在留邦人向け安全の手引き 在バルセロナ日本国総領事館

在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。


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安全の手引き

~備えあれば憂いなし~

2012年2月1日(改訂)
在バルセロナ日本国総領事館

Ⅰ はじめに

我が国の国際化の進展に伴い,海外で暮らす日本人の数は年々増加し,それとともに海外で各種事件,事故に巻き込まれる事例が増えていることは皆様ご承知のとおりです。

在バルセロナ総領事館管内(カタルーニャ州,バレンシア州,バレアレス州)において,当館が把握しているだけでも2011年は402名に及ぶ邦人被害が報告されています。しかし,これらの邦人被害は外国人旅行者が多く訪れるバルセロナ市内の地下鉄・駅や構内及び観光地等で発生するスリや置き引きが大半を占めていますので,日頃から注意して対策を取っていれば予防できると思われます。

一方,当地のテロ情勢については,2011年はテロ事件の発生はありませんでしたが,同年に限って見ても当地報道によれば「米国中央情報局(CIA)がカタル-ニャ州において,ジハ-ド(聖戦)戦士を警戒(5月)」,「バルセロナはスパイの巣窟となっている(5月)」,「マグレブ諸国のアル・カ-イダの勢力拡大により,欧州各国が警戒態勢に入っている,特にテロリストがリビアの混乱に乗じて大量の武器を入手している(7月)」,その他「バレアレス州でテロ行為の容疑が掛けられていたキュ-バ人を逮捕(9月)」等,カタル-ニャ州を始めスペイン等欧米諸国を中心にテロに対する脅威は未だ高い状態が続いていますので,テロ事案が皆様の身近で発生する可能性が高くなっていると考えられます。

こうした情勢下にあることから,当地においては強盗・窃盗など一般犯罪に対する安全対策のみならず,テロ事件に対する安全意識も高めていくことが重要と思われます。海外において犯罪の被害等に遭わないように,皆様一人一人が日頃から安全意識をもって行動されることが求められています。

そこで,カタルーニャ州,バレンシア州,バレアレス州在住の方々や当地に旅行される皆様方の防犯上のご参考になればと,「防犯の手引き」及び「緊急事態対処マニュアル:大規模テロ(爆弾テロ)に備えた日本人の心得」から構成する「安全の手引き~備えあれば憂いなし~」なる手引きを作成しました。この手引きは,スペインに長く居住されている方々には決して目新しいものではなく,当然のことばかりではないかと思われるかもしれませんが,是非ご一読頂き,皆様の安全で快適なスペイン生活,ご旅行をする上での一助になれば幸いです。

Ⅱ.防犯の手引き

1.基本的心構え

スペインは,「太陽の国」,「情熱の国」と言われますとおり,国民は非常に明るく,且つ極めて親日的な国の一つです。一方で連日マスコミ報道されているとおり昨今の景気悪化と相まって,それと比例するかの様に様々な形態での犯罪が発生し治安悪化が進んでいるのも事実です。そういった犯罪に皆様が巻き込まれないために最も重要なことは,当地スペインの現状を正確に認識し,危険な場所へは立ち入らない,夜間人通りの少ない通りは利用しない,必要以外の所持金品を持ち歩かない等最低限の安全,防犯意識を持つことが重要と思われます。

(1)安全のための基本理解

日本は世界で最も治安の安定した国の一つと言われています。それゆえ日本での生活に慣れ親しんだ日本人が海外に出向いた際は,予想もしない事件や事故に巻き込まれるケースが多く見受けられます。従って海外に旅行・滞在する際は,海外での安全対策の基本である「不断の警戒」「目立たない」「行動を予知されない」の三原則をしっかりと守り行動することが大切です。

(2)安全に関する情報の収集

安全情報の収集は楽しい海外生活を送るためには欠かすことはできません。日頃から新聞,雑誌,テレビ,ラジオ,インターネット等のニュースや総領事館から発出される治安情報等を通じて,是非安全情報を収集して下さい。

