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ドイツ

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● 滞在時の留意事項

1 一般的留意事項
(1)住民登録および滞在許可
 ドイツに90日を超える長期滞在を予定している場合には、入国後住所が決まり次第、その地区の住民登録局(Einwohnermeldeamt)で住民登録を行ってください。住民登録はドイツ入国後、原則として2週間以内に行うこととされています。なお、住民登録に当たって契約済の住居賃貸借契約書等の提示が必要です。住民登録後、遅滞なく居住地を管轄する外国人局(Auslaenderbehoerde)に届け出て、滞在許可を取得してください(入国査証をあらかじめ取得している場合は滞在許可へ切り替えてください)。なお、近年、外国人局の予約が取りづらい状況が続いていますので、時間に十分な余裕を持って、許可申請を行ってください。

 滞在許可申請に必要な書類については以下のとおりです。
 ○ 滞在許可申請書(外国人局で入手)
 ○ 住民登録証明書
 ○ 旅券(パスポート)
 ○ 写真(3.5cm×4.5cm)
 ○ ドイツ滞在期間中にドイツ国内で有効な医療保険に加入していることを証する保険証券等
 ○ 滞在目的を証する書類(※就労,留学,家族滞在など目的により異なりますので、詳細は駐日ドイツ連邦共和国大使館ウェブサイト(https://japan.diplo.de/ja-ja/service/arbeitsaufnahme/973582 )をご覧ください。)
 ○ 滞在目的によっては滞在費用の証明(※詳細は上記ウェブサイトをご覧ください。)

※現在、ドイツ国内における滞在許可申請の窓口である州、市の外国人局の予約がとれず、査証免除の滞在期間上限である90日以内に滞在許可取得に至らないケースが多く発生しています。この場合、シェンゲン領域内の移動や一旦領域外に出てから再度領域内に入ることが困難となりますので、長期滞在予定の方は、ドイツ入国前から駐日ドイツ連邦共和国大使館または在大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館もしくは滞在予定の各州、市の外国人局から最新の情報を入手するとともに、ドイツ入国後、できる限り早く滞在許可申請手続をすることをおすすめします。

(2)長期滞在(留学や就労)にあたっては、ドイツ国内の銀行に口座を開設する必要があります。
 ドイツへ到着してから銀行口座を開設する場合は、パスポートと住民登録証明書が必要となります。その他、本邦出発前にインターネットを通じてインターネット専業銀行(いわゆるネット銀行)に口座を開設する方法があります。
 留学の場合は、滞在を予定している全期間につき月額934ユーロ以上(例:留学期間が1年の場合は11,208ユーロ以上)を入金した閉鎖口座(Sperrkonto / blocked account)を開設した旨の証明書が必要となります。閉鎖口座については、ドイツ外務省ウェブサイト(https://www.auswaertiges-amt.de/en/sperrkonto/388600 )をご覧ください。

(3)パスポートの携帯義務
 ドイツでは、パスポートの常時携帯義務はないとされています。しかし、ドイツの官憲からパスポート原本の提示を求められたときは、その場で提示できなくても、指示された場所、時間内にパスポート原本を提示する義務があり、提示できなければ法令違反となります。また、場合によっては、パスポートを確認するため、官憲がパスポートを保管している住居、ホテル等の宿泊先まで同行することもあります。従いまして、いつでも身分を明らかにできるようパスポート原本を携行する、または少なくともコピーは携行するようにしてください。ただし、パスポート原本を携帯する場合は、盗難・紛失等に十分注意してください。
 なお、シェンゲン領域内の国境を越える移動(陸路、空路、海路)に当たっては、出入国審査の有無にかかわらず、常にパスポート原本を携行してください。

(4)就労
 就労するためには、通常、管轄の外国人局(Auslaenderbehoerde)が発行する就労可能な滞在許可が必要です(ドイツの在外公館で入国前に発行されたワーキングホリデービザを所持する場合を除く。)。短期滞在者の就労等、許可のない者の就労は固く禁じられています。また、訪問販売や路上販売を許可なく行うことは不法就労として取り扱われ、強制退去処分等の対象となります。

(5)ハーグ条約
 ドイツは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
※外務省ウェブサイト:ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

 なお、ドイツでは、離婚後も原則として父母共同親権(監護権)となりますのでご注意ください。
 また、ドイツでは、一方の親が、18歳未満の子を他方の親の同意を得ずに国外に連れ出すことは、刑罰の対象となる可能性があります。他国においては、実際に、居住していた国への再入国に際し、子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配されたりする事案も生じていますので、注意してください。
 単独で子どもを同伴し出国する必要がある場合には、他方の親から同意書(独語・英語で記載)をとってから渡航することをおすすめします。

