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香港
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● 滞在時の留意事項
1 大規模集会、デモ
2019年に多数発生した大規模な集会やデモ、破壊活動を伴うような違法な抗議活動は現在見られず、当地の情勢や基本的に落ち着きを取り戻した状況が続いています。
一方、抗議活動が突発的に発生する可能性はあります。こうした活動に巻き込まれると、身に危険が及ぶおそれがあるほか、抗議者と間違われて逮捕される可能性もありますので、抗議活動には近づかないようにするとともに、無用な誤解を招くような言動は行わないように注意してください。
2 過去の歴史に関わる記念日に関連した抗議活動
香港における対日感情は一般的に極めて良好であるものの、歴史教育の強化を含む愛国主義教育が進められており、過去の歴史に関わる「記念日」が香港教育局から「国民教育−活動計画カレンダー」に挙げられ、特に以下の「記念日」及び8月15日(1945年)の終戦記念日については、念のため慎重な言動・態度が望まれます(なお、これまで抗議活動などは確認されておりませんが、12月25日(1941年)は香港陥落の日であることも念頭に置いてください)。また、先の大戦等に関連して我が国に対する要求を行う団体、尖閣諸島に関して中国の領有権を主張する団体等による抗議活動が行われることがあるため、該当する記念日に外出等される場合は、以下の点にご留意ください。
○ 最新の治安情報を入手し、外出先の安全を確かめるように努める。外出中は不審者の接近等、周囲の状況に留意するとともに、複数人で外出する等、特にお子様連れの場合には十分な安全確保に努める。
○ 在香港日本国総領事館が所在する中環地区の交易広場(Exchange Square)周辺に近寄る必要がある場合 には、周囲の様子に細心の注意を払う。
○ 抗議活動や衝突等の場に遭遇した場合は決して不用意に近づかない。その様子をスマートフォン等で撮影する等の行為も不用意に行わない。
○ 万が一、警察側に身分確認等を求められる場合に備え、外出時にはID等の身分証明書を携帯する。
○ 不審物や所有者が明らかでない物には近づかない。
○ 万が一、トラブルに巻き込まれた場合には、速やかに在香港日本国総領事館に支援を求める。
(過去の歴史に関わる記念日)
・ 7月7日(1937年) 盧溝橋事件(七七事変、日中戦争の発端)
・ 9月3日(1945年) 抗日戦争勝利記念日
・ 9月18日(1931年)満州事変(柳条湖事件)
・ 12月13日(1937年)南京事件(「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」)
3 香港国家安全維持法等
2020年6月に香港国家安全維持法(以下「香港国安法」)が成立・施行され、さらに2024年3月には国家安全維持条例(以下「国安条例」)が成立・施行されました。国家安全に危害を及ぼす行為への対策が強化されており、注意する必要があります。
香港国安法においては、中国からの香港の分離独立や政権転覆を目的とした行為、テロ行為、外国勢力と結託して国家安全に危害を加える行為などの活動が犯罪として規定されています。また、国安条例においては、国家反逆行為、反乱行為、扇動的意図のある行為、国家秘密の不法開示等の行為、間諜活動(スパイ活動)、国家安全に危害を与える域外干渉行為などの活動が犯罪として規定されており、最高刑は終身刑です。
例えば、国家安全に危害を与えるような抗議活動への参加、扇動的意図や国家秘密を含む内容のインターネット上への投稿、扇動的意図を持つ出版物の発行・所持・輸入、禁止地域(防衛施設、軍事制限区域等)への合理的な理由のない立入りやその撮影その他の違法な活動を行ったと当局がみなした場合、香港域外で行われたものも含め、逮捕や刑罰の対象となるおそれがあります。また、こうした「国家安全に危害を与える犯罪」により逮捕されると、弁護士との面会が逮捕後最大48時間において制限されたり、特定の弁護士との面会が拘留中認められないなどの制約が課されるおそれもあります。
これまでのところ日本人が逮捕された事案は把握していませんが、香港国安法及び国安条例の今後の運用状況について注意深く見ていく必要があります。
4 身分証明書の携行
15歳以上の長期滞在者は、香港特別行政区政府発行の身分証明書(IDカード)の常時携帯が義務づけられています。旅行者の場合、パスポートの携帯義務はありませんが、警察等に提示を求められた際、場合によってはホテル等まで警察官が同行した上、パスポートを確認されることがあります。
5 立入禁止地域
中国との境界地帯に禁区境界(Closed Area)の立入禁止区域があるほかは、特に旅行が制限されている地域はありません。
6 写真撮影
軍事施設関係は撮影禁止になっており、撮影禁止場所にはその旨大きく表示されています。
7 各種取締り法規
(1)不法滞在等
不法滞在や不法就労等の取締りのため、警察、入境事務處による抜き打ち検査が行われています。
長期滞在者が滞在中に勤務先を変更する際、あらかじめ入境事務處から許可を受けずに次の新しい仕事に就いた場合、不法就労として罰せられます。不法就労が発覚した場合は、罰金、強制退去等の厳罰が科させられます。
(2)喫煙等
建物内及び公共交通期間内では全面禁煙となっており、違反すると1,500香港ドルの定額罰金が科されます。また、公共交通期間内では飲食も禁止されています。
