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● 風俗、習慣、健康等

1 宗教、習慣等
(1)宗教
 国民の大部分(約90%)がイスラム教徒のため、多くのインドネシア人は豚肉やアルコール類を口にしません。また、イスラムの戒律にある断食月(時期は毎年異なる)の期間中は、特にナイト・スポット等の営業時間が制限されます。左手は不浄とされているので、左手を使用しての物の受け渡しは避けてください。
特に、アチェ州はイスラム教の戒律が厳格な地域であり、イスラム法(シャリーア)による罰則が適用されています。特にこれらの地域では、外国人といえどもイスラム法に反する行為(飲酒等)を慎む等の配慮が必要です。

(2)習慣
 座った際に足の裏が見えるように足を組む、左手で子供の頭をなでる等の動作は、相手に不快感を与える動作とされるので、注意が必要です。また、相手を人前で怒ったり、軽蔑するような態度は、日本では考えられないほど相手の恨みを買い、報復されることもあり得ますので、避けてください。

2 衛生・医療
 インドネシアの衛生・医療事情は、地域格差が大きく一概には言えませんが、一般的な留意点としては、外傷(交通事故、マリンスポーツ、登山)、熱中症、脱水症、水・食物由来の消化器感染症(ウイルス、細菌および寄生虫感染症、A型・E型肝炎など)、蚊が媒介するデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス疾患、日本脳炎等に加え、致命的な感染症である狂犬病には注意が必要です。インドネシアでは結核も広く蔓延しており、一部では多剤耐性結核菌も検出されています。また、マラリアおよび鳥インフルエンザに対しても注意を要する場合があります。また、パプア地域では、2019年にポリオの発生が確認されましたが、現在はWHOの発生指定国から解除されています。
 新型コロナウイルス関連情報は、在インドネシア日本大使館や、管轄地域の各総領事館のホームページにて最新情報をご確認ください。

(1)飲料水・食事
 インドネシア国内では一般に水道水は飲用には適しませんので、ミネラルウォーターの利用をおすすめします。氷は、一部の高級ホテルやレストランで出されるものも含め、可能な限り避けた方が無難です。
食べ物は、よく熱を通して調理したものを熱いうちに食べることが大切です。既に切ってある果物や野菜、時間の経過している食品(調理品を含む)を避け、また、生野菜や生肉、刺身等は衛生状態に信頼がおける店以外では食べない方が良いでしょう。

(2)感染症
ア デング熱、チクングニア熱
これらの疾患はウイルスを保有する(感染者の血を吸った)蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)に刺されることで感染します。インドネシアでは都市部、農村部を問わず流行します。症状はどれも比較的よく似ていて全身倦怠感、発熱、関節痛、頭痛、目の奥の痛みなどに加え、発疹が出現します。デング熱は軽症であれば1週間程度で回復しますが、重症化してデング出血熱となると、最悪の場合、死に至ることもありますので、3日以上の発熱が続く場合には感染を疑い、医療機関を受診してください。なお、発熱・疼痛の治療にはアセトアミノフェン(当地での商品名はPanadol, Tylenolなど)のみを使用し、出血を悪化させる恐れのあるバファリン(アセチルサリチル酸)は使用しないようにしてください。
イ マラリア
マラリアは、ハマダラカに刺されて感染する病気で、特にパプア州、西カリマンタン州等では毎年流行しています。特に熱帯熱マラリアは、治療が遅れると重症化し命にも関わります。潜伏期は数日から3週間程で、短期の旅行者の場合、帰国・帰任後に発症することもあり得ます。通常、発熱、悪寒戦慄、頭痛、下痢などの症状がありますが、重症化すると貧血、腎不全、肺水腫、脳障害などを起こし、治療には設備が整った施設での集中治療が必要となります。予防には防蚊対策はもちろんですが、熱帯熱マラリアのある地域への旅行には、専門医に相談の上、予防薬(メフロキン、マラロンなど)の服用をおすすめします。
ウ 狂犬病
インドネシアの、ジャカルタ首都特別州、ジョグジャカルタ特別州等一部地域を除く多くの地域では、狂犬病の感染例が確認されています。特に観光地であるバリ島での咬傷事例が多く、必ずしも狂犬病に罹患した犬によるものではありませんが、バリ島を訪れる際には注意が必要です。狂犬病はイヌだけでなく、サル、ネコ、リス等の哺乳類やコウモリからも感染する可能性があります。狂犬病は発症するとほとんどの場合は死に至ります。飼い犬も含め、動物にはむやみに手を出さないよう、注意してください。仮に、狂犬病のおそれのある動物に、かまれたり、ひっかかれたりした場合は、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し、速やかに医療機関を受診し、暴露後ワクチンの接種を受けてください。
なお、事前に狂犬病予防接種を受けていない方は、暴露後ワクチンとあわせて抗狂犬病免疫グロブリンの接種も有効とされていますが、接種にあたっては十分に医療機関に相談してください。
エ 寄生虫感染症
住血吸虫症などの皮膚から浸入する淡水性の寄生虫感染症の危険がありますので、河川や湖沼にみだりに入らないことをおすすめします。

(3)医療事情
ア 医療施設等
 大都市では医師数が増加し、病院施設・機材の整備も進んできていますが、地方では専門医が不足しており、病院の整備が遅れています。病院の受診は、一般的に国公立の病院は混雑しており、日本人の利用は慣れないと困難です。私立病院は比較的利用しやすいのですが、受診時に保証金(場合によっては数千米ドル以上)を要求されることもあります。
 また、急性虫垂炎等の簡単な手術はインドネシアでも可能ですが、複雑な手術はインドネシアではおすすめできません。また、輸血が必要な場合でも必ず輸血用血液があるとは限らず、あったとしても感染症(梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV等)の再チェックは必ず病院に依頼してください。
 なお、インドネシア国内の医療施設等の情報を含め、詳細については「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html )をご参照ください。

イ 予防接種
 必要な予防接種等については、以下の厚生省検疫所ホームページをご参照ください。
感染症情報(https://www.forth.go.jp/

3 海外旅行保険への加入
 海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくありません。
 旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。


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