国境を越えた子の移動とハーグ条約

近年,国際結婚をしている日本人や海外で結婚生活を送る日本人が増加し,父または母のいずれかがもう一方の親の同意なしに子を母国に連れ去るなどして当事者間の紛争や刑事事件になるケースが発生しています。

このような事態を避けるためにも,国境を越えて子を移動させる際には,ハーグ条約や各国の法制度についてよく知っておくことが大切です。

ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

一方の親が,もう一方の親の同意を得ることなく,国境を越えて子を日本または海外へ連れて行った場合,ハーグ条約に基づき子が元の居住国に返還される可能性があります。

※ハーグ条約は,国境を越えた子の不法な連れ去り等をめぐる紛争を解決するための国際的な枠組みとして,子を元の居住国に返還するための手続や国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定めた条約です(2016年8月現在,日本を含めた94か国が締約国)。

刑事訴追を受ける可能性

日本においては,親による子の連れ去りは略取又は誘拐の罪にあたるような場合を除き犯罪を構成しませんが,国によっては,父母の双方が親権を有する場合に,一方の親が,もう一方の親の同意を得ずに国外に連れ出すことを刑罰の対象としていることがあります(国によっては州外に連れ出す場合でも刑事罰の対象となる可能性があります。)。実際に,居住していた国への再入国に際し,子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり,ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配されたりしている事案も生じています。

子を連れて国外へ移動することを考えておられる方は,ご自分の滞在国の法制度をご確認ください。

未成年者の旅券発給申請

未成年者の日本国旅券発給の申請には,双方の親の同意が必要です。

渡航同意書

国によっては,一方の親が子を連れて出入国する場合に,渡航同意書の提示を求められることがあります。渡航同意書の要否や内容は,お住まいの国または渡航先の政府機関または在外公館にお問合わせください。なお,日本を出入国する際には,渡航同意書を提示する必要はありません。

    

※渡航同意書は,一方の親が子を連れて出入国することに,もう一方の親が同意していることを示す書面です。

在外公館による情報提供・支援

在外公館では、在留邦人の方々から、家族問題等に関する相談を受けた際に、情報提供・支援を行っています。

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