なお,在バルセロナ日本国総領事館では,随時,ホームページに安全情報を掲載・更新しており,また,ご希望の方々に対しては安全に関する情報を電子メールにて送信するサービスを実施しています。総領事館メール情報サービス宛先(soryojikan@cgjb.net)でメールアドレスを登録の上,是非ご活用下さい。

(3)緊急時の連絡先の把握

万一の事件,事故に備えて,警察,消防,病院,総領事館或いは会社関係者,信頼できる近隣者等の連絡先は常に整備し,併せて在留邦人相互間の連絡体制も確立しておくことをお勧めします。

2.一般治安情勢
(1)一般犯罪状況

スペイン内務省発表の2010年一般犯罪統計によれば,主要犯罪件数は,170万0,696件(前年比34,679件減)となっています。その内,身体犯(殺人,過失致死,傷害,逮捕監禁,脅迫,強要及び性犯罪)は,13万2,642件(前年比2,980件減),財産犯(窃盗,強盗,恐喝,詐欺及び器物損壊)は,83万2,233件(前年比20,099件減),軽微な傷害は,9万4,778件(前年比899件減),軽微な窃盗(400ユーロ未満の窃盗)は,64万1,043件(前年比10,711件減)と総じて減少傾向を示しています。しかしながら,最も被害に遭う可能性が高い窃盗犯罪,特にスリ,置き引き,ひったくり等の軽犯罪に対しては引き続き注意を要します。

(2)麻薬事犯取締状況

スペインはアフリカ,中南米から欧州に入る違法薬物流通の主要経路となっており,多数の薬物密売組織が暗躍していると言われています。当地報道によれば,2011年に限ってみても「(カタル-ニャ州)ジロ-ナでオランダに輸出するために,マリファナを栽培していた犯罪グル-プを逮捕(7月)」,「(同州)タラゴナ港でコカインを持ち込もうとしていた国際犯罪グル-プを逮捕(8月)」更には2012年は,新年早々「(北アフリカ)モロッコから大麻を運び込もうとしていた犯罪組織構成員53名を一斉に逮捕」との見出しで記事が掲載されている等,スペイン治安当局は薬物関連事案に対する警戒を強化していると思われます。スペインでの麻薬密輸,密売の罪は重罪ですので,見知らぬ人から「荷物を預かってもらいたい」「手数料を払うので,荷物を運んでもらいたい」などと頼まれても絶対に引き受けてはなりません。軽い気持ちで甘言に乗ってしまうと知らない間に「麻薬の運び屋」に仕立てられ,ひいては自らの一生を棒に振ってしまいかねませんので,海外でのこのような誘惑に絶対に乗らないようにして下さい。

(3)スペインの警察制度

スペインで生活している方の安全確保,事件,事故発生に際しての第一次的責任はスペイン政府が負っています。日本人が事件,事故に巻き込まれた場合には,総領事館は邦人保護の観点から必要な援護措置を講じますが,捜査,処理は全てスペインの主権の下に,同政府の権限と責任において処理されます。しかも,日本の治安当局の捜査手法,処理方法と同一であるとは限りません。以下のとおりスペインの警察制度は,日本の制度とは全く異り4つの警察組織が存在し,それぞれ管轄地域と職務権限を有しています。

ア 国家警察総局(Dirección General de Policía)
国家警察総局の警察官は,文民の性格を有する警察官で,内務大臣の指揮の下,都市部の治安維持を担当しています。一般的警察業務を担当する他,身分証明書,パスポートの発給,外国人の出入国,在留管理,賭博,薬物犯罪の捜査等を担当しています。
イ 治安警備総局(Dirección General de la Guardia Civil)
緑色の制服,パトカーで街頭治安警戒を行っています。軍隊の性格を有する武装警察官です。組織的には最も日本の警察と似ており,国家警察総局とは担当地域を異にし,郡部,都市間幹線道路,領海を管轄しています。一般的警察業務は同一ですが,テロ対策を始めその他武器,爆発物の規制,密輸,国税法違反の取締り,幹線道路における交通取締り,輸送警戒,重要施設の警戒,自然環境保護等を担当しています。
ウ 市警察(Servicio de la Policía Municipal)
地方公共団体がその行政区域内の治安責任を果たすために独自に設置する機関です。職務は交通警察分野と市民安全対策を担当する他,管内の公共事業機関,公共建造物,施設の警戒,犯罪多発地域の巡回,及び行政命令,条例の執行等を担当しています。バルセロナ市では,「Guardia Urbana」と呼ばれています。
エ 自治州警察(Policías Autónomas)
mossos d'esquadra」と呼ばれるカタルーニャ州独自の警察機関です。紺色・白色・赤色ラインのパトカーを使用し,バルセロナ市を中心にカタルーニャ州内全域をカバーしています。街頭犯罪などの一般犯罪対策の他,交通対策,テロ対策なども上記警察機関と協力して行っています。カタルーニャ州内で被害にあった場合は,州警察に被害届を提出する必要があります。
3.テロ情勢

