海外邦人事件簿|Vol.60 食の安全なくしては旅の安全なし!

海外旅行の楽しみの一つは、やはり「グルメ」だという方も多いのではないでしょうか。本場の料理を味わってみたい、現地でしか味わえないものを試してみたい…。しかし、そんな期待が思わぬハプニングを招くこともあります。

『女性に大人気の東南アジアのリゾート地に友達と個人旅行をしたAさん。かつてパッケージ旅行でここに来たことがあり、大変気に入ったため、今年は自由行動をしたいと思い再び訪れた。町から少し離れた、まだ観光化が進んでいない遺跡を見ようと、炎天下の中を、歩いている途中、絞りたての冷えたフルーツジュースを売っている屋台があった。「生ものだけど大丈夫かしら?」と少し気になったが、目の前で絞ってくれるジュースだし、地元の子供達だって、とても美味しそうに飲んでいるのだからと、喉もカラカラだったことも手伝って一気にジュースを飲み干した。』 その後、Aさんはひどい腹痛と下痢で苦しんだあげく、病院に運ばれ、細菌性食中毒と診断され、残りのすべての旅行日程をキャンセルすることに。食材そのものは新鮮でも、調理する人の手、包丁や食器、そして、氷など見えないところにバイ菌が隠れていることもあります。

屋台のフルーツジュースを飲んで細菌性食中毒になった

『地中海バカンスの旅に参加したBさん。到着当日、地中海沿岸の一流ホテルのバイキングで"とれたて"と書かれた貝が並んでいた。大好物である生ガキが食べ放題だったため、つい大量に食べてしまった。翌日、食中毒を発症したBさんは結局、バカンスをあきらめ帰国まで病室で過ごすことに。』

長時間の移動や時差で体力が消耗し、知らぬ間に溜まっていた疲労も原因となったのかもしれません。衛生管理の行き届いた国でもこうしたハプニングは起こり得るものです。また、日本以外の国でも水道水が飲める国もありますが、その場合でも体調によっては水が合わず食中毒に似た症状を起こすこともあります。飲料水は出来るだけ安全な信頼できるメーカーのミネラルウォーターを利用し、食事は衛生状態の良さそうなレストランで出来る限り熱を通したメニューを選ぶことが基本です。特に、生ものを食べる場合は、現地をよく知る人に相談するなど、注意が必要です。

一流ホテルのバイキングで生ガキを大量に食べて食中毒になった

せっかくの海外旅行中に体調を崩してしまうと、楽しい思い出を残すどころではなくなってしまいます。海外では、日ごろ食べなれない食材も多くありますので、体調を管理し、適度な量の食事を心掛けることが大切です。旅先のグルメは海外旅行の最大の楽しみともいえますが、最後まで旅行を楽しめるよう、「危ないかな?」と感じたら、我慢するのも海外旅行を楽しく続けるための秘訣です。

また、それでも病気になってしまった時でも安心して治療を受けられるよう、海外旅行保険もお忘れなく。

(2007年9月14日掲載)

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