在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
2012年2月1日
在ドミニカ共和国日本国大使館
ドミニカ共和国は10年ほど前までは中南米諸国の中では治安が良いと言われてきました。しかしながら現在は凶器(けん銃や刃物など)を使用する強盗や殺人事件が多発しており、また、麻薬に関係する犯罪や抗争事件は、首都サント・ドミンゴはもとより各地方都市においても発生しています。
この様な情勢の中、当国政府は犯罪の増加に対処するため陸軍と国家警察が合同で犯罪の発生抑止と取締に努めています。
一方、国民及びマスコミは最近の凶悪事件の発生件数及びその内容等から治安の悪化を肌で感じ取り、政府に対して対処措置を要求するとともに、自己防衛策を進めております。
また、国家警察も犯罪取締に対する市民の協力を強く要請するとともに警察組織の改革や警察官の増員を進めております。
当地で生活するためにはこの様な社会環境をよく把握した上で犯罪から身を守るため色々な面において「日本ではない」「犯罪の多い国」ということを再認識するとともに、その防犯対策として「自分の身は自分で守る」という緊張感と防犯意識を常に維持して頂きたいと思います。
本マニュアルは、その一助になるべく作成したものですが、常日頃から安全について自分なりに工夫することによってより楽しい海外生活が出きるように心がけて頂きたいと思います。
2012年2月1日
在ドミニカ共和国日本国大使館
報道されている事件や事故は自分には無関係であると考えがちです。この様な認識をまず改め、海外においてはいつ自分が犯罪の被害者になってもおかしくないと肝に銘じて頂くことをお願いします。従って職場、住居、通勤、通学途上のすべてが安全対策の対象となりますので、少なくとも一般的に危険といわれている場所(貧困地域、落書きや盗電の多い場所、ゴミが多く放置されている場所、外国人が利用しない商店街・市場等)については極力立ち入らないように努めて下さい。
治安情勢等が悪化し危機が迫った場合等において一番危険なことはデマに惑わされることです。これは戦争やクーデター等に限ったことではなく、地震やハリケーン等の災害においても同じ事です。また、日常生活をする上でもデマを盲信したために危険な状態に陥ることもあります。各種危険を回避し早急に有効な対策を講じるためにも確かな情報を収集することが必要です。様々な情報が流れている状況下にあっては、どれが確実な情報なのか判断できませんので鵜呑みにすることなく必ず確認することが大切です。ある種の不安を伴う情報に接した時にはその都度日本大使館に確認するようにして下さい。
当地に3ヶ月以上在留される方は在留届を日本大使館に提出することが旅券法第116条で定められています。これは外国に在留する日本人が最初に果たさなければならない義務の一つですから忘れずに提出して下さい。
また、緊急時には安否確認の連絡をするための重要なデータともなりますので、滞在3ヶ月に拘わらずにできるだけ早期に届け出をするようにして下さい。
届け出をされた方で連絡先等が変更になった場合は速やかに大使館に連絡するとともに、帰国(一時的な旅行をのぞく)の際には必ず帰国届を提出して下さい。
当国における治安悪化の一因は国民の多数を占めるという貧困層の問題であり、富裕層の好況とは裏腹に低所得者層の生活は一向に改善されず、その格差はさらに拡大しています。
また、当国では許可を得ることにより一般市民でも容易に銃を所持することが可能であるほか、多くの違法銃が巷に出回っていることから、米国と同様に銃社会となっています。
これらの状況は当然金品目当ての犯罪を誘発することになり、低所得者層が集団化して強盗等の犯罪を重ねている等、治安は年々悪化しています。
以前から発生していた犯罪(けん銃や刃物といった凶器を使用した強盗、自動車盗、自動車の部品盗、空き巣、乗り合いバス・タクシー車内などでのスリ等)のほか、最近は誘拐事件やカード犯罪等の悪質な事件が増加しています。
当国では、停電や物価高騰・教育問題等に抗議するデモやストライキが各地多発しています。このようなストライキは予測不可能であり暴力を伴うことが多々あります。当国のデモ・ストライキ等の抗議行動は道路を封鎖しタイヤやゴミを燃やすことのほか、治安部隊への投石や発砲、自家製爆弾を使用することもあります。これまで外国人を狙うといった事件はあまり発生していませんが、警察力の弱い地方都市ではデモ・ストライキの沈静化に時間がかかり、群集心理も作用して思わぬ大きな事件事故に発展する可能性があります。
デモ隊の鎮圧のために治安部隊が発砲することも多く、デモ隊のみならず付近住民等第三者が流れ弾によって死傷する事案が多く発生しています。
現在当国治安当局は隣国ハイチからの密入国者を厳しく監視しており、国境付近のハイチに通じる主要道路では常時数カ所での検問が行われていますが、ハイチ人による不法入国は後を絶ちません。特にハイチ地震やコレラ蔓延によりこの傾向は近年加速されています。乗り合いバスに対しても乗客を降ろして身元確認を実施しており、2004年1月には国境付近で日本人旅行者が密入国中国人と疑われて身柄を拘束される事案が発生しています。
