- タイ警察から発表された2006年度の犯罪統計によれば、殺人事件(未遂含む)の発生は11,812件、強盗事件が2,002件、強姦事件が5,308件と、それぞれ日本に比べ数倍の発生率で凶悪事件が発生しています。
また、銃器不法所持検挙者は、20,156人、薬物犯罪検挙者は、110,904人に達しており、これら薬物や銃器の氾濫が凶悪事件多発の要因とも言われています。
- 日本人の被害例
主に若い旅行者を中心に、次のような手口の犯罪被害が多発しています。これらの多くは、(タクシーや三輪タクシー(トゥクトゥク)等の運転手を含めて)見知らぬ者から声を掛けられることが被害のきっかけとなっています。見知らぬ者から声を掛けられた際には十分注意し、安易に信用しないことが重要です。
(1)睡眠薬強盗
有名な観光スポット等において、親しげに声を掛けられ、飲食(酒)を共にして気を許したころに睡眠薬入りの飲み物を勧められ、知らずに飲んで意識が朦朧となったところで現金等を奪われるケースがあります。意識が戻った際には24時間以上経過していたり、病院のベットの上、又は身体が傷だらけであったというケースもあります。
(2)いかさま賭博
「妹が日本に留学するので、日本の事情を話してあげてほしい」等と親しげに話し掛けられ、自宅と称する建物に巧みに案内されるが、家に着いても妹はおらず、暇つぶしにトランプゲーム(ブラックジャック)に誘われ、さらに、「上手な勝ち方(いかさま)を教える。まもなく金持ちのブルネイ人がブラックジャックをするために来るので、一緒にそいつからお金を巻き上げよう」といかさま賭博に誘われるケースがあります。被害者が話に乗り、ゲームを始めると、最初は勝ち続けるものの、最後の勝負で多額の金額を賭けることとなり、所持金では足りないことからクレジットカードで貴金属を購入して現金化し、莫大な金額を賭けるが、最終的に負けるか、又は勝ったところで、「続きは明日やろう」等と言われ、賭け金をその場においたままでホテルに送られるが、翌日の約束の時間になっても迎えに来ないケースがあります。
また、途中でゲームを止めようとすると、ナイフやけん銃で脅されたり、監禁されて多額の現金を巻き上げられるケースもあります。賭博はタイにおいても違法行為です。安易な気持ちで参加しないように御注意ください。
(3)道尋ねスリ
タクシーに乗車したマレーシア等から来たと称する女から地図を示され、「道を教えて」と声を掛けられ、巧みに車内の女の横に誘い込まれます。その後、地図を被害者の腰の辺りに広げられ、被害者が道案内をしている隙に、地図の下のウエストポーチ等から財布や現金を盗まれているという手口です。
(4)宝石・衣類のキャッチセール
有名な観光スポットである王宮や寺院等を観光しようとしたところ、タイ人から「今日はそこは休みですよ(実際には休みではない)。」等と親切そうに声を掛けられ、三輪タクシー(トゥクトゥク)での格安市内観光を手配されます。行く先々の寺院や観光スポットで、別のタイ人らが「今日は仏陀の日で、あなたはラッキーだ。」、「今日は政府の宝石ディスカウントセールの最終日で、行かなければ損だ。」等と同じように話し掛けられます。被害者がこれらの話を信用してしまい、三輪タクシーに乗って宝石店に行くと、店員が「今日は特別セールの最終日だ。日本の有名宝石店で転売すれば2、3倍で売れる。既にこんなにたくさんの日本人が買っている。」と述べ、パスポートのコピーの束を見せられます。被害者が信用して宝石を購入すると、店員は「宝石をそのまま持っていると危ないので、日本へ郵送してあげる。」と勧め、帰国後に、日本で郵送された荷物を受け取ると、中から粗悪な宝石が出てきてだまされたことに気付くという手口です。
衣類の場合は、カシミアのスーツ、有名ブランドのスーツやコートが格安であると言われ、店に連れて行かれて採寸されます。しかし、生地の端切れはもらえず、また、仮縫い等もないまま、品物は日本へ郵送すると言われます。帰国後、日本で洋服を受け取ると、粗悪な製品であることが分かるという手口です。
(5)タクシーやバイクタクシー運転手による強盗、わいせつ行為等
夜間、女性が一人でタクシーやバイクタクシーに乗車した際に、車内で運転手からけん銃を向けられ、発砲されたり、昼間、女性複数人であってもタクシーに乗車した際に、わいせつ目的で連れ回される事件が発生しています。
(6)集団スリ
バンコク都内のデパート、高架鉄道(BTS)等において、被害者がエスカレーターを利用した際に、スリ・グループに前後を挟まれ、エスカレーターの降り口直前で、前方の者がつまずくふりをして、被害者が立ち止まるような状況をつくります。その直後、後方の仲間が被害者に体を押しつけてきて、被害者のポケットやウエストポーチ等から財布を抜きとるという手口です。なお、前後を挟む犯人グループは女の場合もあります。
(7)スリ、置き引き
チャトチャック市場(ウイークエンド・マーケット)やデパート、ホテル、空港、バス等の混雑する場所において、カバンを切り裂かれたり、中の貴重品を抜き取られる事件が発生しています。
置き引きは、ホテルのビュッフェ形式のレストランやロビーにおいて、貴重品から目を離した隙に、バッグ等を置き引きされる事件が発生しています。
(8)偽警察官
中東又は西洋人風の男(私服)が警察官を装って近づいてきて、外国人の事件を捜査中であると言いつつ、持ち物を点検する際に、財布から現金を抜き取るという手口です。
(9)ひったくり、路上強盗
歩行中、オートバイに乗った二人組が後ろから近づいてきて、ハンドバッグ、ショルダーバッグ等をひったくるケースがあります。なお、抵抗すると引き倒され、負傷することもありますので注意が必要です。
路上強盗は、夜間、裏通りや人のいない公園を歩いている際に、いきなり棒で殴られたり、ナイフで脅されて所持品を奪われるケースが報告されています。
(10)タイを舞台とする国際的詐欺事件
タイ所在の業者を装った者から日本国内の中小企業等に対し、電話やインターネット等で商談を持ちかけ、タイに誘い出し、契約書作成のための印紙代、弁護士費用等で当座の資金が必要などと、前渡し金を要求する詐欺事件が多発していますので注意してください。
(11)「偽造旧1万円紙幣」の流通
首都バンコク等において、「偽造旧1万円紙幣」が流通する事案が発生していますので、タイにおいて「旧1万円紙幣」を取得するような機会に遭遇した場合には、偽造紙幣である可能性にも留意し十分注意してください。
- 犯罪被害多発地域
首都バンコクでは、特に日本人旅行者が集まる観光スポットやデパート周辺、若い単独旅行者が利用するゲストハウス(安宿)周辺において、犯罪が多発しています。また、歓楽街、スラム街等も十分な警戒が必要であり、不用意に狭い道路へ入り込むことは危険です。
- 防犯対策
上記2.(1)〜(4)に関しては、見知らぬ者から声を掛けられても安易に信用しないことで防止できます。また、他人から勧められた飲食物には気を付ける、買い物は信用のおける店を利用する、儲け話には乗らない等の注意が必要です。
上記2.(5)に関しては、女性が単独でタクシー等に乗車する際は、車番や運転手の名前を控える等慎重に対処してください。
上記2.(6)〜(9)に関しては、バッグ等は体の前でしっかり持ち、現金・貴重品は分散して保管する、トラベラーズチェックを利用する、万一に備え、海外旅行保険に加入しておく等の対策が重要です。
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