装置
    (※火災時の迅速な措置)
  • 医療・救急処置備品
    (※負傷時の迅速な措置)
(4)その他の推奨機能、備品
  • (入口への)接近路を見渡せるようにする。
  • 住居に至る通路が複数ある。
  • 人が乗り降り出来ない程度の高い外壁又はフェンス、更には高電圧鉄線を設置する。
    (※侵入・逃走共に困難な環境にする)
家族のための助言事項
  • 自宅の鍵を必要以上に保持しない。
    (※常に本数の把握を)
  • 鍵を紛失、盗難に遭った時、或いは前住人の後に入居した時には全ての鍵を取り替える。
  • 夜間は、ガレージ等の屋外施設等を含め、全ての入口のドア及び窓等の施錠を行う。
  • 在宅中でも必ず施錠を行う。
  • 郵便物等のように名前が書かれてあるものは、必ず裁断或いはそれらが読み取れないように措置して廃棄する。
  • 窓際やバルコニー等に姿を見せるなど外部に存在感を与えない。
  • 常時、最新情報の入手に心がけ警戒心を旺盛にしておく。
    (※ニュース・ラジオ等を利用し付近で何が起きているのか、何が起きそうか)
  • 電気や水道検針員等の行動に用心する。
    (※爆弾・盗聴器の設置等に利用)
  • 自宅周辺に駐車或いは徘徊している不審者(車)の特徴を記録する。
  • 不審だと感じる動向を察知すれば直ちに警察に通報すると共に、大使館領事班に対しても連絡する。
    (※異常を感じたら先手、先手の対応を)
子供に対する特別予防警戒
  • 決して子供を一人きりで、或いは付き添い無しで外出させない。また付添人は確実に信頼できる者を付ける。
  • ドアと窓を常時施錠する習慣を付ける。
  • 見知らぬ人を決して自宅内に入れないということを徹底しておく。
  • 非常の場合の警察、親の職場或いは知人への連絡方法を教えておく。
    (※分かりやすく電話機前に貼り付けておく等の措置)
  • 常時、子供の所在地については把握しておく。
  • 特に次の事項については徹底する必要がある。
    • 子供の所在地把握と確実な連絡が取れるようにしておくこと。
    • 理由無くして単独行動を行わないこと。
    • 見知らぬ人に声をかけられた場合、如何なる場所・状況でも相手にしないこと。
4.自宅を離れる場合
  • 自宅を離れる場合には、「中に人が住んでいるように見える」処置を施して、施錠する。
    (※カーテン・ブラインド等を一部開けておく)
  • 留守中である旨の表示をしない。
  • 玄関付近の置物等に鍵を隠さない。
    (※鍵は常に所持する)
  • 時間と場所を変化させて、室内が点灯するようなタイマー装置をセットする。
    (※室内に誰か居るような気配を感じさせる)
  • タイマー式ラジオを有効に活用する。
  • 信頼できる知人に家を留守にすることについて知らせておく。
  • 信頼できる知人に家の点検等を依頼する。
    (※玄関周り、外部に面する窓、車両等の点検)
5.電話に対する警戒
  • 非常用の電話番号(警察、消防、病院、大使館)を記録しておく。
    (※短縮ダイヤル等があれば利用する)
  • 電話がかかってきた場合、間違い電話で相手から確認された場合でも電話番号や名前を答えない。代わりに、相手がかけた先の電話番号、名前を言わせて「間違いです」と答える。
    (※間違い電話を装い情報の収集を行っている場合もある)
  • 脅迫電話がある場合には事後に備えて録音するなどしておく。
    (※脅迫犯人特定の証拠品になる)
6.郵便物及び小包等に対する対策
  • 不審物発見時の三原則を守る。
    • 近づかない
    • 触らない
    • 動かさない
  • 怪しいと感じる郵便物及び小包等の梱包テープ、紐及びその他ラッピング資材は、決して切断したりしない。
  • 怪しい郵便物及び小包等は直ちに警察に通報すると共に、大使館領事班に対しても連絡する。
~怪しい郵便物とは~
  • 差し出し場所が、いつもと異なる、或いは見知らぬ場所からである。
  • 差出人が不明である(氏名・住所が記載されていない)。
  • 法外に郵便料金が高い。
  • 異常に大きい(小さい)物である。
  • 包装紙にオイルやシミがある。
  • ワイヤーや紐がはみ出している、或いは取り付けてある。
  • パッケージやラベルに間違ったスペルが書かれてある。
  • 差出人住所と差出場所が異なっている。
  • 住所、氏名等が雑誌等の印刷物を切り貼りされた物である。
  • 異常に重い・バランスがおかしく、或いは均等でない外見、形状である。
7.外出時の安全対策
(1)公共交通機関