当地スペインでは,イスラム原理主義過激派及びETA(バスク祖国と自由)によるテロが最大の脅威と言われています。

(1)イスラム原理主義過激派

2004年3月のマドリード連続爆破テロ事件の発生以降,治安当局は他国治安当局の協力も得つつ,イスラム過激派対策を継続的且つ強力に推進し,これまで多数のアル・カーイダ関連被疑者を逮捕しています。2011年に限ってみても,「ウサマ・ビン・ラ-ディンの死後,カタル-ニャ州警察等治安機関は同人殺害に伴う報復テロに備え,同州内の原子力,火力各発電所,ガス及び通信会社等に対する警備を強化(5月)」,「カタル-ニャ州での聖戦主義の高まりにより,第二次世界大戦以後,最大の秘密情報部員が集中している(6月)」或いは「スペインにおける新しい対テロ対策は,ウサマ・ビン・ラ-ディンの死後,カタル-ニャ州にシフトした(6月)」等の記事でも分かるとおり,当地カタル-ニャ州を始めスペインを舞台としたイスラム過激派による事案が度々マスコミによって報じられています。従って,邦人の皆様におかれましては,今後も鋭意テロ関連情報の入手に努めるとともに,治安当局からの緊急避難指示等があった場合は,当該指示に従って速やかに避難して下さい。

(2)ETA(バスク祖国と自由)

2011年は,ETA(バスク祖国と自由)に大きな動きがあり,同年10月20日,「ETAが武装活動を完全に停止する宣言した」等の報道がなされました。これまでETAによるテロ行為により,数百名もの尊い命が犠牲となっています。今回の停戦宣言により,当時のスペイン・サパテロ首相等政府関係者は,同宣言を歓迎する発表を行っていますが,ETAは過去に何度も停戦直後に爆弾事件等を引き起こしていますので,全面的に信用することはできません。今後とも暫くは,ETAによるテロ活動は引き続き注意する必要があります。

4.邦人被害状況

2011年に在バルセロナ総領事館が認知した管内の邦人被害人数は402名であり,前年の355名と比べ47名増と大幅に増加しています。昨今の円高傾向も相まって邦人旅行者も増加傾向にありますので,それに伴って被害人数は年々増加しています。

いわゆる首締め,持凶器強盗など凶悪事案の発生はごく僅かですが,邦人の皆様に係る犯罪は,当館管内で1日平均1名以上の方が,何らかの被害に遭っていることになります。折角の旅行も被害に遭ってしまっては,台無しとなってしまいますので,四六時中隙を見せないことは困難と思われますが,特に被害が多く発生している地下鉄・駅,観光地及び路上等では犯人グループが狙いを定め,犯行の機会を窺って潜んでいる可能性が高いということを忘れず,所持金品に特に気をつけて下さい。とりわけ当地で被害が多く発生している置き引き,スリについては,常に自分の荷物に注意を払うことでかなり防げますので,見知らぬ他人から声を掛けられた場合等はまず所持品をしっかりと握り,一瞬でも身体から離さないことが重要です。

