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シリア
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年03月22日

1 概況
(1)シリア国内においては、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」等のイスラム過激派組織、反体制派武装勢力、トルコ軍、クルド勢力、シリア政府の軍や治安当局、ロシア軍等の勢力が入り乱れて散発的に衝突しており、全土で多数の死傷者が発生しています。首都ダマスカス市を含むシリア全域で日本人渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い状況が続いています。
(2)国際社会を中心にシリア危機を終結させるべく関係者の努力が続けられていますが、情勢が改善する見通しは依然として立っておらず、治安情勢は不安定かつ流動的です。またISIL等のイスラム過激派組織や犯罪集団による拉致・誘拐・殺人等の凶悪犯罪が多発しており、極めて危険です。
(3)シリア北部、東部、中央部及び南部地域では様々な勢力が衝突しているため、戦闘に巻き込まれる、あるいは、ISIL、反体制派武装勢力に拘束されるなどのおそれもあり、非常に危険です。また、反体制派武装勢力等が自主運営する国境検問所を通過してシリア領内に入域した場合は、シリア政府から不法入国の罪で逮捕・拘束されるおそれがあります。
(4)2018年5月、シリア政府軍により首都ダマスカス市は平定されましたが、反体制派武装勢力の残党によるテロ攻撃は今も同市郊外で散発的に発生しているうえ、昨年10月以降はイスラエル軍がダマスカス市内及び郊外を狙った空爆を増加させる傾向にある等、非常に危険な状態です。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 「1 概況」のとおり。

3 誘拐事件の発生状況
(1)2011年3月のシリア危機勃発から現在まで、シリア政府軍や治安当局は、国内各地での反体制派武装勢力に対する掃討作戦や、政府機関・民間人等に対する攻撃への対応に能力の多くを割いているため、相対的に犯罪抑止力が低下しています。
(2)シリア国内では、こうした混乱に乗じる形で、犯罪集団や、ISIL等のイスラム過激派組織は、身代金目的の拉致・誘拐・殺人を実行しているほか、過去に外国人ジャーナリスト等に対する拉致・誘拐を行っています。
(3)特に、ISILは、拘束した外国人ジャーナリストや人道援助活動家等の殺害映像をインターネット上で公開するとともに、ISIL支持者に対して、一部欧米諸国を名指しつつ、「連合」参加国の国民に対する攻撃を実行するよう呼びかけています。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 2012年8月、シリア北部アレッポで日本人ジャーナリストが取材中に銃撃を受け、死亡する事件が発生しました。2015年1月には、シリアにおいて拘束されていた2人の日本人の映像がISILによりインターネット上に公開され、その後、殺害されたとみられるテロ事件が発生しています。ISILは公開した映像の中で、日本人が同組織の攻撃の標的となる旨警告しています。また、2015年6月にシリア北部イドリブ県にて拘束された日本人は、2018年10月に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。
 このように、シリアでは、過去に日本人が犠牲者・被害者となる事件が複数発生しており、渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が非常に高い状況が続いていますので、どのような目的であれ、シリアへの渡航は止めて下さい。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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