(6)在留届
 ドイツに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在ドイツ日本国大使館またはドイツ国内の各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
 この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。

(7)たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報等を日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ドイツで事件や事故、自然災害等が発生し、在ドイツ日本国大使館または各総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

2 各種取締法規等
(1)写真・ビデオ撮影等
 軍事・公安施設や空港等は、写真撮影を禁止している場所がありますので注意してください。
 なお、ドローンについては、その重量や飛行高度により異なる義務が課されます。また、全ての政府関係施設、空港、工業地帯、住宅地、自然保護区域、多くの人が参集している場所(デモや集会等)、警察や消防が出動している場所は飛行禁止となっています。ドローンに関する規則については、連邦デジタル・交通省のウェブサイトをご覧ください。
 https://bmdv.bund.de/SharedDocs/DE/Artikel/LF/drohnen.html

(2)麻薬等違法薬物
 麻薬類の取締りは非常に厳しく、空港、駅、国境等においては、密輸防止のため警察、税関等による徹底した監視が行われています。
 コカイン、大麻、ヘロイン、覚醒剤等の麻薬類に関する規制は、刑法および麻薬法に基づき行われており、麻薬の定義に該当する薬物であれば、犯罪行為と認められ、法に基づき法定刑に処されます。
 特に麻薬の運搬、所持、提供、譲渡、取得、輸入等に関与した者は、状況に応じて拘禁刑および罰金刑が科せられることとなります。また、麻薬犯罪は捜査当局が徹底した取締りを行っており、もし麻薬の所持等が発覚すれば、身柄を拘束される可能性がありますので、いかなる麻薬にも絶対に手を出さないようにしてください。街頭で麻薬の購入をすすめられるケースもありますが、声を掛けられても相手にせず、そのまま立ち去ってください。また、不審なもの(ばら売りのタバコ等)を不用意に購入せず、見知らぬ人物から物品の運搬を依頼されても絶対に応じないでください。

(3)危険物等の携行
 ドイツでは、武器法により銃器、刃物や催涙スプレー等の危険物を正当な理由なく携帯することは禁じられています(銃砲刀剣類の所持は許可制です)。
 また、テロ対策の観点から、公共の場所(駅、空港や公園等)に一時的にでも荷物(スーツケースや段ボール等)を放置した場合には、不審物と判断され、警察の爆発物処理班が出動することになります。その結果、列車や航空機が遅延した場合には、損害賠償を請求されるなど、重大な責任を問われるほか、警察が対応にあたった時間の長短に応じた罰金の支払いを命じられることがあります。自分の荷物は必ず携行するか、コインロッカー等に預けるなどし、責任をもって管理してください。

(4)喫煙/禁煙
 法令により、ドイツ国内の公共施設等(公共交通機関や職場を含む)では喫煙が禁止されており、違反者には罰金が科されます。また、各州の規則により、さらなる禁煙措置が取られています。なお、一般的に屋内では禁煙となっていますので、屋外の灰皿が設置されている場所で喫煙してください。

(5)飲酒運転
 ドイツでは道路交通法(StVG)および刑法(StGB)により、血液中に0.05パーセント(=0.5パーミル)以上、または呼気1リットルあたり0.25mg以上のアルコールが認められる場合には、(車両を安全に運転できるかどうかにかかわらず)罰金および免許停止処分となります。また、血中アルコール濃度が0.11パーセント(=1.1パーミル)以上の場合には、罰金または逮捕/拘禁に加え、免許取り消しとなります。
 さらに、「飲酒のために安全に運転できない状態にある」と警察官が判断した場合には、事故を起こしたか否かにかかわらず罰則を受けることとなりますので、少量とはいえ飲酒した際には車両の運転を控えてください。
 なお、運転手の飲酒が発覚した場合には、同乗しているか否かを問わず、車両所有者(オーナー)も罰せられます。

3 一般的な交通事情
(1)自動車を運転する際の留意事項
ア 携行書類等
 運転の際には常に免許証、車両証(Zulassungsbescheinigung Teil1)および身分証明書を携帯してください。また、自動車に常備しておくものとして、保険関連書類(コピー可)、事故表示三角板、救急箱、車両故障時等に着用する上衣(ビブス)等があります。

