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台湾
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● 滞在時の留意事項
1 たびレジ(台湾渡航前の留意事項)
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、台湾で事件や事故、自然災害等が発生し、日本台湾交流協会台北事務所や高雄事務所が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
2 在留届
在留届は、台湾での大規模事故、地震・台風等の自然災害による大きな被害が発生した際に、邦人の安否確認に大きな役割を果たしています。また、在留届に記載されたメールアドレスには、安全情報等の各種情報を定期的に配信しています。
台湾に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく、日本台湾交流協会台北事務所または高雄事務所に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をおすすめしますが、書面で提出(管轄の日本台湾交流協会台北事務所または高雄事務所へ持参または郵送)することも可能です。
なお、書面によって在留届を提出した場合、在留届の届出内容の変更、帰国・転出の際にも、日本台湾交流協会台北事務所または高雄事務所に書面で変更届または帰国・転出届を提出していただく必要があります。
3 旅券の紛失防止
盗難または遺失の判断がつかないものの、旅券を紛失する事案が見られます。日本台湾交流協会が把握している旅券の紛失事例では以下のような特徴が挙げられます。
○九?、夜市等の大勢の観光客で混み合う観光地において旅券を紛失する。
○乗車したタクシーに旅券が入ったバッグを置き忘れる。
○空港等での両替時に本人確認のために旅券を提示し、そのまま置き忘れる。
○泥酔するまで酒を飲んだ後に路上で寝込み、旅券が入ったバッグを紛失する。
○ナイトクラブに入場する前に旅券を提示し、店内で酔っ払って紛失する。
上記のように、旅券の紛失は所持者本人の不注意によるものが大半を占めます。旅券の再発給申請のためには、戸籍謄本等の入手が必要となるなど、申請手続には多くの時間と労力を要します。また、日本の旅券は国際的な信用度が高く、紛失した旅券が偽変造され、不法な出入国等の犯罪や国際テロを助長するおそれがあります。台湾滞在中は、上記の特徴を参考に、旅券が手元にあることを随時確認して紛失防止に努めてください。
4 旅行制限
軍事関連地域等を除き、制限は特に設けられていません。
5 写真・動画撮影の制限等
軍事関連地域・施設等を除き、制限は特にありませんが、台北松山空港、台中空港、台南空港等の一部の空港が軍・民共用となっていますので、注意が必要です。台湾では、軍事施設の写真撮影が禁止されており、有期懲役の罰則のほか、撮影に使用したカメラ等を没収することができる旨の規定があります。過去には、花蓮空港で写真を撮っていた際に、戦闘機を撮影したのではないかと疑われ、警察から事情聴取を受けた例があります。飛行機の中から空港施設を撮影することは控えるとともに、空港内で撮影する場合には撮影制限に関する標識の有無をあらかじめ確認するようにしてください。
なお、空港から一定の距離範囲内では、ドローンなど無人飛行機を飛ばすことが禁止されています。
6 防空演習
例年夏頃、緊急事態に対する危機意識を高めるとともに、緊急事態が発生した際の対応の練度を高めることなどを目的とした防空演習が台湾全土で行われています。演習中は、台湾全土で防空警報(サイレン)が鳴るほか、演習開始時と終了時に、各人の携帯電話にメッセージが発信されます。防空演習時には住民や車両に対する避難指示や交通規制が行われ、これらの指示や規制に従わなかった場合には、罰金が科せられるおそれがあります。防空演習中は、係員の指示に必ず従うようにしてください。
なお、内政部警政署のアプリ「警政服務」及び同署ホームページ「防空疏散避難専區(https://adr.npa.gov.tw)」等では、各地域の防空避難場所を確認することができます。
7 各種取締り
(1)違法薬物
