在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成23年4月1日
在クロアチア日本国大使館
海外で安全に生活するためには「目立たない」「用心を怠らない」「行動を予知されない」の3原則を守ることが大事と言われています。日本人はとかく海外においては安全に対する基本的理解が不足していると言われておりますが,各家庭(会社)におかれては,日頃から上記の理解に基づき,自らの身を守るための防犯対策に努め,また病気,トラブル等への対応策を考えておく必要があります。
日頃から新聞・テレビ・ラジオ・インターネット等を通じて安全にかかわる情報に留意しておくことが望ましく,クロアチア国内のみならず,隣国を含めた国際情勢に関心を持つことが大切です。
特に,紛争,テロ事件,大規模災害,新型インフルエンザなど新型ウイルスの蔓延など,緊急事態が発生した場合には,ラジオ・ジャパン,JSTV,BBC,CNN等の国際放送が貴重な情報源となります。
なお,外務省では海外邦人の安全対策の為に,外務省ホームページ内に海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/)を開設し,渡航情報の提供を行っています。
海外に引き続き3か月以上滞在する場合には,旅券法第16条により到着後遅滞なく,大使館に在留届を提出することが義務づけられています。事件・事故や思わぬ災害が発生した場合には,大使館は在留届をもとに所在地や連絡先を確認して援護を行いますので,必ず在留届を提出してください。
また,在留届の提出は,直接窓口にお越しいただく以外にインターネット(http://www.ezairyu.mofa.go.jp/
),FAX(01-4667-334),郵送(Boskoviceva2,10000Zagreb),でも可能です。
また,在留届の用紙は当館領事窓口に用意していますが,外務省音声自動応答システム(03-5501-8490)を利用し,FAXにて入手する方法や外務省ホームページからダウンロードすることも可能です。
当国での医療水準は比較的良いとされていますが,施設によっては機材が古かったり,検査機器が充実していない場合があります。一般的に公共の総合病院であれば,24時間体制で急患を受け付ける体制をとっており,医療機器もそれなりに整備されています。
診療科目によっては,公共病院よりも私立病院,クリニックの方が機材,医薬品等が揃っていたり,診察や治療を受けるための待ち時間も短い場合が多く,その分経費はかさみますが,丁寧な医療が期待できます。小さなお子様や持病をお持ちの方は,日頃からかかりつけの医者を確保しておくことをお勧めします。また,病気や症状によっては,先進国の医療機関で受診又は治療する必要があります。
また,当国では短期滞在査証(90日以内)以外の査証で滞在する場合は,当国の健康保険に加入することが義務づけられています。
さらに,当国には中東欧地域特有の風土病「ウィルス性脳炎」(症状は日本脳炎に似ている)があります。この病気が主に発症している地域としては,クロアチア北部のかなりの地域が含まれています。この病気はダニを介して感染するのでダニ脳炎とも言われ,初期にインフルエンザに似た症状を示した後,脳炎を起こして麻痺等の後遺症を残したり,場合によっては死に至るケースもあります。
この病気の感染源となるダニは,森・林だけではなく都市部の公園などにも生息している可能性があるので,安易に木に触れたり,芝生等に寝転がったり,裸足で歩いたりせずに,よく整備されたところを通行するなどの注意が必要です。さらに,この病気はひとたび罹患すると治療法がないことから,長期滞在する方は,予防策として現地の医療機関においてワクチンを予め接種しておくことが勧められます。
なお,主要都市における医療施設の一覧については,在クロアチア日本国大使館のホームページに掲載されていますので参考としてください。
事件等で逮捕又は拘禁された場合は,当該官憲に対し,直ちに日本大使館に通報するよう要請してください。当館としては要請を受けて次のような援護を行います。
