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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)コロンビア国内におけるテロ、誘拐、殺人の件数は2000年頃のピーク時より大幅に減少し、国内治安は改善を見せています。コロンビアの反政府武装組織「コロンビア革命軍(FARC)」は、2016年に政府と和平合意に署名し、合法政党となり現在和平プロセスが進展しています。2022年8月に就任したペトロ大統領は、Paz Total(全面和平)を掲げ、全ゲリラや武装犯罪組織を対象とした和平交渉を呼びかけており、2022年12月末現在で24のグループが交渉に応じる姿勢を見せています。しかし、2016年の和平合意に従わないFARC離反兵や「国民解放軍(ELN)」、「クラン・デル・ゴルフォ」等の武装犯罪組織が依然として活動を継続し、その他麻薬犯罪組織も、誘拐、テロ、殺人、恐喝、麻薬の密造・密売等の犯罪を行っていることから注意が必要です。また、窃盗・強盗等の身近で起こる犯罪は近年増加しており、被害に遭わないために十分な注意が必要です。

(2)コロンビアではELN、FARC離反兵等のゲリラや武装犯罪組織は、治安当局を標的にテロ攻撃を継続しています。これまでに、コロンビアにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、2017年にボゴタ市のショッピングセンターで発生した爆弾テロ事件ではフランス人女性が死亡しています。
また、世界各地では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」(下記「● 滞在時の留意事項」の1(3)参照)、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

2 主な犯罪と防犯対策
(1)誘拐
 誘拐事件発生数は2002年(2,882件)をピークに減少し、2021年は160件、2022年(11月まで)は183件となっています。過去より改善傾向にありますが、依然として武装犯罪組織による誘拐や一般犯罪組織による短時間誘拐の犯行も見られることから注意が必要です。
[注意事項]
 誘拐犯の標的とならないための3原則「目立たない」「行動を予知されない」「用心を怠らない」を日頃から遵守し、具体的には次の事項に注意してください。
○流しのタクシーは利用せず、タクシーアプリ等で呼び出したタクシーを利用する。
○車で移動中に被害に遭う場合もあることから、乗車中も常に周囲を警戒し、日常の移動経路を固定化せず、基本的に窓ガラスは開けない。
○目立つ行動をしない(華美な服装・車・装飾品等、裕福と思われる装いをしない)。
○できるだけ単独行動は避け、複数で行動する。
○住居・宿舎の警備体制(警備機器を含む)の再点検を行う。
○屋外では、人通りの多い場所を選んで行動する。
○現地の人とは信頼できる者とだけ付き合う(短期間の付き合いで相手を信用しない)。
○使用人を雇う場合は、知人からの紹介等、身元を確認した上で選定する。
○誘拐の予兆を察知したら、直ちに現地警察および在コロンビア日本国大使館へ連絡する。
(詳しくは https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html を参照してください。)

(2)爆弾テロ
 ELNやFARC離反兵ら武装犯罪組織の活動が活発な地域(アラウカ県、ノルテ・デ・サンタンデール県カタトゥンボ地区等)において治安当局や石油パイプライン、空港等を標的とした爆弾テロが発生しています。
ボゴタ市等都市部でも次のようなテロ事件が発生しています。
○2022年9月、ウイラ県ネイバ市でFARC離反兵が警察官の乗車する車両を爆発物で攻撃、警察官8名が死亡。
○2022年3月、ボゴタ市のアルボリサドラ・アルタ地区のCAI(日本の交番のような警察施設)の外周で、FARC離反兵の設置した爆発物が爆発、児童2名が死亡、警察官1名を含む30名以上が負傷したほか、CAIおよび近隣家屋に物的被害が発生。
○2022年1月、バジェ・デル・カウカ県サンティアゴ・デ・カリ市(通称:カリ)で、警察部隊が乗車した車両に仕掛けられた爆弾が爆発し、警察官13人が負傷。
○2021年1月、アトランティコ県バランキージャ市の商店街で手榴弾が爆発し、1名死亡、14名負傷。
○2019年1月、ボゴタ市内の警察学校において自動車爆弾テロが発生し、22名死亡、40名以上負傷。
○2018年1月、アトランティコ県バランキージャ市の警察施設等3カ所で爆弾テロが発生し、警察官6名死亡。
○2017年6月、ボゴタ市のショッピングセンター「アンディーノ」の女子トイレ内において爆弾テロが発生し、一般人女性3名死亡。
○2017年2月、ボゴタ市闘牛場を警戒する警察を狙った爆弾テロが発生し、警察官1名死亡。
[テロの被害に遭わないための事前対策]
○テロの標的となりやすい場所(軍・警察施設)を避け、極力近づかない。
○十分な安全対策がとられている滞在先(施設・ホテル)を選ぶ。
○ホテル、レストラン等では、非常口や待避ルートを確認する。
○不特定多数の人が集まる場所(観光施設、イベント会場、ショッピングセンター、レストラン、ホテルのロビー、空港のカウンター)での滞在はできるだけ短くし、不穏な動き(不審者・不審物)を察知したら、直ちにその場を離れる。
[被害を最小限にとどめるための対策]
○決してパニックに陥らない。
○爆発音を聞いたら直ちに伏せる。頭部を保護する。
○できるだけ速やかに、低い姿勢で現場を離れる。現場には決して戻らない、近づかない。
○避難が困難であれば隠れる。
○可能であれば、携帯でメッセージを送るなど、外部の援助を要請する。
 詳細については、テロ・誘拐情勢( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_248.html )をご確認ください。

