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レバノン

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● 滞在時の留意事項

1 滞在・就労許可
(1)長期滞在を希望する場合、目的によって6か月から3年間有効の滞在許可(Resident Visa)を公安総局外国人課に申請して取得する必要があります。滞在許可期間を超えた滞在は不法滞在となり、罰則の対象になりますので、注意が必要です。
(2)就労する場合には、入国前に就労査証を取得し、入国後、労働省(Ministry of Labor)で就労許可を取得する必要があります。原則として就労許可は1年間有効のものが発給されますが、本人が同じ企業に就労していることを条件に、3年間を限度に1年ごとに更新ができます。
(3)滞在許可および就労許可に関する違反には、罰金または6か月から3年の禁固刑が科されます。

2 在留届
 レバノンに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第、遅滞なく在レバノン日本国大使館に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をおすすめします

3 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、レバノンで事件や事故、自然災害等が発生し、在レバノン日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

4 立入制限区域等
(1)パレスチナ難民キャンプ
パレスチナ難民キャンプは、一般の立ち入りが厳しく制限されており、立ち入った者は不審者として当局に拘束される可能性がありますので、難民キャンプへの入域は絶対にやめてください。過去には、不注意が原因で意図せず難民キャンプに紛れ込んでしまった日本人が当局に事情を聴取される事案も発生しています。また、難民キャンプ内では武器を用いた衝突事案が頻発しています。テロリストが潜伏するなど、非常に危険な難民キャンプもありますので、十分注意してください。
(2)南部および北東部のイスラエルとの国境地帯
イスラエルに接する南部(リタニ川以南)の一部地域ではレバノン国軍および国連軍(UNIFIL)が展開し厳重な警戒が行われている場所があります。また、南部および北東部の国境地帯では地雷の除去作業が行われている場所があり、これらの場所は一般の立ち入りが制限されていますので、これらの地域への入域はやめてください。
 更に、南部地域の一部の村では外来者に対する警戒心が非常に強く、立ち入った旅行者がカメラやパソコン等を村人に没収される事案、2022年12月にはUNIFIL所属のアイルランド部隊兵士殺害事件も発生していますので、注意が必要です。
(3)シリアに接する地域
アッカール県、バールベック・ヘルメル県及びベカー県のシリア国境近接地域は、2011年からのシリア内戦中にISILが侵入し、2017年のレバノン国軍による掃討作戦後、国軍が国境管理のため厳重な警戒を維持しています。シリアに接する同地域において国境に近づく者は不審者と判断され、拘束される可能性があります。また、同地域にはシリア難民が非公式に多数居住しており、治安当局が立ち入りを制限しています。同地域への入域はやめてください。
(4)検問(身分証明書等の携行)
治安情勢に応じ、主要道路などでの検問が強化されることがありますので、身分証明書(旅券や当地の滞在許可証等、またはそのコピー)は常時携行してください。

5 写真撮影の制限
ISF(国家警察軍)やレバノン国軍などの治安関連施設、パレスチナ難民キャンプ、政治団体の施設などの撮影は絶対にやめてください。また、軍事施設に隣接している場所や民兵組織等の構成員および施設の写真撮影には許可が必要な場合があり、許可無く撮影した場合はスパイ容疑等で身柄を拘束されたり、カメラ等を没収されたりする可能性もあります。
明確な表示や制服を着た警備員等が存在しない建物であっても、治安関係施設として使用されている場合があり、私服の警備員が撮影等の行為を厳しく取り締まっていることがあるため注意が必要です。

6 各種取締り法規
(1)違法薬物
レバノン国内では麻薬は厳しい取り締りの対象となっており、麻薬を所持しているだけで2か月〜3年の懲役刑に処せられます。
(2)国家等に対する侮辱行為
国家、宗教的信条および国家公務員に対する侮辱は、最高2年の禁固刑が科せられます。宗教や警察官、軍人、出入国管理官等に対する侮辱的言動は絶対に行わないでください。
(3)売買春
売買春行為は禁固刑以上の罰則が科せられます。

7 交通事情
(1)一般事情
レバノンでは交通規則を遵守するという意識が非常に希薄です。交通マナーは極めて悪く、歩行者優先ではありません。飲酒運転、スマートフォンを操作しながらの運転、信号無視、バイクによる強引なすり抜け、一方通行の逆走といった交通違反が頻発しています。
(2)車の運転
レバノンの交通事情に慣れていない間は自身で運転することを避け、タクシー会社に配車を依頼するか、運転手付きのレンタカーの利用を推奨します。
(3)車両保険への加入等
交通事故が発生した場合、警察は人身事故には関与しますが、物損事故には関与しないことが多く、その際は当事者間で解決しなければなりません。事故処理の交渉は困難なケースが多いため、車両保険への加入を推奨します。なお、わずかな傷や凹み程度の接触事故では、相手がそのまま立ち去ることがありますので注意してください。
(4)検問通過にあたっての留意事項
主要幹線道路等には検問所が多数設置されているほか、治安維持のため臨時の検問所が増設されることがあります。検問所を通過する際には、必ず治安関係者の指示に従ってください。また、身分証明書(旅券や当地の滞在許可証等、またはそのコピー)は常時携行してください。

8 抗議デモ
 レバノン国内の経済危機が継続する中、現地通貨(レバノン・ポンド(LBP))の価格が暴落し、燃料不足、停電、食料品および医療品等の生活必需品の不足・価格高騰も更に深刻化し、国内各地で生活困窮者等による抗議行動が常態化しています。
デモ自体は概ね平和的に行われているものの、デモを妨害しようとする特定政党の支持者と参加者との小競り合いにより、負傷者が出た事例や発砲で死傷者が出た事例が確認されています。また、デモに伴い主要幹線道路を含めて道路が封鎖されてしまうこともあります。
 抗議デモに遭遇した場合は決して群衆には近づかず、速やかにその場を離れるようにしてください。また、道路封鎖の可能性を念頭に置き、時間にゆとりをもって行動するようにしてください。特に空港を利用する際は、予定の航空便に乗り遅れないよう注意してください。

9 備蓄品や現金等の確保
(1)レバノン南部のイスラエルとの国境地帯の急速な情勢悪化に加え、2023年には地震や洪水等の自然災害も発生しています。また、レバノンの経済危機の影響を受け、燃料不足、停電、食料品および医療品等の生活必需品の不足・価格高騰が深刻化しています。
平素より食料や医薬品等を備蓄しておくとともに、ガソリンはこまめに給油することをおすすめします。
(2)また、レバノンにおいては銀行が引き出し限度額を制限するなどの措置を取っているほか、海外のクレジットカードが使用できる場所は限られており、現金払いが主流です。日頃から一定の当座の現金を手元に置いておくことをおすすめします。


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