犯罪被害にあった,被害に遭いそうになった,交通事故に巻き込まれた等の場合,誰に連絡するのか,誰がどのようにサポートするのかについては日頃から家庭,会社内,また個人で滞在中の方は仲の良い友人等と話し合い,緊急時の連絡体制を整えておくことをお勧めいたします。
現在のクロアチアにおける一般的治安状況は,中・東欧諸国の中では比較的良い方に属すると言われていますが,だからと言って決して安心はできません。
各家庭で行うことのできる最低限の自己防衛策は,外出時はもちろん,在宅時も必ず施錠をすることですが,できれば複数の施錠装置を取り付けたり,センサーなどの警備機器を取り付けることで一層効果的となります。また外出時には,貴重品は必ず身につけ,人混みではカバンなどを抱えるなどして,隙を見せないようにすることが重要です。
クロアチアの潜在的な脅威は,旧ユーゴ紛争時に使用された武器・兵器が一般市民に未だ出回っていることで,両替所,宝くじ売り場などに対してけん銃を使用した強盗事件が時々発生しているので注意が必要です。
また,クロアチア人は愛国心が強く,サッカー等スポーツイベントが開催される際には,会場周辺やカフェ等飲酒できる場所において,観戦後の興奮から暴行事件等に発展することもあります。さらに,深夜のディスコ等若者が集まる場所においても,酒に絡んだ暴行事件が発生していますので,そのような場所へはできるだけ近寄らないようにし,深夜に及ぶ外出も慎むことが賢明です。
また,近隣諸国情勢を含む国際情勢の変化によっては,国内の治安情勢が急激に悪化する可能性もありますので,常に治安に対する情報関心,防犯意識を持った生活が望まれます。
クロアチアの過去5年間の犯罪発生件数の推移を見ると,5年前に比べて発生件数が減少していますが,観光地におけるスリ等による邦人の被害が散見されます。
主な手口は,人混みの中でかばん等から財布等を抜き取るもので,特に背負っているリュックを知らない間に開けられて被害に遭う事案が発生しています。また最近では,観光ガイド用のイヤホンを取り付けることに気を取られている隙に被害に遭う事案も見受けられます。
その他,一般的な手口として,3~4名の者が近づいて来て話しかけている間にカバンから財布等を抜き取ったり,突然体当たりしてひるんだ隙に別の者がカバンを持ち去るなど,少数グループによる犯行が目立ちます。
| 年 | 犯罪発生件数 |
|---|---|
| 2006年 | 1,795件 |
| 2007年 | 1,673件 |
| 2008年 | 1,627件 |
| 2009年 | 1,607件 |
| 2010年 | 1,612件 |
2010年2月から,フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用した呼びかけによる反政府デモが各地で継続しています。デモ開始当初は,デモ隊の一部の者やデモに便乗したフーリガンが警察部隊と衝突し,負傷者や逮捕者が出ることもありましたが,2011年3月現在は平和的に推移しております。
デモに関する情報は,在クロアチア日本国大使館ホームページにおいて提供していますので,情報を確認するなどして不慮の事故に巻き込まれないようにご注意ください。
住居を選択する場合には,その地域が安全かどうか,周囲の環境に問題はないかなど,事前に確認する必要があります。
一戸建ての場合には,隣家が不在がちの家が狙われる傾向にありますので,両隣の家がどんな家庭かを知っておくことも重要で,併せて,カメラ,センサーなどのセキュリティーシステムを設置することが望まれます。
共同住宅では,当国で一般的に設置されている建物入口のセキュリティーシステムに加え,各戸入口扉の強度,鍵の個数,警備機器設置の有無等を確認する必要があります。また,外部から見て,窓の強度,鉄格子の有無,ベランダの有無,隣室との境界を確認するとともに,1階や最上階などでは外部から侵入されやすい構造ではないか等よく観察して,侵入されにくい部屋を選ぶことが大切です。
日本人は,一般的に多額の現金を持っていると思われており,また,他の外国人と比べて警戒心がやや欠けていることなどから,ザグレブを始め,ドブロブニクやスプリットなどの観光地では,窃盗団のターゲットになりやすく,実際にスリやひったくり等の被害が発生しています。