邦人に係る犯罪被害の内訳は,スリ及び置き引きによるものが圧倒的に多く,全体の70%以上を占めています。続いて泥掛け窃盗(注:犯人グル-プの一人が,タ-ゲットとした(被害)者に,泥やアイスクリ-ム等を付け,別の仲間が親切心に拭ってやるように見せかけ,金品等を窃取する手口),偽警察官による詐欺事案と続いています。また昨年12月中旬以降は,ひったくり,置き引き事案の増加が顕著でした。

◇2011年の事件別邦人被害人数(在バルセロナ総領事館管内)
(主たる犯罪形態)

スリ:164名(前年比,10名増),置き引き:133名(同,33名増),泥掛け窃盗:35名(同,23名増),ニセ警察官:29名(同,4名減),ひったくり:18名(同,2名増),車上狙い:10名(同,12名減),パンク盗:4名(同,4名減)

◇過去5年間の邦人被害人数の推移

2011年:402名

2010年:355名

2009年:322名

2008年:273名

2007年:325名

5.主要な犯罪
(1)スリ
ア 一般的なスリ
駅のエスカレーター,地下鉄やバスの車内,観光名所及び路上等において,突然話し掛けて,歩行者が注意をそらした隙にショルダーバッグやバッグ等から財布を抜き取る(グループが取り囲んで犯行に及ぶ集団スリのケースもあります)手口や,地下鉄車内等で犯人が身につけている上着等で被害者の鞄を覆い隠す等して犯行に及ぶケースも確認されています。
対策:
外出の際は,パスポートや多額の現金,カード類,航空券等の貴重品は極力持ち歩かないよう心掛ける。
やむを得ず持ち歩く場合には,貴重品などを一か所にまとめず,小分けして身に着けるなどの注意が必要。
突然周囲で何らかの注意を引くようなこと(前を歩いている人が小銭を落とす,突然話しかけられる等)が発生した場合は,まず自分の手荷物に注意を払い,周囲に不審な人物がいないか確認して下さい。
イ エスカレータースリ
エスカレーター及び階段において,歩行者の前後を犯人が2~3人で取り囲み,前方の人物が,突然所持品を落とす等してしゃがみ込む。すぐ後方の歩行者(被害者)が探すことを手伝うことに夢中になっている隙に,他の仲間が歩行者のカバンやポケット等から財布などを盗む。
対策:
犯人に取り囲まれそうになったら,大声を出し直ちにその場から離れるようにする。前方を歩く人(犯人グループ)が物を落とした場合でも,エスカレーター付近は将棋倒し等になる等,二次被害に繋がる虞もあるので,気にせず出来る限り早期に現場を離脱する。
ウ 物売りスリ
歩行している際に,花束や絵はがきを売りつける,或いは寄付金を募る等の素振りで密着してきて気をそらせた隙に,カバンやポケットから財布を盗む。
対策:
商品を売りつけるような物売りに遭遇した場合には,相手にせず直ちにその場を離れることを心掛ける。
(2)置き引き

地下鉄駅構内,レストラン,ファーストフード店,ホテルのロビー,空港,バスターミナル等において,道を尋ねるなどして話しかけ,被害者が注意をそらした隙に,足下や座席隣あるいは座席後部に置いてあるバッグ等を盗む。

対策:
ビュッフェ形式の食事の際には,常に荷物を身から離さないことを心掛ける。同伴者がいる場合は,自分の荷物をしっかりと見ておいてくれるよう依頼した後に食事を取りに行く。また,荷物を足下に置いたり,椅子に置く場合であっても,常に荷物に注意を払うように心掛ける。特に自分の周りで注意を引くようなこと(見知らぬ人に話し掛けられる,硬貨や紙切れ等を近くで落とされる)等が起きたら,それに見入ることなく,まず自分の持ち物をしっかりと確認する。
(3)泥掛け窃盗

2011年,際立って被害件数が増加(前年比約3倍増)した犯罪です。その典型的な手口は,犯人が鳥の糞や泥水等を意図的に歩行者の上着等に引っ掛け,続いて犯人の仲間が「糞等が付いている」等と指摘して気付かせ,被害者が自分で衣服の汚れを拭き取ろうとする際に,或いは犯人自身が拭き取る手伝いをすると見せかけて,歩行者のカバンやポケットの中から財布を盗む。また近くに水道が利用できるところがあるとしてそこまで案内し,衣類を洗っている隙をみて手荷物等を盗んで逃走することもある。

