パキスタンに対する渡航情報(危険情報)の発出(2009/07/01)
●「 退避を勧告 します。渡航は延期してください。」 ・アフガニスタンとの国境付近一帯(継続) ・管理ライン一帯(継続) ・連邦直轄部族地域(FATA):バジョール管区、モーマンド管区、北ワジ リスタン管区、南ワジリスタン管区(継続)、ハイバル管区、クーラ ム管区、オラクザイ管区(引き上げ) ・北西辺境州:スワート郡(継続)、アッパー・ディール郡、 ローワー・ディール郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、 ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡、ハングー郡、 デラ・イスマイル・カーン郡、カラッカ郡、ラッキ・マルワット郡、 タンク郡(引き上げ) ●「渡航の延期をお勧めします。」 (1)「渡航の延期をお勧めします。」(滞在中の方は、不測の事態に 巻き込まれないよう退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。) ・北西辺境州ペシャワル市、ノウシャラ郡、スワビ郡(継続) ・バロチスタン州:デラ・ブグティ郡、コールー郡(継続) ・シンド州:ジャコババード郡(継続) (2)「渡航の延期をお勧めします。」 ・イランとの国境付近一帯(継続) ・バロチスタン州クエッタ市(継続) ●「渡航の是非を検討してください。」 ・イスラマバード首都圏(継続) ・パンジャブ州:ラワルピンディ市(継続)、ラホール市(引き上げ) ・北西辺境州:アボダバード郡、バタグラム郡、ハリプール郡、コヒス タン郡、マンセーラ郡、チトラル郡(アフガニスタンとの国境付近を 除く)(継続) ・AJK(パキスタン側カシミールの一部でアーザード・ジャンムー・カ シミールと呼ばれる地域)(管理ライン付近を除く)(継続) ・バロチスタン州:上記に明記された地域(アフガニスタン及びイラン との国境付近一帯、デラ・ブグティ郡、コールー郡、クエッタ市)を 除く全域(継続) ・シンド州:上記に明記された地域(ジャコババード郡)を除く全域 (継続) ●「十分注意してください。」 ・パンジャブ州:上記に明記された地域(ラワルピンディ市、ラホール 市)を除く全域(継続) ・北方地域(アフガニスタンとの国境付近一帯、管理ライン一帯を除 く)(継続)
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☆詳細については、下記の内容をよくお読みください。
1.概況 (1)アフガニスタンとの国境付近一帯、連邦直轄部族地域(FATA)及び北 西辺境州西部及び南部の一部では、ローカル・タリバーンなどのミリタ ント(戦闘員)と治安部隊との戦闘が断続的に行われています。また、 一部地域では部族間や宗派間の抗争によるテロ事件も頻発するなど、極 めて危険な状況です。
(2)イランとの国境付近一帯では、麻薬密売グループなどがイランやアフ ガニスタンとの間で越境を繰り返している可能性があります。
(3)上記を除く地域の治安情勢は、2008年2月の総選挙を経て、同年3月の ギラーニ内閣成立後は、比較的安定した状態を保っていましたが、各都 市などで情勢悪化の兆しがみえます。また、パキスタンにおいては何ら かの事件などの発生により、短期間で国全体の治安情勢が急変する場合 もあります。さらに、食料価格やガソリンなど燃料油価格の高騰、飲料 水・電力不足など、庶民の生活に直結する問題もあります。
(4)最近では北西辺境州の州都であるペシャワル市において、外国人が誘 拐又は殺害される事件が相次いで発生し、また、連邦直轄部族地域 (FATA)及び北西辺境州のアッパー・ディール郡、ローワー・ディール 郡、ブネール郡、シャングラ郡及びスワート郡において、4月末からパ キスタン軍が順次開始したタリバーン戦闘員に対する掃討作戦が行われ ており、隣接地域に武装勢力が流入しているとみられ、更なる治安の悪 化が懸念されています。また、パンジャブ州ラホール市及びイスラマバ ード市では治安施設に対する自爆テロ事件が発生、北西辺境州ペシャワ ル市においては、政府高官、国連関係者及び外国人が多く利用する高級 ホテルに対する大規模な車両爆弾テロ事件が発生しており、国連関係者 を含む多くの犠牲者が出ています。これらテロ事件はパキスタン軍の行 っている掃討作戦への報復テロとみられています。
