海外邦人事件簿|Vol.43 命あっての物種、強盗犯には抵抗しない

旅行者をターゲットとした強盗は、比較的治安が良いとされている地域でも発生しています。強盗に遭遇した場合、抵抗しないことが重要です。以下は、犯人に抵抗したため怪我を負わされた事例です。

『フランスを旅行中、強盗に背後から突然襲われた女性Aさん。抵抗したため歩道に転倒し、頭部に重傷を負った。直ちに救急車で病院に運ばれたが意識不明の重体。』

『タイを旅行中、夜間、街を歩いていたところ、3人組の現地人に取り囲まれた男性Bさん。金品を要求されたが拒否したため、サバイバルナイフで腹部2カ所を刺され、意識を失った。翌朝ジョギングをしていた人に助けられて入院。』

3人組の強盗に襲われる

『オーストラリア旅行中、2人組の男にデジタルカメラを狙われたCさん夫妻。ご主人は抵抗したため顔面を3回殴打され、デジタルカメラを奪われた。』

『イランを旅行中、バイク強盗の被害にあった男性Dさん。背後から迫った2人組のバイク強盗犯にバッグをつかみ取られそうになり、バッグを取られまいと抵抗したところ、犯人の1人がバイクから転落。逆上した犯人にナイフで大腿部を刺されて入院。』

バイク強盗に遭う

なかには、『2人組の男に鞄を強奪されそうになったので叫び声を上げて逃げたところ、犯人は何も取らずに逃走した。』という幸運な例もありますが、逆に、犯人に抵抗したため逆上した犯人に発砲され、命を失ってしまった旅行者もいます。

被害に遭った金品などは、加入している保険会社から補てんを受けることができますが、自分の命を取り返すことはできません。幸いにして命を取りとめても、一生後遺症に苦しめられる障害を負った方もいます。

こういった強盗事件への対策として、現地の治安状況をあらかじめ確認し、危険な場所には近づかない、夜間は出歩かない等の対策を講じることはもちろんですが、不幸にして強盗に遭遇してしまった場合には、絶対に抵抗せず、犯人を逆上させないことを第一に心掛け、犯人の要求に従ってください。命あっての物種です。

(2006年1月2日掲載)

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