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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
(1)ドミニカ共和国の治安は、殺人事件の発生率(人口10万人あたり)は2022年から減少傾向にあり、他のカリブ諸国と比べても比較的良好ですが、日本等の先進国と比べると依然として高い割合で推移しており、特に都市部を中心に拳銃を使用した凶悪事件が多発しています。近年、安定的に高い経済成長をしているものの、経済格差の拡大が大きな問題となっており、麻薬取引に絡む犯罪、ハイチ不法移民による犯罪が報告されています。また、以前から発生していた犯罪(拳銃や刃物といった凶器を使用した強盗、自動車盗、自動車の部品盗、空き巣、乗り合いバス・タクシー車内などでのスリ等)のほか、最近はカード犯罪や詐欺事件も発生しています。
(2)銃器に関しては、許可制であるものの、無許可の銃器が多数見られ、金品目当ての犯罪で使用されています。
2 日本人の被害例
在留邦人等に対する被害も確認されています。ここ数年の主な被害概要は以下のとおりです。
(1)強盗事件
○ 夕方、自宅近くを歩いていたところ、バイクに乗った犯人に口を押さえつけられ、携帯電話等を強奪された。
○ 夕方、自宅近くを歩いていたところ、バイクに乗った犯人に、拳銃等の武器の存在を示された上で、携帯電話等の貴重品を強奪された。
○ 夜間、男性2名で車や人通りの多い市場の近くを歩いていたところ、後ろから突き倒され、男性数名に押さえつけられ鞄や金品を奪われた。
(2)窃盗事件
○ 昼休みの時間帯に首都圏の主要幹線道路交差点で信号待ち(歩行者)をしていたところ、バイクが近づいてきて肩から提げていたバッグをひったくられた。
○ 深夜から明け方にかけてマンション中層階に居住する邦人宅で無施錠の窓からの侵入により、携帯電話やカメラを盗まれた。
○ リゾートホテル滞在中、部屋の清掃作業終了後に、無施錠のスーツケースから現金を盗まれていた。
○ 首都圏の大型スーパー駐車場で車の鍵が壊され、車中に置いていたバッグを盗まれた。
○ 路上で歩きながら携帯電話を使用し鞄に入れた直後、後方からバイクが近づき、鞄から携帯電話を奪われた。
※これらの犯罪の多くはサント・ドミンゴ県やサンティアゴ県等の主要都市において発生しています。
3 犯罪被害多発地域
(1)サント・ドミンゴ首都圏全域で昼夜を問わず、特に夜間に拳銃等を使用した強盗事件や路上でのひったくり事件が発生しています。特にサント・ドミンゴ首都圏の東部および北部オサマ川沿い、グアレイ、グアチュピタ、カポティージョ、ロス・グァンドゥーレス・ビジャファナ、クリストレイ、ロスプラドス地区、北サント・ドミンゴ市のビジャメジャ・サバナペルディダ地区で多くの強盗等の凶悪犯罪が発生しています。
(2)東サント・ドミンゴ市は全域に渡り被害が多く発生しています。首都圏から近い観光地のボカチカ市でも昼夜を問わず、特に夜間に拳銃等を使用した強盗事件や路上でのひったくり事件が発生しているほか、公共交通機関内に拳銃を所持した犯人が乗り込んで乗客の現金等を強奪する事件も発生しています。
(3)西サント・ドミンゴ市も全域に渡り被害が多発しています。特にサント・ドミンゴ首都圏の西側に位置するロス・アルカリソス市では、拳銃を奪うために警察官等を殺害するなどの凶悪犯罪が発生しています。
(4)ドミニカ共和国第2の都市であるサンティアゴ市およびその周辺では、近年路上強盗事件・ひったくり事件が首都圏と同様に高い水準で発生しています。また、同市では麻薬問題から派生する殺人事件も多く、警察との銃撃戦により市民が巻き添えになるケースも見受けられます。
(5)近年の治安の悪化は、国内全域に広がっており、プンタカナやプエルトプラタなどの外国人観光客が多く集まるリゾート地域においても強盗事件が発生し、ホテル客室内やビーチなどで窃盗事件が発生しています。
4 防犯対策
滞在中は以下の事項に留意し、十分な安全対策を講じてください。
(1)交通手段利用時
定められた路線を走る乗合タクシー(通称:カロプブリコ)や乗合バス(通称:グアグア)は、乗客を乗せた状態でも、常に他の乗客を探しながら走っているため、急停車や脇見運転による接触事故、衝突事故が多発しています。また、混雑した車内では、スリの被害も発生しており、利用はできるだけ避けてください。ほかにも市内には多くのバイクタクシーが走っていますが、事故や犯罪に遭う可能性が非常に高いため利用は避けてください。
