在留邦人向け安全の手引き 在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


安全の手引き
-当地での安全な在留・滞在のために-

2012年1月10日
在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館

1.序言

近年、海外で生活をされる邦人の方の増加傾向に伴い、邦人の方が事件や事故に巻き込まれてしまうケースが増加しています。

本手引きは在留邦人の方々の、当地での安全な生活の一助となるよう作成したものであり、ご参考頂ければ幸いです。

2.防犯の手引き

(1)防犯の基本的な心構え

まず、なによりも自身とご家族の安全は自分たちで守るという心構えが必要です。日本でも「水と安全はタダ」と思われる人は年々少なくなってきていますが、海外においては特にこの事を再認識し、安全確保を最優先することが大切です。

次に、安全の三原則として、
「目立たない」
「用心を怠らない」
「行動のパターン化を避ける」
以上のことを心掛けてください。

当地で日本人は目立つ傾向にあります。華美な服装や公共の場(レストラン、バーなど)で大声で騒ぐなどの行動は控え、当地の文化・風習等を十分考慮して行動してください。また、日本人の規則正しい気質から毎日同じ時間に同じ道を通るなど、行動が画一化してしまわないよう注意してください。

(2)最近の犯罪発生状況等

紛争時に使用された武器等が未だ一般に出回っており、銃器を使用した殺人、強盗、爆弾事件等の凶悪事件や、スリやひったくりなどの犯罪発生件数に大きな改善はみられません。最近では邦人の方も路上強盗、スリや置き引き、車上荒しや住居侵入の被害に遭う事件も発生していますので注意が必要です。

《邦人の方の被害例》
  • 親しくなった外国人に睡眠薬入りの飲み物を飲まされ、眠っている間に貴重品を盗まれた。
  • 白昼、サラエボ市内の人通りの少ない路地を歩いていたところ、何者かに刃物を突きつけられ、現金を奪われた。
  • 露店の商品を見ている隙に、リュックの中から財布を盗まれた。
  • トラムを降りる際に身体を密着させてきた男に、バックの中の財布を盗まれた。
  • 繁華街で物乞いに絡まれ、コートのポケットから財布を盗まれた。
  • 鉄道駅で脇に置いたリュックから目を離した隙に置き引きされた。
  • 夜間、路上に停めた車の窓ガラスを割られ、車内のカバン(マフラーで覆っていた)を盗まれた。
  • 長期間自宅を留守にした際に泥棒が入り、現金やパソコンを盗まれた。
(3)防犯のための具体的注意事項
○住居

住居を選ぶ際は、立地、間取り、設備、金額の他に安全面を十分考慮することが重要です。ほかの条件が満たされていても安全面で不安が残る場合は、安易に妥協しないでください。自らとご家族の安心を考え、安全面を優先することをお勧めします。独立家屋では周囲すべてにおいて安全面への配慮が必要ですが、集合住宅で3階以上であれば賊の侵入もしづらい状況となり、一般的に安全対策も容易となります。但し、高層階においては火災発生に際しての消火設備・非常階段等の防災設備の充実に注意が必要です。

《住居侵入犯罪の特徴と手口》
(イ)事前に周到な下見をする。
外国人の住居が狙われるケースも発生しています。これらの多くは、事前に狙った建物を周到に下見しているようです。狙った家屋の周辺を何度も車で走行し、誰が居住しているかや住人の出勤や帰宅時間などの行動パターンを調べて周到な犯行計画を立てる傾向があります。
(ロ)犯行手口
2・3人のグループを形成して、一人は外で見張りを行い、その他のメンバーがドアの鍵や窓などをこじ開けて侵入し金品を盗み出し、またこれら盗品を買い付ける者がいるなど組織化した犯罪もみられます。これら侵入者は、現金や換金しやすい宝石・貴金属及びクレジットカードやパソコン等を狙います。また、車両の鍵を探し出し、駐車場に停めた車を盗み出すこともあります。
(ハ)対策
(a)住居を選定する際、なるべく上層階を選び、地上階などの侵入者がアクセスし易いフロアは避ける。
(b)信頼できる家主の物件を選ぶ。
(c)必要な警備措置がとられている物件を選ぶ。
物件毎に必要な警備措置は異なりますが、建物の窓への鉄格子、補助錠付きの堅牢なドア、セキュリティシステムが設置されているかなどを確認して物件を選んでください。また、来訪者を確認するためのカメラ付インターホンやドアスコープも設置されていた方が良いでしょう。以前に居住者がいた場合は、鍵を新しいものに交換してもらうことをお勧めします。
(d)近隣住人との良好な関係を築く。
困った時にすぐに手を差し延べてくれるような良好な関係を、近隣住人との間に築いておくことも有効です。
(e)住居侵入犯の中には、武器を所持していたり薬物中毒者など粗暴な犯行に及ぶ者もいます。万が一、被害に遭った際には絶対に追い払おうとしたり抵抗したりせず、自身の身の安全を第一に行動してください。
○外出時

