フランス
テロ・誘拐情勢
更新日 2023年03月14日
1 概況
(1)フランスでは、2015年11月にはパリで同時多発テロが、2016年7月にはニースで車両突入テロが発生し多数の死傷者が出ました。これらはイスラム過激派組織と関係のある者による犯行とされています。
(2)2015年1月にはパリで、イスラム教創始者であるムハンマドの風刺画を掲載した新聞社が襲撃されるテロが発生し、2020年9月には、同社が紙面にムハンマドの風刺画を再掲したことを契機に、パリの旧社屋近くで同社社員と誤認された人が刃物で襲われるテロが発生しました。
(3)さらに2020年10月には、パリ郊外の中学校で、表現の自由に関する授業を行った教師が、ムハンマドの風刺画を生徒に示したことが原因で殺害されるテロが発生したほか、ニースのも教会内でも刃物によるテロが発生しました。
(4)2021年4月には、イブリーヌ県のランブイエ警察署において、男が警察職員の女性に組み付き、刃物で腹部と喉を刺傷するテロが発生しています。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
フランス内務省の犯罪統計によれば、2021年、海外県を除くフランス本土において、人質事件が269件発生し、犯行目的別の内訳は、窃盗目的が約35%、窃盗以外の目的が約65%となっていますが、近年、外国人や外国企業をターゲットとした誘拐事件は確認されていません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各国で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。