また、ハイチの政情等によっては当国の国境を閉鎖する場合もしばしばあります。
当国は南米から米国・欧州への麻薬密輸ルートの一大中継地といわれており、麻薬取締は非常に厳しく、少量でも所持していると禁固刑や罰金刑又は国外追放等の重刑を科せられます。ちなみに当国の薬物取締に関する法廷最高刑を見ますと、麻薬の営利目的所持で禁固30年及び罰金100万ペソ、単純所持で禁固2年及び罰金2,500ペソとなっています。
空港税関においては風邪薬等でも麻薬との疑いをかけられることもありますので、これら薬品の持ち込みには注意が必要です。
当国は観光立国であることからも市内観光名所、ショッピングセンター等には必ず警察官や警備員が配置されていますが、「すり」や「置き引き」といった犯罪はどこでも発生しますので油断することのないように注意して下さい。
外国人が被害となった殺人事件や誘拐事件も発生しています。
日本人等に対しての窃盗や強盗被害も多く発生しています。
自然災害やクーデター等の緊急事態に際しては冷静沈着に行動することが何よりも大切です。このためには事前の準備、即ち各人の日頃の心構えが重要です。
いざという時に何をしていいのか判らなければパニックに陥ることになります。したがって当地で生活される方は常に「何かが起こった時にはどうするのか。」という事を自分自身で考えておくようにして下さい。
また、緊急の避難に備え自宅から一時避難場所(大使館・大使公邸等)までの比較的安全なルートを検討する等日頃から色々な道路をよく覚えておくようにして下さい。
更に有事の際には外出禁止令が発令される場合も考えられますので、当国政府、治安機関等の発表等には特に注意して下さい。
次に列挙したものは対応の一例ですが、あくまで例に過ぎませんので状況に応じて自ら考えるようにして下さい。
サント・ドミンゴ首都圏の東部及び北部オサマ川沿い、グアレイ、グアチュピタ、カポティージョ、ロス・グァンドゥーレス・ビジャファナ、クリストレイ、ロスプラドス地区等で凶悪犯罪や多発しています。
サント・ドミンゴ北市では、ビジャメジャ・サバナペルディダ地区で多くの強盗等の凶悪犯罪が発生しています。
サント・ドミンゴ東市では全域にわたり被害が多く発生しております。
また、サント・ドミンゴ首都圏の周辺のロスアルカリソス市やボカチカ市においても急激に治安が悪化しています。
更に、北部サンティアゴ市を中心とした地区でも、近年急激に治安が悪化しており、凶悪事件が多く発生しています。
特に貧困地区ではストライキ(抗議行動)に伴う住民と警察の衝突(拳銃や催涙ガスを使用)が散発しています。
また、夜間は貧困地区に限らず各地域で凶悪事件(殺人、強盗、強姦、誘拐、窃盗、麻薬密売等)が発生しています。
とにかく落ち着いて深呼吸することです。犯罪の態様にもよりますが強盗のように相手がいる場合は無謀な抵抗は避け、犯人の人相、服装、使用車両ナンバー等の記憶に努めて下さい。また犯人の要求に応じて財布等をポケットから取り出す場合でも、拳銃を取り出すと勘違いされるおそれがありますので、ゆっくりとした動作で相手を刺激しないようにして下さい。これは警察官等に職務質問された場合にも言えることです。
また、財布に身分証明書等の貴重品を入れていると、財布を犯人へ差し出す際に躊躇してしまうことがありますので、身分証明書等は別に携帯する事をお勧めします。
被害に遭った場合は、その場所を管轄する警察署に届け出ることが必要です。(必要に応じて保険請求等のための被害証明書を交付して貰う。)
大使館へも通報(被害の状況等)して下さい。
当国では警察だけでなく軍隊も治安維持に当たると共に逮捕権を持っています。
万が一、事件等で逮捕されたり、身柄を拘束された場合には当該官憲に対し、日本大使館に通報するように要請する権利があります(領事関係に関するウィーン条約に基づく領事通報)。
その場合大使館では次の様な援護を行う事ができます。
取り調べ等において調書その他司法書類等に署名する場合は、通訳を依頼する等して内容を十分確認してからにして下さい。
当地の水道水は飲料水としては不適ですので、スーパーマーケット等でミネラルウォーター等を購入されることをお勧めします。
当地食料品の品数は豊富ですが品質管理が悪く、生又は半生で食べるのは控えるのが賢明です。大きなスーパーマーケット等でも賞味期限が切れたものやカビの生えているものが並んでいることがあるのでよく注意して下さい。
日本とは気候、生活様式等も異なり何かとストレスが溜まりやすい状況にありますので、健康管理には十分注意して下さい。
昨年発生したコレラの大量発生は収束に向かっていますが、まだまだ注意が必要です。
当地には特に目立つ風土病はありませんが夏場はデング熱が流行し、在留邦人もかなりの方が罹患しています。デング熱はすべて蚊による感染ですので自宅での駆虫対策等にも注意が必要であり、野外に出るときは、デング熱対策として虫さされ防止用スプレー等を持参することをお勧めします。(特に昼間帯に刺す蚊が危険であると言われています。)
