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● 滞在時の留意事項

中国政府は,自国の法律を遵守する外国人は歓迎する一方で,これに違反する者は,厳しく取り締まる方針を打ち出しています。中国に渡航,滞在される方は,中国の法令を遵守してください。

1 パスポート紛失に関する注意
 日本人がパスポートを盗まれたり,紛失したりする事例が多発しています。中国でパスポートを紛失すると,極めて複雑な手続きが必要になり,また,手続きが完了するまでには相当の日数を要し,日程の大幅な変更を余儀なくされるのみならず,航空券の再取得,宿泊費の支弁等に多大な負担が発生しますので,十分注意してください。万一中国国内でパスポートの盗難に遭ったり,紛失した場合は,直ちに管轄の日本国大使館又は総領事館までご連絡・ご相談ください。
 なお,パスポートの盗難・紛失したときの手続きは,一般的には以下のとおりです。
ア 「報案」:最寄りの派出所において事案発生(「報案」)証明を取得する。
イ 「護照報失証明」:公安局の出入国管理部門に赴き,パスポート紛失証明(「護照報失証明」)を入手する。
ウ 「渡航文書作成」:在中国日本国大使館又は最寄りの日本国総領事館において,新たなパスポートや「帰国のための渡航書」の発給を受ける。
エ 「出国ビザ申請等」:あらためて公安局の出入国管理部門で出国ビザや滞在 ビザを申請・取得する。
 この一連の手続きが終了するまでには,都市により異なりますが,早くても概ね1〜2週間,長期滞在者の場合は3〜4週間程度かかり,その間日本への帰国はもちろん,中国国内の移動も制限されることになります。

2 中国の出入国管理,外国人管理で特に注意すべきこと
(1)臨時宿泊登記
 外国人が中国に滞在する場合,24時間以内にその滞在地を管轄する現地公安局に対して「臨時宿泊登記」を提出しなければならないとされています(「出境入境管理法」)。
 しかし,一般的なホテルや,フロントデスクがあるサービス型マンション等では,チェックインをすれば,「臨時宿泊登記」を自動的に代行してくれるため,宿泊者本人が手続きする必要はありません。しかし,親族や友人宅に宿泊する場合,あるいは日本から来た親族や友人を自宅に泊める場合には登記の必要があるので,宿泊者本人と宿泊先の主人とが直接,最寄りの派出所に出向いて「臨時宿泊登記」を行う必要があることにご留意ください。 なお,この登記を行わない場合は,宿泊者及び宿の提供者はともに法律違反となり,罰金が科される可能性があります。
 居留許可取得手続き,あるいは滞在許可の延長などの手続きを行うためには,この登記に基づいて発行される「臨時宿泊証明書」が必要となりますので,ご注意ください。

(2)パスポートの常時携帯義務
 16歳以上の外国人はパスポートの常時携帯が義務づけられています。街頭で警察官に職務質問をされた際などにパスポートを提示できないと,派出所へ連行され事情聴取を受けることもあります。
 また,ホテル等の宿泊,航空機や高速鉄道等を利用する場合では,年齢を問わず,原則パスポートが必要です。
 パスポートを携行していないだけで既に法律違反に該当していることを十分念頭に置く必要があります。
 なお,主要な観光スポットでは,安全検査やチケット購入の際,身分確認のためにパスポートの提示を求められることが増えているところ,ご留意ください。

(3)オーバーステイ(不法滞在)
○滞在許可期間を超えて滞在を続けるとオーバーステイ(不法滞在)として処罰されます。オーバーステイになると,1日につき500元,上限10,000元の罰金の他,行政拘留,更には再入国禁止措置がとられることもあります。滞在許可日数については常に確認しておくようにしてください。
○無査証(ビザ無し)で中国に入国した方の中には,たとえば15日以内に出国し,香港やマカオ,韓国等に数日滞在した後,再入国を繰り返し,長期間の滞在を試みる方もいるようですが,パスポート上の出入国履歴を見た当局者が「不審な出入国」と判断する場合には,強制退去に加え入国禁止措置を受ける可能性もあります。長期滞在予定者は,本来の滞在目的に則したビザを取得して入国してください。