対策:
衣服に汚れなどが付着していることを指摘されても,すぐにその場で衣服を脱いで汚れを拭き取ることはせず,また,親切に拭き取る手伝いをする人物が声を掛けてきても「大丈夫、後で自分で拭くから」等と応じないことが肝要である。
(4)偽警察官による詐欺事件

偽警察官事案は,通常グループで犯行に及ぶことが多い。典型的な手口は,観光客風の外国人が場所を教えて欲しい,写真を撮って欲しいと近づいてきて,被害者がその外国人の問い掛けに応じていると,突然警察官(私服が大半)と称する者が現れ,薬物の取引や偽札所持容疑などの理由をつけて職務質問を偽装し,バッグの中,財布の現金,クレジットカード,最終的にはクレジットカードの暗証番号までも提示させた後に,カードを奪い取って逃走する犯罪である。

対策:
本物の私服警察官は,パスポートの提示を求めることはあっても,旅行者の財布の中身やクレジットカードの暗証番号について街頭で質問することは絶対にありません。このような質問を受けた際にはまず偽警察官ではないかと疑い,相手にせず無視することが賢明ですが,しつこく食い下がってくるときには「一緒に警察署に行きましょう,パトカーを呼んで下さい」と言うか,近くに通行人等がいる場合は,大声で助けを求めることも有効な手段で,また事後の警察への通報のためにも犯人の特徴等をメモしたり覚えておくことも重要です。
(5)ひったくり

犯人は裏通りや物陰に潜んで待ち伏せし,通りかかった人のショルダーバックなどを奪い取る。逃走を容易に行うため,犯行後近くでバイクで待っている仲間と逃走することもある。最近は,徒歩で犯行に及ぶ行為よりも,バイクに二人乗りした複数犯が多いとの情報があります。

対策:
道路を歩くときは車道側は極力避け,荷物は車道側の手で持たず,しっかりと身体の前方や車道の反対側で持つようにする。
(6)首絞め強盗

犯人は人通りの少ない路上や観光地あるいは旧市街地域のオスタル(ホテルよりも安価で宿泊できるホテル)の入口で,背後から突然首を絞めて,被害者が一瞬怯んだ隙,或いは気を失いそうになったのを見計らい所持金品を盗む。