また、首都特別区およびサント・ドミンゴ市内では地下鉄やロープウェイが運行され、警察等により駅構内や車内において一定の安全は保たれていますが、低所得者層が居住するエリア(通称:バリオ)にも駅がありますので利用の際は注意してください。主要ホテル等のハイヤーを利用する場合は、料金メーターが付いておらず、ホテル玄関に行き先ごとの料金表が提示されていたとしても、乗車前に必ず運転手へ料金の確認をしてください。
比較的安全な交通手段としては電話で呼ぶ無線タクシーやUberなどのライドシェアがあります。無線タクシーも料金メーターはなく、走行距離ごとに料金が分かれているため、乗車前に運転手に確認する必要があります。Uberの利用については、これまで大きな問題は報告されていませんが、運転手の名前や車種が一致しているか、料金は正しいか等確認するようにしてください。
(2)強盗、窃盗等(屋外)
○ パスポートは、他の荷物とは別にして携行するなど、取扱いに十分に注意してください。
○ 人前や路上で財布を開いたり、現金を見せたりしないようにしてください。
○ 携帯電話(スマートフォン)は狙われやすいので路上で使用しないでください。
○ 目立つ装飾品等はなるべく身につけないよう注意してください。
○ 車から離れる際には、車内に物を放置しないでください。
○ 夜間の高速道路の使用を極力控えてください。
○ 銀行やキャッシュディスペンサーを利用する際は、周囲に注意してください。
○ 単独での行動を避けるほか、暗い道や人通りの少ない場所、落書きの多い場所、ゴミが多く放置されている場所、工事現場等にはできるだけ近づかないでください。
○ 乗合タクシーやバス車内ではスリや強盗事件の危険性があり、日本人は外見から外国人であるとわかりやすく、多額の現金を所持していると思われるため注意が必要です(無線タクシーや配車アプリ等の利用を推奨)。
○ 夜間の徒歩での移動は控えてください。
○ 12月から年始にかけてや復活祭(イースター(セマーナサンタ))の時期は、犯罪が増加するので、特に注意してください。
○ 犯罪多発地域には、昼夜を問わず立ち入らないようにしてください。
○ 駐車場や路上で車両から降りるときは周りを十分注意してください。
○ 2人乗りのバイクには細心の注意を払ってください(犯罪の8割にバイクが使用されています)。
(3)強盗、窃盗等(屋内)
○ 住居、事務所を探す場合は外部からの侵入が容易な低層階(3階以下)は避けてください。
○ 高層階でも、足場等を利用して無施錠の窓から侵入する事案も発生しているので、就寝時は窓等を確実に施錠してください。
○ 建物の入り口は二重、三重に施錠し、玄関にはドアスコープを取り付ける等の防犯対策をしてください。
○ 長期間留守にする場合、可能であれば信頼のおける知人に見回り等を依頼しておくことを推奨します。なお、管理人等に長期不在の旨を伝えるべきか否かは状況により判断してください。
○ 来客時はドアスコープ等で確実に確認するようにしてください。
○ 日用品、食料の受領は自室前等で対応せず、管理人のいる受付で対応するようにしてください。
○ 自宅には大金や宝石等をできるだけ保管しないようにしてください。
○ 帰宅時は、一呼吸おいて自宅内の様子を確認してください。
○ 万が一、強盗に遭遇した場合は絶対に抵抗しないでください。
○ 警備員が常駐している場合でも決して安心しないようにしてください。
(4)カード犯罪
ドミニカ共和国では、クレジットカードおよびキャッシュカードの磁気個人データを機械でコピーするスキミング被害が発生しています。クレジットカードの使用は主要ホテルなど信頼できる場所以外ではなるべく控えるとともに、レシート(領収書)は確実に保管し、定期的に利用状況を確認するようにしてください。
5 テロ・誘拐情勢
ドミニカ共和国におけるテロ・誘拐については、「テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_289.html )」をご確認ください。
*在留邦人向け安全の手引き
在ドミニカ共和国日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き:(https://www.do.emb-japan.go.jp/files/000572012.pdf )」もご参照ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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