=-=-=-=-=-=-=-=

=-=-=-=-=-=-=-=
● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)ドミニカ共和国における殺人および強盗事件等の凶悪事件発生件数は、日本と比べると高い水準で推移しており、特に都市部を中心に拳銃を使用した凶悪事件が多く発生しています。近年、安定的に高い経済成長をしているものの、経済格差の拡大が大きな問題となっており、麻薬取引に絡む犯罪、米国等からの強制送還者やハイチやベネズエラ等からの不法移民による犯罪が治安を悪化させる要因となっています。また、従来発生している犯罪(拳銃や刃物といった凶器を使用した強盗、自動車盗、自動車の部品盗、空き巣、乗り合いバス・タクシー車内などでのスリ等)に加え、最近はカード犯罪や詐欺等の事件も発生しています。

(2)銃器等に関しては、許可制であるものの、無許可の銃器等が多数出回っており、金品目当ての犯罪で使用されています。その他にも、低所得者層による集団での強盗等の犯罪も増加しており、治安悪化の要因となっています。

2 日本人の被害例
 在留邦人等に対する被害も確認されています。ここ数年の主な被害概要は以下のとおりです。
(1)強盗事件
○夕方、自宅近くを歩いていたところ、バイクに乗った犯人に口を押さえつけられ、拳銃等の武器の存在を示された上で、携帯電話等の貴重品を強奪された。
○夜間、男性2名で車や人通りの多い市場の近くを歩いていたところ、後ろから突き倒され、男性数名に押さえつけられカバンや金品を奪われた。

(2)窃盗事件
○昼休みの時間帯に首都圏の主要幹線道路交差点で信号待ち(歩行者)をしていたところ、バイクが近づいてきて肩から提げていたバッグをひったくられた。
○路上で歩きながら携帯電話を使用し鞄に入れた直後、後方からバイクが近づき、鞄から携帯電話を抜き去られた。
○深夜から明け方にかけて、マンション中層階に居住する邦人宅で無施錠の窓から侵入され、携帯電話やカメラを盗まれた。
○夜間、自宅(戸建住宅)2階の窓から侵入され、携帯電話や現金を盗まれた。
○リゾートホテル滞在中、部屋の清掃作業終了後に、無施錠のスーツケースから現金を盗まれた。
○首都圏の大型スーパー駐車場で車の鍵が壊され車中に置いていたバッグを盗まれた。

※これらの犯罪の多くはサント・ドミンゴ県やサンティアゴ県等の主要都市において発生しています。
 
3 犯罪被害多発地域
(1)サント・ドミンゴ首都圏全域で、昼夜を問わず(特に夜間)、拳銃等を使用した強盗事件や路上でのひったくり事件が発生しています。特にサント・ドミンゴ首都圏の東部及び北部オサマ川沿い、グアレイ、グアチュピタ、カポティージョ、ロス・グァンドゥーレス・ビジャファナ、クリストレイ、ロスプラドス地区、北サント・ドミンゴ市のビジャメジャ・サバナペルディダ地区で、多くの強盗等の凶悪犯罪が発生しています。

(2)東サント・ドミンゴ市は全域にわたり強盗被害が多く発生しています。首都圏から近い観光地のボカチカ市でも、昼夜を問わず(特に夜間)、拳銃等を使用した強盗事件や路上でのひったくり事件が発生しているほか、公共交通機関内に拳銃を所持した犯人が乗り込んで乗客の現金等を強奪する事案も発生しています。

(3)西サント・ドミンゴ市も全域にわたり強盗被害が多く発生しています。特にサント・ドミンゴ首都圏の西側に位置するロス・アルカリソス市では、拳銃を奪うために警察官等を殺害するなどの凶悪犯罪が発生しています。

(4)ドミニカ共和国第2の都市であるサンティアゴ市及びその周辺では、近年路上強盗やひったくりが首都圏と同様に高い水準で発生しています。また同市では麻薬問題に端を発する殺人事件も多く、警察との銃撃戦により市民が巻き添えになるケースも見受けられます。

(5)近年の治安の悪化は、国内全域に広がっており、プンタカナやプエルトプラタなどの外国人観光客が多く集まるリゾート地においても強盗事件が発生し、ホテル客室内やビーチなどで窃盗事件が発生しています。

4 防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。犯罪被害に遭わないための予防策が大切であり、次の点に留意して犯罪被害に遭わないように注意してください。

