在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成24年4月
在カメルーン日本国大使館
この手引きは、カメルーンに在住する日本人の方を対象に、当地で安全で快適な生活を送るための道しるべを綴った冊子です。近年、海外において日本人が犯罪被害に遭うケースが多く発生しており、ここカメルーンにおいても、過去に日本人の方が強盗や窃盗事件の被害に遭っています。これら被害の状況を振り返ってみますと回避不可能であったものもありますが、もう少し注意を払っておけば防げたに違いないものも少なからず存在したように思います。
日本でも時として凶悪犯罪は発生し、その安全神話が崩壊したかのように言われることもありますが、皆様の日本での日常生活では、特段注意を払わなくても危険な目に遭うことなく平穏な日々を過ごせていたのではないでしょうか。しかし、海外での生活は全く異なります。日本と異なる経済・習慣等を背景にもつ海外で日本と同じ行動を取ることは、自ら危険を呼び寄せていることと同じなのです。
海外で安全な生活を確保するためには、その国の治安情報を知り、それに応じた安全対策をとることが肝要になります。「備えあれば憂いなし」のことわざのとおり、馴染みのない海外の地で安全な生活を送るためには、事前に必要な対策をとっておくことが大切なのです
。
本手引きでは、以上の点を踏まえ、カメルーンにおいて日本人の皆様が安全上、どの様な点に気を付けて生活すればよいか、住居の安全対策、外出時の安全対策及び犯罪被害時の対応要領等を中心にまとめています。必要な安全対策を知り、それを忠実に守ることで、犯罪被害に遭う確率は低くなります。
なお、本手引きは、今後も随時内容の見直しを行い充実したものにしていきたいと考えておりますので、皆様のご意見やお気付きの点がございましたら、当大使館の領事班までご連絡頂ければ幸いです。
皆様のカメルーンでのご滞在が、安全かつ思い出深い有意義なものとなりますことを願っております。
平成24年4月
在カメルーン日本国大使館
領事班
まず、犯罪被害に遭わないために、防犯対策を取ることの重要性を十分認識して下さい。犯罪に遭わないためにどうすればよいか議論されることがありますが、最良の手段は防犯対策を取ること及び防犯意識を高めることなのです。防犯対策をできる限り綿密に立てることにより、犯罪に遭遇する確率を確実に減らすことが出来ます。防犯対策をしっかり立てそれを忠実に守っている人とそうでない人とでは、犯罪に遭遇する確率は大きく異なるでしょう。
皆様の中に、犯罪被害について「自分は隙がないから大丈夫。」、「犯罪被害に遭うなんて注意力が足りないからだ。」等他人事の様に思っている方はいないでしょうか。もしそのような方がいらしたら、それは大きな考え違いです。
人間は環境に慣れたころ必ずと言っていいほど油断してしまい、その隙を突いて万が一のことが起こりがちなのです。また慣れは慢心を引き起こし、他人の忠告が耳に入らなくなってしまいます。海外で安全で楽しい生活を送るためには、客観的な目を持つ第三者のアドバイスを謙虚な気持ちで聞き入れることが大切です。
カメルーンの治安機関は日本警察と比較した場合、犯罪検挙率は低く、犯罪を抑止するための施策も十分にとられていないのが現状です。これには、カメルーンの国自体がまだまだ発展しておらず、警察の捜査手法に関しても科学捜査等の手法が導入されておらず、犯罪が発生したとしても即対応できる組織力が整っていない等の理由が挙げられます。
また日本の場合、ある地域で特定の犯罪が多発すれば、町ぐるみで防犯活動を行う等コミュニティ全体で犯罪を抑止する取組がなされたりしますが、カメルーンの場合、まだまだそのような活動は浸透していません。
結局のところ、頼れるのは自分自身なのです。「自分の安全は自分で守る」という心構えを持ち行動することが皆様を犯罪から守ることとなるのです。
平素から現地社会に溶け込み、信頼できる現地の人との良好な人間関係構築に努めましょう。そうすれば、いざという時に地域住民の助けも得られる上、現地の生きた様々な情報(特に治安に関する情報)が入ってくることでしょう。