(5)また、爆弾テロ事件の多くは、軍や警察等治安当局が犯行組織の標的 になっていますが、最近では、都市部の商店街、ホテルやモスクなどの 施設を狙った犯行も増加しています。犯行組織の中には、イスラマバー ド、ラホール、ラワルピンディ、カラチなどの大都市を狙った報復テロ を計画しているものもあり、更なる治安の悪化が懸念されています。
(6)更に、2009年に入り、パキスタン国内各地において外国人が誘拐され る事件が多発しており、犯行組織の中には「当初日本人も標的として検 討していた。」としているものもあるとの未確認情報もあります。
(7)ついては、パキスタンに渡航・滞在される方は、この危険情報に加 え、次の点に十分留意して行動し、危険を避けるよう心掛けてくださ い。 (イ)テロの標的となりやすい場所(欧米関連施設、軍・警察等治安当局 の施設・検問所・車両等、政府機関、宗教関連施設等)には、できる 限り近づかないでください。 (ロ)集会やデモが行われている場所には、決して近づかないでくださ い。 (ハ)マーケットやバス停など人の集まる場所での用事は、短時間で効率 的に行うとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知 したら、速やかにその場から離れてください。 (ニ)近距離であっても、移動には可能な限り車両を利用し、特に深夜の 一人歩きは避けてください。 (ホ)車両等で長距離を移動する場合、できるだけ明るい時間帯を選び、 日没後の移動は極力避けてください。 (ヘ)郊外に赴く場合は、その地域の情報に十分な注意を払い、必要な場 合には十分な警備体制をとってください。 (ト)誘拐を防ぐためには次のような対策をとることが有効です。 (a)日常の行動パターンを画一化しない。通勤や買い物等に同じ経路 や時間帯を使うのではなく、数パターンを使い分ける。 (b)行動予定を多くの人に知られないようにする。 (c)買い物等で外出する際も含め、常時、身近で信用のできるパキス タンの方と一緒に行動する。現地の言葉が分かる人ほど、周囲の異 常を早く察知し、速やかにその場から離れることが可能となります。 (d)人目の少ない場所をできるだけ避ける。 (e)外出中は周囲に不審者、不審車両がいないか確認し、尾行や監視が ないか注意する。 (f)車両で移動する場合は、必ず窓を閉めてドアを施錠し、複数の者 が乗車した車両が常時後続していないか点検する。目的地到着後も 降車する前に不審者、不審車両がいないか確認する習慣を身につけ る。
2.地域情勢 (1)アフガニスタンとの国境付近一帯、FATAの南北ワジリスタン管区、バ ジョール管区、モーマンド管区、ハイバル管区、クーラム管区及びオラ クザイ管区、管理ライン付近、北西辺境州のスワート郡、アッパー・ ディール郡、ローワー・ディール郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャ ルサダ郡、ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡及びハ ングー郡、北西辺境州のデラ・イスマイル・カーン郡、カラッカ郡、 ラッキ・マルワット郡及びタンク郡 :「 退避を勧告 します。渡航は延期してください。」 (イ)アフガニスタンとの国境付近一帯、FATAの南北ワジリスタン管区、 バジョール管区、モーマンド管区、ハイバル管区、クーラム管区及び オラクザイ管区アフガニスタンの悪い治安情勢の影響と両国間国境管 理の難しさもあり、ローカル・タリバーンなど反政府勢力のミリタン トがアフガニスタンとの間で越境を繰り返したり、同地域に潜伏して いる可能性があります。また、同地域の一部では、パキスタン軍がミ リタント掃討軍事作戦を断続的に行っています。さらに、国境付近で はアフガニスタン駐屯の米国、NATO軍の越境攻撃や米国の無人偵察機 による空爆が行われており、極めて危険な状況です。