これらの犯罪者から狙われないためには,服装,所持品などから高額な現金,貴重品を持っていると思わせないこと,また,周囲に気を配り隙を見せないことが必要です。
具体的には,レジ前で堂々と財布を出して支払わないようにしたり,人混みの中ではカバンを体の前で抱えたり,ファスナー部分に手を当てるなどの対策に心がけてください。
犯人の多くは,対象を選定した後,人通りの少ない場所や逆に人混みなどの場所を選んで犯行に及ぶことが多いので,周囲を見回したり,後ろを振り返ったりして,常に警戒心を見せることも必要です。
生活環境の中では,近隣者と良好な関係を作り,見慣れない者には声をかけあうなど,お互いに協力し合って防犯対策を行うことが大変重要です。
来訪者への対応では,まずインターフォンで用件を確認し,不審な場合にはその場で断り,安易に入室させないように心がける必要があります。
侵入盜の犯人は,電話やインターフォンで不在の有無を確認する場合がありますので,電話などで無言で応答がない又は間違いが続く場合には,気をつける必要があります。
長期旅行等で不在となる場合には,信頼できる隣家,大家,同僚がいれば,不在中の巡回や郵便物の保管を依頼することも必要となります。
当国の交通法規は,右側通行であることを除けば日本の交通法規とほとんど変わりません。しかし,ドライバーのマナーは,方向指示器を出さずに曲がったり,急停車したりと日本よりも乱暴で,後ろからクラクションを鳴らされることもよくあります。
また高速道路では,最高速度130キロメートル毎時を超えて,150キロメートル毎時以上で走行している車も多く,後ろから煽ったり,強引に割り込んだりすることもよく見かけます。
このような中で安全に運転するためは,車間距離を十分にとるとともに,常に周囲に気を配り,思いこみ運転をせずに運転することが必要です。
事故が発生した場合には,その場で示談を持ちかけられても,後々面倒な問題を抱えないためには,警察に通報し実況見分を受けておくことをお勧めします。また,保険会社への請求の場合には警察からの証明書が必要となります。
これまで当国で,邦人が被害にあったテロ・誘拐事件は発生していません。1995年11月に,クロアチア西部のリエカ市警察本部でイスラム過激派が関与する自動車による自爆テロ事件が発生していますが,これ以降国際テロ組織の関与が確認される事件は発生していません。しかし,2007年4月には,クロアチア南部にあるベンコバッツ市において,同市市長が所有する車の下に仕掛けられた爆弾が爆発するテロ容疑事件が発生しています。当局によれば,市長の方針に反対する勢力による犯行と見られていますが,犯人の特定に至っていません。
2008年10月には,ザグレブの中心地で,政治雑誌「ナツィオナル」の経営者及び幹部が,同経営者所有車両の直近に仕掛けた爆弾を遠隔操作で爆破させて殺害される事件が発生しました。
また,クロアチア政府は,国際協調による「テロとの闘い」への支持を表明し,アフガニスタンに軍事要員を派遣していますので,テロリストによる報復によって日本人がテロに巻き込まれる可能性を排除することもできないと考えられますので,テロ関連情報には十分耳を傾けるとともに,用心を怠らない等の一般的注意が必要です。
テロ・誘拐の防止策としては,一般的には次のような注意が必要です。
不幸にも誘拐された場合は次の点に注意してください。
Boskoviceva 2 , 0000 Zagreb
開館時間 平日 8時30分~17時15分
電話 01-4870-650
上記以外の時間及び休館日 電話(緊急用携帯電話)098-478-454
ホームページ http://www.hr.emb-japan.go.jp/![]()
電話 01-456-9964
(緊急時):192(92は2011年10月31日まで併用)
(緊急時):112(93は当分の間併用)
(緊急時):112(94は当分の間併用)
電話 060-333-444
電話 060-313-333
電話 060-800-800