カメルーンでの犯罪の特徴は、金品窃取目的の強盗や窃盗事件が多発していることです。カメルーン国民の多くは貧困層で生活に困窮しており、素行不良の若年が犯罪に手を染めるケースが多いと見られます。
当初、単なる窃盗事件であったのが、被害者が抵抗したばかりに銃や刃物で射殺されたり刺殺されたりするケースが多く発生しています。カメルーンへは政情が不安定な近隣諸国から銃が流入しているという情報もあり、銃等の凶器を使用した犯罪が多発しています。
女性が性犯罪の被害に遭った事件がよく報道されています。もともと、性犯罪自体が目的の場合もありますが、強盗が押し入った民家に女性が居合わせた場合等に、女性が暴行されるケースも多く発生しています。
カメルーン在住の外国人が犯罪被害に遭うケースも珍しくなく、過去、日本人の方も複数被害に遭っています。以下に近年発生した日本人が犯罪に巻き込まれたケースを紹介しますので、自分自身の問題として、その様な犯罪に逢わないためにはどうすればよいか考えてくだされば幸いです。
以下が、近年カメルーンで日本人の方が遭遇した犯罪被害です。町中や市場等人で混雑している地域で窃盗の被害に遭いやすくなっています。また、カメルーンでは車に乗車中犯罪に遭う確率が高いので、車内から必ずロックをし、特に渋滞停車中は必ず窓を閉める様に心掛けて下さい。
(1) 日本人男性がヤウンデ市内中心部の大聖堂前を歩行中、前から歩いてきた男に急に通せんぼする様に手を広げられたので一瞬怯んだところ、別の男からリュックサックの外ポケットに入れていた文房具を盗まれた。
(2)日本人女性がヤウンデ市内中心部の大聖堂前を歩行中、気付いた時には、腰に掛けていたポーチのチャックが開けられカメラを盗まれていた。
(3) 日本人男性が車でヤウンデ市内を走行中、交差点で渋滞のため停車していたところ、何者かに後部ドアを開けられ、後部座席に置いていたバッグを奪い去られた。
(4) ヤウンデ市内のモコロ市場で、日本人女性が肩からショルダーバッグを提げ買物中、男がバッグを奪おうとしたので抵抗したところ、刃物で切りつけられ負傷した。
(5)ドゥアラ市内で日本人女性が膝の上にポシェットを置いてタクシーに乗車中、渋滞のためタクシーが停車していたところ、何者かが開けていた窓ガラスから手を伸ばしポシェットを奪い去った。
(6)西部州バンガンテ市内において、幹線道路沿いを歩いていた日本人女性が、後方から近付いてきた者から、肩から提げていたショルダーバッグのひも部分をナイフ様のもので切られ、バッグを奪い去られた。
(7) 沿岸州メロン市内のホテルに滞在中の日本人男女が武装強盗の襲撃に遭い、金品を強奪された。
(8) ヤウンデ市内で乗合タクシーの助手席に2名乗車(邦人は1名)中、運転手に「手すりに掴まっていろ」と指示されこれに従ったところ、助手席の別の客にウエストポーチ内の財布を盗まれた。被害者は運転手に車を降りるよう命令され、降車した後被害に気付いた。
安全な生活を確保するために、最も重要となるのは住宅選びです。希望する物件がないからといって安易に妥協はせず、粘り強く安全対策上条件が揃っている、または家主等を通じ入居前に必要な設備をつけてもらえる住宅を選びましょう。
以下は、住宅を決める際に注意を要する事項です。
ア 治安が良いとされている地区(風評、警察施設等の有無)から選択すること
ヤウンデを例にすると、これに該当するのは各国大使館・国際機関及び外国人住宅が多く立ち並ぶバストス地区等になります。バストス地区には外交団警察があり、地区内を定期的にパトロールしていることから防犯度も高いと言えます。
イ 低所得層街や治安の悪い地域に隣接していないこと
ウ 住宅密集地ではなく、周囲がある程度見渡せること
エ 住居は車道に面し、車で安全かつ迅速に出入りできるのが望ましい
オ 周辺道路には街灯(防犯灯)が設置されているのが望ましい
カ 住居周辺に不審者(車)が潜める場所がないこと
キ 職場・学校・買い物等に行く際、治安の悪い地域を通行することなく目的地へ行けること
