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テロ・誘拐情勢

2017年07月13日

1 概況
(1)ウズベキスタンでは, 2004年にタシケント市内で警察官襲撃事件や連続自爆テロ事件が発生したほか,2005年にアンディジャン市において騒擾事件等が発生しました。これらの詳細は明らかになっていませんが,国際テロ組織が関与していたとみられています。
(2)一方で,近年,ウズベキスタン政府がテロと認定した事件は発生していません。2016年12月にミルジヨーエフ大統領が第二代の大統領に就任しましたが,その後もウズベキスタン国内の治安は平穏状態を保っています。
(3)なお,隣国のアフガニスタン国内では,タリバーン等のイスラム過激派組織によるテロ活動が多発しており,依然として予断を許さない状況にあります。アフガニスタンと国境を接する地域においては,アフガニスタン国内情勢の変化に伴い不測の事態が発生する可能性があります。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ウズベキスタン・イスラム運動(IMU)
1990年前半に当局の取締を避けて国外に逃れたイスラム政党関係者が起こしたイスラム過激派組織であり,ウズベキスタン,キルギス,タジキスタン3か国にまたがるフェルガナ盆地に,シャリーア(イスラム法)に基づくイスラム国家を樹立することを標榜しています。
 1998年にカリモフ政権に対するジハード(聖戦)を宣言し,1999年にはカリモフ大統領暗殺を狙った爆弾テロ事件を起こしたほか,同年のキルギスにおける日本人誘拐事件にも関与したとみられる等,活発な活動が認められていました。しかし,2001年の米国同時多発テロ事件以降,アフガニスタンでタリバーンと行動を共にした際に,米軍の攻撃によって相当な打撃を受けたことにより,最近では,ウズベキスタン国内における活動は確認されていません。
 一方で,国外においては,パキスタン・タリバーン運動(TTP)の協力を得つつ,2014年にはパキスタンのカラチにおいて国際空港襲撃事件を実行する等,アフガニスタンとパキスタンの国境付近を拠点として組織の立て直しを図り一定の勢力を回復したとみられていましたが,同事件後に始まったパキスタン軍による掃討作戦でパキスタンを追われ,さらに,IMUの指導者を含む一派が,2015年に「ISILホラーサーン州」に忠誠を誓いアフガニスタン南部でタリバーンと衝突したため,少なからぬ打撃を受けたとされています。
(2)ヒズブ・タフリール(解放党)
 カリフ制に基づく統一国家樹立を目的とした国際的なイスラム急進主義組織で,中央アジア地域には,1995年頃から進出したとみられています。
 ヒズブ・タフリールは,武力ではなく啓蒙活動を通じたイスラム原理主義国家の樹立を目指しているとされています。2004年にタシケントで発生したテロ事件について,ウズベキスタン当局はヒズブ・タフリールが関与したとの見方を示しましたが,同組織側はこれを否定する声明を出しました。なお,2015年10月には,過激派思想への勧誘を行った容疑で,ヒズブ・タフリールに所属する16人が逮捕されました。
(3)アクラミーヤ
 ヒズブ・タフリールが掲げる非暴力路線に異議を唱え,分派した急進的グループで,アンディジャン市を拠点とし,フェルガナ盆地全域への浸透を図っているとみられています。また,2005年のアンディジャン騒擾事件にも関与したとみられています。
 ウズベキスタン当局は,同事件以後,徹底した取締を行い,組織に壊滅的打撃を与えたと発表しています。
(4)その他
 2004年の一連のテロ事件に関して,「イスラム・ジハード連合(IJU)」というグループが犯行声明を出しましたが,同組織の実態は不明であり,犯行声明の信ぴょう性も低いとされています。
 また,イスラム国家建設を目指すイスラム過激派の構成員がウズベキスタン国内に潜伏している可能性は排除されません。

3 誘拐事件の発生状況
 ウズベキスタンにおける外国人を標的とした誘拐事件の発生は,これまで確認されていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ,日本人・日本権益を標的としたテロや誘拐の脅威が高いとはみられていません。
 一方で,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等現在の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。