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モーリタニア
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年02月02日

1 概況
(1)モーリタニアでは、2005年6月に北東部の軍駐屯地襲撃事件が発生して以来、イスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」及び関係組織によるテロ・誘拐が活発化しました。2010年以降は一時沈静化しており、2011年2月のヌアクショット近郊で発生した自爆テロ未遂事件以降、モーリタニア国内ではテロ事件は発生していません。2019年8月に就任したガズワニ大統領は、前政権に引き続き、中心的政策としてテロ対策の強化を掲げ、国境管理を強化し継続的な装備・機材の整備を行うとしており、堅実な政権運営の下、安定した治安情勢の継続が見込まれます。
(2)他方、2023年3月、首都ヌアクショットの刑務所からテロリスト4名が看守2名を殺害して脱獄する事件が発生しました。脱獄したテロリスト4名は武器を所持し、アドラール州のアタール付近まで車で逃走しました(その後、脱獄犯は拘束・殺害されました。)。この脱獄事件には協力者がいるとみられ、テロ組織関係者がモーリタニア国内に潜伏している可能性があります。
(3)モーリタニア周辺では、2017年3月、AQIM傘下に複数のテロ組織が統合された形で「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」が結成されています。これまでにマリ、ブルキナファソ、ニジェール等の周辺国において、同組織によるテロが多数発生しています。特に、隣接するマリでは、モーリタニアとの国境近くで中国人やモーリタニア人等が誘拐される事件が発生しています。
(4)2017年に周辺国におけるテロ対策の一環として、モーリタニアを含むサヘル地域5カ国によるG5サヘル合同部隊が組織されました(2022年5月にマリが脱退、2023年12月にブルキナファソとニジェールが脱退を表明)。JNIMは同部隊を攻撃の対象とするとの声明を発出していることから、モーリタニアに対してテロ活動が行われる可能性は否定できません。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 「1 概況」のとおり。

3 誘拐事件の発生状況
 2011年を最後に、外国人を標的とした誘拐事件は発生していません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ、モーリタニアにおいて日本人がテロや誘拐の被害に遭った例は確認されていませんが、マリとの国境付近では日本人が誘拐されるおそれが十分考えられることから、国境付近には近づかないでください。マリを含むモーリタニア周辺諸国においては、欧米人だけでなくアジア人も誘拐のターゲットになっています。マリにおいては、2021年7月、モーリタニアとの国境近くで中国人3名がテロ組織に誘拐されたほか、フランス軍の撤退や国連PKOの国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSUMA)の撤退により治安が不安定化しています。
 近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
 特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。


テロについて
 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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