在外公館がまとめた安全の手引きです。海外の在留邦人が、事件や事故に巻き込まれないために留意すべき事項の他、(必要に応じて)戦争、暴動等の緊急事態への備えと緊急時の対処方法が記載されています。
平成24年2月1日
在アルジェリア日本大使館
アルジェリアの治安情勢は、政府や治安当局による警備強化により一定の成果がみられますが、依然として北東部の山間部を中心にテロ事件が散発的に発生しており、近年身代金目的の誘拐事件が発生しています。またテロ及び誘拐以外にも繁華街等において、盗難、麻薬犯罪、強盗、傷害事件等も発生しています。この「安全の手引き」はこのような治安情勢に応じて作成されたものです。ご家族や社員の方と共にご一読頂き、安全確保の一助として頂ければ幸いです。
(1)自分と家族の安全は自分達で守ることを念頭に置いて行動して下さい。できるだけ多くの情報を集め、安全を最優先として行動することが重要です。
(2)危機意識を持って行動して下さい。
予防こそが最善の危機管理です。常に最悪の事態を想定し、準備と対策を講じた上で行動して下さい。
(3)安全のための3原則「目立たない」「行動を予知されない」「用心を怠らない」を守って下さい。
平素より3原則を励行して下さい。
(4)住居の安全確保に努めて下さい。
住宅は生活の基盤であり、安全対策の中でも最優先事項です。防犯上の条件が整った住居を選択することをお勧めします。
アルジェリア国家警察庁発表による2010年の全国における一般犯罪統計(ただし、地方部管轄の憲兵隊統計は除く)によると、犯罪発生件数は129,775件で、前年比.3.2%と微減しています。
住居を選択するにあたっては、前もって近隣にいかなる人物が住んでいるか確認するとともに、防犯上の不備・弱点がある場合は、鉄条網等の障害物の設置や侵入警報装置の設置の有無を確認する必要があります。また、ガードマンの雇用、立地条件(大通りに面していないか、テロの標的となる政府関係施設や治安機関が付近にないか)や建物の構造(塀から建物までは十分な距離があるか)を検討して下さい。
以下の項目についても参考にして住宅を選択して下さい。
(イ)来訪者には注意を払い、不用意に門扉や玄関を開けることは避けて下さい。
(ロ)平素から外部の動きに注意を払う必要があります。特に、不審車両や不審者は犯罪にかかわる下見をしている可能性もあります。怪しいと判断される場合には、警察に通報し対応してもらうことを検討する必要があります。
(ハ)また、自分だけではなく家人等にも危機意識を持ってもらうことも大切です。
以下は一般的な犯罪であるスリや置引き、窃盗、強盗、傷害、暴行、車上狙い等に遭わないための留意点です。
(イ)貴重品や大金はできるだけ持ち歩かないようにすることが大切です。
また、自分の荷物は不用意に手から離さず、大きな荷物の場合で足下等に置く場合でも、決して目を離さないよう注意して下さい。
(ロ)できるだけ複数で行動するよう心掛けるとともに、人通りの少ない場所、夜間の単独行動は避けて下さい。
(ハ)見知らぬ人が声をかけてきた場合は、無用なトラブルを避けるため会話をせず、できるだけ速やかに立ち去るようにして下さい。
(ニ)車を離れる場合、それが短時間であっても、窓や鍵は必ず閉め、また現金や荷物を放置することは避けて下さい。
(ホ)できるだけ目立つ服装は避けるよう心掛けて下さい。また、携行品も最小限度にすることをお勧めします。
(ヘ)若者の政治や社会不満による抗議行動が暴動に発展し、治安部隊と衝突して多数の負傷者・逮捕者が出るなどの事件が発生しています。また、各サッカー競技場周辺では、暴徒化したサポーターが銀行や商店、通行車両を襲撃する事件も発生しています。可能な限り情報を収集し、危険な状況に巻き込まれる前に避難する等安全対策を講じて下さい。
(ト)犯罪被害危険地域
アルジェ中心部では、カスバ地区は警察のエスコートが必要(事前に観光協会等を通じカスバ警察に依頼)です。バブ・エル・ウエッド地区やベルクール地区は、スリ・引ったくり等の窃盗犯や麻薬犯罪及び殺人、路上強盗が多発しており、単独行動は危険です。現地を熟知する地元の人等と行動を共にするよう心掛けて下さい。なお、夜間の行動は避けて下さい。
アルジェ県東部地域(特にハッサン・デイ、バラキ、エル・ハラッシュ、バブ・エズアール、ボル・ジェル・キッファンなど)の庶民街は、過去に爆弾テロ未遂事件が発生したほか、一般犯罪が発生しておりますので、不必要な立ち入りは控えるよう注意が必要です。
