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アフガニスタン
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

アフガニスタンの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2024年2月13日

【危険レベル】
●アフガニスタン全土
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

【ポイント】
●アフガニスタンでは、2021年8月15日から、タリバーンによる支配が継続しています。この間、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)ホラサーン州(IS-KP)」等によるテロが継続して発生しています。また、殺人、強盗、誘拐などの犯罪は漸増傾向となっており、情勢及び治安は極めて不安定かつ危険です。
●アフガニスタンへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。既に滞在されている方は直ちに退避してください。

1 概況
(1)米軍の撤退に伴い、タリバーンは2021年7月下旬から地方都市部への進攻を開始し、同年8月15日には首都カブールを制圧、9月6日には抵抗勢力の最後の拠点となっていたパンジシール県を制圧し、翌9月7日、「暫定政府」の閣僚代行等を発表しました。

(2)タリバーンがアフガニスタン全土の制圧を宣言した後も 「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)ホラサーン州(以下、「IS-KP」)」と称するイスラム教過激派グループによるシーア派住民やタリバーン関係者、外国関連機関、民間人等を標的としたテロ攻撃が継続して発生しているほか、国際的なテロ活動を行ってきたアルカイダをはじめとする多数のテロ組織の構成員も潜伏しているとみられ、大規模テロ攻撃等が今後発生する可能性は依然として存在します。また、国民抵抗戦線(NRF)やアフガニスタン自由軍(AFF)等の反タリバーン勢力とタリバーンとの間では銃撃戦等が発生しており、そのような戦闘行為への巻き込まれ被害にも注意する必要があります。加えて、犯罪グループによる殺人や強盗、誘拐等の犯罪も漸増傾向にあります。

(3)近年の「IS-KP」によるテロ攻撃には、自爆攻撃要員による自爆テロや路肩爆弾、マグネット爆弾による車両の爆破が多くみられるほか、狙撃銃や突撃銃、ロケット砲などを用いた銃砲撃による攻撃がみられます。自爆テロには、爆弾ベストを着用した攻撃要員単身による自爆や、爆弾搭載車両に乗車した攻撃要員が車両ごと爆破する手法があります。

(4)近年の日本人被害事例として、2019年12月4日には、東部ナンガルハール県のジャララバード市内の路上において、車両で移動中の援助関係者の日本人1名を含む計6名が銃撃を受けて死亡する事件が発生したほか(同県では、2008年にも日本人援助関係者の誘拐・殺害事件が発生)、2010年には北東部のクンドゥーズ県で日本人ジャーナリストの誘拐事件が発生しています(約5か月後に解放)。

(5)アフガニスタンの治安情勢は依然として極めて不安定な状況にあり、滞在するには大きな危険が伴います。また、同国の社会基盤や医療レベル、言葉の問題等を踏まえると、緊急事態が起こった際に先進国と同等の救援を得ることは期待できず、容易に困窮状態に陥るリスクや迅速に適切な治療を受けられず生命に危険を及ぼすリスクも高いと考えられ、加えて、現地日本大使館が十分な救援活動を行うことが困難なケースも想定されます。

 ついては、アフガニスタンへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。既に滞在されている方は直ちに退避してください。

2 地域別情勢
 全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)

(1)首都カブール
ア カブール市内では、「IS-KP」等によるテロ攻撃が継続して発生しています。
(ア)タリバーンによるカブール制圧後もテロ事案が継続して発生しています。2021年8月26日、群衆が殺到していたカブール空港付近で爆発・銃撃テロが発生し、米兵13名・英国人2名を含む170名以上が死亡、当該事案に対し「IS-KP」が犯行声明を出しました。同年10月3日には、カブール中心部のモスク付近で、市民ら少なくとも10名が死亡する爆発が発生した他、11月2日にも軍病院付近で、市民ら少なくとも25名が死亡する爆発が発生し、両事案に対しても「IS-KP」が犯行声明を出しました。

(イ)2022年9月30日には、シーア派が多く住む地域における大学受験予備校に対して自爆攻撃含む複合攻撃が行われ少なくとも30名が死亡するなど、大規模事案を含む多数のテロ事案が発生しました。同年9月5日にはロシア大使館領事部付近における自爆テロが、12月2日には在カブール・パキスタン臨時代理大使を標的とした暗殺未遂事案が、12月12日には中国系ホテルに対して自爆テロ攻撃が発生するなど、外国権益を対象としたテロも発生しています。なお、これらの外国権益を対象としたテロはいずれも「IS-KP」が犯行声明を出しました。

(ウ)2023年にも、「IS-KP」によるテロ事案が継続して発生し、1月1日には、カブール空港北側の軍用出入口付近で自爆テロを行ったほか、同月11日には、「外務省」付近で自爆テロを行い、少なくとも25名死亡、60名が負傷しました。その後も、「外務省」付近での爆破テロ(3月27日。6人死亡、多数負傷)、市内ボクシングジムでの爆破テロ(10月26日。少なくとも4名死亡、7名負傷)、公共交通機関(バス)を標的とした爆破テロ(11月7日。少なくとも7名死亡、22名負傷)等の事案が発生しています。