違法薬物の取締りは非常に厳しく、薬物犯罪(製造、密輸入、販売)の最高刑は死刑となっています。違法薬物に興味を示さないことはもちろんのこと、繁華街の路地裏等の犯罪の温床となるような場所には近付かない、不審と思った物(タバコや高級茶葉と称される例が多い)は購入しないようにしてください。また、自分では気付かない間に「運び屋」として利用される可能性もありますので、見知らぬ人や知り合ったばかりの人から、「○○さんへのおみやげを持って行ってほしい。」といった依頼を受けた場合は、毅然とした態度で断るようにしてください。
なお、知らない間に手荷物に違法薬物を入れられる可能性もあることから、特に空港等においては、手荷物の管理を徹底するようにしてください。
(2)銃器
銃砲刀剣類等を許可なく製造、販売、密輸入、携帯するなどの行為が厳しく規制されています。罰則の最高刑は死刑であるほか、高額な罰金も規定されているなど、日本と比べて非常に厳しい規定となっています。
(3)売買春
売買春行為は違法であり、違反者には罰金が科せられることとなっています。過去に日本人が検挙されたケースもありますので、こうした行為は厳に慎んでください。
(4)賭博
いかなる場所においても財物を対象とした賭博は禁じられており、違反者には罰金が科せられることとなっています。
(5)政治活動
日本人を含む外国人が政党等から招かれ、各種選挙活動に参加することは禁止されています。仮に違反行為が確認された場合、当該外国人は目的外停留・居留として退去強制処分を受けるおそれがありますのでご注意ください。
なお、台湾では、集会、座り込み、デモ行進等の街頭政治活動が頻繁に行われる傾向にあります。実際に抗議活動が行われている場面に遭遇した場合には、デモ活動をしていると見なされるおそれがあるため、その場所には近付かないようにしてください。
(6)喫煙
ほとんどの施設内およびパブリックスペースにおいて全面禁煙となっており、これに違反した場合には、喫煙者に罰金が科されることがあります。喫煙される方は、喫煙マナーを守るよう十分に注意してください。
8 交通事情
(1)交通手段
いずれの公共交通機関も日本より運賃が安くて移動には便利ですが、日本とは異なる事情に留意してください。
ア 鉄道
台北と高雄を結ぶ台湾高速鉄道(高鐵)をはじめ、台湾内は各種鉄道網が整備されています。また、台北、高雄等の都市部では、「捷運」という地下鉄(MRT)が整備されています。地下鉄の車両内で飲食すること、ガムや檳榔(ビンロウ:噛みタバコのような物)を噛むこと等が法令で禁止されており、違反者に罰金が科せられることがありますので注意してください。
なお、空港や鉄道のエスカレーターを使用する際には右側に立つとともに、ガイドブックやスマートフォンを見ながら歩く行為を控えるなど、無用のトラブルを避けるようにしてください。
イ バス
台北、高雄等の都市部では、バス路線も整備されています。しかし、乗客が席に座るのを待つことなく走行し始めたり、突然急ブレーキをかけたりすることもあるので、乗車中は席に座るか、つり革や手すりにしっかり掴まるようにしてください。
ウ タクシー
タクシーは、黄色の車体に「計程車」や「出租汽車」という記載があり、路上でタクシーを拾うことも簡単です。しかし、タクシーを利用した際に、運転手によるメーターの操作、遠回り、暴行、偽札とのすり替え等のトラブルや犯罪も発生していることから、以下の点に留意してください。
○車体の汚れがひどい、傷や事故の痕跡が見られるタクシーへの乗車は避ける。
○窓に不透明なフィルムが貼ってあるなど、車内が外から見えにくいタクシーへの乗車は避ける。
○運転者が酒臭い、服装が乱れている場合には、乗車を避ける。
○女性一人でのタクシーの乗車はできる限り避ける。
○運転の乱暴なタクシーや故意に遠回りするタクシーに乗った場合には、無用な口論は避け、料金を払って降車し、別のタクシーに乗り換える。
○運転手から紙幣の交換に関する申し出があった場合には、偽札とのすり替えの可能性があることから安易に応じない。
○降車時にはレシートをもらうとともに、運転手の名前や車両ナンバーを控えることを心掛け、車内に忘れ物をした場合等に備える。
○降車時には、タクシーの脇をすり抜けるバイクがあることから、後方を十分に確認する。
(2)台湾における車両の運転
