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テロ・誘拐情勢

2016年04月15日

1.概況
(1)これまでのところ、南アフリカ国内では、欧米権益を標的とするテロ事件を含め重大なテロ事件は発生していませんが、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)に外国人戦闘員として参加した南アフリカ人が確認されています。最近も2015年4月、ケープタウンの空港において、シリアへの渡航を企図した南アフリカ人の若者が治安当局に保護される事案が発生しました。南アフリカでは、国内のイスラム教徒に対し、イスラム過激派による戦闘員のリクルートが行われているとの見方があります。また、アル・カーイダ系過激派組織のメンバーが定期的に南アフリカへの出入国を繰り返し、ヨハネスブルグ等大都市近郊のコミュニティに潜伏しているとも言われています。
(2)2015年9月、在南アフリカ米国大使館は、南アフリカ国内の米国権益を標的としたテロの脅威情報を入手したとして、同館HP上において安全対策の見直しや外資系ホテル、レストラン、ショッピングモール等のソフトターゲットへの立寄りの自粛等を求める注意喚起を発出しました。本件については、ISIL系のイスラム過激派組織による脅威であったとみられており、南アフリカにおけるテロの潜在的脅威を指摘する声が高まっています。
(3)南アフリカでは、年間4,000件以上の誘拐事件が発生しています。これまでのところ、テロ組織が関与した事例は確認されておらず、金銭目当てや感情的な理由による犯行である場合が多いのが特徴です。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 1.概況のとおり

3.誘拐事件の発生状況
 南アフリカ国家警察による犯罪統計によれば、国内における誘拐事件の発生件数は、2005年以降急激に増加しています。犯行の様態は、富裕層を標的とした身代金目的の誘拐事件、子どもの親権を巡る夫婦間のトラブルによる誘拐事件、結婚目的による女性誘拐事件など様々であり、また、外国人ビジネスマン等をターゲットにした通称「419詐欺」(ナイジェリア人等を中心に組織化された国際的詐欺で、メール等を介して架空の商談に応じてきた相手を拘束し、多額の身代金を要求するという手口)に絡む誘拐事件も報告されています。過去には、南アフリカへの入国前に日本大使館へ問い合わせたことにより事案が判明し、詐欺(誘拐)の被害を未然に防ぐことができた例もあります。
 なお、誘拐事件の発生率を地域別に見た場合、Ivory ParkやJohannesburg Centralなどに集中しており、このほかKempton Park、 Tembisa、 Khayelitshaなどの空港周辺又はヨハネスブルグ、ダーバン、プレトリア等の大都市近くの郊外(Hillbrow、Jeppeなど)における発生率が高くなっています。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 近年、シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されたテロ事件や、パリ、ブリュッセル、イスタンブール、ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
 このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。