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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
(1)概要
ア コスタリカは一般的に中南米地域の中では政治・治安ともに安定した国と見られてきましたが、1990年代以降、不法滞在者の増加、組織犯罪グループの流入、銃所持者の増加、武器の流入、麻薬のまん延、学校の中途退学者等による犯罪の低年齢化などにより治安の悪化が進んでいます。また、近年では、緊縮予算を背景に、治安対策への予算が増えない状況が続いているとされ、低賃金と職務の危険性から警察官の離職が増えていることやパトカー等の装備品の整備、補充ができないなどといった問題に直面しています。
2024年の殺人事件数は880件と、2023年の905件(過去最多)に次いで、過去2番目に多い数値を記録しました。2022年以前も、2022年(656件)、2021年(588件)、2020年(571件)、2019年(564件)、と、殺人事件数は年々増加傾向でありましたが、特に直近1〜2年では、2022年比で年間200件以上増加しており、急激に治安は悪化しています。
イ コスタリカは南米の麻薬が欧米へ運ばれる際の中継地点となっており、国内へ大量の麻薬が流入しているため、麻薬に関連した犯罪(麻薬の購入代金欲しさに行う短絡的な強盗・殺人等)が問題となっています。特に近年、殺人については、麻薬犯罪組織同士の抗争や報復による事件が多く、一般市民が巻き添えになるケースも増加しています。また、最近では地方のリゾート地においても外国人旅行客に対し、麻薬を販売しているケースが散見されていますので、売人らしき者には近づかないことが賢明です。
ウ 近年は、危険と言われている地域以外でも銃を使った犯罪が増加しています。例えば過去に例のない首都サンホセ市での武装グループによる白昼の銀行強盗や大型ショッピングモールでの強盗などが発生しています。強盗にはけん銃が使用され、短絡的に殺害したり、走行中の車両を停止させ、運転者を引きずり出して車両を奪う手口や、あるいは通行人を車に無理矢理乗せて金品を強奪するなどの手口があります。このような中、自己防衛のために銃を所持する市民が増えており、銃による死傷者が増加しています。
(2)犯罪件数
司法警察が発表した犯罪統計によれば、2024年の犯罪発生状況は前年に比べ6,042件(14%)増加しました。この罪種内訳は、殺人880件(前年比約2.8%減)、強盗7,430件(約13.8%減)、盗難(住宅、事務所、店舗)7,763件(約21.1%減)、自動車盗4,696件(約5.2%増)、スリ8,178件(約3.6%減)、車上荒らし3,127件(約2.7%減)です。
2 日本人の被害例
けん銃や刃物を使用した路上での強盗、宿泊施設での貴重品の盗難、長距離バスの車内やバスターミナル、海水浴場やレストランでの置き引き、バスの車内や雑踏でのスリ、車両の盗難や車上荒らし、日本人宅での強盗や空き巣、車両によるひき逃げ等の被害があります。
3 地域別犯罪発生状況
サンホセ市中心部の歩行者天国(特に中央郵便局前や文化広場周辺)や中央市場周辺、コカコーラ地区では、スリやひったくり、路上強盗などの被害が多発しています。市内中心部以外の場所では、けん銃や刃物を使用した強盗をはじめ、信号や渋滞などで停車中の車の窓ガラスを割り、車内の荷物を奪う手口や、鋭利な刃物でタイヤをパンクさせ、タイヤ交換を手伝う振りをして物を盗む「タイヤパンク盗」による被害が発生しています。また、ハコやタマリンド、マヌエルアントニオ、モンテベルデなどの有名な観光地でも強盗事件や置き引き、ひったくりなどが発生しています。
カリブ海地域(トルトゥゲーロ、マンサニージャ、プエルトビエホなど)の宿泊施設でも強盗事件が発生しています。
そのほか、サンホセ市やリモン市、プンタレナス市では、麻薬組織間同士の抗争や報復による殺人事件が過去になく急増しています。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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