在留邦人向け安全の手引き 在カナダ日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


(※)
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在留邦人向け
「安全の手引き」
~オタワ市(及び周辺)にお住まいの皆様へ~

平成24年1月24日
在カナダ日本国大使館

Ⅰ 序言 ~オタワは安全なのでしょうか?~

カナダの治安は、平和なイメージと相まって、一般的に良いとの印象をお持ちかもしれません。しかし、オタワの犯罪率(※1)は日本の約3.3倍、東京の約2.6倍と非常に高い水準にあります。また、2010年中には14件の殺人事件が発生したほか、銀行強盗、婦女暴行、麻薬取引事件が発生するなど、凶悪犯罪も決して少ないとは言えません。侵入盗、車上狙い、自動車盗難、スリ・置引き或いは詐欺といった生活に身近な犯罪も多発しています。

皆様がこうした犯罪に巻き込まれることがないよう、本マニュアルを参考に十分な安全対策を講じて頂ければ幸いです。(※1:犯罪率とは、人口あたりの犯罪認知件数をいう。)

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Ⅱ 防犯の手引き

(1)防犯の基本的な心構え

安全対策の基本は、自分と家族の安全は自分たちで守るという「安全対策意識を持ち続ける」ということです。警察等の防犯対策のみに依存することなく、犯罪の発生を新聞・テレビ等で知った時は、他人事と軽視することなく、同様な犯罪が自分の身近でも起こり得るという警戒心を持って下さい。この警戒心や安全に対する関心が被害の予防につながると言えます。

(2)最近のオタワにおける犯罪認知件数(オタワ市警察統計より引用。交通犯罪を除く)
最近のオタワにおける犯罪認知件数
犯罪の種類 2008年 2009年 2010年(対前年比)
総数(除:交通犯) 40,970 39,462 37,579 (-4.8%)
人に対する犯罪 6,029 5,849 5,503 (-5.9%)
(内)強盗 758 819 670 (-18.2%)
(内)暴行・傷害 3,512 3,486 3,343 (-4.1%)
物に対する犯罪 30,741 30,035 27,446 (-8.6%)
(内)侵入盗難 3,504 3,179 2,893 (-9.0%)
(内)自動車盗難 1,742 1,759 1,224 (-30.4%)
その他刑法犯罪 4,200 3,578 4,630 (+29.4%)

上表のとおり、オタワにおける犯罪認知件数は全体的には減少傾向にありますが、人口当たりの犯罪件数(犯罪率)で見てみると、2010年には人口10万人当たり4,096件発生したことになり、日本全体の約3.3倍(1,238件)、東京の約2.6倍(1,550件)と非常に高い水準にあります。ですから、オタワは決して油断できる場所ではありません。

(3)防犯のための具体的留意事項
(ⅰ)住居対策
  • 警察のホームページなどで地域の治安情勢を常にチェックしましょう。
  • 周囲から自分の住居を見渡し、「敷地への出入りが周りから見渡せるか」、「侵入者に侵入をためらわせるような場所か」など、住居の立地・周辺環境を認識しましょう。
  • 侵入警報装置を設置しましょう。(犬などのペットやダミー監視カメラも有効です。)
  • 日中だけでなく、夜間における住居周辺の明るさも確認しましょう。
  • 玄関ドアに鍵を複数取付けるなど、外部からの出入口を強化しましょう。
  • 不在時や緊急時に協力が得られるよう、平素から良好な隣人関係の保持に努めましょう。(オタワ警察が推奨する地域の「Neighbourhood Watch」など、近隣同士が情報交換したり話し合ったりする場所を犯罪者は避けます。)
  • 不在時の新聞配達を一時停止する、ランプ・タイマーを設置するなど、外出や長期不在を悟られないような工夫をしましょう。
(ⅱ)外出時の安全対策
  • 繁華街をはじめ、閑散とする場所や治安が良くない場所に夜間一人で出歩かないようにしましょう。(特にバイワード・マーケットを中心とする市内中心部等)
  • 見知らぬ人、初対面の人の誘いには軽々しく乗らないようにしましょう。
  • 言語、地理、習慣に不案内な外国にいることを忘れず、日本の時よりも用心しましょう。
  • 自動車を駐車するときは、車内にバック等を放置せず、自分で携行するかトランクへ入れて車内はできるだけ空っぽにしましょう。(実際にバッグ等の中に貴重品が入っていなくても、犯人が「入っている」と思い込めば、ガラスは壊され、場合によっては車両ごと盗まれてしまいます。)
  • 自動車用盗難警報装置を設置しましょう。ランプが点滅するダミーや装置の設置を意味するステッカーの貼付も有効です。
  • カーナビゲーションを過信することなく事前に十分地図を確認し、当地の交通事情を十分承知した上で安全運転を心掛けましょう。(ウインカーを出さずに突然右左折する人も多いため、車間距離には十分気をつけましょう。)
  • カーナビゲーションを設定する場合はできるだけ高速道路優先のルートを選択し、見知らぬ危険地帯への迷い込みや通過を回避しましょう。
  • 歩行者であっても事故に巻き込まれないよう、交差点や道路を横断する際は十分周囲の交通状況に注意しましょう。
(ⅲ)誘拐対策
  • 平素から、「知らない人についていかない」、「知らない人の車に乗らない」、「登下校時に寄り道しない」など、子どもたちに対する指導や教育を徹底しましょう。
  • 自宅付近や通学路に日頃見かけない人や車がいないか、近所や子どもたちと情報交換するなどして十分注意しましょう。(何らかの犯罪を計画する者は、事前に下見を行います。)
  • できるだけ家族の行動や居場所を把握し、すぐに連絡がとれるようにしましょう。
  • 日常の行動をパターン化せず、時には通勤・通学ルートを変えましょう。
(4)交通事情と事故対策

