情報種別:海外安全情報(スポット情報)
本情報は失効しました。

アフガニスタン:治安情勢(更新)

2017年4月3日

【安全のために】
●危険情報「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」を全土に対して発出しています。目的の如何を問わず,渡航は止めて下さい。
●この情報を知らずに既にアフガニスタンに入国されている方は,国外の安全な地域へ直ちに退避してください。退避までの期間の緊急連絡先(氏名,連絡先,滞在日程)を在アフガニスタン日本国大使館又は外務省邦人テロ対策室まで至急連絡してください。
 在アフガニスタン日本国大使館:((93) 799-689-861,(93) 793-915-658)
 外務省邦人テロ対策室:    (代表)03-3580-3311(内線)3047

【主要トピック】
● タリバーン等の反政府武装勢力による攻撃で,一般の市民や外国人も巻き込まれる事件が相次いでいます。民間人の死傷者増加を示す報告書も発表されています。(継続)
● 国内各地でロケット弾が着弾しています。(継続)
● 外国人が誘拐されるリスクが高い状態にあります。(継続)
● 地方の治安情勢は極めて不安定で,攻撃の標的にならずとも被害に巻き込まれる危険性が大いにあります。(継続)

☆詳細については,下記の内容をよくお読み下さい。

1 最近のアフガニスタンにおける治安情勢
(1)タリバーン等の反政府武装勢力による攻撃
 アフガニスタンでは,政府と,主要な反政府武装勢力であるタリバーンをはじめ,「ISILホラサーン州」を称する勢力等が各地で攻撃を繰り返しており,厳しい治安情勢が続いています。
治安当局による警備・警戒が特に強化されている首都カブール市内でも,簡易爆発装置(IED)の爆発,銃撃,自爆攻撃等の事件が多発しています。政府関係者,議員,軍・治安当局,駐留外国軍,各国の大使館・総領事館等が主な攻撃対象となっているほか,一般の市民や外国人も巻き込まれる事件が相次いでいます。
2月,国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)は,テロ等の事件による民間人の被害状況に関する年次報告書を発出しました。その中で,2016年の民間人の死傷者数は11,418名であり,記録調査を開始した2009年以降,最悪であったとし,内訳として,死者数は3,498名で前年比約2%減少した一方で,負傷者数は7,920名で約6%増加した旨言及しています。民間人死傷者数の増加は,爆弾等によるテロ攻撃やアフガニスタン治安部隊と反政府武装勢力との間の戦闘が激化しており,また,「ISILホラサーン州」を称する勢力が活動を拡大していることが背景にあると考えられます。アフガニスタンの治安が,年々悪化していることは,この民間人死傷者数のデータからも伺えます。
(参考URL:
https://unama.unmissions.org/sites/default/files/protection_of_civilians_in_armed_conflict_annual_report_2016_16_feb_2017_final.pdf

(2)ロケット弾の着弾
2016年にカブール中心部ではロケット弾が着弾する事件が少なくとも4件発生し,同市以外の地域や未確認のものを含めると相当数の着弾があると推測されます。本年3月7日,死傷者に関する情報はないものの,カブール市内の米国大使館に着弾した事件が発生しました。ロケット弾は,一度に複数着弾するケースが多く,更に,標的から外れて着弾することもあり,巻き込まれて被害を受けるリスクが高いのが実態です。

(3)外国人を狙った誘拐
アフガニスタン警察当局は,外国人が所属するNGO事務所等に対して,誘拐の防止に向け,事務所や住居への監視カメラや警備員を配置する,移動の経路や時間帯を頻繁に変更する,身辺警護員を同行させる,及び可能な限り防弾車を利用する等の勧告を行っています。
アフガニスタンでは,外国人が誘拐されるリスクは高く,2016年にはNGO職員や大学教授等がいずれも車で移動中に誘拐される事件が発生しました(同乗していたアフガニスタン人はいずれも拘束されていません。)。2016年12月には,北部のクンドゥーズ県を移動中の赤十字国際委員会のスペイン人職員が武装した者に誘拐される事案が発生しています。

