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カナダ

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● 滞在時の留意事項

1 写真撮影の制限
 教会では宗教上の理由から建物内部の写真撮影を遠慮するように求められることがあります。軍の施設(基地等)、連邦政府建物内等及び先住民保護地区等の撮影は許可が必要です。

2 違法薬物規制
(1)ヘロイン、コカイン、LSD等の薬物について、日本と同様に使用、所持、携行が禁止されています。最近、カナダでは違法薬物犯罪が急増していることから、治安当局も取締りを強化しており、不定期に疑わしい場所等に対する立入検査を行っています。違法薬物を所持していた場合、官憲に身柄を拘束される上、不正売買を行っていれば、平均7年以上の懲役刑に処せられます。不正売買の事実が証明されない場合でも、6か月以上の懲役(初犯の場合)、または罰金刑、またはその併科の処罰となります。
(2)カナダでは、2018年10月17日から、18歳以上の成人による大麻(マリファナ)の所持・使用の一部が合法化されています。また、2019年10月17日からは、大麻の有害成分を含む製品(食品の形状をしたもの、肌に塗るもの等)の所持・使用も合法化されています。ただし、日本の大麻取締法は、国外において大麻をみだりに、栽培したり、所持したり、譲り受けたり、譲り渡したりした場合などに罰する規定があり、カナダ国内で合法な行為だったとしても、日本国内で罪に問われる場合があります。大麻が合法化されている国でも、大麻には決して手を出さないようにしてください。なお、大麻取締法の詳細な解釈や適用については、日本の厚生労働省にお問い合わせください。また、カナダから第三国に渡航する場合にも注意が必要です。

3 不法就労
 カナダで働くためには、永住権の所持者あるいはワーキング・ホリデー査証の所持者以外は、労働許可(work permit)をあらかじめ取得しておく必要があります。
 不法就労者はかなりの数に上るため、カナダ政府もその実態を正確に把握できない状況になっていますが、疑わしいレストラン、会社への立入検査も常に行われており、発覚した場合には国外退去処分となり、その後観光目的も含め、最低1年間は査証が発行されなくなる可能性があります。
 
4 売買春
 売買春は、厳しい取り締まりの対象となります。。

5 車両の運転
(1)車両の運転は、日本に比べて荒い傾向にあり、スピードを出しがちで、違反や衝突等の事故が多発しています。運転する場合等には、行き先の道路交通事情をあらかじめ調べた上で、安全運転を心掛け、十分に注意することが必要です。
(2)冬季には路面凍結による交通事故が多発しますので、十分な注意が必要です。ケベック州では、毎年12月1日から3月15日まで冬タイヤ(スタッドレス・タイヤ)の着用が義務づけられています。
(3)ケベック州の一部(モントリオール島内)は、赤信号の際の右折を禁止していますので、標識に注意してください。
(4)飲酒運転に対しては厳しい罰則があります。