在留邦人の方は,前記在留届の提出を励行して頂くことが重要です。
現在のところ,当国には日本人会はないことから,緊急を要する事態が発生した場合には,大使館から各邦人個人に直接連絡することになります。このため,在留届の住所や連絡先の変更等がある場合,また,国外へ転居する際には,必ず大使館へ連絡されるようお願いいたします。
また,Eメールによる案内も発出しておりますので,メールアドレスをお持ちの方は登録していただくようお願いいたします。
緊急時の退避場所として,当大使館を指定しています。
緊急事態が発生した場合には,大使館から各邦人に連絡を取りますが,自ら進んで避難することが必要な場合もありますので,当館所在地を事前に確認しておいてください。
緊急時に備えて,非常食,飲料水,防寒着,ラジオ,懐中電灯などを各自で準備しておくことが大切です。何らかの緊急事態が発生すると,飲食物が真っ先に不足することが予想されますので,少なくとも1週間分の食料,飲料水を準備し,直ぐに持ち出したり,使用できる状態にしておく必要があります。
また,緊急事態発生の際には,お互いに助け合って対応にあたることも必要になります。大使館より在留邦人の方々にも様々なご支援をお願いすることもあるかと思いますが,よろしくご協力ください。
平静を保ち,流言飛語に惑わされたり,群集心理に巻き込まれることのないよう注意してください。
まずは,周囲の状況をよく確認し,自分の置かれた状態を把握した上で,自主的に避難することが可能か,救助が必要かなどを判断する必要があります。
大使館では邦人の皆様が,安全且つ迅速に避難する方法,経路を選定したり,場合によっては避難のための輸送手段を確保するように努めて参りますので,避難を焦って危険な区域に立ち入ることがないよう注意してください。
緊急事態が発生した場合には,テレビ,ラジオ,インターネット等可能な方法で情報を収集し,状況を把握することが大切です。
大使館においては,万一緊急事態が発生した場合,または発生する恐れのある場合には,所要の情報収集などを行い,随時電話又はEメールで連絡するとともに,外務省海外安全ホームページにスポット情報を掲載致します。
また,地方によっては十分な情報が得られない場合がありますので,邦人の皆様からも情報を提供して頂き,情報を共有することが大変重要となります。
大使館では,緊急事態発生後,直ちに在留邦人の皆様に連絡を取り,所在確認を行います。電話での連絡が困難な場合には,Eメール,SMSなどのあらゆる通信手段を使って安否照会を行って参ります。
その際,1人でも連絡が取れずに安否が確認できない場合には,他の対策に影響が出るおそれがありますので,国外等へ非難される方は,大使館へ自主的に連絡することをお願い致します。
また,緊急事態が発生して間がない場合には,当館で状況を把握できていないことも予想されます。緊急事態の発生が予想される場合又は発生した場合には,断片的な情報でも結構ですので,当館宛に一報をお願い致します。
当国から国外に退避する必要が生じた場合には,外務省ホームページ又は当館ホームページ等を通じて退避勧告を発出します。退避勧告が出された場合には,可能な限り,旅客機,鉄道,バス,船舶などの公共交通機関又は自家用車等による自力避難が可能な段階での早期退避に努めてください。
また退避に当たっては,当館において安全且つ迅速な移動手段,経路などに関する情報を提供して参ります。
避難場所「在クロアチア日本国大使館」案内図

海外で生活する邦人及び海外へ旅行に出かける邦人の増加に伴い,海外で邦人が事件や事故に巻き込まれるケースが増えています。クロアチアはヨーロッパでも比較的治安がよいと言われていますが,未だに武器,兵器などが一般市民の間に出回っているため,銃器等を使用した犯罪が時々発生しています。
また,最近では日本人旅行者が大幅に増加していることに伴い,置き引き,スリ,ひったくり等の犯罪被害者となる邦人も散見されます。
当館では,在留邦人の方々が安全に生活できるよう緊急時への対応を含めたマニュアルを作成しました。在留邦人の皆様がこの手引きを活用され,クロアチアで安全にお過ごしいただければ幸いです。