独立家屋と集合住宅のどちらが安全性が高いかは、両者ともに一長一短があり一概には言えません。集合住宅は独立家屋に比べ侵入口が少ないものの不特定多数の者が出入りしやすいという面もあります。周辺環境や家の設備等を総合的に考慮してより多くの安心が得られる住居を選んで下さい。
以下は、それぞれの住宅を決める際の注意事項です。
住居を決定した後は、さらに窃盗犯等から住居を守るために警備対策を考えなくてはいけません。
夜間就寝時はもちろんのこと、昼間家を不在にする時も確実に施錠をして下さい。
カメルーンでは、比較的安価な値段で警備員を住居に配置することができます。夜間はもちろんのこと、昼間、仕事で家を不在にする場合等も警備員がいれば安心です。カメルーンには何社かの警備会社があり警備員を派遣しています。
警備会社の中には、顧客に警報装置をリースで貸し、緊急の際に住宅内に設置された同装置のボタンを押すと、数分以内に警備員が派遣されるサービスを行っているところがあります。カメルーンには比較的信頼できる警備会社が数社あり、それらの会社がこのサービスを実施しています。
立地条件や住居の造りに不安がある方はこの契約を考えてもいいかもしれません。
現在、日本では住居に設置する各種防犯グッズがたくさん売られています。これらの中には取り付けが簡単にできるタイプもあり、センサーライト等は利用価値も高いのではないかと思います。カメルーンではこれら商品は手に入りませんので、日本に帰国した際購入したり、日本から送付してもらう等して活用するのも一つの手段です。
犬を飼うことは、防犯対策上効果的な方法です。
自宅から一歩外に出たら常に細心の注意を払い、警戒を怠らないことが防犯上 最も重要です。以下に各犯罪ごとの防犯対策等を挙げています。
カメルーンのタクシーは基本的に乗合制であり、しばしば、運転手と乗客を装った強盗犯が手を組み、乗客から金品を強奪する事件が発生しています。よって、タクシーを利用する際は貸し切りにするか、信頼のおけるタクシー運転手を見つけ、利用の度に連絡する等の方法を取るのが良いでしょう。
バイクタクシーも安価なこと等から気軽に利用できますが、運転手の中には運転技術が未熟な者もおり、お勧めできません。登録さえすれば始められる職業のため、若者を中心に多くのドライバーがいますが、決して運転が上手な者ばかりでなく、自己中心的な運転をする者も少なくありません。
そのために、事故も後を絶たず、実際、過去にバイクタクシーに乗車中に複数の日本人が事故に遭っています。大事故に遭う可能性のあるバイクタクシーはお勧めできませんが、仮に、やむを得ず乗車する場合は、信頼できるドライバーを紹介してもらった上で、ヘルメットを着用して下さい。
夜間の外出はできるだけ控え、やむを得ず外出する場合は必ず車で出かけ、交通量の多い明るい道路を通行し、早めに帰宅しましょう。一般的に、犯罪は夜間に多く発生します。言うまでもなく夜間の方が昼間より視界がきかず、目撃される確率が低いからです。犯罪が多発する夜間の不必要な外出はやめましょう。
スリ犯は周囲の者から身を隠し犯行に及ぶため、人混みを選びます。人でごった返す市場、町中心部及び商店内等に赴く時は、特に注意して下さい。スリ犯は相手に気付かれることを最も恐れるので、人混みの中では常に周囲に注意を払い隙を見せないように行動して下さい。また、その際、財布をズボンの後ポケットに入れてはいけません。すられても気が付きにくく、スリに最も狙われる場所です。
まず、日常生活において強盗の標的にされないように、なるべく服装は質素なものを着装し、高価な宝石等のアクセサリー、時計等も身に付けないようにして下さい。強盗犯は常にお金を持っていそうな人を探していますので、外見で第一の標的にされないようにすることが重要です。
また、買物等に行く際は必要な額の現金だけを持って行くように心掛け、支払いの際も周囲を注意して下さい。なるべく手ぶらで行くことをお勧めしますが、やむを得ずバッグ等を持参する場合はなるべく小さな物にし目立たないようにして下さい。