(チ)被害にあった際の対応
路上強盗等の身体犯の場合には、殆どの場合が凶器を所持しているので、絶対に犯人には抵抗しないで下さい。直ぐに近くにいる人に助けを求め、警察(17番)に通報するとともに、会社等に連絡して下さい。窃盗被害の場合には、所轄警察に届け出て下さい。
以下の点に注意して下さい。
アルジェ市街地では時間帯によっては相当の交通量があり、渋滞が頻繁に生じています。起伏の多い町であるため道路が細く、坂道、曲路が多く加えて交差点にはほとんど信号機が設置されておりません。また、運転マナーが悪く法規も守られておらず、スピードを出したり乱暴な運転をするドライバーが多いことから交通事故は年々増加しています。
運輸省の統計では、2010年中の全国における交通事故件数は31,740件(死者3,541人、負傷者51,002人)でした。死者数につきましては一概に比較できませんが、2010年中の日本の交通事故死者数(4812人)とは人口比で約2.5倍という状況です。過去には、日本人が交通事故に巻き込まれ死亡する事案も発生しており、十分な注意が必要です。
車を運転する場合には、日本で運転する場合と同様に安全運転に努めて下さい(飲酒運転・スピードの出し過ぎの厳禁、シートベルトの着用等)。
テロ発生件数及びテロによる死亡者数は、アルジェ県に隣接するブーメルデス県及びその近郊4県(ティジ・ウズ県、ブイラ県、ベジャイア県、ジジェル県)で全体の7割を占めており、テロリストはこれらの地域の山岳地域で活動しています。これらの山岳地域では治安当局による大規模なテロリスト掃討作戦も展開されておりますので、近づくことは避けて下さい。一方、首都アルジェに関しましては治安も大きく改善され、2007年12月以降は大規模なテロ事件の発生しておりませんでしたが、2011年夏には連続して死亡者を伴う大規模なテロ事件が発生しました。また、一般犯罪は増加傾向にあり、薬物事犯が増加傾向にあり十分な注意が必要です。
テロの形態として、爆弾によるものが最も多く、路上に仕掛けた爆弾を遠隔操作により起爆させる手法や治安部隊を待ち伏せして襲撃する手法等が多く用いられております。
最近では、テロリストが活動資金を得るために強盗、偽装検問及び身代金を目的とした誘拐事件等の一般犯罪を多数引き起こしていると報告されています。
テロの標的となっているのは、主として軍・警察等の治安関係者です。しかし、テロの現場に居合わせた市民が巻き添えを受けて死傷するケースも少なくありません。
(イ)日頃から新聞、テレビのテロ関連情報に注意し、最新の情報を把握しておく。
(ロ)列車、バス等のターミナルや市場等不特定多数の者が集まる場所には可能な限り近付かない。
(ハ)不必要に検問や警察官、警察署、政府関係施設に近付かない。
(ニ)レストラン、ナイトクラブ等外国人が頻繁に訪れる場所は近付かないようにする。
(ホ)モハメッド生誕記念日、独立記念日等の祝祭日や特別な行事が開催されるときは、可能な限り外出は控える。
(ヘ)単独行動や夜間の外出は控え、やむを得ず外出する際にはエスコートや地理に精通した者を同行させる。
(ト)車両での移動は、待ち伏せ、偽装検問等があることを念頭に置き、周囲に警戒する。また、幹線道路から外れた道は通行しないようにし、行動をパターン化しない等の対策を講じる。
(チ)山間部は、テログループによるテロや治安当局によるテロリスト掃討作戦に巻き込まれるおそれがあるので、近付かないようにする。
(リ)自宅や事務所等の窓ガラスに、飛散防止フィルムを設置することを検討する。屋外で爆弾テロに遭遇した場合は、可能な限り窓ガラスから離れると共に、ガラス片の飛散による負傷を回避するため、身を隠せるような障害物に一旦退避する。そのような対応が間に合わないような場合には、現場からできるだけ離れるようにする。最近の傾向として、一回目の爆破の後、負傷者の救援等のため人員が爆破現場に集まったところで、二回目の爆破を行い被害を拡大させる手法がとられる場合があり、爆破があった場合には、速やかに現場より離れる必要があります。
(ヌ)付近で銃声が聞こえた場合は、直ちに地面に伏せ、周囲の状況を確認した上で、遮蔽物があれば低姿勢で移動し身を隠す。
