在留邦人向け安全の手引き 在コンゴ民主共和国日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き

平成24年2月15日
在コンゴ民主共和国日本国大使館

Ⅰ.はじめに

当国では、長期間に及んだ紛争等の影響により社会・経済情勢が悪化し、政府の努力によりその改善が見られているものの、治安情勢はまだまだ良好であるとは言えない状況です。2011年11月28日に大統領・国民議会選挙が実施され、その前後にデモなどの抗議活動や与野党の事務所が襲撃される等の事件が発生したほか、野党支持者と警官隊が衝突して多数の死傷者を出しております。その後は一応の平穏を保ってはいるものの、治安情勢は未だ予断を許さない状況にあるほか、銃器を使用した殺人や強盗などの凶悪事件が多く発生しています。また、東部地域においては、未だに武装勢力が活動を続けており、不測の事態が発生する可能性を全く排除することはできない状態です。

当館では、本マニュアルを作成し、滞在時における防犯対策や緊急事態への備え等をまとめてみました。

これが安全対策上のお役に立てば幸いです。

Ⅱ.防犯の手引き

1.防犯の基本的な心構え

当地では、「自分の身は自分で守る」との考えに基づき、自らが各種防犯対策を実施することが肝要です。各種事件の被害に遭った場合も、警察による安全の確保や事後の捜査はあまり期待できませんので、トラブルに巻き込まれないように常に用心を怠らないことが必要です。

2.最近の犯罪発生状況

当国(特に首都キンシャサ)においては、「シェゲ」と呼ばれるストリート・チルドレンによる引ったくりやスリ、「クルナ」と呼ばれる不良暴力集団による、殺人、強盗、恐喝事件等が多く発生していますが、特に夜間には、軍人等の武装グループによる民家や車両を狙った強盗等の凶悪事件も多く発生しています。

3.防犯のための具体的注意事項

(1)単独での不必要な外出は避ける。(特に深夜)

(2)大金は所持せず、所持品は身から離さない。

(3)できる限り自動車を利用する。

(4)自動車はすぐにドアロックし、窓を閉めておく。

(5)警察官からパスポートの提示を求められても手渡さない。(窓越しに見せる。)

(6)人の多い場所への立入りは避ける。

(7)公共の場所での写真撮影は行わない。(特に軍人、警察官のいる場所。空港や軍関係施設周辺での撮影は絶対に行なわない。)

(8)強盗等の被害に遭った場合は抵抗しない。

(9)長期間、家を留守にする場合には、貴重品を置かない。

(10)大使館への連絡手段を確保し、有事の際にはすぐに通報する。

4.交通事故対策
(1)軽微な事故の場合

自動車を安全な場所に移動させ、すぐに大使館に連絡して下さい。

可能であれば、相手側の身分事項や連絡先を聞いておいて下さい。

夜間は、むやみに降車せず、現場を離れる等して安全の確保を優先して下さい。

(2)重傷人身事故の場合

負傷者救助のために降車した出た場合、興奮した現地人に囲まれ危害を加えられるおそれがありますので、すぐに現場から立ち去り、大使館に連絡してくだい。

同乗者に重傷者がいる場合は、病院に搬送して下さい。

5.テロ・誘拐対策

現在のところ日本人を標的とするテロ集団や誘拐グループの存在は確認されていません。

6.緊急連絡先
緊急連絡先
連絡先 電話番号 所在地
日本大使館 平日 081-884-5305 ゴンベ地区(シティバンクビル内)
警備・領事担当 081-880-5912
医務官 081-880-5582
警察 099-832-5628 緊急
085-146-4139  
消防 099-997-2627 ゴンベ地区
081-890-8888 MONUC(事故・火災等通報用)
病院等 CPU  
089-895-0301 主任医師
089-895-0305 緊急