(4)地方の不安定な治安情勢
 アフガニスタン国内各地では,治安部隊(国軍・警察)がタリバーン等に対する掃討作戦を展開し,激しい戦闘が繰り広げられています。一部では,政府の統制が及ばない地域が拡大する傾向にあると言われています。米アフガニスタン復興特別査察官(SIGAR)の報告書によれば,アフガニスタン政府の支配あるいは影響が及んでいるのは国内407の郡のうち233郡とされており,中部のウルズガン県,南部のヘルマンド県やカンダハール県当が反政府武装勢力の影響が強い地域の例として挙げられています。また,東部のナンガルハール県等で活動する「ISILホラサーン州」を称する勢力に対しても,治安部隊による掃討作戦が展開されています。
2016年は,南部のラシュカルガー市や北部のクンドゥーズ市といった地方都市にタリバーンが攻勢をかけ,都市の支配をめぐって市街地でも戦闘が行われました。反政府武装勢力に対し,アフガニスタン軍や米軍による空爆も行われています。地方においても,攻撃の標的とならずとも被害に巻き込まれる危険性が大いにあります。
(参考URL:https://www.sigar.mil/pdf/quarterlyreports/2017-01-30qr.pdf

2 2017年3月2日〜4月2日に発生した主なテロ・誘拐事件抜粋(以下いずれも現地時間)
(1) カブール市
● 3月7日,幹線道路上で車両に仕掛けられたマグネティック爆弾が爆発し,1名が死亡。
● 3月7日,米国大使館の外壁付近にロケット弾が着弾。(死傷者情報無し)(タリバーンが犯行声明発出)
● 3月8日,カブール市内の軍関連病院で,爆発及び襲撃が行われ,49名が死亡,63名が負傷。(ISILホラサーン州が犯行声明発出)
● 3月13日,通信会社の社員を乗せたバスが自爆攻撃に遭い,1名が死亡,20名以上が負傷。

(2)カブール市以外
● 3月3日,ファラー県中部において,道路上に設置されたIEDが爆発し,8名が死亡,20名以上が負傷。
● 3月4日,カンダハール県カンダハール市において,国会議員がバイクに乗った武装集団に銃撃され負傷。
● 3月4日,ファリヤーブ県中西部で,車両に設置された爆弾が爆発し,2名が死亡。(タリバーンが犯行声明発出)
● 3月5日,クンドゥーズ県クンドゥーズ市において,警察の検問所が襲撃され,6名が死亡,3名が負傷。
● 3月8日,ジョウズジャーン県において,ISIL共鳴者と見られる者により,3名が殺害。
●  3月10日,ナンガルハール県アチン地区において,ISILを名乗る者により3名が殺害。
● 3月15日,サリプル県西部において,ISILを名乗る者によって,イスラム教シーア派長老3名が殺害。
● 3月17日,ホースト県の軍基地において,自動車に積載された爆弾が爆発し,1名以上が死亡,数名が負傷。(タリバーンが犯行声明発出)
● 3月17日,ナンガルハール県ジャララバード市近郊で,地元政府関係者を狙った自爆攻撃が行われ,1名が死亡。
● 3月19日,カンダハール県において,自動車を使った自爆攻撃が行われ,6名が死亡,5名が負傷。(タリバーンが犯行声明発出)
● 3月20日,ヘルマンド県ラシュカルガー市において,自動車に積載された爆弾が爆発し,6名が死亡,7名が負傷。(タリバーンが犯行声明発出)
● 3月23日,クンドゥーズ県において,警察の検問所が襲撃され,9名が死亡。