(ル)爆弾テロの現場に遭遇した場合は、現場に向かう治安部隊を狙った新たな爆弾テロが発生する場合がありますので、治安関係者の位置に注意するとともに、速やかに現場からを離れるようにして下さい。
アルジェリア人の富裕層を狙ったテログループによる誘拐事件が発生しています。特に、ティジ・ウズ県とブーメルデス県においては、このような誘拐事件が多発しております。さらにテログループが無防備な外国人旅行者を誘拐し、身代金による資金稼ぎを行っており、またテロリストに売り渡す目的で誘拐を行う一般人の存在も報じられています。この手引き冒頭の「安全のための3原則」に留意してください。
別紙「緊急連絡先」を参照して下さい。
(イ)在留邦人の方は在留届の提出を励行して下さい。また、記載事項に変更が生じた場合や帰国等で当地を離れる際にもその旨連絡して下さい。
(ロ)緊急事態に際しては、当館より在留届を元に連絡を行いますが、連絡が取れない方がいる場合の安否確認等を個別にお願いすることも考えられますので、ご協力をお願いします。
(ハ)緊急事態はいつ起きるかわかりません。緊急事態に備え、家族間、企業内での緊急連絡方法につき予め決めておいて下さい。また、お互いの所在を平素より明確にするようして下さい。
(イ)一時避難場所の検討
暴動等による争乱に巻き込まれる可能性があるときは、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集し危険な場所に近付かないように心掛けて下さい。巻き込まれそうになった場合のとりあえずの避難場所を常日頃から頭に入れておくことが重要であり、自分がどこにいるか、特にどのような事態が発生したらどこに一時避難するかを検討しておいて下さい(外部との連絡が可能な場所が望ましい。)。
(ロ)緊急時避難先
緊急事態の状況に応じて、当館より避難先への集結をお願いすることがあります。当館が指定する緊急時避難先は以下の通りですので、同避難先の位置を確認し、同所に至るルートを何通りか想定しておいて下さい。
(イ)旅券、現金、貴金属等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるよう予めまとめて保管して下さい。
(ロ)自分や自分の家族または他の邦人の生命・身体・財産に危害が及ぶ、または及ぶおそれがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を当館に報告してください。
(ハ)準備しておくべきチェックリストは、別紙「緊急事態に備えてのチェックリスト」を参照して下さい。
緊急事態の発生、または発生するおそれのある場合に、当館は邦人保護に万全を期すため、所要の情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い、在留届を元に随時通報いたします。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないよう注意して下さい。
(イ)当館からの連絡は、電話が利用可能な場合は在留届の連絡先に必要な連絡を行います。
(ロ)緊急事態発生の際には、現地、海外報道、衛星放送等による情報収集を各自心掛けて下さい。
(イ)他の在留邦人の方や当館が承知しておいた方が良いと思われる情報がありましたら、随時、当館に直接、又は日本人会等を通じて通報して下さい。その他の在留邦人の方への貴重な情報となります。
(ロ)自分や自分の家族または他の邦人の生命・身体・財産に危害が及ぶ、または及ぶおそれがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を当館に報告してください。
(ハ)緊急事態発生の際には、当館より在留邦人の方々にも種々の助力をお願いすることもありますのでよろしく御協力下さい。
(イ)事態が悪化し各自、又は会社等の判断により、あるいは当館の勧奨により自発的に帰国、又は第三国へ待避する場合、その旨を必ず大使館へ通報して下さい(当館への連絡が困難である場合は、日本の外務省海外邦人安全課や避難先の日本大使館等へ通報するようにして下さい。)。
(ロ)「退避を勧告します」が発出された場合には、一般商業便が運行していれば、右を利用して早急に国外へ待避して下さい。一般商業便の運行が停止した場合や座席の確保が著しく困難となった場合等には、チャーター便や陸路、海路を利用して待避することが必要となりますので、その場合は当館から情報提供いたします。