これら軍事掃討 作戦への報復テロが周辺地域において多発しており、また、タリバー ン戦闘員等が潜伏している恐れもあり、不測の事態に巻込まれる可能 性が極めて高いことから、同地域への渡航は厳に差し控えてくださ い。 特に、FATAでは誘拐事件が頻発するなど治安情勢は極めて悪化して います。パキスタン政府はFATA地域の特殊事情を考慮して、1947年の 建国以来、同地域で連邦法を施行していないため、外国人旅行者に何 か問題が生じた場合でも、当局による迅速な対応は期待できない状況 であることも考慮する必要があります。 なお、アフガニスタンへの入国は、同国の治安情勢が極めて不安定 なため、陸路、空路を問わず厳に差し控えてください。 (ロ)管理ライン付近 近年、パキスタンとインドの間では信頼醸成が進んでいますが、管 理ラインを挟んで両国軍が展開したままであり、2008年5月には両軍 の間で銃撃戦が発生するなど、管理ライン付近の情勢については依然 として注意が必要です。 (ハ)北西辺境州のスワート郡、アッパー・ディール郡、ローワー・ディ ール郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、 シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡及びハングー郡 北西辺境州の西部スワートのミンゴラ等は多くの旅行者が訪れる観 光地でしたが、2007年7月以降、宗教過激主義者やミリタントらの活 動が活発化したため、同年11月、政府は同地域で軍事掃討作戦を開始 し、スワートの各地では治安部隊とミリタントとの衝突が繰り返され ています。北西辺境州アッパー・ディール、ローワー・ディール、ブ ネール、シャングラ及びスワート各郡(シャーリアが導入されたマラ カンド地域南部等)において、2009年4月末から順次開始した軍事掃 討作戦は、パキスタン軍がスワート郡の中心都市ミンゴラを確保する など、当初の作戦目標は大方達成しましたが、同作戦への報復と思わ れる爆弾テロや誘拐事件が周辺地域及び都市部において目立ち始めて おり、治安の更なる悪化が懸念されています。 また、同州西部のディール地域は、アフガニスタンとスワートとの 間に位置することから、これら地域の影響を直接的に受け、治安情勢 は急速に悪化しています。特に隣接するスワートの更なる治安悪化が 懸念されること、また、上記のとおり同地域はアフガニスタン側から スワートへ抜ける言わば「通り道」となっており、タリバーン戦闘員 などの武装勢力が潜伏している可能性も排除できない状態にありま す。 (ニ)北西辺境州のデラ・イスマイル・カーン郡、カラッカ郡、ラッキ・ マルワット郡及びタンク郡 北西辺境州では、2007年7月にイスラマバードで発生したラール・ マスジッド事件を契機として、飛躍的にテロ事件が増加しました。 北西辺境州の南部では、ローカル・タリバーンによるものと思われ るテロ事件が頻発しています。2008年6月以降に限っても、コハート、 ハングー、バンヌー、デラ・イスマイル・カーンやその近郊で警察や 軍等の治安部隊、病院などに対する自爆テロ等が頻発し、多数の死傷 者が生じています。 このような状況を踏まえ、FATAのハイバル管区、クーラム管区及び オラクザイ管区、北西辺境州のアッパー・ディール郡、ローワー・ ディール郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、 シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡及びハングー郡、デラ・イス マイル・カーン郡、カラッカ郡、ラッキ・マルワット郡及びタンク郡 に発出していた危険情報を「渡航の延期をお勧めします。」から 「 退避を勧告 します。渡航は延期してください。」に引き上げます ので、上記の内容に十分留意し、不測の事態に巻き込まれることのな いよう危険回避を真剣に心掛けてください。