自宅以外で強盗に遭う可能性のある場所としては、市場やレストランや車両乗車中等が挙げられます。強盗に遭うおそれのある場所へは決して一人で行かず、複数で外出するように努めてください。
ヤウンデでは、「モコロ市場」が犯罪が多発している場所の一つであり、立寄る際には十分注意してください。過去、日本人女性が同所でハンドバックを強奪され、その際手斧で切り付けられる強盗事件が発生しています。
その他、警備員が配置されていないレストランも安心できません。過去、外国人御用達のレストランに強盗が入り、居合わせた客から金品を強奪するという事件も発生しています。
皆様が直接、傷害や暴行の被害者にならないためにも、治安の悪いとされる地域(現地の方でも近寄らないような地域)に興味本位で行かないで下さい。悪い人は些細なことでも因縁を付けてきます。夜間のバー等へ行くのも避けた方が無難です。アルコールが入ると気分が高揚し、皆様も相手方もお互いトラブルを誘発する行動を取るおそれがあるからです。
外出先で車から離れる時は、少しの間でも必ず施錠をし、車外から見える座席上等に貴重品は絶対に置かないで下さい。貴重品は必ず携帯して車外に出て下さい。買い物をした商品等も車内に置き去りにせず、トランク等外から見えない場所に置いて下さい。
車上ねらいは簡単に実行できる犯罪であり、たった数分間の内に敢行できます。車外から見える場所にバッグ等を置き去りにしていると、犯人は窓ガラスを叩き壊したり鍵穴をこじ開けたりして、あっという間に車内の目的物を持ち去ります。
常に車内に貴重品等を置かないように気を付けるだけで、車上ねらいの大半は防止できます。
車両乗車中に通行人等から「タイヤがパンクしている」、「車がおかしい」等と言われた場合は、決して鵜呑みにせず、その場で下を覗きこんだり、相手に後姿を見せないようにしましょう。過去に騙され車外に誘い出されたところを強盗に襲われたというケースもあります。
日常生活においては、『目立たない』、『行動を予知されない』、『用心を怠らない』の3原則に従って行動して下さい。一般的にカメルーン人は日本人を金持ちと思っているので注意して下さい。派手な行動をとれば、周囲から目立ちますし、反感を買うことさえあるかもしれません。また、派手な行動をとることで、周囲の者から「あいつは羽振りがいいし、お金をいっぱい持っているに違いない。」等と犯罪の標的にされる可能性もあります。
ここカメルーンでは「郷に入れば郷に従え」の精神で、周囲に溶け込み上手に生活して下さい。以下は日常生活を送る上での諸注意です。
訪問者に対する警戒は、住居の防犯上最も重要な事項の1つです。
(1)訪問者に対しては、身元をしっかり確認してから対応して下さい。
(2)物売り等の見知らぬ者は安易に敷地内に入れることは避け、また、電気・水道・電話等の業者であっても安易に信用せず、バッジや作業書類等で身元をしっかりと確認して下さい。電力会社の社員を装って住宅に上がり込み、強盗を敢行した事件が発生しています。
(3)顔見知りであっても見知らぬ人と一緒であったり、非常識な時刻の訪問であれば十分注意して下さい。強盗犯等に脅されて訪問してきていることも考えられます。
カメルーンでの生活をより快適なものにするために、使用人を雇用するのも一つの手段です。カメルーンでは人件費が安く、家事使用人、運転手等の供給も多くあり、それら使用人を雇用することができるでしょう。
使用人を雇用した場合、現地の習慣やしきたりを知ることができる等のメリットもありますが、以下のような事項に気を付けて下さい。
(1)使用人を雇用する際は、身元確認を確実に行いましょう。可能であれば、前任者から引継ぐか、信頼できる人から紹介を受けるのが良いでしょう。
(2)使用人のプライドを傷つけたり、恨みを買うような言動は厳に慎むべきですが、その反面、問題があれば見過ごさず適宜注意することが大切です。
(3) 決して使用人に対して「隙」を見せてはいけません。貴重品や現金を不用意に放置することは、犯罪を誘発する行為であることを認識する必要があります。
防犯対策は、子供も含めた家族全員に周知徹底することが大切です。
