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● 風俗、習慣、健康等
1 飲酒
飲酒に関しては宗教上の制約も特にない上、社会習慣的にも寛容です。レストランや市場で洋酒、外国製ビール等を購入できますが、中には古いものやニセ物もあるので注意してください。ベトナム製のビールもあり、おいしく飲めますが、手作りのビールや酒を飲んで死亡する事故も発生していますので、銘柄のわからないアルコール飲料は絶対に飲用しないでください。
2 民族意識
ベトナム人は民族の独立と自主を尊ぶ国民です。社会制度上、民族、性別、職業・職種の違いにかかわりなく国民はすべて平等となっており、一般大衆にそうした意識が定着しています。
3 衛生状況
都市部は一見きれいに見えるエリアはあるものの、衛生状態がよいとは言えず、特に屋台などの衛生状態は劣悪です。ベトナムには日本で見られるような食中毒のほか、多くの消化器感染症があります。代表的なものとして、A型肝炎、E型肝炎、細菌性赤痢、腸チフス、回虫、アメーバ赤痢、ジアルジア、条虫、肝吸虫などがあります。ベトナム料理では生野菜をよく使いますが、これらの感染症のリスクがあることを十分に留意してください。
4 蚊媒介の病気
デング熱、マラリア、チクングニア熱、ジカ熱、フィラリアなどがあります。いずれも蚊に刺されないようにすることが最も効果的な予防方法です。デング熱は毎年雨期に流行が見られ、特にホーチミン市などベトナム南部では毎年多くの患者が発生します。治療薬はなく、重症化すると命の危険があります。デング熱ワクチンの接種を検討することも推奨されています。
マラリアは、都市部で感染する可能性はほとんどありませんが、中部山岳地帯では感染リスクがあります。マラリアは適切に治療すると治癒する病気ですが、ベトナムにもある熱帯熱マラリアは治療が遅れると死亡率の高い病気です。
チクングニア熱、ジカ熱はあまり多くありませんが、時折流行することがあります。フィラリアは都市部で感染する危険はありませんが、山岳地帯では感染リスクがあります。
5 結核
ベトナムの結核罹患率は、日本の10倍と大変多く、結核リスクの高い国です。結核は空気感染するため、換気の悪い部屋では患者と距離があっても感染する可能性があります。熱や咳といった症状が長引く場合は結核の可能性を疑う必要があります。
6 狂犬病
狂犬病ウイルスによるほ乳類の病気で、犬だけではなく猫やコウモリなども感染します。ベトナムではつながれていない犬が多く、犬咬傷が多く発生しています。一方、犬や猫に対する狂犬病ワクチン接種は十分行われておらず、毎年50人前後の2024年は84人が狂犬病で亡くなっています。狂犬病ウイルスは狂犬病を発病したほ乳類の唾液中に存在しており、咬まれるのみならずなめられたり引っ掻かれたりしても感染する可能性があり、発病した場合の致死率はほぼ100パーセントです。犬、猫、コウモリなどのほ乳類と感染の可能性がある接触をした場合、直ちに病院を受診してワクチン接種など適切な処置を受けてください。犬や猫などのほ乳類と接触する機会の多い方や犬などに咬まれたりしてもすぐに病院に行けない地域に行かれる方は、予防的に狂犬病ワクチンを接種することを検討してください。
7 皮膚から感染する病気
レプトスピラ、糞線虫、鉤虫などがあります。ベトナムでは大雨が降るとしばしば道路が冠水しますが、レプトスピラはそうした水との接触で感染することがあります。糞線虫、鉤虫は土の中にいるため、裸足で土の上を歩いたりすると感染する可能性があります。
8 HIV/AIDS・B型肝炎
ベトナムのHIV/AIDS患者数がは約25万人で、アジア大洋州地域では5番目に多い国とされています。またB型肝炎ウイルス陽性者は人口の約10パーセントともいわれています。どちらも性行為で感染する病気で、不用意な性行為で感染する可能性があります。
9 大気汚染
ハノイ市やホーチミン市といった都市部の大気汚染の問題は深刻です。特にハノイ市は冬場には空が見えることがまれなほどです。大気汚染は呼吸器や循環器などに大きな影響を与えます。これらの病気をお持ちの方は特に注意してください。
10 医療機関
ベトナムの医療は主に公立病院が担ってきましたが、最近では私立病院もたくさんできています。外国人や富裕層をターゲットにした高級感のある病院や、最新の医療機器を取りそろえた病院もあります。しかし、全体の医療レベルは高いとは言えず、入院や手術を必要とするような場合は近隣の医療先進国か日本へ行くことを検討してください。また、入院治療や国外への患者の移送、治療には高額の費用がかかります。そうした費用がまかなえる海外旅行保険に加入しておくことを強くおすすめします。
11 ワクチン接種
ベトナムに長期間滞在する場合には、以下のようなワクチンを接種することをお勧めします。なお、ベトナムではワクチンの在庫がなくなることがありますので、ベトナムに渡航する前に接種を済ませておくことを検討してください。
(1)成人
推奨 :破傷風、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎
接種を検討:狂犬病、腸チフス
(2)小児(日本の定期予防接種に含まれないもののみを記載)
推奨 :A型肝炎、流行性耳下腺炎
接種を検討:狂犬病、腸チフス、髄膜炎菌
ベトナム国内の衛生・医療情報については、外務省ホームページ「世界の医療事情」で案内していますので、渡航前に必ずご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/viet.html
その他、必要な予防接種等については、次の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
https://www.forth.go.jp/destinations/country/vietnam_cambodia.html
12 緊急事態発生時のFM放送
在ベトナム日本国大使館では、安全対策の一環として、大使館事務所にFM放送機器を設置して、内乱・暴動等の緊急事態発生時に、FM放送を通じて必要な情報を提供します。この緊急FM放送は、継続的に行われるわけではありませんので、ほかに通信手段がない緊急の場合に、お手持ちのラジオを下記の周波数に合わせて待機するようにしてください。
・ハノイ市: 80.00MHz(日本のFMラジオで受信可能)
・ハノイ市: 92.6MHz(ハノイのFMラジオで受信可能)
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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