(2) (イ)北西辺境州のペシャワル市、ノウシャラ郡及びスワビ郡、バロチス タン州のデラ・ブグティ郡及びコールー郡、シンド州のジャコババー ド郡 :「渡航の延期をお勧めします。」(滞在中の方は、不測の事態に巻き 込まれないよう退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。) (a)北西辺境州のペシャワル市、ノウシャラ郡及びスワビ郡 ペシャワル市では、2008年には多数の自爆テロ事件が発生してい るほか、米国総領事館首席領事が搭乗する車両への銃撃事件 (8月)、アフガニスタン総領事誘拐事件(9月:依然として行方不 明)、また、11月に入ってからは、カナダ人ジャーナリスト誘拐事 件(依然として行方不明)、米国系援助団体職員(米国人)射殺事 件、イスラム税担当大臣親族誘拐事件、イラン人外交官誘拐事件 (依然として行方不明)、及び邦人記者銃撃事件(以上11月)が発 生しており、外国人をも標的とした犯罪が続いています。また、 2008年6月には、FATAハイバル管区でのミリタント掃討作戦の影響 から、ペシャワル市内で最高度厳戒態勢が敷かれました。さらに は、同市はミリタントの活動が活発なFATA、北西辺境州西部及び南 部とも隣接していますので、隣接している地域の治安情勢にも十分 注意を払う必要があります。さらに、2009年に入り同市において は、ハイバル管区トルハム国境検問所との間を結ぶ幹線道路でアフ ガン駐留外国軍向け車両に対する爆破テロが発生し、多くの死傷者 が出ています。また、同市郊外にある輸送ターミナルにおいてタリ バーン戦闘員による襲撃があり、アフガン駐留外国軍向け補給物資 を運ぶ車両が破壊される事件が多発しており、パキスタン南西部を 経由するアフガンへの補給路が一時停止されています。 最近では、2009年5月16日、同市旧市街において車両に仕掛けら れた爆弾が爆発し、スクールバスを含む18台の車両が巻込まれ、多 数の死傷者が生じました。また、同22日、映画館前に停車してあっ た車両が爆発し、10人以上が死亡、75人が負傷しています。 さらに、同28日、同市内繁華街において、ほぼ同時刻に2件の爆 破テロ事件が発生し、6人が死亡、100人前後の負傷者が出ていま す。 最も大規模な自爆テロ事件としては、同年6月9日、同市中心部に あり、外国人の利用も多いパール・コンチネンタル・ホテルにおい て、爆発物約500キロを積んだ小型トラックによる自爆テロ事件が 発生し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員等外国人3人を含 む15人が死亡、外国人を含む55人が負傷し、同ホテル建物も甚大な 被害を受けています。同市においては、ホテルや商店が立ち並ぶ市 内中心部の繁華街において、連続して爆弾テロが発生しており、多 くの一般市民が巻き添えになっています。つきましては、上記概況 に十分留意し、同地域への渡航は延期されるようお勧めします。ま た、滞在中の方は、今後、急速に治安が悪化する可能性があります ので、不測の事態に巻込まれることのないよう退避を含め危険回避 を真剣に心掛けてください。 (b)バロチスタン州のデラ・ブグティ郡及びコールー郡、シンド州の ジャコババード郡 これらの地域では、反政府武装民がテロ行為を続けています。一 般住民にも被害が発生しており、治安状況回復の兆しはみられませ ん。 バロチスタン州のデラ・ブグティー郡及びコール郡の反政府武装 民が、同州とシンド州境界周辺を往来したり、ジャコババード郡内 に流入してきており、治安は非常に不安定となっています。つきま しては、上記概況に十分留意し、同地域への渡航は延期されるよう お勧めします。また、滞在中の方は、今後、急速に治安が悪化する 可能性がありますので、不測の事態に巻込まれることのないよう 退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。 (ロ)イランとの国境付近、バロチスタン州クエッタ市 :「渡航の延期をお勧めします。」 (a)イランとの国境付近一帯 イランのシスターン・バルチスタン州を含む東部地域では、治安 当局による大規模な麻薬掃討作戦が展開されており、武装した麻薬 密売グループとの間で激しい衝突が発生しています。これら麻薬密 売グループは、イラン、パキスタン及びアフガニスタンの間で越境 を繰り返していると言われています。 