在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成24年2月28日
在デンマーク日本国大使館
毎年、海外でトラブルに巻き込まれる日本人の方がたくさんいらっしゃいます。
2010年中に在外公館等が欧州地域で扱った邦人に係る事件・事故の総件4,287件(前年比5.7%増)で、この内犯罪被害は2,571件にのぼりました。
この「安全の手引き」は、当地に在留する皆様の安全対策に少しでもお役に立てればと考え、当地で生活するに際しての注意事項についてまとめたものです。
記載内容を参考にして頂き、トラブルに巻き込まれないよう注意して快適な生活をお送り下さい。
犯罪被害は、防犯意識を高く持ち、適切な防犯対策を講じることによって、ある程度防ぐことが可能です。防犯の基本的な心構えは下記のとおりです。
デンマークは、欧州諸国の中では比較的安全な国と言われていますが、2011年中の四半期毎の犯罪届出状況は、窃盗等約10万件、粗暴犯約4,000件、性犯罪約500件となっており、少ない数字ではありません。
特に空き巣などの侵入盗や自転車、自動車などの乗り物盗、繁華街、空港、駅、列車内やホテル等において、外国人窃盗団等によるすり、置き引き等の窃盗被害が多数発生しており、邦人の中にも被害に遭っている方が多数います。
また、最近では若年層を中心とした薬物中毒者の増加が大きな社会問題となっているほか、首都部ではギャング団の抗争が懸念されています。
一般的に、一戸建てとマンションでは、マンションの方が防犯措置は講じやすいとされていますが、一階以上の階に居住する場合、テラス等の窓の施錠確認が疎かになりがちです。こうした弱点を衝く侵入事案は意外と多いので、注意が必要です。また、一戸建て住宅を選択される場合には、治安や風紀の良い地域をお選びください。
また、コペンハーゲン市内及び近郊の住宅地域では、空き巣が多発しています。
特に夏期やクリスマスなどの長期休暇時には注意が必要です。
ちょっとした外出の時でも必ず全部の窓及び扉を施錠するとともに、夜間留守にする時には室内の電灯をつけたままにしておく(長期間不在になる時には、タイマーを利用して、照明・テレビがつくようにセットしておく)、平素から近所の人と良好な関係を保持し、旅行に出る際には声を掛け、郵便物等の取り入れを依頼しておく、買い物や外出の行動パターンを一定にせず、外出時は留守であることが外観から判らないようにする、などの対策を講じることも一案です。
また、デンマークは、機械による警備システム(アラーム等)も進んでいますので、これを利用するのもよいでしょう。
毎年、当館には多数の窃盗被害が報告されており、これらの多くは空港、コペンハーゲン中央駅、列車内、ホテル(ロビー、レストラン)や観光スポット等で発生しており、手口はスリや置き引きが殆どですが、最近では偽警察官による被害も多くなっています。
レストランの座席に鞄を掛けない(放置しない)、移動時に鞄はは手を添えて携行し、必ず視界内に入れておく、見知らぬ人に話しかけられた時は荷物に特に注意する、などの措置を講じましょう。
駐車場や路上に駐車中の車や自転車が盗まれたり、窓ガラスを割って車内の貴重品が盗まれる車上ねらいなどの事件が発生しています。
車内の見える場所に携帯電話や荷物を放置しない、人目の少ない場所への駐車を避ける、防犯アラームやハンドル固定具を使用する、自転車には強固なワイヤー式鍵を取り付ける、などの対策を講じましょう。
銃器や刃物を使用した強盗事件も発生しています。特にBISPEBJERG駅からGRØNDALS駅までの沿線、NØRREBRO地区などは、治安が悪く強盗の多い地区ですので、不用意に立ち入ることのないようにし、必要があって立ち入る場合には、普段以上に身辺に注意を払いましょう。
夜間は、市内を中心に酩酊集団や不良少年などが徘徊しており、事件に巻き込まれる可能性があります。過去には邦人の強姦被害も発生していますので、深夜の一人歩きはできる限り避け、交通量の多い明るい道路を選択してください。
主な移動手段は、バス・電車・地下鉄・タクシー・自家用車・自転車で、日本と比べて自転車利用者が多いのが特徴です。
デンマークは日本と違い、運転免許証の更新制度がありません。
自転車の通行が多く、右・左折時及びロータリーでは後方から接近する自転車や小型バイクに注意し、巻き込み事故を防止してください。また、ウィンカー(方向指示器)を出さずに車線変更や右・左折する車が多く見られます。
シートベルトの着用は、全席に義務づけられており、違反者には罰金が科せられます。