イ 運転上留意すべき点
 ドイツでは、一般的に交通ルールが遵守されています。しかし、優先権がある自動車や自転車がスピードを緩めずに突っ込んでくることが往々にしてあり、事故も多く発生しています。
 また、左ハンドル右側通行であることに加えて、次のとおり日本人にとってはなじみのないものを含め、独特の規則や習慣がありますので、運転の際は注意してください。
(ア)信号のない交差点で、特に一時停止や優先道路の表示が無い場合は、常に自分の右手の道路から進入してくる車が優先です(右側優先の原則)。
(イ)交差点を左折する際は、特に指定のない場合「小回り」(交差点の中心のすぐ内側を徐行)です(1992年7月1日より法律が変わりましたが、いまだにドイツ人でもよく間違えます)。
(ウ)信号機と並んで右を指した緑色の矢印が付いている場合は、赤信号であっても右折車は安全確認のうえ右折可能です(旧東独地域に特に多くみられます)。
(エ)バス・タクシー専用車線では、一般車両の通行は禁止されています。
(オ)身体障害者用車両や医療機関車両専用の駐車スペースは駐車禁止です(厳しい取り締まりの対象となります)。
(カ)冬期(一般的に10月から3月)には、冬タイヤの装着が義務付けられています(特に降雪時に冬タイヤを装着していない場合は罰金の対象となります)。なお、スパイクタイヤやチェーンの装着は禁止されています。
(キ)「12歳未満または、身長150cm未満の子供」に対してはチャイルドシートの使用が義務付けられています。

(2)交通違反および交通事故
ア 交通違反および罰金
 交通ルールはほぼ日本と同様です。軽度の違反についても反則金が科されますが、反則金は現場の警察官に直接支払う場合と、後日振込用紙が送付され、指定口座に振り込む場合があります。

イ 交通事故
 交通事故を起こした場合には、一般的に次の手順で処理します。
(ア)事故を起こしたら、些細なものであってもすぐにその場で車両を止め、エンジンを切ってください。なお、けが人がいる場合にはその救助を第一に考えてください(救急112番)。
(イ)必ず警察(110番)を呼び、現場検証を受けてください。警察に連絡しないと罰せられる可能性があります。車両は通常動かしませんが、交通量の多い交差点等では例外的に車を脇に寄せることもあります。なお、事故責任については警察が判断しますので、事故相手に対して謝罪と取られるような言葉は一切言わないよう注意してください。
(ウ)当事者間で住所、氏名、所属、保険会社名を交換してください。もし自分に非があるとされた場合は、自分の加入している保険会社に対し、事故の内容、相手の氏名、住所、保険会社名などの情報を伝えてください。もし相手方に全責任がある場合は、相手方保険会社からの連絡を待つこととなります。
(エ)自分に非がないと判断する場合は、目撃者を確保してください。通行人や自車の後方を走行していた車のドライバー等、誰でもかまいません。住所、氏名を聞き、証人になってもらうことにつき同意を得ておくとよいでしょう。

4 災害対策
 ドイツは比較的災害の少ない国であるとされていますが、2021年7月、ドイツ西部(特にラインラント・プファルツ州およびノルトライン・ヴェストファーレン州)において短時間に激しい雨が降り、多数の死傷者が出る豪雨災害が発生しました。 こうした緊急事態は、いつ、どこで、どのような形で発生するか予測することは困難です。
 緊急事態が発生した場合、在外公館では正確な情報収集に努め、事実関係を確認し、必要な情報を迅速に提供するとともに、安否確認に力を尽くしますが、状況によっては通信インフラに問題が生じ一切の情報が途絶し孤立化することも考えられます。
 平素から緊急事態に備えた心構えを持ち、各緊急連絡先や連絡手段を家族、所属先等で共有しながら、いざという時の行動要領を検討するなど、自らの安全対策に万全を期すことが大切です。
 緊急事態発生時の心構えや対処要領の詳細は、「安全の手引き」P30〜P34をご確認ください。
 https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_tebiki.html

(参考〜ドイツ政府機関:自然災害)
・ドイツ気象庁(DWD)
 https://www.dwd.de/DE/wetter/warnungen/warnWetter_node.html
・ドイツ気象庁(DWD)X(旧ツイッター)
 https://twitter.com/dwd_presse
・ドイツ国民保護・災害支援庁ウェブサイト
 https://warnung.bund.de/meldungen
・独政府の災害警告アプリ(NINA)
 NINA(グーグル)https://play.google.com/store/apps/details?id=de.materna.bbk.mobile.app&hl=en_US&gl=US
 NINA(アップル)https://apps.apple.com/de/app/nina/id949360949?l=en


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