Ⅲ.緊急事態対処マニュアル

1.平素の準備と心構え
(1)在留届の提出

滞在時には、大使館に必ず「在留届」を提出し、住所、氏名、連絡先等を知らせておいて下さい。

3ヶ月未満の短期滞在であっても、大使館に住所、氏名、連絡先等を知らせることをおすすめします。

(2)連絡体制の整備

携帯電話は常に電源を入れた状態にしておくとともに、電池切れに備え、予備の電池を準備しておいて下さい。

パソコンのメールアドレスをお持ちの方は、大使館からメールにて治安情報を提供しますので、頻繁にメールチェックを行って下さい。

他に連絡手段がない場合、大使館のFM放送機により連絡を行うことがありますので、予め持ち運びできるラジオの購入をおすすめします。

※FM放送の周波数:89.6メガヘルツ(予備90.3メガヘルツ、89.8メガヘルツ)(別添2参照

(3)退避場所

ア 大使館が指定する退避先は下記のとおりですので、事前に場所を確認しておいて下さい。

  • ①日本大使館
  • ②大使公邸
  • ③国有宿舎(大使公邸隣り)

イ 自宅、職場及び移動中に緊急事態が発生した場合に備え、日頃からそれぞれの場所における一時避難先を検討しておいて下さい。

(4)携行品及び非常用物資の調達

ア 避難用携帯バッグを準備し、必要な物をまとめておく。
※ 生活必需品、現金、パスポート、イエローカード、クレジットカード、飲料水、保存食など

イ 停電に備え、ろうそく,懐中電灯等を準備する。

ウ 断水に備え、ペットボトルや浴槽に生活用水を貯蔵しておく。

エ 自動車の給油はこまめに行う。(半分の残量での給油が目安)

オ 食料、飲料水、医薬品、燃料等を3日分準備する。(できれば10日分)

※ 緊急時に備えてのチェックリスト(別紙1参照

2.緊急時の行動
(1)心構え

緊急事態が発生した場合には、さまざまな情報が錯綜し、混乱が生じやすいので、平静を保ち、あわてて行動することのないようにして下さい。

まずは自らの安全確保を最優先し、職場や大使館からの情報に基づいて行動するようにして下さい。

(2)情勢の把握

新聞、テレビ、ラジオ又はインターネット等の情報により、自ら情報収集を行い情勢の把握に努めて下さい。(現地及び海外の報道など)

(3)大使館への通報等
  • ご自分(家族を含む。)の安否や現在の状況について、大使館へご連絡下さい。
  • また、現在地を移動したり、連絡手段に変更がある場合には、大使館までご連絡下さい。
(4)国外への退避
  • 治安情勢が悪化し、自発的に国外へ退避する場合は、事前に退避先及び退避方法を必ず大使館に連絡して下さい。
  • 当大使館が「退避勧告」を発出した場合、一般商業便が運行している間は、これを利用して可能な限り早急に国外へ退避して下さい(空港が閉鎖されるおそれがありますのでご注意ください。)。
    一般商用便の運行が停止された場合、あるいは満席で座席等が確保できない場合等には、臨時便、日本国政府が用意するチャーター便(通常は片道エコノミー正規料金で後払い可能)、他国の軍用機、チャーター船、船舶、車両等を利用して退避することになりますので、大使館の指示に従うようにして下さい。
  • 大使館が退避または避難のための集合をお願いした場合には、あらかじめ指定した緊急避難先(大使館、大使公邸、次席宿舎)に集合してください。その際、しばらくの間避難先で宿泊する場合もありますので、手持ちの食料や生活必需品を持参するようお願いします。
  • 国外退避に際しては手荷物に制限を受けることがありますので、その場合は、荷物は必要最小限(スーツケース1個程度、20キロが目安)にして頂くようお願いします。
  • 大使館が想定している国外退避のルートは次の通りです。
    • 空路-ンジリ空港→国外
    • 水路-ビーチ・ンゴビラ港等→ブラザビル(コンゴ共和国)

Ⅳ.おわりに

事件・事故に遭遇した際には、落ち着いて行動することが大切ですが、いざとなるとなかなか難しいのが現実ですので、日頃から犯罪や緊急事態への対処を想定しておくことが肝要です。まずは、犯罪やトラブルに巻き込まれないようしっかりと防犯対策を行うとともに、各種事件の被害に遭った場合には、安全の確保を最優先に考えてください。