当地に於けるバス、トロリー等の利用は極力避けるように心がけ、どうしても利用せざるを得ない場合は、十分に警戒する。

  • 出来る限りグループ行動を行う。
  • 危険な地域や集会・デモ等が行われる可能性のある地域を経由するバス等を利用しない。
    (※バスに乗車していても巻き込まれる可能性は十分にある)
  • バス等を利用する場合には、服装など目立たないように配慮する。
(2)長距離バス

エクアドルにおける長距離バスの利用は、他の交通手段に比べ交通事故及び、犯罪被害に遭う危険が高いので、長距離移動の際にはなるべく航空便を利用する。

交通事故の多発
2010年中、NHK等でも報道された12月24日未明発生の35名以上が死亡するバスの転落事故をはじめとして、長距離バスにおける転落、転覆等の大規模な交通事故が多発しています。これらの事故は深夜、早朝に多く発生しており、特に年末、バケーションシーズン等の繁忙期に発生件数が増加する傾向にある(2010年12月24日から26日の3日間に3件のバスの大規模事故が発生し、61名が死亡)ので、この期間は特に利用を避けて下さい。
犯罪の多発
深夜長距離バスは、乗客を装った強盗が道中でバスをジャックし、金品を強奪する事件が発生しています。複数の邦人が被害に遭っており、手の指を骨折するなどの重傷事案も発生しています。昼間帯の長距離バスは深夜よりも比較的安全ですが、同様の強盗事件は発生しています。
ア 長距離バスを利用する際の注意事項
どうしても長距離バスを利用する際は、以下の点に十分注意し、交通事故、犯罪被害に備え、また、深夜便の利用は極力避ける。
(ア)交通事故に備えた乗車方法をする
事故に備え、シートベルトを正しく装着し、非常口の位置を確認し、万が一の事態が発生した際は速やかに避難できるようにしておく。
(イ)強盗に遭った際は決して逆らわず、犯人に従う
強盗に遭った際は決して逆らわず犯人に従う。犯人が逆上し、怪我をさせられたり、殺害される恐れがある。
(ウ)バス車内、バスターミナル、停留所におけるスリ、置き引きに注意
バス車内では、網棚に荷物を置く、足下や膝上に荷物を置いたまま眠る等の行為はスリ・置き引きのターゲットとなる。
バスターミナルや停留所では、バス側面の荷物入れに預けた荷物を持ち去られてしまう事件が発生してるので、バスが停車した際、預けた荷物が他人に取り出されていないか確認する。
また、バス車内、ターミナル、停留所において、ポケットに入れておいた金品をスリ盗られる被害、リュックやウエストポーチを刃物で切られ、中身をスリ盗られる被害が発生しているので注意する。
(エ)国境を通過する際には確実に出入国の手続きを行う
長距離バスによっては、出入国管理局を通らないルートを利用して国境を運航しており、それらを利用し、正規の出入国手続きを行わずに国境を越えたために、警察に拘束される、罰金を課される等のトラブルが発生しているので、国境を通過する長距離バスを利用する際には、乗車する前に出入国管理局を通過するか確認し、出入国手続きを確実に行う。
(3)タクシー

