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テロ・誘拐情勢

2017年02月17日

1.概況
(1)ベトナム治安当局は,ベトナム人海外移住者を主体とする反政府活動家の活動に対して警戒を強めています。また,過去にはベトナム国内で反政府組織によるテロ未遂事件等が発生しています。
(2)現時点ではベトナム国内でイスラム過激派組織の存在は確認されていないとされていますが,国外のいくつかのテロ組織が内陸部の反体制派と接点を有しているとみられています。また,イスラム過激派組織「ISIL(イラク・レバントのイスラム国)」にアジアから多数の戦闘員が参加しているとの情報もあることから,ベトナムにおいても出入国管理の強化等を通じてイスラム過激派などのテロリストやその関係者の入国を注視するとともに,警戒を強化しています。

2.各組織の活動状況又は各地域の治安情勢
(1)2010年4月,東南アジアに所在する在外ベトナム大使館に爆弾を仕掛けたとされる反政府組織「自由ベトナム政府」のメンバーが逮捕されました。治安当局は,ホーチミン市を標的として計画されたテロが未然に防止されたとしています。
(2)2012年4月,ベトナム共産党の一党支配体制に反対する反政府組織「ベト・タン(ベトナム刷新革命党)」のメンバーが逮捕されました。治安当局は,ホーチミン市及び各省を標的として計画されたテロが未然に防止されたとしています(なお,「ベト・タン」は,逮捕されたメンバーは非暴力活動家であるとして,治安当局の発表を否定しています。)。また2007年には,拳銃を所持して入国しようとした「ベト・タン」のメンバーとみられる者が逮捕されました。

3.誘拐事件の発生状況
 近年の誘拐事件の発生状況については当局から公表されていませんが,報道等によると,子どもを対象とした身代金目的の誘拐事件の発生が散見されるほか,ベトナム人女性を主な標的とした組織的人身売買事案の発生がみられます。外国人を標的とする誘拐事件の報告はありません。

4.日本人・日本権益に対する脅威
(1)現在までのところ,日本人や日本権益を直接の標的としたテロや誘拐の脅威は低いとみられますが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しています。日本人や日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
(2)このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


(注記)
「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。