【参考データ】
1 カブール市内における外国人の死傷者が生じた事件抜粋(2016年以降)
※新しい事案から順に記載
・2016年10月19日,軍事基地内で,アフガニスタン軍の格好をした者が銃を発砲し,米国人2名が死亡,米国人3名が負傷。タリバーンが犯行声明発出。
・2016年6月20日,警備会社に勤務するネパール人及びインド人を乗せたバスに対する自爆テロが発生し,15名が死亡,20名以上が負傷。タリバーンとISILが犯行声明を発出。
・2016年4月19日,市内中心部にあるアフガニスタン治安機関の施設付近で,車両を用いた自爆テロが発生した後,治安部隊と武装集団との間で銃撃戦となり,少なくとも64人が死亡,347人が負傷。タリバーンが犯行声明を発出。
・2016年2月27日,市内中心部にある国防省付近で自爆テロが発生し,少なくとも15人が死亡,31人が負傷。タリバーンが犯行声明を発出。
・2016年2月1日,市内南西部にある警察庁舎付近で自爆テロが発生し,少なくとも20人が死亡,29人が負傷。タリバーンが犯行声明を発出。
・2016年1月20日,市内南西部で,報道機関関係者が乗車した車両を標的とした自爆テロ事件が発生し,少なくとも7人が死亡,27人が負傷。タリバーンが犯行声明を発出。
・2016年1月17日,市内中心部にあるイタリア大使館の敷地内にロケット弾1発が着弾し,少なくとも2人が負傷(同館員の負傷者はなし)。タリバーンが犯行声明を発出。
・2016年1月4日,カブール国際空港付近で外国軍の車両及び施設を標的とした二度の自爆テロ事件が発生し,少なくとも1人が死亡,22人が負傷。タリバーンが犯行声明を発出。
・2016年1月1日,市内北西部にある仏レストランの前で自爆テロが発生し,少なくとも1人が死亡,15人が負傷。タリバーンが犯行声明を発出。


2 アフガニスタン全土における外国人誘拐(2015年以降)
 ※新しい事案から順に記載
・2016年12月21日,ヘラート県において,イラン人トラック運転手が武装した者によって誘拐(後日解放)。
・2016年12月19日,クンドゥーズ県において,車両移動中の赤十字国際委員会(ICRC)のスペイン人職員が誘拐(後日解放)。
・2016年11月,ヘラート県ヘラート市において,イラン人トラック運転手が武装した者によって誘拐。
・2016年11月,カブール市内で,NGOに勤務するオーストラリア人職員が,拳銃を所持した者により誘拐。(後日解放)
・2016年8月,カブール市内で,アフガニスタン・アメリカン大学の米国人とオーストラリア人の教授2名が武装集団によって誘拐。
・2016年6月,カブール市で,教育・医療支援を行う国際NGOに勤務するインド人職員が拳銃を所持した者によって誘拐(後日解放)。
・2016年4月,ナンガルハール県ジャララバード市で,オーストラリア人の援助機関職員が武装集団によって誘拐(後日解放)。
・2016年3月,バングラデシュ国籍のNGO職員2人が,クンドゥーズ県からバグラーン県への移動中,武装集団によって誘拐。
・2016年3月,カブール市内で,建設会社に勤めるトルコ人が誘拐。
・2015年8月,カブール市内で,ドイツ人援助関係者が武装集団によって誘拐(後日解放)。
・2015年6月,カブール市内で,オランダ人援助関係者が何者かによって誘拐(後日解放)。
・2015年6月,西部ヘラート県で,イラン人運転手が何者かによって誘拐(後日解放)。
・2015年4月,北東部クンドゥーズ県で,ドイツ人援助関係者が何者かによって誘拐(後日解放)。


(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139
○外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

(現地大使館連絡先)
○在アフガニスタン日本国大使館
 住所:Street# 15, Wazir Akbar Khan, Kabul, Afghanistan
 電話:(870) 772-254-504,(870)772-250-388(衛星電話)
(93) 799-689-861,(93) 793-915-658(早朝,夜間,週休日(金・土曜日)等で緊急を要する場合)
FAX:(870) 782-255-504 (衛星電話回線)
 URL:http://www.afg.emb-japan.go.jp/



○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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