キューバ
テロ・誘拐情勢
更新日 2023年04月11日
1 概況
(1)キューバでは特筆すべきテロ組織は把握されていません。2003年にマイアミへ亡命しようとしたキューバ人によるハイジャックやシージャックにより、一般市民が巻き込まれる事案が発生しましたが、それ以降、テロ事件の発生は確認されていません。2014年4月には,キューバ国内でテロを実行することを計画したとして、マイアミに居住するキューバ系市民4名が逮捕されましたが、本件については、詳細は明らかにされていません。
(2)キューバ国内には、現政権に反対する複数の反体制組織が存在しているほか、キューバ国外にも、亡命キューバ人で構成される反キューバ政府団体が存在しています。キューバ当局の厳しい取締りにより、国内の反体制活動家は体制を脅かすほどの勢力を有していません。国外、特にマイアミを拠点とする打倒革命政権を掲げた過激な亡命キューバ人組織によるテロは、2000年代以降は鳴りを潜めています。
(3)2016年から2017年にかけ、当地米国大使館と当地カナダ大使館に電波らしきものによる攻撃で健康被害が出ていると発表され、2017年9月には当地米国大使館館員のうち、非緊急要員及び家族が帰国し、同年10月には在米キューバ大使館からキューバ人職員15名を追放するという外交問題に発展しましたし、当地カナダ大使館も単身者のみによる赴任や館員数を半減するなどの対応をとりましたが、現在、本事案以前の体制に戻っています。原因究明のための調査が継続されていますが、現在までのところ原因特定には至っていません。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり
3 誘拐事件の発生状況
キューバにおいては、犯罪発生件数が公表されていないことから、誘拐事件の実態を把握することは困難ですが、近年、誘拐事件が発生したとの情報は確認されていません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。