自動車走行中の携帯電話やナビゲーションシステム等の操作は交通違反の対象となります。また、冬季は雪道での安全運転を心がける必要があります。スピードは控えめに、急ハンドルや急ブレーキは絶対に避け、十分な車間距離を保ちましょう。スタッドレス・タイヤをつけた4輪駆動(4WD)車でも、道路状況やスピードによっては滑りますので、過信することなく慎重に運転しましょう。

また、冬季の外気温はマイナス30度近くになることもあります。万が一、自動車が故障したときに備え、防寒着などを必ず携行しましょう。

もし事故が発生した場合には、何よりも負傷者の救護を優先し、その上で警察(911)に連絡して救急車やパトカーを要請して下さい。併せて、加入する保険会社にも連絡することが必要です。

なお、飲酒運転は日本と同様に重罪ですので、絶対に飲酒運転は行わないで下さい。

(5)万が一、犯罪等の被害に遭った場合
  • 万が一、強盗等の犯人と対峙することとなった場合には、犯人が拳銃や刃物等を所持している可能性が十分にありますので、自らの生命を守ることを最優先し、抵抗せず相手の要求どおり金品を与えて、犯人をその場から離れさせることを考えましょう。
  • 自らの生命に危険が及ぶおそれはない場合(無くなった時)には、直ちに、911番で警察へ通報しましょう。カナダでは、この911で同時に消防署への連絡や救急車の要請もできます。
  • 警察へ通報した場合は、事後の問い合わせや保険金請求等のため、担当した警察官の氏名・バッジ番号や事件番号を聞いておくことも必要です。
(6)緊急連絡先
(ⅰ)在カナダ日本国大使館(オンタリオ州オタワ市及び周辺を担当)

電話番号:(613)241-8541

(ⅱ)在トロント日本総領事館(オタワ市及び周辺以外のオンタリオ州を担当)

電話番号:(416)363-7038

(ⅲ)在モントリオール日本総領事館(ケベック州、ニューファンドランド・ラブラドール州、プリンスエドワードアイランド州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州を担当)

電話番号:(514)866-3429

(ⅳ)警察、消防、救急車

電話番号::911

(ⅴ)病院(病気、けが)
オタワ病院シビック・キャンパス(Civic Campus, Ottawa Hospital
代表電話:(613)722-7000
所在地:1053 Carling Ave.
オタワ病院ジェネラル・キャンパス(General Campus
代表電話:(613)722-7000(※シビック・キャンパスと同じ)
所在地:501 Smyth Rd.
子供病院(Children's Hospital of Eastern Ontario
代表電話:(613)737-7600
所在地:401 Smyth Rd.
(ⅵ)カナダ移民局:CBSA(在留資格やビザの問合せ)

直通無料電話:1-888-242-2100(Call centre

オタワ移民センター(Ottawa Immigration Center

所在地:200 Catherine St. Ground Floor

(ⅵ)法律相談~LAW SOCIETY OF UPPER CANADA による電話法律相談

※30分まで無料で弁護士を紹介してくれます。

電話番号:1-800-268-8326(Lawyer Referral Services

所在地:Osgoode Hall 130 Queen St. W. Toronto, ON. M5H 2N6

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Ⅲ 在留邦人用緊急事態対処マニュアル

(1)心構え、準備
(ⅰ)連絡体制の整備

カナダは先進国で政治面では安定しており、隣国との戦争、内戦、クーデターはあまり想定されず、また、特にオタワ周辺地域では地震や暴風雨などの大規模な自然災害も少ないことから、大規模な緊急事態の発生の可能性は比較的低いと思われています。

しかしながら、グローバル化した現在、世界中で色々な形の新たなリスクの存在も指摘されています。例えば、同時多発テロ、鳥・新型インフルエンザ、SARS、洪水による浸水、大寒波の発生等の可能性はオタワ周辺地域においても否定することはできません。実際、2009年中には新型インフルエンザの脅威が発生し、2010年には市内銀行ATMにおける爆発テロも発生するなど、緊急事態はいつ発生するか事前に予想することはできません。