前述(1)でも述べた通り、当国で日本人は目立つ傾向にあります。華美な服装や公共の場(レストラン、バーなど)で大声で騒ぐなどの行動は控えると共に、多額の現金を持ち歩くことも控えてください。また、カフェやレストランなどで、犯罪組織が関連すると見られる発砲事件や爆弾事件も発生しています。これらに巻き込まれないよう深夜帯にまで及ぶ外出は控えてください。

置き引きやスリ、ひったくりも依然後を絶ちません。バスやトラムの車内、繁華街等の人の混雑する場所ではバックを体の前に抱えるようにして持つようにしてください。

自家用車等で外出する際、走行中・駐停車中を問わずドアロックをしてください。また、車上荒しも多いため、わずかな時間車を離れる際でも貴重品は携行し、車内の見える位置に物を置かないよう心掛けてください。

○生活

日本を離れ外国で暮らすことは、それだけでもストレスが溜まったり寂しさが募ることもしばしばです。そんな時、隣人や近隣の外国人からやさしく声を掛けられたり親切にされるとすぐに心を許してしまいがちです。近隣住人と親しくすることは、海外生活を楽しく送るために必要なことでもあり、また、困った時に手を差し延べてくれたり色々な情報を得る場になったりと非常に重要なことです。必要以上に警戒することはありませんが、だからといって安易に心を許すことがないよう留意してください。

(4)交通事情と事故対策

当地国内の主な移動手段は車です。サラエボ市内にはトラムがありますが、市内中心部のみであり、他の都市とを結ぶ鉄道も本数が少なく利便性はよくありません。

タクシーを利用する際には、必ず料金メーターのスイッチを入れたことを確認し、目的地についてから言い値で請求されないよう注意してください。

幹線道路は地理的特性からカーブも多く、無理な追い越しやスピード超過の車両も頻繁に見られます。また、都市部においては路上駐車が多く、歩行者の飛び出しにも注意が必要です。乱暴な運転の車や整備の行き届いていない車も多いので、安全運転を励行してください。なお、走行中のライトオンや蛍光ベストの装備、11月中旬から4月中旬までは、冬用タイヤ若しくはタイヤチェーンの装着が義務付けられています。

(5)テロ・誘拐対策
(イ)テロ対策

テロ行為は、世界情勢や国内情勢などに敏感に反応して行われます。テロの巻き添えにならないよう以下のことに注意してください。

  • 日本大使館、現地治安当局、報道などから常に最新の情報を入手する。
    外務省海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/
  • 大勢の人が集まっている場所や宗教関連施設、当国政府関係機関や国際機関の施設などへの立ち寄りは、必要最小限にする。
  • 人が大勢集まる場所では、不審な兆候がないか周囲に気を配る。
  • 差出人が確認できない郵便物は開披しない。
(ロ)誘拐対策

誘拐に対する最大の対策は、ターゲットにされないことです。そのために、日常の生活では以下のことに注意してください。

  • 目立った行動をしない(華美な服装や派手な車等により、経済的に裕福と思われないようにする)。
  • 通勤・通学、買い物等外出時などの行動が画一的にならないようにする。
  • 必要以上に貴金属を身につけたり、多額の現金を持ち歩かない。
  • 外出時等は子供から目を離さない。
(6)緊急連絡先

在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館
TEL:+387-33-277-500(代表)、+387-33-277-512(領事班直通)
FAX:+387-33-209-583
執務時間:9時00分~12時30分、13時30分~17時45分
領事窓口受付時間:9時00分~12時00分、13時30分~17時00分
(土曜日曜祝祭日は閉館。祝祭日は日本と当国との祝祭日を勘案し採用)
※人命に関わる緊急連絡
当番携帯電話:061-135-026

◇警察 122

◇消防 123

◇救急 124

◇医療機関

  • (コシェボ病院)
    住所:Bolnicka 25, Sarajevo
    電話:+387-33-297-000 (代表)
    • 43の専門外来からなる国内一の規模の総合病院(ベッド数1,817床)。
    • 救急外来は24時間体制。
      主に脳神経外科(脳出血等)及び整形外科(骨折等)手術を行っている。
  • (サラエボ大学付属小児科専門病院)
    住所:Patriotske lige 81, Sarajevo
    電話:033-566-400,033-566-435(救急外来)
    • 2009年に移転した国立大学付属の小児科専門病院。24時間体制でNICU完備。
  • (ブラゾヴァ公立病院)
    住所:Vrazova 11, Sarajevo
    電話:+387-33-210-280 ,+387-33-210-282(代表)
    • 開館時間:月曜~金曜の8時~20時
    • 土曜・日曜は勤務医師も少なく英語も不可なため注意が必要。
  • (歯科医院:Dental Practice, Quick smile
    住所:Zmaja od Bosne 7, Importanne Centar, 6sp, Sarajevo
    電話:+387-33-212-089 (代表)
    • 受付、医師ともに英語可。夜間、休日の対応可能。

◇滞在許可の問い合わせ 治安省外国人課 +387-33-772-991

◇サラエボ郵便局 +387-33-723-401

◇サラエボ観光案内所 +387-33-232-110

簡単な緊急時の表現

「助けて!」 U pomoc ! (ウ ポモチ!)

