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テロ・誘拐情勢

2016年03月03日

1 概況
 ブラジルでは、1964年から1985年までの軍事政権時代に、テロを敢行する可能性を持った不穏分子は徹底的に鎮圧又は極度に弱体化されたと言われ、過去約30年にわたりテロ事件は発生していません。しかし、国内においてイスラム過激派組織の活動は確認されていないものの、テロ組織の拠点が存在するとの情報や、国際テロ組織の構成員がブラジルに入国したとの情報があります。今後、世界的規模の行事である2016リオ・オリンピック・パラリンピックに向けて、テロ事件が発生する可能性は排除されません。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ブラジルは、これまで国際テロ組織による直接的な犯行の標的とされたことはありません。しかし、近隣諸国では、1994年のアルゼンチン(ブエノスアイレス)での自動車爆弾によるイスラエル移民救済会館(AMIA)爆破事件や1996年のペルーでの日本大使公邸占拠事件等のテロ事件が発生しています。ブラジルはこれらの国と国境を接していることから、コロンビア革命軍(FARC)、イスラム過激派等による越境テロやゲリラ活動の可能性については、常に注意が必要です。
(2)また、ブラジル、アルゼンチン及びパラグアイが国境を接するいわゆる「三国国境地帯」では、麻薬密売等の犯罪組織が活発に活動していることから、引き続き注意が必要です。

3 誘拐事件の発生状況
 ブラジルでは、金銭等強奪目的の一般犯罪が増加しており、特に「電撃誘拐」とも呼ばれる短時間誘拐事件が増加傾向にあります。これは、複数又は単独犯により被害者を一時的に拘束しATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた上で解放するというものです。2010年11月には、マナウスにおいて,車で帰宅途中の日本人が強盗に遭い、そのまま短時間誘拐に発展した事件も発生しました。邦人企業駐在員が多いサンパウロ州においては、毎年1~2件程度、邦人被害の短時間誘拐が発生しています。発生場所は、サンパウロ市内だけでなく、カンピーナス市やモジ・ダス・クルーゼス市等の郊外の都市でも発生しています。車両の乗降時に狙われる場合が多く、また走行中の車両を強引に停めるという手口も増えています。企業主等を狙った身代金目的の誘拐事件も、サンパウロ等を中心にしばしば発生しています。2005年10月には日本人1人が誘拐され、約2か月後に解放されました。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 ブラジル国内の対日感情は良好であり、現在のところ、日本人・日本権益を標的とした直接脅威となる要因は確認されていません。
 他方、近年、シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や、パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
 このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。



(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。