特に、シスターン・バルチスタン州では、外国人が誘拐される事 件や車両襲撃事件も多発していますので、陸路によるイラン入国は 厳に差し控えてください。 (b)バロチスタン州クエッタ市 クエッタ市では、以前から反政府武装民によるテロ事件が多発し ており、2008年以降もこの傾向に変化はみられません。特に政府関 係者、治安機関員を狙い、二輪車を使用して銃撃を加えて暗殺を敢 行するテロ行為が頻発しており、発砲の流れ弾により一般通行人に も被害が及ぶ事案も起きています。さらに、シーア派とスンニ派の 宗派間抗争と見られる事件も発生し、モスクや神学校に対する爆弾 テロ事件も起きています。また、一般街頭犯罪も増加傾向にあり、 治安情勢が良好とは言えません。 特に、バロチスタン州においては、バローチ民族主義を標榜する 過激武装組織が複数活動しているほか、アフガニスタンとの国境に 近いクエッタ市においては、タリバーンの構成員が潜伏していると の情報もあります。最近、パキスタン外務省から、同州の脅威度が 高まっている旨の情報も届いていますので、やむを得ず同州へ渡航 する場合には十分な安全対策を講じてください。
(3)イスラマバード首都圏、パンジャブ州のラワルピンディ市及びラホー ル市、北西辺境州のアボダバード郡、バタグラム郡、ハリプール郡、コ ヒスタン郡、マンセーラ郡及びチトラル郡(アフガニスタンとの国境付 近を除く)、AJK(管理ライン付近を除く)、バロチスタン州(アフガ ニスタン及びイランとの国境付近一帯、デラ・ブグティ郡、コールー 郡、クエッタ市を除く)、シンド州(ジャコババード郡を除く)、 :「渡航の是非を検討してください。」 (イ)イスラマバード首都圏 イスラマバード首都圏では、2007年7月に、ラール・マスジッド(赤 いモスク)事件により多数の死傷者が生じ、また、政治集会を狙った 自爆テロや外国人も利用するアッパラ・マーケット付近での自爆テロ も発生しました。その後、2008年2月の総選挙を経て、同年3月のギラ ーニ内閣成立後は、同年3月に市内中心部にある外国人がよく利用す るイタリア・レストランで爆弾爆発テロ(1人死亡、日本人2人を含む 15人以上負傷)が発生したものの、比較的安定した状態を保ってい ました。 しかしながら、同年6月、市内のデンマーク大使館に対する車両爆 弾テロ(6人死亡、35人程度が負傷)が、同年7月には、ラール・マス ジッド事件の追悼集会が行われていた会場付近で警察官を標的とする 自爆テロ(21人死亡、73人負傷)が発生しました。また、同年8月に は、市郊外のワー地区にある軍需工場付近での2件の連続爆弾テロと、 シハラ地区で爆弾爆発事件が発生し、多数の死傷者が生じました。 さらには、同年9月、外国人が頻繁に利用する市内最高級ホテルた るマリオット・ホテルに対する車両爆弾自爆テロにより、チェコ大使 を始め外国人4人を含む53人以上が死亡、外国人11人を含む266人が負 傷したほか、同ホテルもほぼ全焼するという事件が発生しています。 その後も、H11地区の警察施設や2009年に入ってからはG7地区のシト ラ市場近くの警察施設、F7地区辺境警備隊宿営地、F8地区警察庁庁舎 における自爆テロ等、イスラマバード市内において多数自爆テロ事件 が発生しており、軍事掃討作戦への報復として引き続き都市部におけ るテロの発生が懸念されています。 (ロ)ラワルピンディ市 イスラマバードに隣接するラワルピンディ市では、2007年10月に、 地方裁判所近辺で自爆テロが、同年11月には、軍関連施設に対する連 続爆弾テロが発生し、多数の死傷者が出ました。更には、同年12月、 リヤカット公園でブットー元首相を狙った銃撃・自爆テロが発生し、 同元首相を含む少なくとも22人が死亡し、多数の負傷者が生じまし た。また直後に、同事件を受けて、市内を始めパキスタン各地で暴動 などが起き、甚大な被害が生じました。 ラワルピンディ市では、その後も、2008年2月には軍医大バスや軍 幹部を狙った自爆テロ事件、同年6月には、ムシャラフ元大統領を標 的としたとされる自爆テロ要員3人を含む6人が逮捕され、約1,100キ ログラムの爆発物が押収された事件が発生しており、2009年3月には バスターミナルにおいて自爆テロにより多数の死傷者が出る事件が発 生しています。 