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● 風俗、習慣、健康等

1 衛生事情
(1)水道水は飲用に不適ですので、市販のミネラルウォーターを飲用してください。

(2)肉、魚介類、卵は鮮度に注意し、大型スーパーや信用のある店で購入してください。

(3)セビッチェなど生の魚介類を食べる場合は、衛生状態の良いレストランを選んでください。

2 高山病
 高山病は低地から高地へ急に移動した時、低気圧および低酸素状態に対して身体が順応できないことが原因で起こる一連の症状を言います。重症化すると肺に水が溜まる「高地肺水腫」や脳がむくむ「脳浮腫」となり、すぐに適切な治療を受けると共に急いで低地へ下がらないと死に至ることがあります。高山病の発症は個人差とともにその日の体調によっても左右されるため、過去に高地で高山病にならなかったからといって次回も高山病にならないという保証はありません。また、高血圧や心臓病などの持病のある方は、悪化の可能性があるので渡航前に主治医に相談してください。高山病の初期症状・予防対策は以下のとおりです。
(1) 初期症状
 頭痛、消化器症状(嘔気、食欲不振、腹部の膨満感、消化不良など)、倦怠感または虚脱感、めまいまたはもうろう感、不眠(就寝後も眠りが浅く、頻回に目を覚ます)、呼吸浅薄感。

(2) 予防対策
ア 高地に到着した初日は十分な休養をとる。余裕のある計画を心がける。
イ 高地ではゆっくり歩く。特に、高地に到着した初日は激しい運動を避ける。
ウ 水分を充分にとる。
エ 食事は腹八分目を心がけ、アルコールの摂取は避ける。
オ 必要に応じて予防薬を服用する。アセタゾラミドAcetazolamide(スペイン語ではAcetazolamida、日本での製品名はダイアモックス:Diamox)の内服は高山病に対する予防効果がある他、頭痛や不眠などの高山病の症状を改善させる効果があります。ただし、アセタゾラミドは「高山病にならない薬」ではなく、高地への順応障害を少し遅延させる効果しかありません。
 あくまでも、その他の予防対策(上記ア〜エなど)が重要であり、高山病を発症した場合は、同薬に頼らずすぐに低地に降り、速やかに治療を開始することがとても重要です。
 アセタゾラミドは日本では医師の処方箋を必要とする医薬品です。持病をお持ちの場合は内服ができないこともありますので、特に慢性疾患のある方は、必ず事前に医師に相談してください。

3 感染症
 病原体を持った蚊等の昆虫に刺されることにより感染するデング熱、ジカウイルス感染症、黄熱、マラリア、バルトネラ症、シャーガス病等があります。蚊や虫に刺されないように防虫対策(長袖・長ズボンの着用、虫よけスプレーのこまめな使用、室内においても電気蚊取り器や蚊取り線香、殺虫剤、蚊帳を利用する等)をとることが重要です。また、経口感染症の予防のため飲食物の衛生状態に注意してください。狂犬病も存在するため、野生動物には無防備に近づかないなど注意が必要です。主な感染症は以下のとおりです。

(1)デング熱
 ペルー国内では定期的に流行がみられます。 2023年にも大流行しており、一年間で全国27万1911例の感染者と442例の死亡者が報告されています。
 デング熱は、デング熱ウイルスによって起こる感染症で、このウイルスを保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等)に刺されることによって感染します。2〜14日(通常3〜7日)の潜伏期間の後、およそ2-4割の人に38〜40℃の発熱で発症し、頭痛、関節痛、嘔吐等が現れます。通常、3〜5日で解熱し、解熱とともに発疹が現れます。デング熱患者の一部は、稀に重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあります。急な発熱などの症状が出た場合には、すぐに最寄りの医療機関を受診することをおすすめします。
 2024年1月時点で、日本で認可されているデング熱ワクチンはありません。予防は防蚊対策になります。
 
(2)ジカウイルス感染症
 ジカウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。また、母胎から胎児への感染(母子感染)、輸血や性交渉による感染リスクも指摘されています。症状はデング熱に似ています。頻度は多くありませんが、後遺症として神経麻痺を引き起こしたり、妊婦の感染により胎児の小頭症の原因となったりすることが問題となっています。
 ジカウイルス感染症に有効なワクチンはなく、予防は防蚊対策になります。
(参考)感染症広域情報:ジカウイルス感染症に関する注意喚起
 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2018C043.html

(3)マラリア
 マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。ペルーでは標高2,000m以下の全域で、一年を通してリスクがあります。1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。
 ヒトのマラリアには複数の種類があり(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア等)があり、その中でも、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。2021年のペルー国内の感染者数は、熱帯熱マラリア1,778人を含む計 18,075人に上ります。
 マラリアには予防薬があります。ジャングル地帯へ行かれる方は、防蚊対策とともに、必要に応じて予防薬の内服等について専門医に相談してください。

(4)黄熱
 黄熱は、ネッタイシマカが媒介する黄熱ウイルスに感染することにより発病します。潜伏期間は3〜6日、高熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、出血性黄疸等の症状があり、重症化した場合の致死率は約50パーセントです。特にアマゾン地域や国境を越えてブラジルに行く予定の方は、防蚊対策とともに黄熱予防接種(生涯有効)を受けておくことをおすすめします。なお、2024年1月現在、ペルーへの入国時および出国時に黄熱予防接種済証明書(イエローカード)の提示は義務づけられていませんが、ペルーから他の国へ入国する際にイエローカードの提示を求められる場合がありますので、各渡航先の情報収集を行うようにしてください。
(参考)厚生労働省検疫所ホームページ(感染症情報:黄熱)
 https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/yellow_fever_certificate.html

(5)その他の感染症等
 昆虫の媒介によるものとしては、バルトネラ症(サシチョウバエ)、シャーガス病(サシガメ)、リーシュマニア症(サシチョウバエ)等があります。経口感染によるものとしては、チフス、赤痢、A型肝炎、ジアルジア症、コレラ、サルモネラ感染症等があります。他にも河川から感染するレプトスピラ症、接触感染による眼病、寄生虫疾患、皮膚病等もあります。これらの疾患の予防のため、防虫対策を行うとともに、飲食物の衛生状態に注意してください。アマゾン川流域に行く場合には、河川に入らないように十分ご注意ください。下痢等のコレラ感染症状や高熱が出た場合は、すぐに医師の診察を受けることをおすすめします。また、件数は少ないながら狂犬病も報告されており、犬、コウモリ、キツネなど、あらゆる哺乳類は狂犬病ウイルスをもっていることがあります。狂犬病を発症するとほぼ100%死亡します。動物に咬まれた時は、すぐに傷口を流水と石鹸で洗い、できるだけ早く必ず医療機関で診察を受け予防接種(曝露後接種)を受けてください。

4 医療事情
 「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/peru.html )においてペルー国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前に必ずご覧ください。
 その他、必要な予防接種等については、厚生労働省検疫所ホームページ(https://www.forth.go.jp/ )をご参照ください。

5 医療用麻薬及び向精神薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続については厚生労働省の次のホームページをご確認ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html  

6 海外旅行保険への加入
 海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが多くあります。
 旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。


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