また、当地では政情が不安定であることから、いつ緊急事態が発生するとも限りません。日頃から有事に備えた準備を怠らないこと、また、大使館との連絡体制を確保しておくことを心掛けてください。

別紙1 緊急事態に備えてのチェックリスト

1.旅券等

旅券については、常時6か月以上の残存有効期間があることを確認しておいてください(6か月以下の場合は、大使館において再発給の申請をして下さい)。

旅券最終項の「所持人記載欄」は血液型も含め、漏れなく記載しておいて下さい。また、当国における滞在許可証明等は、何時でも持ち出せる状態にしておいて下さい。

緊急事態の際には、コンゴ共和国を避難ルートとして想定しておりますので、可能であれば、コンゴ共和国の査証取得をおすすめします。

2.現金(クレジットカード等)・貴重品等

これらの物は、旅券同様にすぐ持ち出せるよう保管しておいて下さい。現金は、家族全員が10日間程度生活できる外貨、退避のための航空運賃及び当座のための現地通貨を用意しておくことをおすすめします。

3.自動車
(1)自動車をお持ちの方

常に整備を心掛け、燃料も充分補給できているよう心掛けて下さい。車内には、常時、懐中電灯、地図、ティッシュ等を用意しておくと便利です。

(2)自動車をお持ちでない方

自動車を持っている人と平素から連絡を取り合い、必要な場合に同乗できるよう相談しておいて下さい。

(3)給油

自動車のガソリン切れに備え、早めに給油を行うことをお勧めします。

4.携行品の準備
(1)衣類、着替え等

麻、綿の吸湿・耐暑性に優れたものを準備しておく。人目を引く華美な物は避け、できれば長袖・長ズボンも準備しておく。

(2)履き物

日頃から履き慣れた運動靴等の動きやすいもの。

(3)洗面用具類

タオル、歯磨きセット、石鹸等

(4)非常用食糧等

自宅保存用として、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、ビスケット等の保存食及びミネラルウォーターを、家族全員が最低でも3日、できれば余裕を持って10日間程度生活できる量を目安に準備して下さい。

自宅から他の場所へ避難する際には、この中からインスタント食品、缶詰類を、また、ミネラルウォーターを入れた水筒(大型が望ましい)を携行するようにして下さい。

(5)医薬品等

常備薬、常用薬、外傷薬、絆創膏、包帯、ガーゼ、脱脂綿等

(6)ラジオ

短波ラジオ(NHK海外放送受信)、FM放送受信用、電池の予備

(7)その他

懐中電灯、ロウソク、ライター、マッチ、ナイフ、簡易食器、缶切り、栓抜き、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、ヘルメット、防災頭巾(応急的には椅子用クッション等)

別紙2 放送局の周波数

1.ラジオ日本(NHK国際日本語短波放送)

SW17650キロヘルツ(8時~10時)西部

SW21630キロヘルツ(15時~17時)中部

SW15355キロヘルツ(18時~19時)南部

2.RFI(フランス国際放送)

FM105.0メガヘルツ(キンシャサ)

FM 93.2メガヘルツ(ブラザビル)

3.RTBF(ラジオ・ベルギー)

FM 99.2メガヘルツ

4.ラジオ・オカピ(MONUC放送)

FM103.5メガヘルツ

※各放送局の周波数等は変更することがあります。

5.在フランス大使館

FM107.8メガヘルツ

6.在ベルギー大使館

FM 98.8メガヘルツ

7.緊急事態に日本大使館が使用する周波数

FM放送機の周波数:89.6メガヘルツ

90.3メガヘルツ(予備)

89.8メガヘルツ(予備)

* 大使館では、事前にご連絡した上で通信テストを行いますので、その際に周波数の調整を行い、自宅等で受信可能な場所を確認して下さい。

ページの先頭へ戻る

<< 安全の手引き INDEX