なお、両市街地では、強盗、窃盗事件や銃発砲事件などの一般犯罪 も頻発していますので、特に、早朝・深夜の外出、人通りの少ない道 の通行は避けるなど一般犯罪対策にも十分心掛ける必要があります。 (ハ)ラホール市 ラホール市は、パキスタンの主要都市の中ではこれまで比較的治安 が安定しているとされていましたが、2008年に高等裁判所前での警察 官を狙った自爆テロ(1月)、海軍学校内での自爆テロ(3月)、連邦捜 査庁庁舎内での自爆テロ及び高級住宅街での連続爆発事件(3月)、警 察署付近における自爆テロ(5月)が発生したほか、最近では、同市中 心部においてクリケットのスリランカ・チームを乗せた車両が待ち伏 せ攻撃を受け、警官6人と一般市民2人が死亡、選手2人が負傷する事 件が発生しています(後に、FATAへの米国の無人偵察機による空爆に 対する報復テロである旨犯行声明が出ました)。また、同市郊外にあ る警察訓練センターを武装集団が襲撃し、警官を人質に長時間立てこ もり、軍の支援を受けた治安部隊との間で激しい銃撃戦が行われ、少 なくとも19人が死亡、警官90人が負傷する事件が発生しています。 さらに、2009年5月、同市中心部にある警察及び軍統合情報部(ISI) の施設付近で、武装集団による襲撃と車両爆弾テロが発生し、警察施 設が倒壊し、約30人が死亡、約250人が負傷する事件が発生しました が、北西辺境州スワートにおける軍事作戦への報復である旨犯行組織 から声明が出されており、引き続き都市部への報復テロの可能性が懸 念されていますので、十分な注意が必要です。 (ニ)北西辺境州のアボダバード郡、バタグラム郡、ハリプール郡、コヒ スタン郡、マンセーラ郡及びチトラル郡(アフガニスタンとの国境付 近を除く) 北西辺境州東部の同地域では、2007年7月以降、過激派等によるテ ロや抗議行動が一時頻発しました。これ以降は、バタグラムで米国系 NGO宿舎への爆弾テロ(3人負傷、2007年10月)、マンセーラで欧州系 NGO事務所襲撃事件(3人死亡、8人負傷、2008年2月)などが発生して いますので、引き続き注意が必要です。 (ホ)AJK(管理ライン付近を除く) AJKは、北西辺境州東部と隣接しているため、マンセーラなど隣接 地域の情勢に注意を払う必要があります。なお、AJK全域は旅行制限 地域となっており、AJKに立ち入るためにはパキスタン内務省の許可 を取得する必要があります。 (ヘ)バロチスタン州(アフガニスタン及びイランとの国境付近一帯、デ ラ・ブグティ郡、コールー郡、クエッタ市を除く) バロチスタン州においては、バローチ民族主義を標榜する過激武装 組織が複数活動しているほか、最近、パキスタン外務省から、同州の 脅威度が高まっている旨の情報も届いていますので、やむを得ず同州 へ渡航する場合には十分な安全対策を講じてください。 (a)シンド州との州境付近 シンド州とバロチスタン州を結ぶ交通要所の街ハブでは、2007年 7月、中国人技術者を狙った自爆テロが発生し、中国人は被害を逃 れたものの、一般通行人に多数の被害者が出ました。その後も、時 限爆弾や手榴弾を使用したテロ事案が頻発し、反政府武装民が時折 犯行声明を出しています。ついては、同街への立ち寄りはできるだ け避けることをお勧めします。やむを得ずハブに立ち入ったり、同 街を通過する際には、細心の注意を払い、警備員を常時同行させる などの安全対策を講じてください。 (b)上記(a)を除く地域 クズダール、トゥルバット、グワダル、スイビー、マストゥン グ、ヌシキ等においても、反政府闘争路線を継続する武装民による 爆破テロや政府関係者、治安機関員への銃撃事案が発生しています。 幹線道路付近には地雷が埋設され、この爆発による被害も発生して います。やむを得ずこれらの地域に立ち入る際には、細心の注意を 払い、警備員を車両に同乗させる等の安全対策を講じることをお勧 めします。なお、クエッタ市と主要幹線道路を除く同州全域は旅行 制限地域となっており、これらの地域に立ち入るためにはパキスタ ン内務省の許可を取得する必要があります。 (ト)シンド州(ジャコババード郡を除く) 同州内陸部における警察の武装強盗団(ダコイト)取締り強化と 高速道路警察隊の幹線道路パトロール強化が実施されておりますが、 依然として強盗等の凶悪犯罪の発生は続いており、時には地方部族同 士の土地問題等を原因とする衝突も発生して死傷者が出ています。し たがって、同州内陸部を移動する場合は、可能な限り空路を利用し て、陸路での移動時間を減らすとともに、陸路での移動は夜間帯を避 け、警備員を複数つける等の防犯措置を必ず取るようにしてくださ い。 (a)カラチ市 (i)2007年12月のブットー元首相暗殺直後から、PPP党員の抗議行動 を発端として、カラチ市内全域に暴動が拡大して、強盗、略奪、 殺人等が発生し、死者40人以上、負傷者多数、車両放火1,000台 以上等の大きな被害が生じました。その後も、カラチ市内の複数 の政治組織間による対立や、民族間の対立が激化してきており、 多数の殺人事件、傷害事件が発生し、これを起因とする小中規模 の暴動も市内各地で散発的に発生しています。2009年において も、同様の対立を起因とする暴動が発生しており、4月には3日間 で50人以上、6月初旬にも30人以上が死亡する事案が発生してい ます。 更には、同年5月下旬、カラチ市内の慢性的な電力不足に激高 した多数の市民による暴力行為(車両への投石や放火等)が発生 する等、カラチ市内は、政情不安定、経済状況不安定といった理 由から、いついかなる理由によっても大規模な暴動に発展しかね ないという危険性が潜在的に存在しています。 (ii)また、一般犯罪についても、殺人、強盗、傷害等の凶悪犯罪発 生率は極めて高く、拳銃等の銃器を使用した強盗も多発していま す。街頭犯罪も依然増加傾向にあり、邦人が被害となる強盗事件 も発生しています。市内での行動については、安全に十分配慮の 上、夜間における単独での外出は避けてください。 最近、カラチ市内において大規模なテロ事件は発生しておりま せんが、同市は、パキスタン経済の中心都市であるとの理由か ら、テロの標的となりやすい国際空港、金融・商業施設、政府関 連施設、宗教施設、外交団施設及び高級ホテルが多数存在してお り、また、原子力発電所も立地しているとの状況にかんがみて も、十分注意する必要があります。 (b)ハイデラバード市 以前は市郊外の主要幹線道路で武装強盗団(ダコイト)による強 盗事件が多発していましたが、警察による取締り強化の結果、現在 発生件数は相当減少しています。しかし、夜間は犯罪被害に遭う可 能性が依然として高いので、夜間の移動は差し控えることをお勧め します。
(4)パンジャブ州(ラワルピンディ市、ラホール市を除く)、北方地域 (アフガニスタンとの国境付近一帯、管理ライン付近を除く) :「十分注意してください。」 (イ)パンジャブ州(ラワルピンディ市、ラホール市を除く) パンジャブ州の治安情勢は、パキスタンの他の地域に比べれば比較 的安定しているとされていましたが、最近、以下のような事件等が発 生していますので、警戒が必要です。 パンジャブ州各地で、武装強盗団(ダコイト)が出没しています。 特に、シンド州との州境付近でその頻度が高いので、夜間の通行は避 けてください。 (ロ)北方地域(アフガニスタンとの国境付近一帯、管理ライン付近を除 く) 北方地域は、5つの8,000m峰と数多くの7,000m峰が連なるパキスタ ン有数の観光地であり、例年、多くの外国人(特に日本人)旅行者が 訪れています。同地域でかつて頻発していた宗教間抗争も現在は収ま り、テロもほぼ皆無で治安は安定しています。しかし、同地域は道路 事情が極めて悪く、落石や土砂崩れにより旅行者が死亡するケースも 発生しています。また、北方地域への主要幹線道路であるカラコル ム・ハイウェイでは、特に雨季の期間(7月〜8月)、土砂崩れ等によ り道路が通行止めになることがよくありますので、陸路での移動を検 討される場合には、事前に道路の状況や治安情勢などを十分確認され ることをお勧めします。