日本の運転免許証と中国語翻訳文を携帯すれば、入境後1年以内かつ同免許証の有効期間内に限り台湾で自動車等を運転することができます。中国語翻訳文は、日本台湾交流協会台北事務所または高雄事務所において申請して入手できるほか、日本国内の一般社団法人日本自動車連盟(JAF)で申請して入手することもできます。車両を運転する際には、翻訳文に記載されている運転が可能な車両区分に従うほか、台湾で車両を運転している際に警察官が入境日を確認するために旅券の提示を求める場合があることから、旅券も忘れずに携帯するようにしてください。
また、車両を運転する際には、運転者として以下の点にも留意してください。
○後部座席を含む車両の各座席でのシートベルト着用が義務付けられており、違反した場合には罰金の対象となるおそれがあります。(同乗者がシートベルトを着用していない場合は、運転者が罰金の対象となりますので、同乗者にシートベルトを着用するように促してください)
○12歳以下または体重36kg以下の児童を乗車させる際には、成長段階に合わせた各種チャイルドシートの着用が義務付けられています。
○運転手が運転中に携帯電話やスマートフォン等を手に持って操作、通話等をした場合、または、運転中にたばこを保持していて他人の車の安全に影響を与えるなどした場合には、罰金の対象になるおそれがあります。
○停車後の車のドア開閉により交通事故を発生させた場合には、罰金が科せられるおそれがあります。
(3)交通事故発生状況等
ア 交通事故発生件数
台湾では日本に比べ、交通ルールやマナーが遵守されていない場面に遭遇することが多くあります。警察当局の統計(2022年)によると、年間の交通事故発生件数は37万5,844件となっており、台湾の人口は日本の人口の約5分の1であるにもかかわらず、2022年の交通事故発生件数は日本での発生件数(30万1,193件)を上回っており、交通事故に遭うリスクが日本より高いと言えることから、外出する際には十分な注意が必要です。
イ 日本人の交通事故
過去には、深夜、台北市内の交差点において、青信号で横断歩道を渡っている際に事故に遭い重傷を負った事例がありました。他にも夜間に道路を横断している際に交通事故に遭って亡くなった事案、交通事故を起こして亡くなった事案等も発生しています。
ウ 交通事故対策
重要なことは、日本と台湾の交通事情や習慣の違いを明確に意識することであり、以下の点に特に注意してください。
○自動車の運転席は左側にあり、車両は日本とは逆側の右側通行である。
○ドライバーは、歩行者よりも車両を優先する傾向があり、運転マナーが良くない場合がある。
○信号待ちの際は、交差点内での事故の二次被害に遭うことを防ぐため、車道から少し離れた位置に立つ(車道に近付きすぎない)。
○時間帯を問わず、青信号で横断歩道を渡る時も周囲の車両をしっかり確認する。
○路地から自動車やバイクが一時停止することなく飛び出してくることがあるため、路地では周囲の状況をしっかり確認する。
○スクータータイプのバイクを歩道に駐車することが一般的であり、バイクで歩道を走行することも見られることから、歩道を歩く際にも前後のバイクの走行状況に注意する。
○車両を運転する際には、車間距離、右折時の巻き込み、車線変更等には十分に注意する。
9 自然災害
(1)地震・津波
世界有数の地震多発地帯に位置していることから、度々大きな地震が発生しています。最近では、2016年2月に台南市で震度7、2018年2月と2019年4月に花蓮市で震度7の地震が発生しています。滞在中に大きな揺れを感じたら、周囲の状況に応じて安全な場所に避難するとともに、海岸付近に滞在している場合は、津波を警戒し、高台に避難するなどの措置を講じるようにしてください。
(2)台風
7月から9月の台風シーズンには、暴風雨による停電、浸水、土石流が発生する可能性があります。台風による自然災害が発生するおそれがある場合には、各市・縣が「停班停課」(政府機関の業務停止や公・私立学校の休校)を発令することもあり、目的の観光施設の休業も考えられます。台風が台湾に接近している際には、最新の気象情報等を入手し、警戒を怠ることのないように心掛けてください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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