タクシーは正しく利用すれば他の交通手段に比べ安全であるが、短時間誘拐などが発生しているので、以下の点に注意し利用する。

ア 非正規タクシー(白タク)は利用しない。
当地における正規の登録タクシーは、車両のナンバープレートがオレンジ色で、正規の登録タクシーであることを示す登録証が左右ドアと前後の窓ガラスに貼られている。非正規のタクシー利用は犯罪に遭う確率が高いので利用しない。また、正規のタクシーに乗車する際であっても、ナンバープレートと登録証は必ず確認し、出来れば番号をメモする。(正規タクシーの見分け方については下記参照。)
イ 流しのタクシーは利用しない。
正規のタクシーであっても、道路を通行中の空車タクシーを呼び止めて利用しない。運転手が強盗等と共犯であるケースが多く、移動中に運転手が共犯者と連絡を取り合い、途中で犯人がタクシーに乗り込んで強盗・短時間被害に遭うケースが増加している。被害にあった後で被害者が運転手と強盗が共犯であったと訴えても、ナンバーや登録番号を記録していない限り犯人逮捕につながらない。
ウ 無線タクシーを利用する。
無線タクシーはホテルやレストランに頼めばすぐに手配してもらえる上、タクシー会社がどの客にどの車両を手配したのか記録しているため比較的安全である。タクシー会社が手配した車両のメーカー、車種、色、ナンバーを伝えてくるので、車両が到着した時に、メーカー、車種、色、ナンバーに間違いないかを確認し、運転手に所属するタクシー会社の名前と、客の名前(自分の名前)を確認して乗車する。(車体が黄色ではなくナンバーも白色の、いわゆる一見して白タク車両が来ることもあるが、下記タクシー社については会社が手配したものと一致していれば乗車して問題ないと、各会社から回答を得ている。)
<キト市>
  • FAST LINE 電話:02-2222-222、220
  • AMERICAN TAXI 電話:02-2222-333、02-2526-000
  • TAXI BUSINESS 電話:02-2906-617、09-8384-413
<グアヤキル市>
  • FAST LINE 電話:04-2823-333,04-2622-044
  • VIP CAR 電話:04-2393-000
  • SEDISCA 電話:04-2277-300
エ 一流ホテルから乗車する。
一流ホテルから乗車する場合、ホテル専属のタクシー会社である場合が多く、ホテルが運転手を把握している場合が多いので比較的安全である。ホテル所属のタクシー会社の場合、車両のドア部分にホテルの名前が記載されているので確認する。
※正規タクシーの見分け方
乗車前に以下を確認する。
  • 車両が黄色であること
  • ナンバーがオレンジ色であること
  • フロントガラス、運転席及び助手席ドア部分に登録証が貼付してあること
  • 車両後部ドア部分にタクシー会社の社名及び電話番号の記載があること
(4)乗用車
  • 質素な車を選定する。
    (※高級車や目立つ車は注目を引き、被害に遭遇しやすい)
  • ドア等に社名、電話及び住所は明示しない。
  • 車内に、盗難の対象となり得る物を目立つように放置しない。
    (※現金・サングラス・鞄等)
  • 運転中も助手席上に鞄等が置かれていることが外部から見通せる状態は避  け、鞄等は、座席下や足下に置くようにする。
  • 車両の状態を常に把握しておく。
    • 常に良好な整備状態を保持する。
    • 常に燃料タンクは少なくとも半分以上に保つ。
    • 良好なタイヤを装着する。
ア 駐車場
  • 車両ドアをロックする。
  • 路上駐車は極力避ける。
    (※路上駐車被害が相当数を占める)
  • 車外に出る場合には周囲の安全性を確認する。
    (※降車時を狙った車両強盗)
  • ドアを開けたまま、あるいはロックしないままその場を離れない。
    (※数分、数秒であっても必ずロックする)
  • 車の乗り降りは、目的場所の直近で行う。
イ 移動時
  • 建物を出て車に乗り込む前に不審な兆候等がないか周辺の状況を確認する。
    (※不審者はいないか、爆発物はないか)
  • 可能な限り往復の経路を変える。
    (※待ち伏せ等の可能性も十分ありえる)
  • 夜遅くの移動は避ける。
  • 同伴者と一緒に行動する。
  • 隔離された道路、暗い裏通りは極力避ける。
  • シートベルトの着用、ドアロックの励行、及び窓の全閉を習慣化する。
    (※窓の隙間から盗難等の被害)
  • 停車時、車両が取り囲まれることを想定して前方の車両とは最低でも2.4メートルの車間距離(前方車両後部タイヤの接地面が運転席から見えるくらいの距離)を保って停車する。
~車両乗車中に攻撃された場合には?~
  • 同乗者及び通行人に危害が加わらないようテロリストに服従することなく周囲から注意をひきつけるようクラクションを鳴らし続ける。
  • 追跡者と自車の間に他の車両を入れ込むようにする。
  • 最寄りの広い場所(公園等)へ避難する。
(5)飛行機