(3)強盗・窃盗
 強盗・窃盗被害件数は、近年増加しており、路上強盗、自動車強盗、睡眠薬強盗、侵入盗、レストラン、ホテル、空港、公共スペースでの置き引きやスリ等、様々な被害が場所や時間を問わずに発生しています。犯人は隙のある人を標的として選ぶことから、常に注意を怠らないことが必要です。
コロンビアでは、犯人が刃物や銃器が所持し、複数で犯行に及ぶ場合が多いので、万が一、強盗に遭った場合は、絶対に抵抗せず、犯人の要求に従い、自分の命を守ってください。逃走する犯人を追いかけたり、被害品を取り返そうとしたりする行為は大変危険です。
<日本人の被害例>
○ボゴタ市
・旧市街を散策中、背後から首を絞められ、金品を奪われた。
・「モンセラッテの丘」登山道で背後から刃物を突きつけられ、金品を奪われた。
・レストランで、突然倒れた近くの席の客を助けていたところ、自分の座席に置いていたバッグを盗まれた。
・トランスミレニオ(バス)、店内、野外コンサート会場で気付かないうちにスマートフォンを盗まれた。
・自転車専用道路(シクロビア)でサイクリング中に親しげに声を掛けられ、しばらく会話したのちに「自転車に乗せてほしい」と頼まれ、乗せたところ、そのまま逃走され自転車を盗まれた。
・徒歩で帰宅途中、スマートフォンにメッセージの着信があり、立ち止まって内容を確認していたところ、近づいてきたバイクに乗った犯人にスマートフォンをひったくられた。
・レストラン前でスマートフォンを手に持って待ち合わせをしていたところ、徒歩で近づいてきた犯人がスマートフォンをひったくり、付近で待機していた仲間のバイクの後部座席に乗って逃走した。
・レストランで食事中、体の脇に貴重品が入ったバッグを置いていたが、気づかないうちにバッグが盗まれていた。
・路上駐車してスーパーで買い物をして車に戻ったところ、窓ガラスが割られ車内においていた現金等の入った鞄が盗まれていた。
○メデジン市
・路上で金品を奪われ、取り返そうと抵抗したところ、けん銃で撃たれ死亡した。
・自宅に侵入され、縛られた上で金品を奪われた。
・女性から親しげに声を掛けられ、一緒に観光し、食事をしていたところ、意識を失い、目が覚めたら金品を盗まれていた。
○その他
・カルタヘナ市では短時間誘拐、サンアンドレス島では路上強盗被害など、国内の様々な場所で、路上強盗の被害が発生している。

[注意事項]
○貴重品から目や手を離さない。
○車を路上駐車しない。車から離れるときは外から見えるところに荷物を残さない。
○バッグ、上着、ズボンのポケットなどの盗まれやすいところには、貴重品を入れない。
○人混みの中で、体が不自然に押されたり触られたりしたときは、すぐに所持品を確認する。
○カバンはいつも手から離さず、やむを得ず手を離しても体に触れるよう置く。
○カバンから目を離さない。自分の周りで気を引くようなことが起きたら、まず持ち物をしっかりと確認する。
○食事中は鞄が自分の体に密着するように置き、背もたれに掛けない。
○路上でむやみに携帯電話を操作しない。
○強盗に遭った場合は、絶対に抵抗せずに犯人の要求に従う。
○住居選びの際は、24時間警備員が付くアパートの高層階(最上階を除く)が望ましい。
○不要な夜間の外出を避ける。
○単独での行動を避ける。

※在留邦人向け安全の手引き
 在コロンビア日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.colombia.emb-japan.go.jp/files/100377146.pdf )もご参照ください。


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