「警察を呼んで!」 Zovite policiju ! (ゾヴィテ ポリツィユ!)

「救急車を呼んで!」 Zovite hitnu pomoc ! (ゾヴィテ ヒットゥヌ ポモチ!)

「泥棒!」 Lopov ! (ロポヴ!)

「火事だ!」 Pozar! (ポジャル!)

3.在留邦人用緊急事態対処マニュアル

(1)平素の準備と心構え

緊急事態が発生した時、うろたえない為にも平素からの準備がなにより大切です。場合によっては人命にも関わることもあり、今一度どの位準備ができているかご確認ください。

(イ)連絡体制の整備

大使館では在留届に基づき必要な情報を発信できるよう連絡体制の整備を図っています。在留届を提出後、転居されたり電話番号やEメールアドレスは変更されていないでしょうか。変更が生じた際には、日本のご家族には勿論のこと、大使館へも必ずご連絡ください。

在留届の提出は直接窓口にお越し頂く以外にも、インターネット(http://www.ezairyu.mofa.go.jp/別ウインドウが開きます)で届出をすることが可能です。

(ロ)退避場所の選定

原則として、避難を必要とする緊急事態が発生した場合は、日本大使館に集結してください。緊急事態は家族や知人と一緒にいる時に起きるとは限りませんので、いざという時どこへ集結すればよいのか、退避場所(日本大使館)をあらかじめ周知しておきましょう。また、それ以外の場所へ退避をする場合には、必ず大使館へ通報をお願いします。大使館所在地(http://www.bosnia.emb-japan.go.jp/Ja/About_Us/access.html別ウインドウが開きます

(ハ)携行品及び非常用物資の準備

パスポートやある程度の現金、非常食や水、防寒具等は、非常時になって袋に詰めて持ち出そうとしても容易ではありません。予め、非常持出し袋に必要なものを準備し、迅速な行動が取れるようにしてください。また、パスポートの有効期限切れ等にも注意してください。

(2)緊急時の行動

緊急事態が発生、または予想される場合、大使館から必要な情報を電話・Eメール等で通報します。このような時、平常心を保つのは難しいものがありますが、群集心理に巻き込まれたり流言飛語に惑わされることなく、正確な情報を入手し冷静な判断のもとで行動することが大切です。また、陸・空路で国外へ退避することも想定し、日常からの自家用車の整備や航空会社の連絡先も確認しておきましょう。

  • オーストリア航空 +387-33-259-91
  • ルフトハンザ航空 +387-33-259-910 ※オーストリア航空同番号
  • ボスニア航空 +387-33-550-126
  • クロアチア航空 +387-33-789-600
  • アドリア航空 +387-33-232-126
  • サラエボ国際空港 +387-33-289-100
  • Centrotrans社(バス) +387-33-213-100
  • 国営鉄道サラエボ駅(鉄道) +387-33-655-330
(3)緊急事態に備えてのチェックリスト
  • 在留届は出しましたか。
  • また、届出内容に変更はないですか。
  • 緊急連絡先一覧表は備えていますか。
    ※警察・救急・消防・日本のご家族・日本大使館等
  • 非常持出し袋は準備していますか。
    (パスポート・現金・非常食・水・常用薬・防寒具・懐中電灯・ラジオ等)
    ※水は1人1日3リットルを目安にしてください。
  • 退避場所は周知されていますか。(原則として日本大使館です)
  • 日本大使館の場所はご存知ですか。
    ※2006年6月に移転しています。

※これらの準備は1回やってしまえば良いというものではありません。古い連絡先や賞味期限を過ぎた非常食等では、いざという時に役にたたないことがあります。
1年に1回以上は確認するよう努め、平素からの準備と心構えに万全を期すようにしましょう。

4.結語

以上、安全対策についての手引きをご案内しましたが、安全対策に100%はありません。日頃から治安情勢等の変化に気を配り、準備を行うことでより100%へ近づくことができます。「自分の身は自分で守る」・「予防こそ最良の危機管理」ということを再認識し、努労力を惜しまないでください。

大使館では、在留邦人の方々がより安全な海外生活を送れるよう、皆様からの貴重な情報をお待ちしております。ご質問等を含めお気軽にご連絡ください。

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