在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成23年4月1日改訂
在コタキナバル日本国総領事館
マレーシアは東南アジア諸国の中では,比較的治安の良い国に挙げられています。ボルネオ島のサバ州,サラワク州及びラブアン連邦直轄区もマレーシアの他の諸州と同様治安は比較的良い地域として知られています。
しかしながら,近年の社会・経済状況の変化に伴い,地方から都市への人口の流入,麻薬関連犯罪の増加,不法移民の流入等,治安上の不安定要素も存在しています。管轄区内の主要都市では凶悪事件のほか,侵入窃盗事件,詐欺賭博,スリ,ひったくり等の一般犯罪の発生も目立ち,実際に被害にあっている在留邦人の方々もいます。
いずれにしても,当地における犯罪発生率は依然として日本と比べ高い水準にあり,常に高い防犯意識をもって生活することが望まれます。本手引きでは当地における犯罪発生の傾向をお知らせするとともに,防犯対策を紹介させていただきます。
この手引きにより在留邦人の皆様が安全で快適な生活を送る一助となれば幸いです。
(1)自分と自分の家族の安全は自分たちで守るとの心構え。
(2)常に警戒心を忘れない。
(3)「予防」のための必要な努力や経費は惜しまない。
(4)現地に早く溶け込む。
(5)甘い言葉や奇妙な言動を示すような見知らぬ人に対しては決して曖昧な態度や隙を見せないで毅然とした態度を示す。
なお,盗難等にあった時は,最寄りの警察署に届け,ポリスレポートを作成してもらって下さい。同レポートは,保険等(旅券盗難の場合は再発給)の手続きに必要となります。
また当事務所に連絡していただければ,必要に応じ警察へ協力を依頼,又は各地日本人会等と連携して安全対策情報を提供することができます。
サバ州の犯罪統計(ラブアンを含む)によると,2009年の犯罪認知件数は8,757件で,これは2008年の9,048件から減少しています。ただし,2005年は5,813件であり長期的に見れば増加傾向にあると言えます。2005年以降増加が目立つのは,夜間の住宅侵入窃盗,集団強盗(非武装),バイク盗です。
2009年の犯罪認知件数について罪種別では
等となっています(出典:サバ州警察ホームページ)。
サラワク州の犯罪統計によると,2009年の犯罪認知件数は17,564件でした。5年前は11,640件,3年前は15,415件であり,増加傾向にあります。主な要因は窃盗罪の増加にありますが,傷害罪等その他犯罪も増加しています。
2009年の犯罪認知件数について罪種別では
等となっています。(出典:MONTHLY STATISTICAL BULLETIN SARAWAK 2011 JANUARY)
住居,屋外,生活面に関わる防犯のための具体的注意事項を下記のとおり紹介しますので参考にして下さい。
当地の交通事情や事故の際の対応につき簡単に紹介します。
平成22年,サバ州では16,192件の交通事故が発生し,444名(前年比107名増加)の死者が出ました。交通事故の発生件数は年々増加し,それに伴って死者数も増加傾向にあります。
2000年4月,サバ州東側海域にあるダイビングスポットとして有名なシバダン島において,フィリピン南部のイスラム武装ゲリラ・アブサヤフグループによる,外国人観光客20人(日本人は含まれず)の拉致事件が発生しました。
最近では2010年2月サバ州東部センポルナ沖のセバンカット島においてマレーシア人2名が拉致され,身代金が要求された後,同年12月にフィリピン南部で解放される事件が発生しました。
外務省ではサバ州東側の島嶼部及び周辺海域に「渡航の是非を検討して下さい」,サバ州東海岸に「十分注意してください」との危険情報を発出していますので十分ご注意下さい。
サバ州東側の島嶼部及び周辺海域への渡航・滞在を予定されている方は,同地域において依然として誘拐の脅威がある点に留意し,渡航の是非を含め自らの安全につき真剣に検討してください。渡航される場合には,十分信頼できる旅行エージェントを選び,その旅行エージェントが如何なる安全対策を採っているか確認し,また,ダイビングや釣り等で海上に出る際には,沖合等への移動は極力避けるとともに,警備当局の目の届く範囲から外れないか慎重に確認することを含め,十分な安全対策を採られるようお勧めします。
これまで当地では幸い日本人の誘拐事件は発生していませんが,「日本人は金持ち」という印象が定着しているため,金銭目当ての誘拐事件が起きないとも限りません。日頃から誘拐の目標とされないよう次のような注意を払って下さい。
万が一誘拐された場合,以下の点に留意して下さい。
警察,救急車(マレーシア共通) :999
消防署(マレーシア共通) :994
サバ州警察本部 :088-450222
ホットライン :088-318555
コタキナバル市警察 :088-242111
ホットライン :088-221191
Queen Elizabeth Hospital :088-218166
Sabah Medical Centre :088-211333
サラワク州警察本部 :082-245522
ホットライン :082-244444
クチン市警察署 :082-241133
General Hospital of Sarawak :082-276666
Normah Hospital :082-440055
在コタキナバル出張駐在官事務所 :088-254169
(※ 時間外,休祝日については同電話内にて緊急連絡先を案内)
コタキナバル日本人学校 :088-422297
当地はほぼ英語が通じますので,英語で話せば概ね問題はありませんが,簡単なマレー語表現を紹介いたします。
助けて ! Tolong! トロン!
ドロボー Pencuri! プンチュリ!
~を盗まれました Saya dicuri~ サヤ ディチュリ ~
警察 polis ポリス
緊急事態の発生に備える平素の心構え,必要な準備,緊急時の行動等は以下のとおりです。
緊急事態が発生するおそれのある場合又は緊急事態が発生した場合には,平静を保ち,流言に惑わされたり,群集心理に陥ったりすることのないよう正確な情報収集に努めて,正確な情報に基づく行動を取りましょう。
新聞やテレビでは毎日様々な事件や事故が報じられていますが,これらの報道はそのような事態に備える参考になります。いつ,どこで,どのような事件や事故が起こったのか,万一自分も同じようなケースに遭遇した場合にいかに対応したらよいかを考えておくことはいざという時の対策に大いに役立つものと思われます。
本手引きを一読された後で,もう一度ご自身の日常生活の再確認をして下さい。
なお,現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく,当事務所に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又はマレーシアを去る(一時的な旅行を除く)ときは,必ずその旨を届け出てください。