飛行機による移動は、地上交通機関と違って、特にハイリスクな空港や各国上空を通過するため、安全面での問題が生じるが、シンプルな予防警戒がテロリストの攻撃の危険性を減少させることになる。

  • ハイリスクエリアの通過及び立ち寄りは極力避けることが必要であるが、そのような必要性が生じる場合には、必ず最新の情報を入手すると共に大使館領事班の意見も受ける。
    (※航空会社への脅威、通過地・乗換地・目的地の脅威等)
  • 予約に当たっては窓側の席を選ぶ。
    (※外の状況が早期に判明)
  • 操縦席から遠い席を予約するように努める。
    (※テロリスト第一の標的は操縦席である)
  • 機種によって異なるが、一般的には後部非常口付近が一番良いとされている。
  • 機内持ち込み荷物は極力少なくするようにする。両手がふさがるくらいの荷物は良くない。
    (※緊急時の迅速な対応ができなくなる)
ア 服装
  • 会社ロゴ入りシャツ、鞄等のような個人、会社を特定できるものを着用及び携行しない。
  • 目的地等その場に適したものを着用する。
    (※目立つことをさける)
イ 空港に於ける予防警戒
  • 空港では特別警戒態勢を敷く場合も多いことから、事前に空港の警備体制等について情報を得るよう努める。
  • 空港へは早めに到着する。
  • ターミナル内に置かれている無人の荷物には近づかない。
    (※爆発物、麻薬である可能性)
  • 自分が携帯する荷物は絶対手放さない。
    (※空港内の置き引き・スリ・ひったくりは非常に多い)
  • 空港内では全ての人、物に注意を払う。
    (※不特定多数の人物・物品の出入りがある)
ウ 出張先の選定と警戒
当然のことながらテロ多発国への出張は特段の事情が無い限り行わない。業務上やむを得ない場合には、現地治安当局や大使館等から情報を入手したうえで十分な警戒予防を図る。
8.万一、人質となった場合の対処方法

過去発生したテロ事案・誘拐事案等の被害者の99%が「まさか自分が」と感じたと話しています。全く関係ないと思うよりも、「仮に遭遇したら」とイメージトレーニングを行うことが大切です。