飲酒運転の取り締まりは、検出されるアルコール量及び違反歴によって異なりますが、罰金・免許取消・拘留等の処分を受けます。血中アルコール濃度が0.5%以上の場合、飲酒運転となります。交通事故防止のためにも、飲酒したら車の運転はしないようにして下さい。
統計データによれば、2010年中の交通人身事故は4,408件(前年比-842件)で、交通事故による死者は255人(前年比-48人)と過去10年間で最小を記録するなど、事故件数は減少傾向にありますが、注意は怠らないようにしましょう。
万一事故に遭遇した場合には、緊急電話(112)により警察・救急車を呼ぶ必要があります。単に物件事故を起こした場合には、当事者が加入している保険会社に通報するだけのケースもあります。
速度制限は、自動車専用道路では130キロ、一般道では80キロ、市街地では50キロとなっており、標識がある場合にはそれに従います。自動車運転時には、昼夜間を問わず前照灯点灯の義務があり、また、運転中に携帯電話を手に持って使用することは禁止され、何れの違反者にも罰金が科せられます。
2005年と2008年のムハンマドの風刺画事件に起因するテロの脅威度は現在も減じていません。2010年には上記風刺画を描いた画家がオーフスの自宅内で襲われるという殺人未遂事件が発生、同9月にはコペンハーゲンにおけるテロを目的とした犯人が小包爆弾を製造中に誤爆させるという事件も発生しており、テロ攻撃未遂が発生しています。
よって、平素から最新のテロ関連情報の入手に努める等、安全確保に十分留意する必要があります。
幸い当国では、過去に日本人が被害者となる誘拐事件の発生はありませんが、今後とも誘拐被害に遭うことがないよう、日頃から危険意識を持って予防に心掛けることが重要です。基本的には「自らの身は自分で守る」という自己防衛の精神を持って個々人が対策を取ることが重要です。
(ア)警察、消防、救急車 112
(イ)在デンマーク日本国大使館
(代表電話) +45 3311-3344
(閉館時緊急電話)+45 2174-1930
(ウ)緊急医療機関(一部)
(エ)緊急時の現地語表現
デンマーク語の発音は非常に難しく通じにくいですが、ほとんどのデンマーク国民が英語を理解します。よって、デンマーク語が話せない方の場合は、危険を感じたときや助けが必要なときには、英語で助けを求めてください。
緊急事態はいつ起こるとも限りません。万一の場合に備えて家族間、企業内での緊急連絡方法等を決めておき、確認しておくようにしてください。また、平素から所在や外出先を家族や同僚に知らせておくことが大切です。
大使館からの緊急連絡は在留届に基づいて行いますので、必ず在留届を提出してください。また、帰国、転居、その他在留届の記載内容に変更があったときは必ず大使館に届け出てください。なお、在留邦人の皆様が組織しているグループや団体等で独自の連絡網を有しておられる場合には、大使館の連絡網に組み込んでいきたいと考えておりますので、大使館領事班までご連絡願います。
万一、自宅、学校、職場等から避難する事態となった場合の避難場所(集合場所)について、予め適当な場所を決めておくと良いでしょう。
緊急事態が発生した場合には、買い物が一時的に困難になったり、一定期間自宅待機を余儀なくされる可能性がありますので、そうした事態に備えて10日分程度の食糧、飲料水等を保管しておくことをお勧めします。
平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないように注意してください。
大使館からは、緊急連絡網、大使館メールマガジン、大使館ホームページへの掲載等により情報発信に努めますが、ご自身でも当地報道、JSTV、インターネット等による正確な情報収集を心掛けるようにしてください。
ご自身や家族又は他の在留邦人の生命・身体・財産に危害が及んだとき、または及ぶ恐れがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を大使館にお知らせください。
緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることが必要になります。場合によっては、在留邦人の皆様に大使館から種々お願いすることもあるかと思いますが、その際にはご協力を宜しくお願い致します。
デンマークにおける安全対策について、基本的なことを記載しましたが、これが全てではありません。生活のあらゆる場面において、自分の安全は自分で守るという基本原則を忘れないように行動して下さい。緊急事態が発生した場合、大使館はあらゆる手段を尽くして、在留邦人の皆様の生命・財産の保護に努める所存です。ささいな事件でも大使館領事部にご連絡いただければ幸甚です。