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テロ・誘拐情勢

2016年02月03日

1.概況
(1)サウジアラビアにおいては、2014年以降、イスラム過激派によるとみられるテロ事件が複数発生しています。また、ISIL等のイスラム過激派組織と関係するテロリスト等がサウジアラビア当局により多数摘発されています。
(2)ISILは、2015年12月、サウジアラビアが対テロ・イスラム軍事同盟を設立し、ISILとの戦いを表明したことを非難する旨宣言しています。サウジアラビアにおけるテロの潜在的脅威は高く、決して予断を許さない状況です。
(3)サウジアラビアの治安情勢は、周辺諸国の情勢と不可分であり、特にイエメンやシリア、イラクの情勢を始めとする周辺諸国の状況がサウジアラビアの治安情勢に及ぼす影響に注意する必要があります。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)2015年中、サウジアラビアでは、ISILの支部と称する者らによるテロ事件が以下のとおり複数回発生しました。
・5月、東部州カティーフ及びダンマンのシーア派モスクにおける爆弾テロ事件。「ISILナジュド州」が犯行声明を発出。
・7月、リヤド市郊外の刑務所近くの検問所における爆弾テロ事件。「ISILナジュド州」が犯行声明を発出。
・8月、南西部アシール州アブハーの治安機関施設内のモスクにおける爆弾テロ事件。「ISILヒジャーズ州」が犯行声明を発出。
・10月、東部州カティーフのシーア派モスク付近における爆弾テロ事件。「ISILバーレーン州」が犯行声明を発出。
(2)2015年7月、サウジアラビア治安当局は、ISILと関係するテロ組織の関係者431名を逮捕しました。また、同年9月中旬から下旬にかけて、東部州及びリヤド市内に潜伏するテロリストへの取締りを強化し、多数のテロ容疑者を摘発しました。
(3)サウジアラビアとイラク及びイエメンとの国境地帯においては、サウジアラビア治安当局が国境管理を強化しています。依然としてテロ関係者や武器・麻薬密輸グループ等が不法な出入国で摘発されており、これらの密入国は続いている模様です。

3.誘拐事件の発生状況
 近年、サウジアラビアにおいては、日本人を標的とした誘拐事件の発生は確認されていませんが、2015年11月に東部州で英国人の誘拐未遂事件が発生しました。また、過去には、外国人等を標的とした性犯罪目的等による誘拐事件が発生しています。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 近年、シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や、パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。