3.滞在に当たっての注意 上記1.概況(5)のほか、下記の事項にも十分留意して行動し、危険 を避けるようにしてください。 なお、パキスタンに渡航する際の一般的 な注意事項、主要都市の犯罪傾向については、「安全対策基礎データ」を 御参照ください。 (1)渡航者全般向けの注意事項 (イ)夜間の単独での外出は極力避けてください。特に女性は注意が必要 です。また、主要都市を除いては宗教上保守的な地域が多いので、外 出の際には男女ともに服装に気を付けるなど、現地の習慣を尊重する ことが必要です。 (ロ)夜間に陸路を移動する場合には、短距離であってもタクシーや路線 バスを利用せず、安全で確実な交通手段を確保するようにしてくださ い。 (ハ)長距離を移動する際には、陸路を避け空路を利用してください。特 に、陸路による夜間の長距離移動は、武装強盗団が出没するおそれが ありますので、極力控えてください。 (ニ)大麻、アヘン、ヘロイン等の麻薬の売買、所持、使用等は法律で厳 しく罰せられます。 (ホ)仏像等の骨董品の国外持出しは禁止されています。 (ヘ)パキスタン国内では、空港、橋梁、軍事施設など写真撮影を禁止さ れている場所が多数存在します。
(2)長期滞在者向けの注意事項 (イ)現地に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですの で、到着後遅滞なく在パキスタン日本国大使館(滞在先がパンジャブ 州、北西辺境州、北方地域、AJKの場合)、又は在カラチ日本国総領 事館(滞在先がシンド州、バロチスタン州の場合)に「在留届」を提 出してください。 また、住所その他の届出事項に変更が生じたとき、あるいはパキス タンを去る(一時的な旅行を除く)ときは、必ずその旨を届け出てく ださい。 なお、在留届は、在留届電子届出システム(ORRネット http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。ま た、郵送、FAXによっても行うことができますので、在パキスタン日 本国大使館又は在カラチ日本国総領事館まで送付してください。 (ロ)自宅や職場の周辺で不測の事態が起きた場合は、事態が収まるまで その場に待機するとともに、在パキスタン日本国大使館又は在カラチ 日本国総領事館に連絡してください。 (ハ)使用人を雇う際は、使用人が手引きする犯罪も発生していますの で、身元の確かな人物を雇用することが大切です。また、解雇する場 合でも円満な形で解雇することが重要です。
(3)なお、隣国のアフガニスタン、イラン、インド、中国に対しても、各 々渡航情報が発出されていますので、これらにも御留意ください。
(問い合わせ先) ○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く) 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140 ○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ) 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3100 ○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等) 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902 ○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/ http://www.anzen.mofa.go.jp/i/ (携帯版) ○在パキスタン日本国大使館 住所:Plot No. 53-70, Ramna 5/4, Diplomatic Enclave 1, Islamabad, Pakistan 電話: (92-51) 907-2500 FAX : (92-51) 907-2352 ホームページ http://www.pk.emb-japan.go.jp ○在カラチ日本国総領事館 住所:6/2 Civil Lines, Abdullah Haroon Road, Karachi, 75530, Pakistan 電話: (92-21) 522-0800 FAX : (92-21) 522-0820
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