そのため、緊急事態に備え、あらかじめ家族間、会社内あるいは友人知人間での緊急連絡方法を決めておくことが重要です。携帯電話等が通じない場合などに備えて、お互いの住所を把握しておくことをお勧めします。(緊急事態発生時には、多くの携帯電話がつながりにくくなると思われます。)また、緊急時に必要な情報等が届くよう、在留届(Eメールアドレスを含め)の届出や連絡先変更がある場合の届出を励行して下さい。

なお、緊急事態発生の際には、当館より在留届の連絡先に情報を提供しますが、電話が使用できなくなる場合には、NHK海外放送により必要な連絡を行うこともあり得ますので、短波放送受信可能なラジオ(電池の準備もお忘れなく)の備え付けをお勧めします。

(ⅱ)一時避難場所

緊急事態発生の際には、常にその状況の進展に注意を払って情報を収集し、危険な場所に近づかないことを心掛けて下さい。

また、万が一緊急事態に巻き込まれた場合に備えて、平素から、いくつかのケースをあらかじめ想定して一時避難場所を検討されることをお勧めします。(自分や家族はどこにいるべきか(勤務先、通勤通学途上、自宅等)、どの様な事態があり得るか、外部との連絡手段はあるか否かなど。)

(ⅲ)緊急事態における携行品など、非常用物資の準備

旅券、現金、貴金属など最低限必要な物は、直ちに持ち出せるよう、あらかじめまとめて保管(勿論、窃盗等への配慮をお忘れなく)しておきましょう。

緊急時に一定期間自宅での待機になる場合もありますので、非常用食糧・飲料、医薬品、燃料などを最低5日間分準備されることをお勧めします。

(ⅳ)自動車の整備と燃料

2005年夏のハリケーン・カトリーナがニューオリンズ等米国南部を襲った際には、自動車で避難できた人々とできなかった人々との間で状況が大きく異なりました。

いざとなった場合に、自動車は移動手段としてだけでなく、避難先にも、暖をとる場所にも、ラジオ等情報入手場所にもなりますので、日頃から自動車の整備を行うとともにできるだけ燃料を補充しておきましょう。

(2)緊急時の行動
(ⅰ)情勢の把握

緊急事態が発生し、又は発生する恐れのある場合、大使館は邦人保護に万全を期するため,所要の情報収集、情報判断及び対策の策定を行い、在留届に基づき皆様へ情報連絡させていただきます。できるだけ平静を保ち、流言飛語に惑わされたり群集心理に巻き込まれたりすることのないようお願いします。

緊急事態発生の際には、テレビ、ラジオ、インターネット等で、冷静に関連情報を収集するよう各自心がけて下さい。(特にインターネットで情報入手する場合は、政府機関や大手報道機関など信頼あるサイトに接続しましょう。)

(ⅱ)当館への通報など

現場の状況のうち通報する必要があると思われるものは、その他の在留邦人の皆様への貴重な情報となりますので、随時大使館まで連絡願います。自分や家族又は他の邦人の生命・身体・財産に危害が及び、又は及ぶ恐れがある時は、迅速かつ具体的にその状況を大使館に通報下さい。

緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることも必要となります。在留邦人の皆様に種々御助力をお願いすることもございますので、宜しくお願い致します。

(ⅲ)国外への退避
  • 事態が悪化(例えば、近隣地域での鳥インフルエンザの発生拡大の際等)し、各自の判断により自主的に、あるいは大使館の指示により帰国又は第三国等へ退避する場合は、確実な所在把握と安否確認を行うため、その旨を大使館へ通報して下さい。大使館への連絡が困難な場合は、日本の外務省海外邦人安全課(電話:011-81-3-5501-8160)に連絡するようお願い致します。
  • 大使館が「退避勧告」を発出した場合で、自家用車や一般の公共交通機関(商用機、列車、バス等)が安全な形で運行している間には、それを使って可能な限り早急に退避して下さい。一般商業便等の運行がなくなった場合或いは満席の場合などは臨時便やチャーター便により退避することが必要となってくることもあり得ますので、大使館の指示に従って下さい。
  • 事態が切迫し、大使館より退避又は避難のための集結を指示された場合には、大使館が指定する一時避難先に集結して下さい。その際、しばらくの間、同避難先で待機する必要が生ずる場合も想定されますので、可能であれば非常用物資や防寒着を持参下さるようお願いします。他方、緊急時には自分及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、その他の携行荷物は必要最低限にしていただくようお願いします。

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Ⅳ 結語

全世界に在留する邦人数は増加しており、平成22年10月1日現在、カナダには全体の約4.8%となる約5万4千人の在留邦人が居住されており、そのうち1,384人の方々がオタワに居住されています。この手引きでは、在留邦人の皆様方が安全にオタワで生活できるよう、また、緊急時において迅速・的確に対応していただけるよう重要な諸点をまとめてみました。皆様の参考となれば幸いです。

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