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シリア
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

シリアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2023年5月2日

【危険度】
●全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

【ポイント】
●シリア全土に「レベル4:退避勧告」を発出しています。日本人渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い状況が続いているため、シリアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。また既に滞在されている方は直ちに退避してください。

1 概況
(1)シリア国内においては、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)等のイスラム過激派組織、反体制派武装勢力、クルド勢力、シリア政府軍・治安当局等それぞれの勢力が入り乱れて衝突しており、多数の死傷者が発生しています。また、ISIL、反体制派武装勢力等による誘拐・強盗等の凶悪犯罪も発生しており、極めて危険です。

(2)反体制派武装勢力の拠点である北西部、トルコ軍及びその同盟勢力が事実上支配する北部、クルド勢力が事実上支配する北東部及び東部、反政府抵抗活動が活発な南部の各地域において、様々な勢力が衝突しています。シリアに入国した場合、これらの衝突や犯罪に巻き込まれる、ISILなどの過激派組織等に誘拐・拘束される等のおそれもあり、非常に危険です。    
 また、反体制派武装勢力、クルド勢力等が自主運営するトルコやイラクとの国境検問所を通過してシリア領内に入った場合は、シリア政府から不法入国の罪で逮捕・拘束されるおそれもあります。

(3)2012年8月、シリア北部アレッポ市で取材中の日本人ジャーナリストが銃撃に巻き込まれ死亡する事件が発生し、2015年1月には、シリアにおいて拘束されていた2人の日本人の映像がISILによりインターネット上に公開され、その後、殺害されたとみられるテロ事件が発生しました。ISILは同年2月に公開した映像の中で、今後日本人が攻撃の標的となると警告しています。また、2015年にシリア北部イドリブ県で拘束された日本人は、2018年に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。シリア国内は依然として危険な情勢が続いています。いかなる理由があろうと渡航は止めてください。

2 地域別情勢
 全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

(1)ダマスカス市及びその近郊
 2018年5月、ダマスカス市近郊はシリア政府統治下に入りましたが、反体制派武装勢力がシリア政府軍等に対してテロを行う可能性があります。また、2021年10月にはダマスカス市内の中心部で軍用バスの爆発事案が発生しました。また、他国の軍によるものとみられるミサイル攻撃も頻発しています。

(2)シリア北西部(イドリブ地域)
ア シリア政府軍と反体制派武装勢力に加え、様々な勢力間において衝突が発生しています。2020年3月にロシア軍とトルコ軍が主導し、停戦合意が結ばれましたが、その後も戦闘行為は続いており、住民にも多数の死傷者が出るなど、極めて危険な情勢が続いています。
イ 2015年6月にイドリブ県で反体制派武装勢力に拘束された日本人は、2018年10月に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。
(3)シリア北部
 2016年8月、2018年1月及び2019年10月の3回にわたり、トルコ軍及びその同盟勢力は北部地域のクルド勢力に対して軍事作戦を行い、現在もこれら地域を事実上支配しています。同地域において武力衝突は続いており、また、市街地においても、自動車爆弾等のテロ事案が散発的に発生し、住民に多数の死傷者が出ています。

(4)シリア北東部、東部及び中央部
 2014年6月以降、シリアとイラクの広大な領域を支配したISILは、2018年3月にその支配地域を失いましたが、依然としてその残党が北東部及び東部地域を事実上支配するクルド勢力及び米主導の「対ISIL有志連合」等への襲撃を繰り返し、中央部の砂漠地帯においても活発なテロ攻撃を継続しており、極めて危険な情勢が続いています。

(5)シリア南部
 2018年7月、シリア政府軍が南部を掌握し、同年10月にはシリア・ヨルダンの国境が再開されましたが、同地域の治安情勢は引き続き不安定であり、反体制派武装勢力による攻撃が頻発し、住民等多数が死傷しています。

 上記情勢に鑑み、シリアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。特に、反体制派が運営する国境検問所を通過してシリア領内に入域した場合、シリア政府は不法入国者の安全は保証できないと公に述べており、シリア政府から不法入国の罪で拘束されるおそれもあります。

 取材活動であっても、現在のシリア情勢下にあっては、不測の事態に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。シリアにおける取材について、報道各社等に向けてこれまで累次にわたり注意喚起を出していますが、フリーの報道関係者の方も含め、下記を踏まえシリアへの渡航は止めてください。
「シリアでの取材に際する注意喚起について」(http://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_syria20180219.pdf
 また、既にシリア国内に滞在されている方は、速やかに在シリア日本国大使館(現在は在レバノン日本国大使館内に臨時事務所を設置)緊急連絡用電話まで連絡するとともに、直ちに退避してください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター(海外安全相談班)
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)4567
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○外務省 海外安全ホームページ:
 https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在レバノン日本国大使館内在シリア大使館臨時事務所
 住所:Serail Hill Area, Army Street, Zokak El-Blat, Beirut, Lebanon (P.O. Box 11-3360)
 電話:市外局番(01) 989751〜3
   国外からは(国番号961)-1-989751〜3
 FAX:市外局番(01) 989754
   国外からは(国番号961)-1-989754 
 緊急連絡用電話: (国番号963)-933-217011
 ホームページ:https://www.sy.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



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