(1)特に子供は防犯意識が低いので、常日頃から安全に対する教育を行う必要があります。とりわけ、来訪者に対する対応や両親が不在時の注意事項等を教えておく必要があります。
(2)家族に対し、緊急時における連絡先等を周知徹底させて下さい。
鍵の保管は防犯対策の基本であり、その取扱には厳重な注意が必要です。
(1) 決して使用人には鍵を渡さない。
(2) 万一鍵を紛失したり盗まれたら、錠をただちに取替える。
(3) 携帯する鍵には脱落防止措置(チェーン等を付ける)を行う。
(4) 車・自宅・勤務先等の鍵を同じキーホルダーに付けて所持しない。
(5) 容易に複製できない鍵を取り付ける。
特に独立家屋では、警備員を雇用していなければ、家人不在時は全くの無防備となり、侵入窃盗の被害に遭うおそれがありますから次の点に注意をして下さい。
(1) 長期不在時には、職場の同僚や友人(信頼のできる日本人が望ましい)に鍵を預け、時々住居の状況を点検してもらうよう努めて下さい。
(2) 警備会社と契約があれば、不在中のパトロール強化(特に夜間)を依頼するのも得策です。
(3) 火災防止のため、ガスのバルブを閉める、コンセントからプラグを抜く等の処置も必要です。
万一犯罪被害に遭遇した場合は、本人及び家族の生命・身体の安全を第一に考え冷静に行動しましょう。
もし、警報器があれば、直ちに警報器のスイッチを押し第三者に異常を知らせましょう。
ア 住居にいる者全員が避難室へ行き確実にドアを施錠しましょう。
イ 避難室から電話等で警察・警備会社・大使館領事へ救助を求めましょう。その後、安全が確認されるまで、決して避難室から出ないようにしましょう。
時間的余裕があれば上記(1)・イと同様な措置を取るが、その時間がなく直接脅迫を受けた場合は、無抵抗で犯人の要求に従いましょう。
ア 「両手を上げ」無抵抗の意思表示をしましょう。
イ 犯人が金品を要求したら、予め用意しておいた現金(概ね10万~20万F.CFA程度は準備していた方が無難です。緊急事態発生時用としても活用ができます)のある場所を示し、犯人に取らせましょう。
ウ 外出先から帰宅した際、玄関や窓ガラスが壊されている等不審な点がある場合は、決して一人で住居内に入らず、まずは電話等で警察に連絡し、警察官の到着を待って警備員・同僚等複数で中に入り、全ての部屋を点検しましょう。
これら犯人は、通常ナイフ等の凶器を所持し、かつ複数で犯行を敢行するため、「抵抗」してはいけません。予防策としては、バック等のチャックは確実に締めておき、周囲の状況によっては、しっかりと抱きかかえて所持して下さい。また、不用意に所持品を地面に置かないようにして下さい。
人混みの中で被害に遭った場合は、大声で叫んで周囲の人に犯人を捕まえてもらうのも有効です。但し、無事犯人を捕まえてもらった場合、犯人が周囲の人達にリンチされることがよくありますので、身の安全を守るため素早い現場離脱を心掛けて下さい。
この場合は、両手を大きく上げて無抵抗の意志表示を示し、犯人の要求に素直に応じて下さい。現金を自ら渡そうとして不用意にポケットに手を入れると抵抗すると思われ、犯人に撃たれるおそれもあるので特に注意して下さい。
ア 運転中に突然停止を命ぜられたり、後を付けられた場合は、自分の車の性能・運転技術・犯人との距離・犯人の車の性能等を総合的に考慮して、逃走が可能と判断した場合は、躊躇なく逃げて下さい。
ただし、逃げることが困難と判断した場合は犯人の要求に素直に応じる方が得策です。
イ 住居に近付いた時に、不審者(車)を発見した場合は、いったん通過しスーパー・ガソリンスタンド等警備員の居る営業中の店や近くに警察署があれば同所に一時立寄り、様子を見て下さい。
ただし、事故防止の観点から、不用意にスピードを上げて振り切るようなことは避けて下さい。
カメルーンの交通事情は、日本とは大きく異なり、道路整備の遅れ、交通マナーの悪さ等から劣悪な状況にあります。カメルーンでは、車を運転する時はもちろんのこと、屋外を歩くときも常に周囲に細心の注意を払わなければなりません。
