在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成24年4月1日
在コートジボワール日本国大使館
コートジボワールは、2011年3月から4月にかけて、死者3,000名を数える内戦を経験しました。現在、その内戦中に氾濫した武器を使用しての強盗事件が多発し、多くの外国人も被害にあっています。
警察を始めとするこの国の治安機関は、日本のそれとは事情が大きく異なります。この国では「自らの安全は自ら確保する」を心掛けてください。
この手引きは、危険を事前に回避し、安心して生活するために日頃心がけておくべきこと、参考にしていただきたいことを盛り込みました。全てを網羅しているわけではありませんが、皆様の安全対策について顧みる際の参考にしていただければ幸いです。
日本で生活していると、「安全」という概念を普段意識することなく生活しているのではないでしょうか。しかし、この国で同じような意識でいると犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。したがって、「安全」は他人に頼るのではなく、自分自身で、十分な対策をとるようにしていただくことを強くお勧めします。
安全対策上の心構えとして重要なことは、「犯罪に遭遇する機会を少なくする」ことです。その対処方法は、時間・場所・状況・相手によって異なりますが、生活、行動面で「目立たない」、「パターン化を避ける」及び「警戒心を怠らない」の3点を基本対策として講じることがポイントです。
どんなに地味な格好をしていても、コートジボワールでは日本人はどうしても目立ってしまいます。したがって、それ以上に目立つような格好をすることは、自ら危険を招くことになります。高価な装飾品を身につけて外出する、高価な電気器具を持ち歩く、高級車や四輪駆動車に乗るといったことは、犯罪者の絶好の標的となるばかりでなく、時と場所によっては、そうでない者を犯罪者に駆り立て、結果として犯罪を誘発してしまうこともあり得ます。
犯罪者は、必ず相手を十分観察してから行動を起こします。そのため、生活のパターン化を避けたり、不必要な人に自分の行動予定を話したりしないことも重要です。また、「何かおかしいな」と感じたときには、その場から離れたり、明るいところを歩いたり、警備員の近くを歩くことも安全対策の一つです。出勤のルートを2,3通り作っておくのも有効です。時々後ろからつけてくる人や車はないか振り返る等、常に周囲の状況に注意することも有効であると考えます。
誰しも最初は緊張感も高いので、安全面に関してもいろいろ注意を払いますが、時間が経過し生活に慣れてくると、あるいは、「危険だといわれている○○地区に行ったけれど大丈夫だった」とかいう話を聞いたり、自分もそのような経験をしたりしてしまうと、警戒心を怠るようになるのが人の常です。しかし、犯罪多発のこの国で、金持ちであると思われている日本人が犯罪に遭わないのは運がよいからに過ぎないということを忘れてはなりません。現地の人々の甘い言葉に惑わされないで下さい。油断すると被害に遭います。犯罪にあった時に抵抗しても、拳銃やナイフ相手ではひ弱な日本人ではかないません。犯罪に会わないよう常に警戒することが一番です。
2011年3月から4月にかけての内戦中氾濫した拳銃等の武器を使用した強盗事件が多発しています。現在、中心都市アビジャンでは、警察や憲兵隊を始めとした治安機関が犯罪の撲滅を目指して奮闘しておりますが、治安機関の方の武器が十分ではなく。犯罪集団の方が武器を持っているような状況です。特に夜間は、武装強盗団が軍服を着て、高級住宅街を中心に、お金を持っていそうな人を狙って徘徊しています。最近では、タクシー運転手と結託して、客を脅迫し、自宅まで連れて行き、自宅に保管してある、現金や宝石、パソコン等高級品を強奪する手口も頻発しています。アビジャン外の地方においては、警察力の展開が遅れており、街道強盗が多発している状況で、邦人の方が強盗にあう被害も出ています。もっとも危険なゾーンはコートジボワール西部で、西部においては、まだ、部族間対立が発生したり、内戦中に暗躍したリベリア人傭兵が至るところに潜んでおり、国連等の重装備の武装なくしては、安全が確保出来ない状況です。
邦人被害のほとんどが外出時(特に夜間と警戒するよう厳重注意しているところに不用意に遊びに行った時)に発生しています。当地では日本人も白人と同様、肌の色が違うことから目立ちます。自国民よりお金を持っていると思っています。外出時の安全対策として、まず第一に不要不急の外出を避けることですが、当地で生活している以上、全く外出せずにいるわけにもいきません。外出時は、場所・目的にあった服装で、貴重品や必要のない物は持ち歩かず、複数で行動し、近くでも車を利用しましょう。運転中は、必ずロックをしておき、車両強盗や拉致、ひったくり等の犯罪にあう危険を少しでも減らして下さい。公共交通機関(バスやタクシー)の使用は出来る限り避けた方が良いです。強盗と結託している事例もあるばかりか、恒常的な整備不良と暴走運転で、交通事故や時には、高い橋からダイブし、多数の死傷者を出す大惨事も起きています。
アフリカの道路事情や交通マナーは悪くコートジボワールも例外ではありません。交差点で停車するときは前者との距離をつめすぎないようにし、左右にかわせるだけの余地を残しておきます。こうすることによって不審者が近づいてきたときに逃れることができます。ちょっとでも「怪しいな」と感じたら、気付いた時点で近寄らず、速やかに反転して引き返すようにしましょう。交通事情や整備不良による事故が散見され、どんなに注意していても事故が発生してしまう場合があります。その際は落ち着いて処理にあたることが肝要です。負傷者等救護すると共に警察への通報を行って下さい。現場で事故相手の氏名、ナンバープレート、連絡先等を必ず控えると共に通行人等の承認を募り、急行した警察官が調書を作成するまで現場を離れてはいけません。
