=-=-=-=-=-=-=-=

ネパール

=-=-=-=-=-=-=-=
● 滞在時の留意事項

1 滞在時の各種届出
(1)ネパール政府に対して外国人登録を行う必要はありませんが、滞在の目的に見合った査証を取得しておく必要があります。

(2)在留届
 ネパールに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく在ネパール日本国大使館に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めしますが、郵送またはFAXによっても行うことができますので、大使館宛てに送付してください。

(3)たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ネパールで事件や事故、自然災害等が発生し、在ネパール日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

2 SIMカードの契約
 ネパール警察では、トレッキング中の遭難など不測の事態が発生した場合に、携帯電話会社と連携して、携帯電話・スマートフォンのGPSを活用した捜索活動を行っています。
 他方で、携帯電話会社のSIMカードを契約していなかったために、GPSを活用した捜索活動が出来ず、未だに発見に至っていない行方不明者もいるとされています。
 ネパール警察は、特にトレッキングなど山岳地帯を旅行される方に対して、可能な限り携帯電話会社のSIMカード(事務手数料100ネパール・ルピー、28日間20GB利用で499ネパール・ルピーなど)の契約をお勧めしています。例えば、トリブバン国際空港到着ゲート内にはネパールの携帯電話会社(ネパールテレコム、Ncell)のSIMカード契約用受付カウンターがあります。

3 旅行制限
 ヒンドゥー教の施設の主要部分には、宗徒以外は立入りができません。また、牛革靴など牛革製品を身につけての入場を禁止されている施設もありますので、ご注意ください。

4 写真撮影の制限
 空港および軍関係施設の写真・動画の撮影は禁じられています。また、観光客がよく訪れるカトマンズ市内にあるクマリ寺院の「生き神様」と呼ばれる少女およびいくつかのヒンドゥー教寺院、一部の博物館等の撮影も禁じられています。その他、一部の大使館を含む外国施設でも撮影を禁じられている場所がありますので、十分注意してください。

5 各種取締法規
(1)薬物
 ネパールでは薬物に対する取締りが厳しく、空港での荷物検査も例外ではありません。外国人であっても違反した場合には禁固刑および罰金刑に処せられます。観光客の集まる場所では薬物の購入を勧める密売人をよく見かけますが、安易に手を出すと取り返しのつかない結果になります。また、「日本にいる友人に荷物を届けてほしい」と頼んでくるネパール人がいますが、知らないうちに薬物の運び屋として利用されることがありますので、そうした依頼は決して引き受けないでください。さらに、お金に困っている日本人に荷物を運べば高額の報酬を支払うと声を掛けられ、親切心や打算から安請け合いをして、想像しなかった事態に陥る例が報告されています。慎重に考えて行動してください。

(2)喫煙
 ネパールでは、公共施設等、喫煙禁止場所が法律で指定されています。また、カトマンズ市内では、路上喫煙が禁止されています。違反した場合は、100〜100,000ネパール・ルピーの罰金が科せられます。具体的な場所は以下のとおりですが、これらは例示的な場所であり、これ以外の場所でも不用意に喫煙をすることのないよう十分注意してください。
○ 政府施設およびその関連施設
○ 教育施設、図書館および学生寮
○ 空港施設内
○ 公衆トイレ
○ 文化センター、ホテル(喫煙可の自室を除く)、レストラン
○ 公共交通機関(マイクロバス、テンプー)およびその待合所

(3)刑法の改正(「宗教に関する犯罪」)
 ネパールでは、2018年8月に刑法規定の「宗教に関する犯罪」部分が改正されたことにより、宗教活動(布教活動のみならず、改宗を持ちかけたと疑われるような行為を含む)に対する取り締まりが厳しくなっています。実際に、外国人の逮捕例もあるので、十分注意してください。なお、この法律に違反した場合は、5年以下の懲役および5万ネパール・ルピー以下の罰金が科せられます。

6 交通事情
(1)交通マナー
 ネパールの道路事情として、陥没や未舗装、歩道の未整備等の場所が多いです。また、信号機の多くは使用されておらず、横断歩道も少ないため、歩行者は車両の合間を縫って横断する状況が見られます。さらに、交通ルールやマナーに対する意識は非常に希薄であることに加え、歩行者優先という概念はなく、交差点での一時不停止、無理な追い越し、違法駐車、無秩序な道路横断等が日常化しており、慣れない外国人旅行者にとっては非常に危険です。

(2)道路状況等
 ネパールは、インフラの整備が遅れており、街灯等の設備がありません。夜間に徒歩で移動することは道路の穴や側溝等に足を取られ転倒するなどして怪我をするおそれが高く非常に危険であるほか、強盗、ひったくり等にあう可能性も高くなります。また、カトマンズ市内では、道幅が狭いことや自動車・オートバイの増加により、日中の渋滞が恒常化しています。さらに、道路にはオート三輪、自転車、歩行者、牛、野犬等が混在し、その隙間を縫って自動車が走行するため、路上では細心の注意が必要です。自身で運転する場合はスピードを出しすぎないように注意してください。また、脇道からの車両・バイク・人等の飛び出しに十分注意してください。

(3)運転免許証
 ネパールで自動車を運転するには、現地の運転免許証の取得が求められます。 2022年10月1日現在、日本の運転免許証からネパールの免許証への切り替えは行われておりませんので、運転免許証をネパールで新規に取得する必要があります。取得には、交通局で筆記(ネパール語)・実技試験を受験し、合格する必要があります。なお、外国人であっても、バイク・自動車を購入する際にはネパール保険(日本の自賠責保険に相当)への加入が義務付けられています。

(4)交通事故
 交通事故の被害者になった場合、加害者の加入保険には限界があり、ネパールでは日本と異なり多くの場合十分な補償を受けられません。事故に遭わないよう十分注意してください。また、当地の交通事情に慣れないうちは、レンタカーを利用する際も自身で運転せず、必ず運転手付きのレンタカーを使用してください(これまでも、多数の日本人の交通事故例の報告を受けています。路上で歩行中、バイクや車に衝突されて大けがした事例や、逆にバイクを運転していて交通事故を起こし、相手に大けがをさせて賠償金を払った加害例もあります)。万一、交通事故の当事者となった場合は、すぐに警察に通報してください。

(5)検問
 カトマンズ市内を始め各地において、武器や薬物の密輸を取り締まるため、恒常的に警察や軍による検問が行われています。陸路で移動する場合、検問所で乗客全員がバスから降ろされ、全員の身分事項、荷物検査が終わるまで出発する事ができず、長時間待たされた例も報告されています。

(6)タクシー、バス
 タクシーはスピードの超過や無理な追い越しを行う傾向があります。そのためタクシーを利用する際は、危険を感じたら運転手にすぐ注意することが必要です。地方への長距離バスは、転落事故・追突事故が毎年各地で多数発生しており、多くの死傷者が出ています。安価なローカルバスや夜行バスの利用は避け、安全のため、長距離の移動は飛行機を利用してください。

(7) 航空機事故
 当国では、急峻な地形や不十分な航空設備等もあり、散発的に航空機事故が発生しています。2022年5月には、ムスタン郡でTara航空の国内線が墜落し22名が死亡、2023年1月には、ポカラでYeti航空の国内線が墜落し、乗員・乗客70名以上が死亡する事故が発生しました。ついては、旅行等で国内線等をお使いの場合は、旅行会社等から比較的安全なルートや航空会社の情報を入手することをお勧めします。


−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−