国内幹線道路は多くの場合舗装されていますが、まだまだ未舗装の道路も多くあります。また、首都ヤウンデの主要道路さえ、ところどころ陥没した場所がある等道路整備の遅れが目立ちます。道路標識による交通流の統制もほとんどなされていません。
自己中心的な運転をするドライバーが多く、無理な追い越し、無理な割り込み等は日常茶飯事です。「譲り合いの精神」もほとんど見られません。町中でもスピードを出し運転する者が多くいます。
ちなみに、日本で「お先にどうぞ」という意味のパッシング(ライトを点滅させる)行為は、当地では主に「俺が先に行くぞ」という意味で使われていますので、意味を取り違えて衝突しないよう気を付けて下さい。
万が一、交通事故の当事者になってしまった場合、事故の態様にもよりますが、原則として、事故現場をそのままにしておき、直ぐに警察へ通報し警察官を呼んで下さい。警察官が到着後、事故状況について現場検証を実施することになります。
カメルーン人は一般的に、たとえ自分自身に非があっても、それを認めたがらない傾向にありますので、事故の相手とは、住所・氏名・電話番号・車両番号を確認するに留め、事故の原因・責任等についての話は避け、保険会社への届けを早急に行いましょう。
また、カメルーン人居住区で死亡、重傷人身事故等を起こした場合は、被害者の家族や目撃者等から報復を受ける(事故現場で集団リンチを受けた事例もあります。)おそれもありますので、事故状況によっては事故現場に留まることなく、早期に現場を離れ、事故現場を管轄する警察署に出頭した方が良いでしょう。
カメルーンにおいては現在、テロ組織の確認はされておらず、テロの脅威は低いと見られています。しかし、過去、イスラム過激派「アル・カーイダ」が日本を名指しで攻撃対象国であると明言する等海外に在住している日本人も決して安泰できる状況ではありません。また近頃は、隣国ナイジェリアでテロ活動を行っているイスラム過激派「ボコ・ハラム」のメンバーがカメルーン国内に潜伏しているとの情報もあり、テロ被害と無縁であるとは言い切れない状況にあり、油断は禁物です。
常に世界の状況に目を向け、特にアル・カーイダ系イスラム過激派の米国を始めとする先進諸国に対する動向に目を向けておく必要があります。
海外で生活する全ての日本人は、「テロ・誘拐事件のターゲットである。」との認識を強く持つことが大切です。
住居・職場・外出先等のあらゆる場所で警戒を怠らないことがこの種犯罪を未然に防止する鍵です。特に、長期間居住していると生活に慣れが生じるが、この「慣れ」が一番危険であるということを肝に命ずる必要があります。
日頃から自分の周囲のちょっとした変化を見逃さないセンスを磨くことが肝心です。万一兆候が感じられる場合は、直ちに家庭や職場の警戒警備を強化し、通勤時間・コースを変更するのはもちろんのこと、大使館や捜査当局にも相談して下さい。
最新のテロ・誘拐事件に関する情報を入手するとともに、これら事件を惹起するテロ組織等(現在のところ、カメルーンにおける存在は確認されていません)に関する情報を収集する努力が必要です。
自分の周囲に不穏な動向があった場合、通勤時間・コース等が毎日同じであれば、行動等を察知され、これら犯罪のターゲットになり易いので、適宜変更することが必要です。
アフリカ諸国では、他の地域に比べ、不安定な政治的要素により内乱・クーデター・暴動等が頻繁に発生しておりますが、比較的内政が安定していると言われているカメルーンにおいても、こうした事態が発生する可能性は否定できません。
このような内乱・クーデター・暴動等の緊急事態の際には、当大使館としても全力でその対応に当たりますが、そのような状況下では各自が責任を持って自己の安全対策に万全を期するよう努力することが必要です。そこで、当大使館では、そのような緊急時に在留邦人の皆様が迅速・的確に対応できますよう、以下のとおり平素の心構えと必要な準備、緊急時の行動について必要な事項をまとめてみました。
ア カメルーンに3ヶ月以上滞在予定の日本人の方は、必ず「在留届」を提出して下さい。また、帰国や一時帰国する際にも当館へ連絡をお願い致します。