~万一、誘拐されたり人質となったら?~
  • 殺害されないためにも素直に従う。
  • 絶対に騒ぎ立てず冷静に。
  • その場の状況を悪化させない。
  • 誘拐された人の大部分は助かっていることを念頭に置き、慎重に行動する。
(1)攻撃を受けた場合の対応
  • 物陰等に飛び込んで隠れる。走らない。
    (※走って逃げ惑う方が、銃弾・爆発物等の破片が致命的臓器や頭部に命中する確率が高い)
  • どうしてもその場から動かなければならない場合には、腹這いになるか転げ回るようにして動く。
  • 常に体を低くして身を守るようにし、利用できるもので自分を覆うように措置する。
  • セキュリティー関係者と攻撃者(テロリスト)とを識別できるようにする。そのためには、セキュリティー関係者の手助けを試みようとしてはいけない。「起きなさい」と指示されるまでは、とにかく伏せている。
(2)ハイジャックにあった場合の措置
  • 落ち着いて静かにしておく。
  • ハイジャッカーに対して丁寧に接し、決して反抗しない。
  • ハイジャッカーの一部は最後まで人質のふりをして客を監視しているので注意する。
  • 如何なる情報も与えない。
  • 急激な体の動き、言動、敵対的態度を示すことによって自分自身にテロリストの注意を向けさせない。
  • もし許されれば、読書、睡眠、書くことなどに自分の時間をあてる。
    (※精神的、肉体的に十分な備えをする)
  • 犯人の数、身体的特徴、言葉のなまりや癖等を正確に記憶する。
    (※解放後に犯人逮捕の一助となる)
(3)残った家族のための準備
  • 基本的な書類(氏名、住所、旅券番号、身分証明書番号、身体的特徴、自動車番号、趣味や所属クラブ、医療記録)を整理しておく。
    (※犯人との交渉時、誘拐された本人と特定するため)
  • いざという時のために家族宛に最新版にした遺書、適切な委任状及び家族のための経済的処置を実施しておく。
  • 子弟の教育、財産の整理、様々な物件の譲渡に関して日頃から家族と協議しておく。
  • 交渉が長引いても意気消沈しない。その分自分の生存チャンスは増大している。
(4)犯人達との接し方
  • 誠意をもって接し相手を怒らせない。
  • 政治的、イデオロギー的な話題は避ける。
  • 相手の指示に従うが自分の威厳は保つ。
  • 相手と建設的関係を築くことに努めるが、決してテロの目的を賞賛してはいけない。
(5)犯人達の統制下にある場合
  • 監禁されている時の最大の敵は誘拐犯人ではなく、自分自身の態度である。
    (※目に見えない恐怖感、絶望感に打ちのめされる)
  • 出来る限り平静を保ち、自分の恐怖、危険を認識する。
  • 犯人の数、身体的特徴、言葉のなまりや癖等を正確に記憶する。
    (※解放後に犯人逮捕の一助となる)
  • 精神的に弱気にならない。
  • 与えられた食事は何でも食べるようにする。
    (※できるだけ長く体力を維持させる)
(6)尋問される場合
  • 簡潔明瞭に答える。
  • 丁寧さを失わず、感情を抑える(冷静を保つ)。
  • 端的に答える。どうでもよいことを話す。つまり重要事項は話さない。
  • 犯人達のフレンドリーなアプローチによって、なだめすかされないこと。(※ある者は悪役で、ある者は善玉の役割を演じて巧みに尋問してくるとがある。)

Ⅲ 緊急事態対処マニュアル

1.平素の心構え・準備
(1)連絡体制の整備

(ア)在留邦人の方は在留届の提出を遂行して下さい。また、記載事項に変更が生じた場合及び帰国の際にもその旨連絡して下さい。

(イ)当大使館(各都市日本人会、邦人会)では、緊急連絡網を作成しています。緊急連絡網に誤りがある場合、または引越しや転勤で電話番号等に変更があった場合には、速やかに当大使館に直接または日本人会等を通じて連絡して下さい。また、緊急連絡網に基づく連絡は誰から来て誰に繋ぐのかなど、平素から確認しておいて下さい。

(ウ)緊急事態はいつ起こるとも限りません。予めそのような場合の家族間、企業内での緊急連絡先について決めておいて下さい。また、お互いにその所存を極力明確にしておくことが大切です。

(エ)緊急事態が発生した場合、当大使館より緊急連絡網を通じて関連情報を提供するとともに必要な勧告を行いますが、電話回線等が使用できない場合には、当大使館備え付けのFM無線機あるいはNHK海外放送により必要な連絡を行うことがありますので、短波及びFM受信機を平素から準備しておいて下さい。

FM無線周波数:88.9MHz(メガヘルツ)
放送時間:午前9時から午後8時のそれぞれ正時から15分間が原則。変更がある場合は、放送にてお知らせします。大使館を中心に半径約5キロ程度の範囲で受信可能です。
NHK海外放送:(日本語放送:エクアドル時間)
午前3時~午前4時 9825kHz(キロヘルツ)
午前4時~午前5時 9795kHz
午後0時~午後2時 9835kHz
午後5時~午後7時 17605kHz
午後9時~午後11時 11935kHz
NHK海外放送:(スペイン語放送:エクアドル時間)
午前5時~午前5時30分 6120・6195kHz
午後11時~午後11時30分 6195kHz