(3)違法薬物
ヘロイン、覚醒剤及び大麻等の密輸、販売、所持及び運搬は一切禁じられています。これらの違反に対しては、厳罰が科されますので、絶対に使用・保持したり、入手を試みたりしないでください。麻薬等違法薬物の密輸は、それが意図的であるか否かにかかわらず持ち込む行為のみで重い刑罰が科される可能性があります。旅行中に知り合った人に、荷物を運ぶことを頼まれ、知らずに密輸に加担してしまうことがありますので、薬物犯罪に巻き込まれないようにご注意ください。
また、2023年2月1日から大麻由来成分「カンナビジオール」(CBD)及びカンナビジオールを含む製品について、2025年2月14日からスペースオイルドラッグの主成分として乱用されている麻酔薬「エトミデート」とその3つの類似物質(メトミデート、プロポキサート、イソプロポキサート)について、輸出入、製造、所持、使用が禁止となりました。最近、香港では、スペースオイルドラッグと呼ばれる違法薬物が流行しており、使用した者が死亡する事案も発生しています。 スペースオイルドラッグは、電子タバコ等を利用した簡易的な方法で乱用することが可能な違法薬物です。これらに違反すると最大で500万香港ドルの罰金と終身刑に処せられる可能性がありますので、十分注意してください。
(4)スタンガン、催涙スプレー等の携行
スタンガン、催涙スプレー、ナックル、警棒は「武器」として取り扱われ、その指示は法律で禁止されています。違反者には最大10万香港ドルの罰金と禁錮14年が科される可能性があります。香港への旅行者、あるいは、香港でトランジットする旅行者が、これらを所持していたことにより、香港国際空港で逮捕されるケースがあることから、注意が必要です。香港警察ホームページ( http://www.police.gov.hk/ppp_en/04_crime_matters/cpa/cpa_at_01.html )もご参照ください。
(5)児童虐待
16歳未満の児童を付き添いなく家に放置したり、外出させて事故に遭った場合、保護責任放棄や児童虐待の罪により罰される場合があります。
(6)ポルノ製品
ポルノ写真やわいせつな描写のある漫画等が掲載されている出版物は、取締りの対象となっています。また、映画についてもわいせつな場面はカットされます。
(7)模造ブランド品等
模造ブランド商品や違法DVD等の商標権・意匠権・著作権を侵害するような商品の製造・所持・販売・購入等は法律で禁じられています(最高50万香港ドルの罰金、5年以下の禁錮刑が科されます)。ブランド品等は、模造品等の購入を避ける上でも、正規の取扱店で購入するようにしてください。模造品の購入・所持は香港の法律により罰せられることがあり、また、日本でも模造ブランド品等を国内に持ち込むことは禁じられています。
(8)ゴミのポイ捨て等
公衆の場所で、ゴミを捨てる、つばを吐く、広告ポスターを不法に貼り付ける、または犬の糞便で街路を汚したりすると、3,000香港ドルの定額罰金が科せられます。
(9)シートベルトの着用
タクシーを含む乗用車に乗車する際は、後部座席も含め、全員シートベルトの着用が義務づけられています(シートベルト非装着車を除く)。違反すると最高5,000香港ドルの罰金と禁錮3月が科されます。
なお、香港・マカオ間の高速フェリーを含め、船舶への搭乗中は、安全のため、シートベルトが装着されている座席では必ずシートベルトを着用されることをおすすめします。
8 ハーグ条約
香港は、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的なこの奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の対象地域です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締結国から他のハーグ条約締結国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることになります。ハーグ条約についての詳細は外務省ホームページ
(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html )をご覧ください。
9 在留届
香港に3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システムを通じて、在香港日本国総領事館等に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
在留届の届出は、オンラインhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html による登録をおすすめしますが、郵送によって行うこともできますので、在香港日本国総領事館宛に送付してください。
10 たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報等を日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、香港で事件や事故、自然災害等が発生した際に、在香港日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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