(1)強盗、窃盗等(屋外)
○ パスポートは、他の物とは別にして携行するなど、取扱いに十分に注意してください。
○ 人前で財布を開いたり、現金を見せたりしないようにしてください。
○ 携帯電話(スマートフォン)は狙われやすいので路上で使用しないでください。
○ 目立つ装飾品等はなるべく身につけないよう注意してください。 
○ 車から離れる際には、車内に物を放置しないでください。
○ 夜間の高速道路の使用を極力控えてください。
○ 銀行やキャッシュディスペンサーを利用する際は、周囲に注意してください。
○ 単独での行動を避けるほか、暗い道や人通りの少ない場所、落書きの多い場所、ゴミが多く放置されている場所、工事現場等にはできるだけ近づかないでください。
○ 乗合タクシーやバス車内ではスリや強盗事件の危険性があり、日本人は外見から外国人であるとわかりやすく、多額の現金を所持していると思われるため注意が必要です(無線タクシーやUberなどの配車サービス利用を推奨)。
○ 夜間の徒歩での移動は控えてください。
○ 12月から年始にかけての時期や復活祭(セマナサンタ)の時期は、犯罪が増加するので、特に注意してください。
○ 犯罪多発地域には、昼夜を問わず立ち入らないようにしてください。
○ 駐車場や路上で車両から降りるときは周りを十分注意してください。
○ 2人乗りのバイクには十分警戒してください(犯罪の8割にバイクが使用されています)。

(2)強盗、窃盗等(屋内)
○ 住居や事務所を探す場合は、外部からの侵入が容易な低層階(3階以下)は避けてください。
○ 高層階でも、足場等を利用して無施錠の窓から侵入する事案も発生しているので、就寝時は窓等を確実に施錠してください。
○ 建物の入り口は二重、三重に施錠し、玄関にはドアスコープを取り付ける等の防犯対策をしてください。
○ 長期間留守にする場合、可能であれば信頼のおける知人に見回り等を依頼しておくことを推奨します。なお、管理人等に長期不在の旨を伝えるべきか否かは状況により判断してください。
○ 来客時はドアスコープ等で確実に確認するようにしてください。
○ 日用品、食料の受領は自室前等で対応せず、管理人のいる受付で対応するようにしてください。
○ 自宅には多額の現金や宝石等をできるだけ置かないようにしてください。
○ 帰宅時は、一呼吸おいて自宅内外の様子を確認してください。
○ 万が一、強盗に遭遇した場合は絶対に抵抗しないでください。
○ 警備員が常駐している場合でも決して安心しないようにしてください。

(3)カード犯罪
 ドミニカ共和国では、クレジットカード及びキャッシュカードに記録されている情報を機械で盗み取るスキミング被害が発生しています。クレジットカードの使用は主要ホテルなど信頼できる場所以外ではなるべく控えるとともに、レシート(領収書)は確実に保管し、定期的に利用状況を確認するようにしてください。

(4)交通機関利用にあたっての留意点
 定められた路線を走る乗合タクシー(通称:カロプブリコ)や乗合バス(通称:グアグア)の混雑した車内では、スリの被害も発生していますので、利用はできるだけ避けてください。また、これら乗合タクシーや乗合バスは、乗客を乗せた状態でも常に他の乗客を探しながら走っているので急停車や脇見運転による接触事故や衝突事故が多く発生しています。この他、市内には多くのバイクタクシーが走っていますが、事故や犯罪に遭う危険性が非常に高いため利用は避けてください。
また、首都特別区及びサント・ドミンゴ市内において運行されている地下鉄やロープウェイについては、警察等により駅構内や乗物内において一定の安全は保たれていますが、低所得者層が居住するエリア(通称:バリオ)にも駅がありますので利用の際は注意してください。
 主要ホテル等のハイヤーを利用する場合は、料金メーターが付いていませんので、ホテル玄関に料金表が提示されていたとしても、乗車前に必ず運転手へ料金の確認をしてください。比較的安全な交通手段としては、電話で呼ぶ無線タクシーやUberなどの配車サービスがあります。無線タクシーも料金メーターはなく、走行距離ごとに料金が分かれているので乗車前に運転手に確認する必要があります。Uberなどの配車サービスの利用については、これまで大きな問題等は発生していませんが、運転手の名前や車種が一致しているか、料金は正しいかなどを確認するようにしてください。

5 テロ・誘拐情勢
 ドミニカ共和国におけるテロ・誘拐については、「テロ・誘拐情勢( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_289.html )」をご確認ください。

*在留邦人向け安全の手引き
 在ドミニカ共和国日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き:( https://www.do.emb-japan.go.jp/files/000572012.pdf )」もご参照ください。


−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−