※6MHz(メガヘルツ)=6000KHZ(キロヘルツ)から21MHz(メガヘルツ)=21000KHZ(キロヘルツ)の周波数帯が受信できる、国際放送対応のラジオをご用意ください。国内向け短波放送用のラジオでは、受信できる周波数の範囲が狭く(3.9MHz~12MHz)、ラジオ日本の受信には不向きです。周波数が数字で表示されるマイコンを搭載したデジタルタイプの機種をお勧めします。

(2)一時避難場所及び指定避難場所
(ア)一時避難場所の検討
大規模な自然災害、または内乱等による戦闘、騒乱に巻き込まれることのないように、常に情勢の変化に注意を払い情報を収集し、危険な場所には決して近づかないようにして下さい。また、予め緊急事態が発生した場合を想定して、平素から一時的な避難場所を検討しておくことが大切です。
(イ)指定避難場所
緊急事態の状況に応じて当大使館より指定避難場所への集結を勧告することがあります。当大使館が指定する避難場所は次の通りです。その所在地の確認及びそこに至る道順につき幾つかの事態を想定して、予め検討しておいて下さい。
《キト地区》
  • 在エクアドル共和国日本国大使館事務所
    Av.Amazonas N39-123 y Jose Arizaga
    Edif. Amazonas Plaza 11-Piso, Quito

    電話番号 02-2278-700
    FAX番号 02-2449-399
    当番携帯 09-2399-717
    (土・日曜日、祝日は休館の可能性あり、当番携帯に。)
  • 在エクアドル共和国日本国大使館公邸
    Hidalgo de Pinto 877, Quito
    電話番号 02-2449-400
《グアヤキル地区》
  • 在グアヤキル日本国名誉総領事館
    Plastlit S. A. Via a Daule Km 11 y 1/2, Guayaquil
    電話番号 04-2100-600
    FAX番号 04-2100-151
(3)携行品及び非常用物資の準備

(ア)旅券、現金等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるよう予め準備 保管しておいて下さい。

(イ)緊急事態が発生した場合、一定期間自宅で待機しなければならないこともありますので、予め家族全員が10日間程度生活できる量の非常用食糧、飲料水、医薬品、燃料等を準備しておいて下さい。

(ウ)予め準備しておくべきチェック・リストは別添の通りです。

2.緊急事態発生時の行動
(1)心構え

緊急事態が発生、または発生する恐れがある場合、当大使館は邦人の安全を確保するため所要の情報収集、情勢判断及び対策を策定し、緊急連絡網を通じて随時連絡を行います。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり群衆心理に巻き込まれたりすることのないよう注意して下さい。