(4)資格外活動の禁止,不法就労
 数次有効の短期商用査証(Mビザ)で目的外活動(就労査証(Zビザ)に該当する活動等)に繰り返し従事した場合は,ビザの目的・種類に合致しない活動に従事しているとして,出境入境管理法違反により,罰金,拘留,強制退去及び再入国禁止の処分を科される可能性があります。
 また,中国で就労できるのは,就労査証(Zビザ)所持者か,永住者の資格保持者に限られます。右以外の滞在資格で就労すると不法就労となり,5,000元以上20,000元以下の罰金(行政罰)が科せられ,行政拘留や国外退去処分を受けることがあります。
 さらに,留学生のアルバイトやインターンシップの資格保持者も,手続きを経れば就労活動が可能であると規定されてはいるものの,極めて複雑な手続きが必要であり,実際には許可を得られることはほとんどありません。こうした手続きを経ずにアルバイトをした場合には,不法就労となりますので,ご注意願います。

3 旅行制限等(未開放地区)
(1)中国には,外国人が特段の許可を取ることなく自由に行ける「開放地区」と制限区域に該当する「未開放地区」(立入禁止区域)があります。かつては多くの場所が未開放地区でしたが,最近では市や県といった行政区画単位で丸ごと「未開放地区」である場所はほとんどなくなりました。しかし,まだごく一部地域で「未開放地区」が設けられており,外国人にとってはその存在が非常に分かり難くなっています。

(2)「未開放地区」を訪れる場合,事前に公安局に申請して旅行証明書を取得する必要があるので注意してください

(3)「未開放地区」には指定されていませんが,チベット自治区への入域に際しては,「入藏証(チベット入境証)」を事前に取得する必要があります。こうした手続きについては,旅行会社に問い合わせてください。

4 写真撮影の制限
 軍事関係の施設・設備,国境管理施設などの一部の公的施設等では写真撮影が厳しく制限されており,逮捕に至らなくても当局から一時拘束され,撮影した写真を調べられる事例が少なくありません。また,一般市民や少数民族等による街頭デモなどの政治活動を写真撮影していて,警察官から撮影データの削除を求められたりフィルムを取り上げられた例もあります。
 撮影した対象が国家機密に触れると判断された場合は重罪となりますので,決して興味本位でこれらの施設等を撮影しないようにしてください。スケッチも取締り対象になる可能性があります。
 なお,一部の博物館,美術館等では写真撮影が禁止されています。撮影可能な場所なのか事前によく確認しておくことが肝要です。

5 麻薬等違法薬物犯罪
 中国政府は,大麻・麻薬類や覚醒剤等の密輸,販売,運搬,製造,所持,譲渡を厳しく取り締まっており,運び屋などを行った日本人が検挙されるケースも多数発生しています。違反者には厳罰(最高刑は死刑)が科せられ,これまでに7人の日本人に対して死刑が執行されています。
 麻薬等違法薬物犯罪に巻き込まれないためには,薬物に関係しているような怪しい人物とは関わらないように留意し,薬物使用等に関する誘いや,怪しい物品の保管や運搬の依頼は断固として断ることが肝要です。

6 売買春等
 売買春行為は違法であり,「治安管理処罰法」の適用を受け,性的サービスの提供を受けた側も処罰の対象となります。検挙された場合,最高15日以内の拘留及び5,000元以下の罰金が科せられるほか,国外退去処分を受け,その後中国へ一定の期間入国禁止となる場合もあります。
 特に上海において,街中で勧誘を受けて性的サービスを伴うマッサージを受け,多額の支払いを強要される事案が相次いでいます。性的サービスを受けている場合は恐喝などの被害を訴えることが難しいため,怪しい誘いには絶対に乗らないことが肝要です。

7 銃器犯罪
 中国では,国内における貧富の格差の拡大等に伴い,暴力団(黒社会)関係者による銃器を用いた殺人・強盗殺人等の凶悪犯罪が発生しています。

8 外国人が注意すべき活動
(1)政治活動
 外国人の集会,行進,示威等の政治活動を行うことは厳しく制限されています(「集会遊行示威法」等)。これらの活動に参加し,公安局等主管機関の関係法令等に違反した場合,活動の種類や程度によって処罰を受けます。単にビラを配布しただけでも,その記載内容によっては,違法又は犯罪と認定され,厳罰が科せられることもあります。

