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テロ・誘拐情勢

2016年04月25日

1.概況
(1)近年、ケニア国内では、隣国ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織アル・シャバーブ(AS)が活発な活動を見せており、国内治安を脅かしています。2013年9月、首都ナイロビ市内の外国人やケニア人富裕層が利用する高級ショッピングモール「ウェストゲート」がASにより襲撃され、外国人を含む67名が死亡、175名が負傷する事件が発生しました。
(2)上記事件以降、ケニア軍は、ASの拠点があるソマリアに対して本格的な軍事作戦を再開し、AS指導者を殺害するなどの成果を挙げました。しかし、これに対してASは、新たな指導者のもと、報復攻撃として、これまでの米国、ソマリア政府に加え、ケニアとウガンダ等のアフリカ連合平和維持部隊(AMISOM)に要員を派遣する諸国を攻撃対象とする旨表明しました。
(3)ケニア治安機関は、首都ナイロビやケニア沿岸部の主要都市モンバサにおいて、警察官を多数配置するなど警備体制を強化していましたが、2015年4月、ケニア北東部ガリッサ郡で大規模なテロ事件が発生しました。同事件では、ASがガリッサ大学を襲撃し、学生や教職員148名が死亡、104名が負傷しました。
(4)ケニアにおいては、首都やモンバサの警備は強化され、2014年以降テロ事件は発生していませんが、ソマリアとの国境地域、ケニア北東部及び沿岸部では、上記ガリッサ大学の襲撃事件のほかにも、テロ事件が続発しています。ケニア国内には引き続きASによる脅威は存在し、今後主要都市への攻撃が企図されるおそれもありますので、警戒が必要です。
 さらに、2016年8月27日-28日、首都ナイロビにおいてアフリカ諸国等が集まるTICADⅥ(第6回アフリカ開発会議)が開催されるところ、注意が必要です。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ASの活動状況
 1.概況のとおり。
(2)各地域の治安情勢
ア 首都ナイロビ市内では、近年、公共の場におけるテロ事案が2件発生しています。(以下はいずれも2015年の事件)
9月、高級ショッピングモール「ガーデンシティーモール」における簡易爆弾持ち込み事件(未遂,負傷者なし)
10月、ナイロビ中心部CBD地区において簡易爆弾爆発事件(負傷者なし)
 そのほか、ケニア警察は、ナイロビ市内のソマリア人が多数居住するイスリー地区やスラム地区においてAS構成員の逮捕、アジトへの捜索による武器等の押収を行っています。
イ ケニア第2の都市モンバサにおいても、近年、公共の場におけるテロ事案が3件(すべて未遂)発生しています。(以下はいずれも2015年の事件)
6月、モンバサ中心部モンバサ貿易センター建物内への爆弾持ち込み事案(負傷者なし)
12月、モンバサ裁判所内で手榴弾が発見される。(負傷者なし)
12月、モイ国際空港に爆弾が仕掛けられたとしてエール・フランス機が緊急着陸(負傷者なし)
ウ その他、ケニア北東部ガリッサ郡及び沿岸部ラム郡に広がるボニ森林は、ケニアのAS拠点でAS構成員が多数潜伏しており、ケニア軍が掃討作戦を実施しています。同地域では簡易爆弾が路肩に仕掛けられる事件、パトロール中の警察車両がAS構成員に襲撃される事件が多発しています。

3.誘拐事件の発生状況
(1)過去には、ケニア強盗集団やAS等による国際機関、NGO団体等の職員及び外国人を狙った身代金目的の誘拐事件が発生しました。
(2)2015年10月、ケニア北東部ガリッサ郡にあるダダーブ難民キャンプにおいて、NGO職員の誘拐事件が発生しましたが、その後、治安機関により救出されました。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 これまでのところ、日本人・日本権益を直接の攻撃対象とするテロの脅威は確認されていません。しかしながら、2013年9月に首都ナイロビで発生した「ウェストゲート」事件は、欧米系外国人のみならず日本人の利用も多いショッピングモールで発生しました。引き続き、同事件と同様のテロ攻撃が外国人の多く利用するホテルやショッピングモール、レストラン等で発生する可能性があり、これらの場所を狙ったテロ攻撃が発生した場合、日本人も被害に巻き込まれることが強く懸念されます。
 また近年、シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されたテロ事件や、パリ、ブリュッセル、イスタンブール、ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。ISIL構成員がケニアにおいても活動しているとの情報もあります。
 このような情勢を十分に認識し、誘拐、脅迫、テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。