(2)情勢の把握

平素から現地並びに海外及び衛星放送等を通じた報道に注意して情勢の把握に心掛けて下さい。

(3)当大使館への連絡
  • 各人が遭遇した現場の状況のうち連絡する必要があると思われるものは、随時当大使館に連絡して下さい。
  • 邦人及びその関係者の生命、身体、財産等に危害が及びあるいは及ぶ恐れがある場合、迅速かつ具体的にその状況を当大使館まで連絡して下さい。
  • 緊急事態が発生した場合、お互い助け合って事態に対処していくことが大切です。当大使館より邦人の方々に種々の助力をお願いすることもありますのでご協力をお願いします。
(4)国外への退避
  • 事態の悪化に伴い各人または所属する会社等の判断により日本国に帰国、あるいは第三国に退避する場合、その旨を当大使館へ連絡して下さい。なお、当大使館への連絡が困難な場合には、日本国外務省へ連絡するよう努力して下さい。
    • 日本国外務省 代表電話番号 (0081)3-3580-3311
      海外邦人安全課(0081)3-5501-8160
      邦人テロ対策室(0081)3-5501-8165
  • 当大使館より「避難勧告」が発出された場合、船舶あるいは飛行機の一般商業便が運航している間は、これら一般商業便を利用して可能な限り早急に国外に退避して下さい。また、一般商業便が欠航した場合には臨時便あるいはチャーター便の活用、状況によっては陸路での退避も必要となってきますので、当大使館の勧告に従うようにして下さい。
  • 事態の切迫に伴い当大使館より退避または避難のための集結が勧告された場合、前記1.(2)イ、で指定されている避難場所に集結して下さい。その際には、しばらくの間指定避難場所で待機する事態も予想されますので、可能であれば前記1.(3)イ、の非常用物資を持参して下さい。なお、避難時には事故及びその家族の生命、身体の安全を第一に考え、その携行品は必要最小限度にして下さい。また必要に応じて指定避難場所への交通手段を当大使館が手配することもあります。
  • 大使館では国外に退避する場合、事態の状況に応じて次の都市に退避することにしています。
    • [空路] 目的地:アトランタ(米国)
      ボゴタ(コロンビア)
      リマ(ペルー)
緊急事態に備えてのチェック・リスト
1.旅券及び証明書類

旅券は常時6ヶ月以上の残存有効期間があるよう心がけてください。残存有効期間が6ヶ月未満の場合には、再発給の申請手続きをしておいてください。また、旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記入するとともに、併せて血液型を記入しておくことをお勧めします。なお、外国人登録証明書、身分証明書等はいつでも持ち出せる状態にしておいてください。

2.現金、貴金属類、有価証券、クレジットカード

これらの貴重品は旅券同様直ちに持ち出せるよう、準備保管しておいてください。なお、現金は自己及びその家族が最低限度10日間生活できる程度の現金を用意しておくことをお勧めします。

3.自動車の整備

(1)自動車をお持ちの方は、常時整備しておくよう心がけてください。

(2)燃料は常に満たしておいてください。

(3)車内には、懐中電灯、地図、ティッシュ等を備えておいてください。

(4)自動車をお持ちでない方は、近くに住んでいる自動車をお持ちの方と平素から連絡を取り、必要な場合には同乗できるよう相談しておくことをお勧めします。

4.携行品の準備

指定避難場所等へ避難する事態を想定して、次の携行品を予め準備するとともに、直ちに持ち出せる状態にしておいてください。

(1)衣類
綿素材の長袖シャツ、長ズボン等、行動に便利で吸湿性、耐暑性に富みことさら人目を引くような華美なものでないもの
(2)履物
行動に便利で靴底が平らで厚く頑丈なもの
(3)洗面用具
石鹸、歯ブラシ、歯磨き粉、タオル
(4)非常用食糧
しばらくの間自宅待機する事態を想定して、穀物類、調味料、インスタント食品、缶詰等の保存食品及び飲料水を家族全員が10日間程度生活できる量を予め準備しておいてください。なお、自宅から指定避難場所等へ避難する場合、インスタント食品、保存食品及び飲料水を入れた水筒を携行してください。
(5)医薬品
家庭用常備薬、殺菌用石鹸、衛生綿、包帯、絆創膏
(6)ラジオ
NHK海外放送、BBC、VOA等の短波及びFM放送が受信できる電池使用のもの
(7)その他
懐中電灯、携行型発電機、電池、ライター、ろうそく、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、ヘルメット、防災頭巾、寝袋等

Ⅳ 最後に

エクアドルの生活に慣れるのは良い事ですが、安全対策に慣れを決して持ち込んではいけません。当地に到着した時の緊張感を持ち続けることが大切であり、「自分自身の安全は自分自身で」という安全の大原則を絶対に忘れないようにして下さい。

万が一事件・事故に遭遇した場合、大使館は「邦人援護・保護」という任務遂行のため、総力を挙げて被害に遭われた在留邦人の援護等を行いますが、最も辛く苦しい(痛い)思いをするのは、被害者本人であり、また、同様の思いを親族・家族の方がされることとなります。

『自分自身辛い思いをしない。
そして、決して親族・家族に悲しい思いをさせない。』

この事を常に心に持ち続けて下さい。

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