対策:
被害は,特に夕方から夜遅くに掛けて発生しています。特に夜間,人通りの少ない道は出来る限り避けるとともに,周囲に注意を払って行動し,不審者等の気配を感じた時は,直ちに近くの商店・家屋等に避難して,回避に努めるように心掛ける。
(7)その他の犯罪
ア 物乞い盗
数人の子供が物乞いをする,或いはアンケ-ト調査を装って近づき,被害者が注意をそらしたところで,テーブルの上の携帯電話や椅子の背もたれにかけたカバンなどを盗む。
対策:
物乞いは相手にせずに,直ちにそばに置いている鞄等に注意することを心掛ける。
イ 車の窓ふき盗
信号で止まった車の窓を拭いてチップを要求し,運転者が気をそらしている隙に,ドアを開けて車内に置いてある物を盗む。又は運転者が窓を開けた際に車内の物を盗む。
対策:
「窓拭きの必要はない」ことを明確に示し,相手にしないようにする(窓はしっかりと閉め,ドアロックを徹底する)。
ウ パンク盗
高速道路等を走行中或いは信号待ちを行っている際,タイヤがパンクしていると指摘(運転席から確認されにくい後部タイヤを示すことが多い)し,車両を停止させる。タイヤの確認やタイヤ交換等の修理を行うことに夢中になっている隙に,施錠されていない車輌ドアを開けて鞄等を盗んで逃走する。
対策:
「タイヤがパンクしている」と指摘されても,その場で停止して確認や修理を行うことをせず,取り敢えず安全な場所まで走行する。確認や修理のために車外に出る時には,必ずドアをロックするよう心掛ける。同乗者がいる場合は車を離れる前に,同乗者に荷物の監視を確実に依頼しておく。
6.交通事情と自動車運転上の注意
(1)一般的な交通事情
ア 車の通行
右側通行です。
イ 道路事情
朝,晩の通勤時間帯及び昼食時間帯は渋滞します。
ウ 運転マナー
一般的に運転マナーは悪く,速度超過,無理な車線変更や強引な割り込み,違法駐車,車間距離の欠如等が多く見られます。
エ 歩行者
信号の青色点滅は横断禁止です。
オ バルセロナ市内の主な交通機関
バス,タクシー,地下鉄等の公共交通機関が利用できます。
(2)車を運転する場合の注意事項
ア 道路走行中の注意事項
信号機の設置場所は日本と異なり,交差点の手前に設置されているので,注意が必要です。また,バス専用レーンを横断する場合は,走行中のバスが優先となりますので,走行には注意する必要があります。
イ 道路標識
日本とほぼ同じです(制限速度もキロ表示)。
ウ 道路の舗装
大抵の場合良く整備されており,問題はありません。しかし,道路工事が市内外の至る所で行われていますので,特に平日朝夕の通勤時間帯は渋滞がかなり多くなります。
エ ガソリン
特に問題はなく,ガソリンスタンドも利用しやすくなっています。ただし,セルフサービス店では,初めて利用する場合給油方法等が分かりづらいことがあります。他方,ガソリンスタンドに併設されているコンビニ等で買い物中に車中に放置した鞄等を盗まれる事例も確認されていますので,例え短時間でも車から離れる際はドアロックを忘れずに行うことが大切です。
オ シートベルトの着用
後部座席を含め着用が義務づけられています。違反者には罰金等が課せられます。
カ 規制事項
運転中は,携帯電話,その他全ての通信機器類の使用が禁止されています。
キ 自動車に備えておくもの
三角停止表示板(2個),予備電球,安全チョッキ,自動車所有関係書類,自動車保険証等。
(3)交通事故について
ア 交通事故
報道によると2011年,バルセロナ市内の交通事故件数は前年より減少していますが,自転車走行中の事故は逆に増加していますので注意が必要です。また飲酒運転に起因する交通事故については,日本同様大きな社会問題となっており,夜間のみならず昼間帯にあっても市内随所において警察による飲酒検問が実施されています。
イ 交通事故の原因
(ア)運転に起因するもの,(イ)道路等の設備に起因するもの,(ウ)車輌本体に起因するものが挙げられますが,そのほとんどが交通法規無視や運転技術の未熟さによるものです。また,車輌の欠陥が原因とされるものもありますので,注意が必要です。死亡事故については,スピードの出し過ぎ,飲酒運転が2大事故原因となっています。
ウ 交通事故を起こしたら
人身事故の場合は「警察への通報」「負傷者の病院搬送」「相互の事故保険の確認」が必要です。物損事故のみの場合,警察への連絡はまれで,ほとんどが保険会社を通じ処理しているのが実状のようです。
エ 事故に対する罰則
日本とほぼ同じと言えます。
7.誘拐対策

スペインではこれまで邦人を巻き込んだ誘拐事件は発生していませんが,この種の犯罪はどのような形で襲ってくるかわかりません。その防止策としての日常における心掛けは次のとおりです。

(1)出勤,帰宅,外出の際,自宅周辺の様子に普段と違うところがないかどうか注意する習慣をつける。

(2)いつも同じ経路の通勤や時間帯は,犯人に絶好の襲撃機会を与えることになりますので,出来る限り時間帯や道順などのパターンを変えることを心掛ける。

(3)万一誘拐された場合は犯人に抵抗しない。誘拐犯が身代金を得る等の目的を達成した場合は,無事に解放される可能性も十分に考えられるので,落ち着いて体力を維持しつつ,諦めずに救出を待つという心構えが必要です。

8.緊急連絡先

<緊急通報>112(警察,消防,救急すべての共通番号。救急車手配等必要に応じた部署へ電話が繋がる仕組みとなっているので緊急時に大変有効である)