(エ)過去のケースを踏まえれば、高度な警備対策を講じている場合であっても被害を完全に防ぐことは困難です。また、現地のために活動している援助関係者等であっても、テロに巻き込まれることや直接の標的となることがあります。

イ 殺人、誘拐、強盗等も多発しています。特に、外国人は武装勢力や犯罪集団から標的とされやすく、早朝や夜間に車両で移動中に襲撃・拉致されるケースが多くみられます。また、警備が脆弱な事務所や宿舎等が襲撃され、誘拐されるケースもあります。

ウ その他、国民抵抗線線(NRF)やアフガニスタン自由軍(AFF)などの反タリバーン勢力とタリバーンとの間で銃撃戦やこれらの勢力によるタリバーン検問所や車両の爆破なども発生しています。

(2)カブール市外
ア アフガニスタン全土において、「IS-KP」等によるテロ攻撃が発生しています。
(ア)東部のナンガルハール県では、2008年に日本人援助関係者の誘拐・殺害事件が発生した他、2019年12月4日にはジャララバード市内の路上において、車両で移動中の援助関係者の日本人1名を含む計6名が銃撃を受けて死亡する事件が発生しました。2021年8月のタリバーンによる権力掌握後、ジャララバード市内ではタリバーンの車両を狙ったとみられる爆破事案が散発しており、「IS-KP」が犯行声明を発出しています。

(イ)北東部クンドゥーズ県では、2021年10月8日、クンドゥーズ市内のシーア派モスクで50名以上が死亡する自爆テロが発生し、「IS-KP」が犯行声明を発出しました。また、2022年4月21日及び22日には連続して「IS-KP」によるテロが発生しました。なお、クンドゥーズ県では、2010年に日本人ジャーナリストの誘拐事件が発生しました(約5か月後に解放)。

(ウ)南部のカンダハール県では、2021年10月15日、カンダハール市内のシーア派モスクで、60名以上が死亡する自爆テロが発生し、「IS-KP」が犯行声明を発出しました。

(エ)西部のヘラート県では、2022年9月2日、ヘラート市内のモスクで、100人以上が死傷する自爆テロが発生しました(犯行声明は確認されず) 。

(オ)北部バルフ県では、2023年3月9日、県都マザリシャリフ市内の文化センターで開催されたジャーナリストらが集まったイベント会場において、30人以上が死傷する爆発が発生し、「IS -KP」が犯行声明を発出しました 。

(カ)北部バダフシャーン県では、2023年6月6日、県都ファイザーバード市内で、同県「副知事」が爆殺。8日には、同市内モスクで開催された同「副知事」の葬儀において、少なくとも66人が死傷する自爆テロが発生し、両事案について「IS-KP」が犯行声明を発出しました。

(キ)北部バグラーン県では、2023年10月13日、県都プレクムリ市内のシーア派モスクで、少なくとも17人が死亡する自爆テロが発生し、「IS-KP」が犯行声明を発出しました。

イ アフガニスタンには、依然として複数のテロリストが流入・潜伏し、武器や麻薬の密輸が横行していると指摘されています。また、各地では多くの地雷が未除去のまま残されており、非常に危険です。

ウ カブール市内と同様に、反タリバーン勢力とタリバーンとの間で銃撃戦やこれらの勢力によるタリバーン検問所や車両の爆破などが発生しているほか、殺人、誘拐、強盗等の犯罪が多発しています。外国人は武装勢力や犯罪集団から標的とされやすく、被害を完全に防ぐことは困難です。

 これらのことから、アフガニスタン全土における日本人の活動は、場所・目的を問わず極めて危険です。どのような目的であれ、アフガニスタンへの渡航は止めてください。現在のアフガニスタン情勢下にあっては、取材活動であっても、不測の事態に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。アフガニスタンにおける取材について、報道各社等に向けて累次にわたり注意喚起を発出していますが、フリーランスの報道関係者の方も含め、アフガニスタンへの渡航は止めてください。

「危険レベル4の国・地域における取材活動について(再注意喚起)」
https://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_press20221014.pdf )

 すでにアフガニスタン国内に滞在されている方は、速やかに在アフガニスタン日本国大使館まで連絡するとともに、直ちに退避してください。

(問い合わせ先窓口)
○外務省
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311
・領事サービスセンター:(内線)2902、2903
・領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く):(内線)5139
・領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連):(内線)3047

○外務省 海外安全ホームページ  
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在アフガニスタン日本国大使館
住所:Street 15, Wazir Akbar Khan, Kabul, Afghanistan
電話:+93- 20-230-1041
e-mail:consul.kabul@kb.mofa.go.jp



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