(2)「スパイ行為」と見なされる行為,国家機密窃取等
 中国では,刑法,反スパイ法,軍事施設保護法,測量法(中国語で「測絵法」)等により「国家安全に危害を与える」とされる行為は,国家安全部門に長期間拘束され取り調べを受ける上,懲役などの刑罰を科されるおそれがあります。2017年4月に北京市政府が市民による「スパイ行為」の通報を奨励する規則を公布する等,最近の中国政府は,「国家安全」に関する立法や対策,宣伝を強化しています。「国家安全に危害を与える」とされる行為は必ずしも明確ではなく,様々な行為が取締りの対象とされているため,疑わしい行動を取らないよう注意することが必要です。たとえば,中国政府の機密情報を持ち出したり国外の組織に提供することは「国家安全危害罪」とされ,厳罰に処されるおそれがあります。
「軍事禁区」や「軍事管理区」と表示された軍事施設は,軍事施設保護法により,許可なく立入ったり撮影すること等が禁止されていますので,特に注意する必要があります。
 また,許可なく測量調査等を行うことは違法であり,GPSを用いた測量,温泉掘削などの地質調査,生態調査,考古学調査等に従事して地理情報を窃取すると,「国家安全に危害を与えた」として国家安全部(局)に拘束される可能性があります。
 そのほか,統計法では外国人による無許可の統計調査が禁止されており,学術的なサンプル調査(アンケート用紙配布等)を実施する場合などでも,調査行為が法律に抵触することもあるので,共同調査を実施する中国側機関(学校等)と十分な打合わせが必要です。自らに悪意はなくても,「調査」と名のる活動や,中国人からの「情報収集」には細心の注意が必要です。

(3)宗教活動
 中国では外国人の宗教活動は厳しく制限されており,2018年2月に全面改正された「宗教事務条例」や「外国人宗教活動管理規定」等の宗教関連法令の規定に基づき,外国人の宗教活動管理が厳格化してきています。
 個人の「信教の自由」は認められているものの,中国政府の宗教当局から許可を受けていない外国人や外国の宗教団体が,独自に対外的な宗教活動を行うことは事実上極めて困難です。非公認の宗教団体の活動,非公認場所での宗教活動,許可を得ていない外国人による宣教活動等はすべて取締り対象となり,特に外国人が中国人に対して布教することは禁止されています。外国人が「違法宗教活動」に従事したとみなされると,当局に拘束され,拘留や強制退去処分を受ける場合があります。

(4)集会の開催
 中国では,集会の開催が厳格に規制されており,特に外国人による集会の開催は強く警戒されます。50人以上の集会の開催は公安局(派出所)への届け出が必要であり,規模によっては公安の上級機関において集会の許可を取得する必要があります。さらに,政府の重要な会議の期間など,各地の警備強化期間には,集会の届け出が受理されないこともあります。主催団体により,早めに公安局に届け出る必要があります。
 50人以下であっても,外国人が定期的に集まっているだけで監視対象となり,仮に中国の政治体制や社会秩序に反する活動(反政府集会,非合法宗教集会等)と見なされた場合には関連法令によって取締りの対象となる可能性があります。

9 交通事情
(1)車は右側通行(左ハンドル)で,シートベルト着用が義務付けられています。

(2)道路標識は,日本のものと似ていることから比較的わかりやすいと言えますが,注意は必要です。
 なお,中国では車両は赤信号でも右折できることになっているため,歩行者信号が青でも右折車には十分注意してください。

(3)市内の主な交通機関は,路線バス(トロリーバス,ミニバスを含む),自転車,地下鉄,タクシー,自家用車等です。都市間移動には航空機,高速鉄道・列車のほか,長距離高速バス等が利用できます。

(4)高速道路等の建設によって,遠隔地への所要時間は短縮される傾向にありますが,主要道路では慢性的に渋滞が発生しています。また,幹線道路以外の路面は,一部陥没している場合もありますので注意が必要です。

(5)ひと昔前に比べれば交通マナーは向上しましたが,国内各地でその度合いにはばらつきがあり,依然として交通ルールを守らない運転者・歩行者が目につきます。速度超過,無理な車線変更や強引な割込みをする車両,歩道近くを走行するオートバイや電動自転車等のほか,歩行者についても信号遵守しない者,車の有無に関係なく横断歩道以外の場所や交差点の真ん中を行き交う者,車の前後から突然飛び出す者などもおり,特に都市部では接触事故が多発しています。
 また,歩道付近ではバイクや電動自転車等が走行しているため,歩行の際も十分注意が必要です。

(6)万一,事故等に遭遇した場合は,まず交通警察(電話:122)に通報してください。事故現場の保存が義務づけられていますので,警察官の到着までは車両は移動させないでください。
 なお,被害に遭っても,日本と中国の経済格差及び賠償に関する法制度の違いから,事故を起こした相手方から十分な賠償を受けられるという保障はありません。渡航の前に海外旅行保険に加入することをお勧めします。

11 在留届の届出
 現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(「オンライン在留届」,(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。

12「たびレジ」への登録
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は,外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は,滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は,中国で事件や事故,自然災害等が発生した際に,日本国大使館や各日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として,家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので,併せてご活用ください。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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