また常夏の国ではあるものの11月から3月は夜間との温度差が大きいので風邪等にも十分注意して下さい。
首都サント・ドミンゴ市等の都市部では医療施設の整っている病院(私立病院)は多数ありますが地方では一部の都市を除いてそれ程整備されていませんので病気、怪我の程度により首都に出てくる必要があります。
日頃から行きつけの病院・ホームドクター等を自分で確保しておくことも必要かと思われます。
当地においては、首都圏の一部幹線道路を除いては道路事情が悪い上に横断歩道もほとんどない車優先社会となっています。
加えて信号等の不備、故障の多発、その他交通マナーが極めて悪いことから事故の多発と慢性的な渋滞が起っています。
人口10万人当たりの交通事故死者数は、日本の約3・8倍です。
交通事故の原因は①交通違反、②運転の未熟とマナーの悪さ、③車の整備不良等が原因で、加害者は警察に拘留されることが多く、裁判にかけられることがあります。
ちなみに制限速度は市内幹線で60㎞、狭い道は10~30㎞、高速道路は100㎞となっています。この様な現地の交通事情を考慮して次の様な注意が必要です。
当国では歩行者優先といった概念が全くなく、また横断歩道もほとんどないので(あっても誰も意識していない)道路の横断には極力注意を払うことが必要です。
(ア)負傷者の救護
(イ)警察への通報
(ウ)相手方当事者、車両番号等の確認、可能であれば現場の状況等を写真撮影する。
(エ)目撃者の確保
(オ)事故の相手方と意思が通じない場合は通訳が確保できるまで謝罪等不用意な発言をしない(こちらに明白な責任がある場合等は別)。
(カ)単なる物損事故の場合は、当事者同士で警察(カサデコンドゥクトール)に行って事故の申告をする(軽微な物損事故では警察は来ない)。
(事故の当事者は48時間以内に届出をする義務があり、遅れた場合は免許証を一時的に取り上げられます)
当国においては、現時点では国内外を拠点とするいわゆるテロ組織は確認されておらず、米国に対する連続テロ事件に関しても、テロの標的とされる危険性が高い米国軍事関係施設及び駐留部隊はなく、UBL等がテロを行う際に利用するインフラ(活動拠点、組織、特定宗教団体等)も確認されていません。
しかしながら、当国は少なからずアラブ諸国とのつながりがあり、地理的、経済的にも米国とのつながりが深く、また、当国及び隣国ハイチを経由した米国等への密入国者支援組織が存在する等、今後テロ組織が当国をコネクションとして利用することも十分考えられます。
テロの標的となりうる施設(米国大使館を含む関連施設)等には、必要がある場合の他は不用意に近づかないようにお願いします。
但し、最近の経済状況及び政府の方針に反対するグループは存在しており、火炎瓶を使った事件や、手製銃を使った事件を引き起こしています。
これまで当地では邦人に対する誘拐事件は発生していませんが、身代金目的誘拐事件は年間30件以上発生しています。また世界各地では特に日系企業の方が誘拐あるいは殺害される事件が多数発生しています。
通常、誘拐の手口としてはターゲットの選定、綿密な行動調査、準備行為等が考えられ無防備な人ほど狙われやすいと言えます。従って自分がターゲットにならないように常に通勤の道を変える、単独行動はしない、車両乗車時は確実にドアをロックする、窓を閉める、車の乗降時には特に留意するなど常に注意を払う姿勢が大切です。
また、不幸にして人質等になった場合は犯人の指示に逆らうことなく慎重に対処して下さい。
在ドミニカ共和国日本大使館 809-567-3365
執務時間外、休祭日(警備担当書記官) 1-809-545-4078
国際協力事業団ドミニカ事務所 809-381-0005
国家警察本部 809-682-2151
110・119番 911
私立救急車(モビメット) 809-532-0000(首都圏)
(緊急の場合このモビメットが早い)
セントロ・メディコ・ウセ(総合) 809-221-0171
クリニカ・アブレウ(総合) 809-688-4411
ペディアトゥリア・イ・エスペリシアリダ(小児科) 809-685-1111
アベル・ゴンサレス(総合) 809-227-2235
総合案内 809-549-1069/1238
アメリカンエアライン 809-549-0032
エールフランス 809-549-0309
コンチネンタル 809-549-0757
イベリア 809-549-0205
コパ 809-549-2676
アメリカンエアライン 809-542-5151
エールフランス 809-686-8432
コンチネンタル 809-262-1060
イベリア 809-508-0288
コパ 809-472-2672
ハラグア 809-221-2222
キントセンテナリオ 809-221-0000
エル・エンバハドール 809-221-2131
サント・ドミンゴ 809-221-1511
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