現在、コートジボワールでは外国人を対象にした誘拐事件の報道には接していませんが、近隣国では外国人を対象にしたテロ・誘拐事件が発生しています。特にマリ・ギニア国境付近では、テロ・誘拐に対する注意が必要です。国際テロの時代ですので、世界中どこにいても、例え日本にいたとしてもテロの被害を受ける可能性はあります。個人的理由がなくても、「日本企業だから」、「日本人だから」という理由で狙われます。以下に一般論としてテロ・誘拐犯罪に対する注意事項を述べておきます。
計画的なテロ・誘拐犯は、通常、複数の対象者を選び、もっとも簡単にできそうな者を選び出すといわれています。狙いをつけた人物につき、勤務先・家族・本人の写真・車のナンバー・行動パターン等できるだけ多くの情報を集めます。また確実な誘拐方法を探るため、対象の行動を下見します。このためテロ・誘拐には必ず何らかの事前兆候があります。職場や家庭の周辺、移動時など生活全般にわたって少しでも普段と異なる点がないか注意することにより兆候を察知することができます。
テロ・誘拐犯による監視活動としては、次のようなことが考えられます。
その他、状況により様々な兆候が現れると思いますが、日頃から行動パターンを変える等警戒している様子を示せば、犯人側であきらめて誘拐対象の候補から外れることもあります。旺盛な警戒心は、相手にも「やりにくい」と感じさせるものです。
あと、やはり多いのは、欧米人を対象とするテロや誘拐です。巻き添えを食らわないよう、あまり、頻繁に欧米の象徴的な建物や欧米人が屯するようなところは、避けるのが無難でしょう。
「強盗(泥棒)に襲われました」 On m'a cambriole !
「強盗に遭いました」On m'a agresse !
「すぐに来て下さい」Venez tout de suite , s' il vous plait.
「私は○○にいます」Je suis a ○○.
「交通事故を○○(○○の近く)で起こしました」
J' ai fait un accident de circuration sur ○○. (cote de ○○)
「私は怪我をしています」 Je suis blesse.
「助けて!」 Au secours !
「泥棒!」 Au voleur !
「火事だ!」 Au feu !
緊急事態(内乱、クーデター、暴動、大規模事件・事故・災害等)が発生した場合は「自らの安全は自ら確保する」を念頭に最善策を検討の上、大使館が安否確認を行っていますので、まずはご一報下さい。日頃から、通信手段・移動不能を想定し、下記心構えをお願いします。
3ヵ月以上コートジボワール滞在される方は、必ず「在留届」をご提出下さい。在コートジボワール日本国大使館では、治安機関、国際機関、他国大使館等から日々情報収集を行い、治安情報等の各種お知らせをeメールで送付いたします。また、緊急事態が発生した場合、または発生する恐れのある場合には、eメール、電話等で、所在及び安否確認を行いますので、記載事項に変更があった場合は、速やかにコートジボワール日本国大使館領事担当にご連絡下さい。その他、無線を配備している世帯は、常に使用できるかチエックしておいて下さい。
当大使館では緊急の場合等、緊急連絡網、無線、eメール、非常用FM放送等を通じて危険情報等の各種情報を提供しています。また、自宅周辺の状況等在留邦人の方が知り得た情報を大使館(領事担当)あて連絡するようお願いします。
内乱等に巻き込まれる可能性がある場合は、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集し危険な場所に近づかないことを心がけて下さい。巻き込まれそうになった場合の取り敢えずの避難場所については、常日頃から頭に入れておくことが重要です。自分がどこにいるか(勤務先、通勤途上、自宅等)、自分がどのような事態に巻き込まれそうか等、幾つかのケースをあらかじめ想定して一時避難場所(外部との連絡が、容易に行える場所が望ましい)を検討して下さい。また、在留邦人の緊急退避場所として、状況に応じ大使館、または大使公邸(現在は改修工事中ですが、完成すれば指定します。)を予定しています。自宅からのアクセスをご確認しておいて下さい。
旅券、現金、貴重品等最低限必要なものは、いつでも持ち出せるよう準備して下さい。また、緊急時には一定期間自宅待機をお願いすることもありますので、非常用食糧、飲料水、医薬品、燃料等を最低限(10日分程度)準備しておいて下さい。先の内戦では、備蓄をしていたため、しのげた例がたくさんあります。人数×10日です。お忘れ無く。あと、生活用水も溜めておいた方が無難です。風呂やポリタンクなどを活用してください。
①内乱等の発生により、邦人の生命、身体に危険が生じるおそれがあり、必要と判断した場合には「退避勧告」等の危険情報を発出します。
②国外退避の場合、航空便(商業便)を優先しますが、状況に応じてはチャーター航空便、或いは陸路、海路によることも想定されます。可能な限り、商業便が運行しているうちに退避することをお勧めします。
③緊急避難及び国外退避等の場合、当大使館では可能な限り援護しますが、基本的には自力で集結場所まで集合するよう御願いします。その際の携行荷物は必要最小限(10キログラム程度)の手荷物程度にまとめるようにして下さい。
④緊急退避等に備えた準備
「安全確保」は「他人任せ」ではなく、安全に対する皆さんの日々の心がけが大切です。「油断」は禁物であり、この手引きやインターネットから知った防犯知識等と十分活用して、慎重な生活を送って下さい。
今後この手引きの内容を充実させ、かつ最新のものとしていただくために、在留邦人の皆様からの安全に関する情報提供をお待ちしています。特にどんな小さな事でも、犯罪被害に遭いそうになった事例、交通事故に遭遇した体験談などは今後のために貴重な情報となりますので、是非お知らせ下さい。