9.在バルセロナ日本国総領事館(Consulado General del Japón)

(1)住所:Av. Diagonal640, 2-D,08017, Barcelona

(2)電話:93-280-3433(代表)

(3)開館・窓口時間

ア 7,8月以外
開館時間 月曜日~金曜日 9時00分~13時00分,15時00分~16時00分
電話受付時間 月曜日~金曜日 9時00分~13時30分,15時00分~17時30分
イ 7,8月(夏時間)
開館時間 月曜日~金曜日 8時30分~13時30分
電話受付時間 月曜日~金曜日 8時00分~15時00分
なお,上記時間以外及び土日,祝日は閉館していますが,事件・事故等緊急の場合には緊急電話応対サービスにて対応しています。
10.緊急時の言葉

「泥棒」ラドロン(Ladrón)

「助けて」ソコーロ(Socorro)

「警察」ポリシア(Policía)

「救急車」アンブランシア(Ambulancia)

「病気」エンフェルモ(Enfermo)

「火事だ」フエゴ(Fuego)

「日本総領事館」コンスラード・ヘネラル・デル・ハポン
(Consulado General del Japón)

「日本総領事館の住所(Av.Diagonal 640)」
アベニーダ・ディアゴナル・セイスシエントス・クアレンタ

Ⅲ.緊急事態対処マニュアル:大規模テロ(爆弾テロ)に備えた心得

1. 平素の心得と準備

緊急事態は「いつ,どこで,どのように」発生するのかの予測は,ほぼ不可能ですので,日頃からの準備が非常に大切です。

(1)情報の収集,現状の把握

常に最新の治安情報入手に努めましょう。

新聞,テレビ,ラジオ,インターネットの報道の他,外務省の海外安全ホームページにおいても以下の情報を入手することができます。

また,外務省では,NHK海外放送(ラジオ日本)を通じ,現地情勢,退避方法等について情報提供を行うことがありますので,短波放送が受信可能なラジオ(電池使用)を備えておくことをお勧めします。ラジオ日本はヨーロッパ向けにも日本語放送をしていますが,放送時間や周波数が異なりますので,次のラジオ日本のホームページをご参照ください。

【海外危険情報】
外国において治安が極度に悪化したり,緊急事態発生のおそれが高まった場合,外務省ではその国や地域の治安情勢などを4段階に区分して発出します。危険度合いにより「十分注意してください」,「渡航の是非を検討してください」,「渡航の延期をお勧めします」,「退避を勧告します。渡航は延期してください」に分かれています。
【スポット情報】
日本人の安全に関わる重要な事案が生じた場合,あるいは生じる可能性がある場合に速報的且つ緊急に出される情報です。その内容はテロや紛争に関する情報やスト,国際会議開催等渡航・滞在の安全対策やトラブル回避の観点から,情報を得ておく必要があると思われる事案について,個々に提供するものです。
【安全対策基礎データ】
渡航,滞在に当たって,防犯やトラブル回避の観点から知っておきたい情報,具体的には,治安情勢,犯罪発生状況,多発している一般犯罪の手口や防犯対策,日本人が巻き込まれた事件等が掲載されています。
【テロ概要】
昨今のテロ情勢について,海外に渡航あるいは滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として掲載しています。
(2)連絡体制の確保
【在留届の提出励行】
緊急事態が発生した際,大使館が在留邦人の皆さまの安否確認や事件事故等に遭われた際に支援を行うための連絡は,「在留届」に記載された連絡先を活用して行われます。渡航先で3か月以上滞在予定の方は,在留届の提出を励行して下さい。また,転居,帰国,家族の異動等で届け出事項に変更が生じた場合も,忘れずに変更のご一報をお願いします。
【家族間,企業内の連絡】
家族間,企業内での緊急連絡方法について,予め決めておく必要があります。また,常時お互いに連絡が取れるよう所在を明確にするようにして下さい(旅行等で不在となる場合,その旨周知をお願いします)。
【電話回線不通時の備え】
予め家族や会社関係者等との合流場所を決めておきましょう。
2. 緊急時の行動
(1)心構え

