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● 風俗、習慣、健康等

1 少数民族
 中国では漢族のほかに55の少数民族があり、総人口の約8%を占めています。都市部においても教義にのっとり飲酒をしない者(回族など)がおり、チベット自治区や新彊ウイグル自治区においては、独自の信仰を有する少数民族が多数居住しています。それぞれの民族の風俗、習慣への配慮が必要です。
 また、新疆ウイグル自治区については、民族問題に起因すると思われる無差別殺傷事件や社会不満を背景とした爆発事件が発生し、極めて厳しい治安対策がとられており、各所で警察官による職務質問、身分証の提示や金属探知機による検査等が求められているので十分な注意が必要です。

2 飲酒
 中国では、年配者や地方在住者を中心に、宴席においてお酒の一気飲みを要求する習慣があります。「白酒(バイチュウ)」というアルコール度数の高い蒸留酒もあり、これを何度も一気飲みするのは危険です。実際にお酒の飲みすぎで死亡した日本人もいます。また、酩酊状態からパスポートを含む貴重品を紛失する方も多数います。無理をせず節度のある飲酒に努めてください。

3  健康等
(1) 大気汚染
 北京など華北地方を中心に、地域・季節によって、中国の各地で粒子状物質(PM2.5)を主因とする深刻な大気汚染が発生することがあります。大気汚染が深刻な時には、外出時にはマスクをする、室内では空気清浄機を使用する等の対策が必要です。

(2) 食の安全、衛生
 地域によっては衛生状態は必ずしも良くありません。伝染病や寄生虫病予防のために、生ものは口にしないなど衛生面に注意してください。特に、小さな飲食店の中には衛生上の問題がある店もあり、露店での飲食等にも注意が必要です。農薬の使用や粗悪な食品の販売など、食品安全上の問題も心配されますので、食料品の購入にあたっては、多少高くても信頼できる店や商品を利用し、野菜や果物はよく洗浄する等注意してください。水道水はかなり硬度が高いので、料理・飲用には必ず沸かしてから使用してください。ミネラルウォーターのペットボトルは簡単に購入できます。

(3) その他感染症
 鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染症例が各地で発生しており、A(H5N6)等その他の型のヒト感染例も報告されています。現段階では持続的なヒト−ヒト感染の事例はありませんが、特に地方に赴く場合、不用意に家畜・鳥に近寄ったり触れたりしない、外出先から帰ったときは手洗いを励行するなど、衛生管理に十分留意してください。
 A型、B型肝炎の感染例も比較的多く、長期滞在する場合は予防接種をお勧めします。また、中国では狂犬病による死者が毎年出ていますので、特に地方での滞在が長くなるような場合は、狂犬病の予防接種をお勧めします。

(4) 海外旅行保険
 中国で診察や治療を受けるにはまずその代金を支払う必要があります。また、保険に入っていないと高額な医療費・移送費を全て自己負担しなければならなくなります。急病で入院した旅行者の中には、入院保証金として1日あたり1万元を請求された例もあるほか、日本への緊急移送には商用機利用でも百万円以上、チャーター機では数百万円がかかります。万一に備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことを強く勧めます。
 なお、クレジットカードに付帯されている保険については、緊急移送等十分な補償が付帯されているか等の付保内容や渡航地での連絡先等を確認しておくことが肝要です。

4 辺境旅行
 辺境地区では、外国人が宿泊できる施設が全く存在しない地域もありますので、施設の有無を事前に確認してください。
 チベット自治区(区都ラサの標高は3,650m,シガツェは3,850m,チベット・青海(青蔵)鉄道全線の平均海抜は約4,500m(最高地点は5,072m)等)や雲南省、新疆ウイグル自治区において、日本人旅行者が高山病、心筋梗塞や脳溢血、肺炎を発症して死亡したり、緊急入院したりするケースが見られます。無理な旅行計画は立てず、体調が芳しくないときには十分休息をとり、水分補給を心掛けてください。特に、高齢の方は健康面の留意が必要です。
 また、辺境地区は自然環境が厳しく、農村部は交通や通信も不便なため、事前に十分な準備をしておくことが不可欠です。毎年、南部を中心とした中国各地で台風や大雨による洪水や土砂崩れが発生し、多くの被災者が出ており、気象関係の情報にも留意が必要です。なお、新疆ウイグル自治区からパキスタンへの移動を予定している場合は、事前にパキスタンの情勢を十分に把握し、不要不急の渡航中止を含めて慎重にご検討ください。


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