情報種別：海外安全情報(スポット情報)
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イラク：サドル師政界引退表明に伴う抗議活動の激化

2022年8月31日

【ポイント】
●8月29日13時頃、サドル師による突然の政界引退の表明に伴い、サドル派の支援者がバグダッドのインターナショナル・ゾーン（IZ）に流入して政府庁舎にて抗議活動を行い、武力衝突へと発展しました。
●かかる情勢を踏まえて統合作戦司令部（イラク中央治安当局）は、同29日、バグダッドにおいて外出禁止令を発令し、その後対象地域をイラク全土に拡大しましたが、翌30日、事態が沈静化したことに伴い外出禁止令を解除しました。
●現在イラクでは、社会不安が増大しており、治安情勢が急速に悪化する懸念がありますので、引き続き関連情報の収集や安全対策（備蓄を含む）に努めてください。

【本　文】
１　8月29日13時頃、サドル師による突然の政界引退の表明に伴い、同日昼頃からサドル派支援者がバグダッドのインターナショナル・ゾーン（IZ）に進入し、防護壁を押し倒して、政府庁舎に進入し抗議活動を行いました。治安当局が放水や催涙ガスなどでデモ隊を解散させようとしましたが、その後事態がエスカレートし、武力衝突へと発展しました。
　また、30日深夜には、バグダッドにおいてＩＺ北方方面に向けたロケット攻撃が3回確認されました。

２　かかる情勢を踏まえて統合作戦司令部（イラク中央治安当局）は、29日15時30分からバグダッドにおいて外出禁止令を発令し、その後19時に対象地域をイラク全土に拡大しました。
　翌30日、サドル師が支持者に対して1時間以内にＩＺから退出するように呼びかけたことにより事態は沈静化し、外出禁止令も解除されました。

３　現在イラクでは、政治的対立により政府形成プロセスが長期化しており、物価の高騰や水不足等も相まって、社会不安が増大しています。今回のように治安情勢が急速に悪化する懸念がありますので引き続き関連情報の収集や安全対策（備蓄を含む）に努めてください。

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