緊急事態が発生し,または発生する虞がある場合には,総領事館は情報収集,情勢判断および安全対策の策定を行い,随時,情報提供を行います。平静を保ち,流言飛語に惑わされたり,群集心理行動に巻き込まれることのないよう注意し落ち着いて行動して下さい。

(2)初動
【安否の連絡】
先ず安否の連絡が大切です。直ちに家族や会社などに連絡してください。自分には直接影響がない場合も,念のため本邦家族などへ連絡しておきましょう。
【安全の確保】
外出時に緊急事態が起こったら,危険な場所から直ちに離れ,安全な場所に移動してください。自宅や職場,ホテルなどの屋内にいる場合には,先ず自分の安否を総領事館にお知らせ下さい。安全が確認されるまで,不用意に移動しないでください。
【情勢の把握】
緊急事態発生の際には,現地・海外報道,衛星放送テレビなどのメディアによる情報収集を各自心がけて下さい。スペイン政府機関や総領事館の他,日本の外務省からも情報を得られます。緊急時には誤った情報や噂が流れやすくなりますので,落ち着いて正しい現状把握に努めるようにして下さい。
  • 外務省領事局海外邦人安全課 03-3580-3311 (内線)5139
  • 外務省海外安全相談センター 03-3580-3311 (内線)2902
  • 外務省海外安全ホームページ http://www.anzen.mofa.go.jp
(3)在バルセロナ日本国総領事館への通報等
【情報の共有】
重要と思われる情報を独自に入手した場合,当総領事館に通報して下さることで,他の在留邦人の役に立つ情報となる場合が多々あります。
【被害の報告】
自分や家族或いは他の邦人の生命・身体に被害が及ぶ,若しくはその虞がある場合は,迅速かつ具体的にその状況を総領事館に連絡して下さい。
【相互の協力】
緊急事態発生の際には,お互いに助け合うことが必要になります。総領事館からも在留邦人の方々に,様々なお力添えをお願いすることもありますが,その際はご協力の程よろしくお願いします。

緊急事態に備えてのチェックリスト

  • パスポート,身分証明書
    パスポートまたは身分証明書は,緊急時では必ず携行すべき重要書類です。
    パスポートの残存有効期間は6ヶ月以上であることが望ましく,最終ページの「所持人記載欄」は漏れなく記載し,下段の血液型も記入しておく。
  • 現金,クレジットカード,預金通帳,有価証券等
  • 自動車の整備等
    • 自動車は常時整備しておき,ガソリンは出来る限り常時満タンにしておくことを心掛ける。
    • 車内には,懐中電灯,地図,ティッシュペーパー等を備えておく。
    • 自動車を持たれていない方は,近くに住む自動車を持つ人と平素から良好な関係を保っておき,緊急時には同乗できるよう依頼しておく。
  • 携行品の準備
    避難場所へ移動する事態に備え,上記に加えて次の携行品を直ぐに持ち出せるよう準備しておくこと。
    • 衣類・着替え(長袖,長ズボンが賢明。行動に便利で,華美なものは控え,吸湿性,耐寒・耐暑性に富む素材が望ましい)
    • 履き物(行動に便利で底の厚い頑丈な運動靴)
    • 洗面用具(タオル,歯磨き,石鹸等)
    • 非常用食糧等
      自宅での一定期間の待機に備え,米,ミネラルウォーター,粉ミルクなどの食糧を備蓄し,自宅から他の場所へ避難する際は,その中からインスタント食品,缶詰類,粉ミルク,飲料水(水筒等)を携行すること。
    • 医薬品等(常時服用している薬剤のほか,最低限の救急薬品)
    • ラジオ(NHK海外放送=ラジオ・ジャパン,BBCやVOAなどの短波放送を受信できる電池仕様のものが望ましい)
    • その他
      懐中電灯,ライター,ろうそく,ナイフ・フォーク,缶切り,栓抜き,紙・プラスティックの食器,簡単な炊事用具,固形燃料等

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