(ハ)事態が切迫し、当館より待避又は避難のための集結をお願いした場合には、指定する緊急時避難先に集結してください。その際、しばらくの間、同避難先で待機する必要がある場合も想定されますので、可能であれば上記1.(3)の物品を持参して下さい。また、緊急時には自分及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、その他の携行荷物は必要最小限にして下さい。
アルジェリア滞在中は本書「安全の手引き」をご参照の上、常日頃より安全対策に万全を期すようにして下さい。また、犯罪や不慮の事故に巻き込まれた場合には、速やかに当館にご連絡下さい。緊急事態に際しては、皆様のご協力が必要となる場合もありますので、常日頃より当館との連絡を密にし、また、安全対策について質問等がございましたらお気軽に当館迄ご相談下さい。
旅券については常時6ヶ月以上の残存有効期間があることを確認しておいて下さい(6ヶ月以下の場合には当館にご相談下さい)。旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいて下さい。下段に血液型(Blood Type)「何型」と記入しておいて下さい。なお、当国における滞在許可証等はいつでも持ち出せる状態にしておいて下さい。出国許可は常に有効なものとしておくことが必要です。
これらのものは旅券同様にすぐ持ち出せるよう保管しておいて下さい。現金は家族全員が10日程度生活できる程度の外貨及び当座の必要のための現地通貨を最低限予め用意しておくことをお薦めします。
(1)自動車をお持ちの方は、常時整備しておくよう心掛けて下さい。
(2)燃料は、常時十分に入れておくようにして下さい。
(3)車内には、常時、懐中電灯、地図、ティッシュ等を備えておいて下さい。
(4)自動車を持っていない人は、近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡をとり、必要な場合に同乗できるよう相談しておいて下さい。
避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記1~3に加え、次の携行品を備えておいて、すぐに持ち出せるようにしておいて下さい。
(1)衣類・着替え(長袖、長ズボンが賢明。行動に便利で、人目を引くような華美でないもの、麻、綿等吸湿性、耐暑性に富む素材が望ましい。)
(2)履物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なもの)
(3)洗面用具(タオル、歯磨きセット、石けん等)
(4)非常用食料等
しばらく自宅待機する場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを家族全員で10日程度生活できる量を準備しておいて下さい。自宅から他の場所へ避難する際にはこの中からインスタント食品、缶詰類、粉ミルクを、また、ミネラルウォーターを入れた水筒(大型が望ましい)を携行するようにして下さい。
(5)医薬品等(家族用常備薬の他、常用薬、外傷薬、消毒用石けん、衛生綿、包帯、絆創膏等)
(6)ラジオ(電池の予備も忘れないようにして下さい)
(7)その他
懐中電灯、必要となる予備のバッテリー、ライター、蝋燭、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、ヘルメット、防災頭巾等
| 名称 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察 | 17 |
| アルジェ県警 | 021,73.53.50 |
| ベン・アクヌーン警察 | 021.91.37.37 |
| エル・ビアール警察 | 021.79.58.70 |
| ヒドラ警察 | 021.69.34.55 |
| 消防 | 14 |
| 救急車 | 3016 |
| アル・アザール病院 | 021.91.90.54 |
| シャラゼッド病院 | 021.36.28.28 |
| 日本大使館(代表) | 021.91.20.04~06 |
| 閉館時の緊急連絡先 | 0661.50.44.20 (山下) 0661.69.65.12 (鈴木) |