イ カメルーン滞在中に、住所や連絡先等を変更した際にもすみやかに当大使館領事担当者までご一報下さるようお願い致します。緊急事態発生時には、安否確認・緊急避難のため、大使館から直接皆様に連絡することがありますので、常に新しい連絡先を連絡下さい。
ウ 緊急事態はいつ起こるとも限りません。あらかじめそのような場合における家族間、企業内等での緊急連絡方法について決めておいて下さい。また、お互いに所在を明確にするようにして下さい。
エ 緊急事態発生の際には、当大使館から連絡網を通じ情報を提供するとともに必要な指示を行いますが、電話回線等が使用できない場合には当大使館から無線機、FM放送機(周波数:91.5メガヘルツ、ヤウンデ市内のみ有効)またはNHKラジオ・ジャパンを通じ必要な連絡を行うことがありますので、FM及び短波の受信可能なラジオ及び電池を購入しておいて下さい。
ア 旅券、現金、貴重品等最低限必要な物は、直ちに持ち出せるようあらかじめまとめて保管しておいて下さい。
イ 緊急時には、一定期間自宅での待機を指示することもありますので、非常用食料、医薬品、燃料等を最低限10日分準備しておいて下さい。
ウ 平素から緊急事態に備えて準備しておく事項は、別紙1の「チェックリスト」のとおりです。
エ 万一食料品等が不足した場合には、買い物のための外出は控え、近隣居住者から融通し合って下さい。
ア 緊急事態が発生しまたは発生するおそれのある場合は、当大使館は、日本人の皆様の保護に万全を期するため、所要の情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い、随時通報致します。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないよう注意して下さい。
イ 投石や銃撃が行われている時は、絶対に窓には近付かず、住居の奥に避難して下さい。
ア 当大使館からの連絡は、電話利用の可能な場合と不可能な場合とに分けて日本人の皆様方に随時通報致しますので、FM放送の受信が常に受けられるようにして下さい。
イ 緊急事態発生の際には、現地、海外報道、衛星放送テレビ等の視聴により情報収集を各自心掛けて下さい。
ア 現場の状況のうち通報する必要があると認めたものは、随時大使館に直接または連絡可能な日本人の方を通じて通報して下さい。他の日本人の方への貴重な情報となります。
イ 自分や家族または他の日本人の方の生命、身体、財産に危害が及びまたは及ぶおそれがある時は、迅速かつ具体的にその状況を大使館に報告して下さい。
ウ 緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応することが必要です。当大使館から日本人の皆様に諸々のお願いをすることもございますので、ご協力お願いします。
ア 事態が悪化し、各自または派遣元の会社等の判断により、自発的に帰国、第三国に避難する場合は、その旨を大使館又は日本の外務省海外邦人安全課宛に連絡して下さい。
イ 日本外務省より「退避勧告」が発出された場合、一般商業便が運行している間はそれを利用し、可能な限りすみやかに国外へ退避して下さい。一般商業便の運行がなくなった場合または満席でチケットが取れない場合等には、臨時便の利用あるいはチャーター便の手配、状況によっては陸路、海上ルートを利用して退避することが必要になって来ることもあり得ますので、当大使館の指示に従って下さい。
ウ 事態が切迫し当大使館から退避または退避のための集結を指示された場合には、指定した避難場所(上記1.(2)の(イ))に集結して下さい。その際、しばらくの間避難先で待機する必要がある場合も予想されますので、可能であれば非常用物資を持参下さるようお願い致します。他方、緊急時には自分及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、その他の携行品は必要最小限にしていただくようお願い致します。なお、緊急事態発生時には、場合により当大使館から避難先への交通手段をアレンジすることもあります。