6 飲酒・喫煙規制
 屋外の公共の場所での飲酒は禁止、政府関係機関や屋内、地下鉄の駅など公共の場所では禁煙です。

7 子の親権等をめぐる問題
 国際結婚のケースにおいて、結婚生活で困難に直面したそれぞれ国籍の異なる父または母のいずれかが、国際的なルールや居住地の法律に反して、もう一方の親の同意なしに子を居留地から連れて出国しようとし、問題になるケースが発生しています。
(1)実子誘拐罪の適用
 カナダや米国の国内法では、父母のいずれもが親権または監護権を有する場合、または離婚後も子の親権を共同で保有する場合、一方の親が他方の親の同意を得ずに子供を連れて出国する行為は、重大な犯罪(実子誘拐罪)とされています(カナダでは14歳未満の子を連れ去ると、10年以下の禁錮刑等が科せられると刑法で定められています)。
 例えば、カナダに住んでいる日本人の親が、他方の親の同意を得ないで子を日本へ一方的に連れて帰ることは、たとえ実の親であってもカナダ刑法に違反することとなり、カナダに戻って来た際に犯罪被疑者として逮捕されることがあります。(実際に逮捕されたケースや、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて誘拐犯として国際手配される事案も発生しています)。
(2)ハーグ条約
 日本とカナダは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子を常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html
 カナダに居住する子を日本へ連れて帰る際には、こうした事情に注意する必要がありますので、ご不明な点があれば、弁護士等の専門家に相談されることをおすすめします。
(3)未成年者のパスポート申請
 未成年者の日本国旅券の発給申請については、親権者いずれか一方の申請書裏面「法定代理人署名」欄への署名を確認した上で手続きを行います。ただし、旅券申請に際し、もう一方の親権者から子の旅券申請に同意しない旨の意思表示があらかじめ在外公館または都道府県旅券事務所に対してなされている場合には、旅券の発給は、当該申請が両親の合意によるものとなったことが確認されてから行われます。その確認のため、在外公館では、通常、子の旅券申請についてあらかじめ不同意の意思表示を行っていた側の親権者に対し、不同意の取り下げに同意する旨を明記し自署した「旅券申請同意書」の提出をお願いしています。なお、カナダ所在の日本大使館および総領事館では、未成年者の旅券申請の際には、他方の親権者の不同意の意思表示がない場合であっても、窓口に申請に来た親権者に対し、もう一方の親権者の同意の有無について口頭または書面で確認していますので、あらかじめご了承ください。
(4)家庭問題に関する相談はお早めに関係団体・機関へ
 カナダには、家庭内での問題、暴力・虐待に対し人権の面からの支援等を行っている団体および機関があります。家庭内の問題の兆候が見え始めたら、速やかに相談されるようおすすめします。
 また、在外公館から上記の機関をご紹介できる場合もありますので、在外公館までご相談ください。
関係団体・機関に関する情報、在外公館で提供可能な支援については、以下をご参照ください。
 ・外務省ホームページ関連部分
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/ha/page22_001736.html

8 その他
(1)家の賃貸契約時の留意点
 アパートの契約書には英語及びフランス語の2か国語で書かれている定型フォームが使われることが多いようですが、追加条件が別紙に書かれていることがありますので、必ず内容を理解した上で契約することが必要です。なお、サブレット(いわゆる「また貸し」)を利用する場合は、契約書を作成しないことが多く、退出時のトラブルが多数起こっていますので注意が必要です。契約前に賃貸規約をよく確かめることが不可欠です。
 なお、契約して家賃を前納したところ、見せてもらった部屋は貸し主とは関わりのない他人の部屋で、前納した家賃を騙しとられるという被害も発生しています。
(2)語学学校選択にあたっての留意点
 日本で語学学校のパンフレットやホームページの内容をもとに学校を決め、入学金、授業料を先に払い込んだものの、実際に入学してみたら授業レベルや授業数が思っていたものと異なっていたというトラブルが発生しています。多額の前納金を支払う場合は、慎重に内容について確認することが必要です。学校を選ぶ際は、できるだけ、授業を受けた経験のある人から情報を入手すると良いでしょう。
(3)雇用契約に当たっての留意点
 ワーキング・ホリデー関係者や就労査証所持者が、雇用契約にあたって、契約書を取り交わさず不当な労働をさせられたり、契約条件をよく理解せず働いていたためトラブルに巻き込まれるといった事例が多発しています。また、移民申請のホストになることを条件に不当な労働を強いる雇用者もいます。雇用契約を締結する際には契約条件についてよく理解することはもとより、州ごとに労働基準法(Employment Standard Act)が制定されており、労働基準局が雇用関係の監督に当たっていますので、契約トラブルに備え法律内容を把握すること、トラブルになった際には労働基準局等に速やかに相談することが重要です。

9 在留届
 カナダに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく、在カナダ日本国大使館または総領事館に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお願いします。

10 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、カナダで事件や事故、自然災害等が発生し、在カナダ日本国大使館または総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。


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